腹痛の症状が出ているとき、食欲が湧かないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、それに反して何かお腹に入れておいた方が良いのではと思うこともありますよね。
そんな時もし食べるとしたら、どのような食べ物が適しているのでしょうか?また、体調が悪いときは「お粥」が良いという噂をインターネットなどで目にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、腹痛のときも同じなのか気になりますよね。
そこで今回は、「腹痛時に適した食べ物は何か」について、一般内科医、消化器内科医、消化器外科医、総合診療科医の計526名に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年7月25日〜7月26日にかけて行われ、一般内科医、消化器内科医、消化器外科医、総合診療科医の計526名から回答を頂きました。
腹痛時に適した食べ物は何?
「腹痛時に適した食べ物は何ですか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。
- 穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)
- 魚介類(脂肪の少ない白身魚等)
- 肉類(脂肪の少ない赤身肉、鶏のささみ等)
- 卵類(卵)
- 大豆製品(豆腐等)
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト等)
- 野菜・いも類(大根・キャベツ・じゃがいも等)
- 果物(りんご・バナナ等)
- 脂肪類(バター・マヨネーズ等)
- その他
以下が結果となります。
調査の結果、腹痛時に適した食べ物は、「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」が圧倒的な支持を集め、その後に「果物(りんご・バナナ等)」、「魚介類(脂肪の少ない白身魚等)」が続きました。多くの医師は、穀物類が腹痛時に最適だと考えていることがわかります。
それでは、それぞれの回答をした医師のコメントを見ていきましょう。
穀物類が良いと考える理由とは
- 40代男性 消化器外科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
基本、消化に良いものが良いと思います。 - 30代女性 総合診療科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
負担や刺激の少ないものが良いです。 - 40代男性 一般内科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
お粥か重湯か、雑炊が一番です。 - 60代男性 一般内科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
脂肪分の少ないもの、カロリーの低めのものが良いように思います。 - 40代男性 消化器外科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
消化に負担をかけないもの、蠕動を亢進しないもの、刺激の弱いものですかね。 - 50代男性 総合診療科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
冷たくない水分の摂取と、消化の良い食べ物の摂取を勧めます。 - 40代女性 一般内科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
基本的には飲水励行で食事は無理にすすめません。 - 60代男性 一般内科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
消化がよく胃に負担がかからなければ好きなものを食べて良いですが、少量で栄養価が高いもの、加熱した温かいものを推奨します。 - 60代男性 一般内科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
お粥やうどんなどは水分が多く、刺激もなく水分補給にもなると思います。 - 60代男性 総合診療科 「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」
やわらかい炭水化物が良いのではないでしょうか。
穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)が良いとのコメントでは、最適な食べ物の特徴として、胃に負担がかからない、柔らかい、あっさりしている、蠕動を亢進しない、刺激が弱いといったことが挙げられました。
これらの特徴を見ると、消化に良く、お腹に負担がかからないものが良さそうということがわかります。
具体的な食べ物については、選択肢にある通り「お粥」や「うどん」のほか、「重湯」、「雑炊」が良いとの意見が見られました。
また、同時に冷たくない水分の摂取を勧める声もあります。脱水にならないために水分補給も大切なようです。
果物と回答した理由とは
- 40代男性 消化器内科 「果物(りんご・バナナ等)」
消化がよく、便の量を増やさないものが良いと思います。 - 40代男性 一般内科 「果物(りんご・バナナ等)」
吸収されやすいものが良さそうです。 - 50代男性 一般内科 「果物(りんご・バナナ等)」
患者様が好きなものの中で、刺激が少なく、消化が良いものを薦めます。 - 40代男性 総合診療科 「果物(りんご・バナナ等)」
胃に負担をかけない方が良いですよね。 - 40代男性 一般内科 「果物(りんご・バナナ等)」
ジュースでも良く、特にりんごがおすすめです。 - 50代男性 一般内科 「果物(りんご・バナナ等)」
リンゴのすりおろしやお粥などが良いでしょう。
「果物(りんご・バナナ等)」との回答でも、胃に負担をかからない、刺激が少ないことが良いとのコメントが見られた上、吸収されやすいもの、便の量を増やさないものが良いとのコメントが寄せられています。
また、最適な果物としては「りんご」が挙げられ、リンゴのすりおろしやジュースでも良いとのアドバイスも頂きました。
りんごジュースであれば、腹痛時でも手軽に摂取できそうなので、試してみても良いかもしれませんね。
魚介類を推奨する医師
- 50代男性 一般内科 「魚介類(脂肪の少ない白身魚等)」
火を通して脂身の少ないものが良いです。 - 60代男性 一般内科 「魚介類(脂肪の少ない白身魚等)」
肉は避けてお魚を勧めます。 - 30代男性 消化器外科 「魚介類(脂肪の少ない白身魚等)」
脂肪負荷は少ない方が良いと思います。 - 50代男性 消化器外科 「魚介類(脂肪の少ない白身魚等)」
脂肪の少ない白身魚等が良いと思います。 - 40代男性 一般内科 「魚介類(脂肪の少ない白身魚等)」
魚介類のあっさりしたものが良いです。
最後に、魚介類と回答した医師のコメントからは、脂肪負荷が少なく、火を通して脂身の少ないものが良いとの声が寄せられました。
脂肪分も腹痛にはあまり良くないようです。魚介類のなかでも、「白身魚」が最適なものとして挙げられており、逆に肉は避けるようにと指摘する意見もありました。
そもそも食べないことを勧める医師も
- 50代男性 消化器内科 「その他」
お腹の調子が悪い時は基本食べない。水分系をとるのみです。 - 50代男性 消化器外科 「その他」
腹痛時は基本絶食で経過を見ます。 - 60代男性 消化器外科 「その他」
胃腸を休めるのが良いと思います。 - 50代男性 消化器内科 「その他」
理由が明確になるまでは食べない方が安全です。 - 50代男性 一般内科 「その他」
基本的には食べない方が良いです。でも食べるならゼリーですかね。
一方、その他の回答した医師のなかには、むしろ「食べないほうが良い」と考えるコメントが散見されました。
胃腸を休めることや、腹痛の理由が明確になるまで食べない方が安全といったことが理由のようです。
摂るならば水分のみに留めておいた方が良く、食べるならゼリーが良いとのアドバイスもいただきました。
このようなことを考えると、腹痛時には無理に食べない方が良いのかもしれません。
そこまで食欲がないような場合は、無理して食べずに水分補給のみ行なうようにしてみてはいかがでしょうか。
腹痛時に食べるならお粥・うどんなどがおすすめ!しかし、無理して食べる必要はなさそう
本調査によれば、腹痛時に適した食べ物は、「穀物類(お粥・うどん等やわらかいもの)」と考えている医師が最も多く、次に「果物(りんご・バナナ等)」、「魚介類(脂肪の少ない白身魚等)」が続きました。
これらが適している理由として、柔らかく、胃に負担がかからないといったことが挙げられています。
腹痛時にお腹が空いた場合は、胃に負担がかからないよう、本調査結果を参考にしてみてください。
しかし、腹痛時にはなるべく食べない方が良いとの見解も見られることから無理に食事を摂る必要はないようでした。
ただ、その場合は脱水症状を引き起こさないよう、水分補給を意識することが大事そうです。