視野が欠ける症状で考えられる病気って何?病院は行ったほうが良いの?眼科医198人に聞いてみました

男性の目
視野の一部が欠ける症状で受診される患者さんの中で多い疾患は何かという質問について、「網膜剥離」との回答が一番多く、次に「緑内障」、「網膜動脈閉塞症」が続きました。「網膜剥離」と「緑内障」はどちらも過半数を占める票を得ていることが分かります。また病院を受診すべきだと思いますかという質問については、「すぐに受診すべき」と回答している医師が一番多く、次に「症状が続くなら受診すべき」が続きました。この中でも「すぐに受診すべき」との回答が飛び抜けて高く医師の支持を受けています。視野の一部が欠ける症状が出た際は、速やかな医療機関の受診を検討した方が良さそうです。
目の不調
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視野が欠ける症状を経験したことはありますか。
日常生活を行う上で、見える範囲が今までに比べて狭くなってしまうと大きな障害になってしまうかと思います。
視野が欠ける症状があると、何か悪い病気にかかっているのではないか、さらに病院へは行った方がいいのか、気になることも多いですよね。

そこで今回は、視野が欠ける症状がある場合に考えられる病気は何か、病院は受診した方が良いのかどうかを眼科医198人に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年8月15日~2018年8月16日にかけて行われ、眼科医198人から回答を頂きました。

どんな病気が多いの?

まずは、「視野の一部が欠ける症状で受診される患者さんの中で多い疾患は何ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 網膜剥離
  • 緑内障
  • 網膜動脈閉塞症
  • 脳梗塞
  • 脳腫瘍
  • 加齢黄斑変性症
  • 視神経炎
  • 中心性漿液性網脈絡膜症
  • 片頭痛
  • 屈折異常
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「網膜剥離」との回答が85%と一番高く、次に「緑内障」、「網膜動脈閉塞症」が続きました。この結果から「網膜剥離」と「緑内障」は過半数を占める得票率があり、頻度の高い疾患であることがうかがえます。
まず上位の疾患についての概要をおさえた後に、医師のコメントを見ていきましょう。

網膜剥離とは

網膜は光を感じてそれを伝える神経網膜と、その土台になっている網膜色素上皮の二層に分かれていて、神経網膜がその下の色素上皮から剥がれるのが網膜剥離です。

引用:網膜剥離|日本眼科医会

緑内障とは

緑内障は、“視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患”と定義されています。これはつまり何らかの原因で視神経が障害され視野が欠けていく病気ということです。

引用:緑内障|中野区医師会

網膜動脈閉塞症とは

突然におこる急激な高度の視力低下を主な症状とします。片眼性がほとんどですが、まれに両眼性に発症することもあります。発症前にしばらく視力低下が短時間(数十秒から数分のこともある)に起こり、その後回復するなどの症状の後に発症することもあります。眼底は網膜の血流が悪くなり浮腫(むくみ)を来たし、時間が経つと壊死に陥って視力は戻らなくなります。

引用:網膜動脈閉塞症|関西医科大学附属病院

網膜剥離の可能性が高い

  • 30代男性 眼科 「網膜剥離」
    頻度的には網膜剥離が多いです。
  • 40代男性 眼科 「網膜剥離」
    片目なら網膜剥離、両目なら脳梗塞が頻度高いです。
  • 50代男性 眼科 「網膜剥離」・「脳梗塞」
    網膜剥離で視野が欠けると重症の場合があります。
  • 60代男性 眼科 「網膜剥離」
    視野が欠ける疾患は多いですが、自分で視野が欠けると言って受診するのは網膜剥離が最多です。
  • 40代男性 眼科 「網膜剥離」・「網膜動脈閉塞症」・「視神経炎」
    網膜剥離は急激な視野欠損を引き起こします。
  • 60代男性 眼科 「網膜剥離」・「視神経炎」
    急性は網膜剥離や視神経炎を疑います。
  • 50代男性 眼科 「網膜剥離」
    わりとハッキリ症状を述べられる事が多いと思います。

医師の回答を見ると、「網膜剥離」との声が多数挙がっていました。
コメントで目立ったのは、網膜剥離の場合、視野が欠けるという自覚症状がはっきりとあるのが特徴のようです。

また、片眼のみの症状の場合も網膜剥離であるケースが多いようです。
一方で、両目の視野が欠ける場合、脳梗塞の可能性があるというコメントもありました。
自覚のある視野欠損が見られる際は、自己判断せずに病院を受診した方がいいかもしれません。

緑内障であるケースも

  • 50代女性 眼科 「緑内障」
    緑内障の視野狭窄が多いです。
  • 40代男性 眼科 「緑内障」・「網膜剥離」・「網膜動脈閉塞症」
    緑内障は、初期は自覚ありませんが、動脈閉塞は初期から自覚があります。網膜剥離はその日に緊急手術を行う場合があります。
  • 40代男性 眼科 「緑内障」
    緑内障などはふとした時に気がつく方が多く、中等度以上進行していても気がつかない方が多いため、眼科医の啓蒙活動は大切です。
  • 60代女性 眼科 「緑内障」・「網膜剥離」・「加齢黄斑変性症」・「網膜動脈閉塞症」
    緑内障など慢性疾患は視野障害としての自覚が乏しいです。
  • 50代男性 眼科 「緑内障」
    一番多いのは、緑内障で注意必要です。
  • 40代男性 眼科 「緑内障」・「網膜剥離」・「中心性漿液性網脈絡膜症」
    緑内障の場合は自覚症状があって、受診する場合、かなり進行していることが多いです。

次にコメントで多かったのは、「緑内障」との意見です。一番多いのは緑内障とするコメントもあり、比較的身近にある病気と言えるかもしれません。
また、緑内障の場合だと初期は自覚症状があまりないようで、ふとした時に視野がかけていることに気がつくケースが多いようです。さらに、視野の異常に気付いたときは、既に症状が進行している場合が多いようでした。
なるべく早期発見するためにも、普段から目の見え方に異変はないか注意することや眼科で確認してもらうことが大事そうですね。

病院は行った方が良いの?

続いて、「視野の一部が欠ける症状がある場合、病院を受診すべきだと思いますか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • すぐに受診すべき
  • 症状が続くなら受診すべき
  • どちらでもよい
  • 受診の必要はない

以下のグラフが結果となります。

こちらの調査では、「すぐに受診すべき」と回答している医師が78%と一番多く、次に「症状が続くなら受診すべき」が続きました。
この結果から、ほとんどの医師が病院の受診はした方が良いと考えていることが分かります。
それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

病院の受診を検討しよう

  • 30代男性 眼科 「すぐに受診すべき」
    すぐに治療を開始しないといけない疾患があります。
  • 60代女性 眼科 「すぐに受診すべき」
    すぐ受診することを勧めます。
  • 50代女性 眼科 「すぐに受診すべき」
    緊急性が高い疾患が多いです。
  • 50代女性 眼科 「すぐに受診すべき」
    原因が分からないかぎりは、すぐに受診をしましょう。
  • 40代女性 眼科 「すぐに受診すべき」
    網膜剥離は進行します。剥離の範囲が予後に関わります。
  • 50代男性 眼科 「すぐに受診すべき」
    放置しない方がよいと思います。
  • 50代女性 眼科 「すぐに受診すべき」
    早めに診断をつけて、早めの治療開始が必要でしょう。
  • 30代女性 眼科 「すぐに受診すべき」
    早期発見、早期治療が大切です。

一番多く見られたコメントは、「すぐに受診すべき」というものでした。

目の病気にはすぐに対処した方がいい疾患もあり、そのためにも受診は早い方がいいとの意見が目立ちました。
他の病気にも当てはまりますが、特に網膜剥離は対応が急がれるとする医師の方のコメントが見られました。
やはり早期発見、早期治療が回復への近道のようです。
見え方に何か異変があったら、とりあえず眼科の受診を検討することが大事そうです。

まずは症状が続くか様子を見よう

  • 50代男性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    直ぐに症状が改善するなら片頭痛の閃輝性暗点もあり得ますが、せいぜい持続は20~30分ですそれ以上持続する時は可能なら受診すべきだと思います。
  • 50代男性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    一過性のもので良くなることもあるので、続けば受診しましょう。
  • 30代女性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    症状が続くなら受診すべきです。
  • 30代女性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    原因疾患によりますが、一時的なものでなければ数日以内には受診が望ましいです。
  • 40代女性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    一時的なものなら緊急性はなさそうだなと考えます。
  • 40代男性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    脳疾患が隠れていることがあるので、症状がおさまらない場合は受診が望ましいです。
  • 50代男性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    通常の診療時間内で受診すべきです。大抵が視野検査や画像検査が必要になります。
  • 50代男性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    数分を争うものは少ないですが、脳出血や、脳梗塞では急ぐ場合があります。
  • 40代男性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    偏頭痛による症状は数十分で消失するはずです。それでも続く場合は眼科へ行きましょう。
  • 50代男性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    夜間帯での受診は必要ありませんが、診察時間内であれば受診すべきです。
  • 50代男性 眼科 「症状が続くなら受診すべき」
    網膜動脈分枝閉塞症はすぐに受診すべきですが、他は半日くらい様子をみても良いかと思います。

次にコメントで多かったのは、「症状が続くなら受診すべき」とする意見です。
医師からのコメントに閃輝性暗点、網膜動脈分枝閉塞症という言葉が出てきたので概要を先におさえましょう。

閃輝性暗点とは

閃輝暗点は、両目の視野の一部に突然ピカピカと光るぎざぎざ模様が見える症状で、ぎざぎざ模様の中は見えにくくなりますが、20分くらいで目の症状は治まります。症状が治まったあとで片頭痛が起こることが多く、片頭痛は2-3日続くこともあります

引用:閃輝性暗点|兵庫県医師会

網膜動脈分枝閉塞症とは

網膜動脈の枝の血管が閉塞してしまうのが、網膜動脈分枝(ぶんし)閉塞症です。血液が届かないのは血管が閉塞した箇所から先の網膜だけで、それ以外の網膜の機能は残ります。自覚症状は、閉塞して虚血に至ってしまった網膜の部位に相当する視野欠損(視野が欠ける)がみられます。視力は、黄斑に影響なく正常であれば低下しませんが、視力が1.0もあるのに常に足元が見えない、といった状態になります。ただし、黄斑に影響する血管が閉塞してしまうと、著明な視力低下をきたしてしまいます。

引用:網膜動脈分枝閉塞症|関西医科大学

片頭痛に伴う閃輝性暗点の場合でも、視野に支障がでるのは数十分以内のようです。
それ以上症状が続くようであれば、病院の受診を検討した方がよいという医師のアドバイスがありました。
医師のコメントにもありますが、眼科のある病院に行けば視野検査や画像検査といった検査で目などに異常がないか調べることができます。

また、ケースとしては多くないようですが、網膜動脈分枝閉塞症の場合はすぐに受診をすべきとの意見もありました。
さらに、その他のコメントでは脳出血、脳梗塞といった脳の病気の可能性も示唆されています。
いずれにしても、なるべく早期の発見、対処がとても大事になってきそうですね。

視野が欠ける場合、網膜剥離・緑内障などの可能性あり。病院の受診も検討を

本調査によると、視野の一部が欠ける症状で受診される患者さんの中で多い疾患は、「網膜剥離」との回答が一番高く、次に「緑内障」、「網膜動脈閉塞症」が続きました。
医師のコメントによれば、病気によって自覚症状が出るタイミングは様々のようです。どちらにしても一時的ではなく症状が続くような場合は要注意なようでした。

また病院を受診すべきだと思いますかという質問については、「すぐに受診すべき」と回答している医師が一番多く、次に「症状が続くなら受診すべき」が続きました。
視野が欠けるといった症状がある場合は、対応が急がれるケースが多いようです。
原因を特定し、今後の対応策をはっきりさせるためにも、眼科の受診は検討した方がよさそうです。

今回は、視野が欠ける症状の場合の考えられる病気は何か、病院は受診した方が良いのかを眼科医に聞いてみてきました。
もし視野が欠ける症状が現れた場合は、医療機関の受診に備えて、随伴する症状はないか、いつ頃から症状が出たかなど、医師に伝えることをまとめておきましょう。

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