高血圧の適した対処法は何?降圧薬による代表的な副作用は何なの?医師521人に聞いてみました

高血圧への対処
薬物療法以外で高血圧を改善するために適した対処法については、「塩分を制限する」との回答が一番高く、次に「体重を減量する」、「適度な運動をする」が続きました。これら上位3つの対処法はどれも過半数を占める医師の支持があり、どれを試してみても良さそうです。また、降圧薬による高血圧の治療を行う際に、比較的よく遭遇する薬の副作用については、「空咳」と回答している医師が一番多く、次に「局所性浮腫」、「電解質異常」が続きました。上位2つの副作用に対する医師の支持が特に高くなっています。降圧薬を処方された直後に空咳や浮腫が出る際は、副作用の可能性があるため、医師に相談することが大事そうです。
全身の不調の悩み
イシコメ運営事務局

多くの人が高血圧に頭を悩ませていると思います。
普段の生活に気を使っているつもりでも、なかなか血圧の値は思い通りにならないという方もおられるのでは?
少しでも血圧を適正な値にするために、何かできることはないか模索する人も少なくないでしょう。また、人によっては降圧薬を飲んでいるという方もいると思いますが、副作用についても気になるところです。

そこで今回は、一般内科、総合診療、循環器内科医521人に、高血圧の適した対処法は何か、降圧薬による代表的な副作用は何か聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年9月18日~2018年9月19日にかけて行われ、一般内科、総合診療、循環器内科医521人から回答を頂きました。

高血圧の適した対処法って何?

まずは、「薬物療法以外で高血圧を改善するために適した対処法は何ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 塩分を制限する
  • 体重を減量する
  • 適度な運動をする
  • 禁煙をする
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • ストレスケアをする
  • アルコールを控える
  • 非薬物療法は適さない
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「塩分を制限する」との回答が83%と一番高く、次に「体重を減量する」、「適度な運動をする」が続きました。
これら上位3つの対処法はどれも過半数を占める医師の支持があり、どれを試してみても良さそうです。なかでも、「塩分を制限する」は際立って多くの票が得られていました。

それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

食事の塩分摂取量を見直そう

  • 60代男性 一般内科 「塩分を制限する」
    塩分制限は効果があるかと思います。
  • 40代女性 総合診療科 「塩分を制限する」
    緊急でなければ食事療法から始めるのが良いと思います。
  • 30代男性 循環器内科 「塩分を制限する」
    塩分制限6g/dayが重要だと思います。
  • 60代男性 一般内科 「塩分を制限する」
    塩分の制限、カリウムを含む生野菜の摂取、減量が大切です。
  • 50代男性 一般内科 「塩分を制限する」・「非薬物療法は適さない」
    塩分を控えることは大事ですが、塩分を控えても血圧の高い人は相当数いますので、非薬物療法が適さない人も多いと思います。
  • 40代男性 循環器内科 「塩分を制限する」
    水分を取り込む力がある塩分こそ制限されるべきです。
  • 30代男性 一般内科 「塩分を制限する」
    日本人は塩分依存性の高血圧が多いと聞きます。
  • 30代男性 一般内科 「塩分を制限する」・「アルコールを控える」
    塩分や飲酒を控えることが大切です。
  • 30代男性 一般内科 「塩分を制限する」
    減塩はエビデンスのある治療法です。

医師の回答を見ると「塩分を制限する」との声が多数挙がっていました。

まずは、塩分とはどんなものなのかおさえましょう。

ナトリウム(塩分)とは

ナトリウムはカリウムとともに体内の水分バランスや細胞外液の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡、筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送などにも関与しています。また、水分を保持しながら細胞外液量や循環血液の量を維持し、血圧を調節しています。ナトリウムを過剰にとると、この液量が増大するため血圧が上がったり、むくみを生じたりします。

引用:ナトリウムの吸収と働き|公益財団法人長寿科学振興財団

塩を過剰に摂ると血圧が上がる原因になると明記されていますね。
医師からも減塩はしっかりとエビデンスのある治療法だとの心強いコメントもありました。

また、高血圧の対処に緊急性がなければ、まずは食事療法を取り入れても良いと考える医師も多くいました。
カリウムを含む生野菜の摂取もオススメのようなので、一緒に取り入れてみてはいかがでしょうか。

具体的な塩分摂取量の基準としては、6グラム/日が良いとのことでした。これは日本高血圧学会が推奨する基準でもあります。

1日の塩分摂取量について

高血圧の治療においては食塩制限が重要で,日本高血圧学会は1日6g未満を推奨しています。

引用:塩分摂取量|日本高血圧学会

まずは、この基準を目標に日々の食生活を見直しても良いかもしれませんね。

ただ一方で、塩分を控えても血圧の高い人は相当数いるそうで、非薬物療法が適さない人も多いみたいです。
減塩しても血圧にあまり変化がない場合は、医師に相談してみましょう。

適正な体重を心がけよう

  • 60代男性 一般内科 「体重を減量する」・「適度な運動をする」
    体重1キロで血圧が1下がると言われるほど体格・体重の影響が大きいですから、まずは痩せることが望ましいです。
  • 60代男性 一般内科 「体重を減量する」
    体重は高血圧にとって重要な要因です。
  • 50代男性 一般内科 「体重を減量する」
    体重が減ると血圧が下がります。
  • 60代男性 一般内科 「体重を減量する」
    肥満の人は体重を減らすと下がることがあります。
  • 50代男性 一般内科 「体重を減量する」
    減量するだけで人によりますが、20は下がります。
  • 30代男性 一般内科 「体重を減量する」・「適度な運動をする」
    塩分よりは運動や減量が良いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「体重を減量する」・「適度な運動をする」
    薬物治療以上の効果も期待できます。
  • 50代男性 一般内科 「体重を減量する」・「アルコールを控える」・「適度な運動をする」
    本来は薬物を用いない治療が王道です。
  • 30代男性 循環器内科 「体重を減量する」
    体重が落ちると、他の塩分やアルコールなども控えられます。

次にコメントで多かったのは、「体重を減量する」との意見です。
適正な体重よりも太り気味な方に限定されますが、肥満は高血圧を引き起こす重要な因子のようです。

さらに、体重1キロで血圧が1下がると言われるほどに体重と血圧は関係が深いようです。
より具体的にはどのような繋がりがあるのでしょうか。おさえておきましょう。

体重と血圧について

肥満は高血圧の大きな危険因子であることが明らかになっています。特に、内臓脂肪型肥満は血圧上昇と関連が深く、減量すると血圧が下がるという報告があります。また、心臓から送られる血液の量は体重に比例して増加するため、肥満は心臓にも負担がかかります。

引用:体重と血圧|東京都病院経営本部

内臓脂肪が多い方は、特に注意が必要そうですね。

本来は薬物を用いない治療が王道との医師のコメントにもあるように、日々の生活で出来ることをまずは取り入れてみましょう。

降圧薬による代表的な副作用は何?

続いて、「降圧薬による高血圧の治療を行う際に、比較的よく遭遇する薬の副作用は何ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 空咳
  • 局所性浮腫
  • 電解質異常
  • 徐脈
  • 血管浮腫
  • 腎機能障害
  • 高尿酸血症
  • 脱水
  • 耐糖能異常
  • 脂質異常
  • その他

以下のグラフが結果となります。

こちらの調査では、「空咳」と回答している医師が36%と一番多く、次に「局所性浮腫」、「電解質異常」が続きました。
上位2つの副作用に対する医師の支持が特に高くなっています。

まずは言葉の意味をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。

空咳について

乾いた咳(空咳)は痰の出ない咳です。かぜの場合が多いのですが、ときには間質性肺炎や肺がんのことがあります。その場合はレントゲンやCT検査でわかります。レントゲンで影がないのに咳が続く場合は、気管支炎が治った後に尾を引いていたり、なかには成人の百日咳やアトピー咳嗽がいそう、夜中から朝方に出やすい咳ぜんそくなどの病気が考えられます。

引用:空咳|日本医師会

電解質異常について

水分だけでなく、電解質と呼ばれる、ナトリウム(Na)やカリウム(K)なども、腎臓が適切に計算をして調節しています。体の中に入った塩分(ナトリウム)やカリウムは、そのほとんどが腎臓から排泄されます。そのため腎臓の機能が低下すると、その排泄が十分にできなくなります。排泄できる量より多く摂取してしまうと、塩分は水分と一緒になって「体液過剰」になり、カリウムは濃度が上がる「高カリウム血症」になります。「体液過剰」はむくみや高血圧などをもたらし、進行すると「うっ血性心不全」「肺水腫」になることもあります。

引用:電解質異常|東京女子医科大学病院

ACE阻害剤の副作用では空咳が多い

  • 60代男性 一般内科「空咳」
    降圧薬による高血圧の治療を行う際に、比較的よく遭遇する薬の副作用は空咳です。
  • 60代男性 一般内科 「空咳」
    ACE阻害剤によく見られる副作用です。
  • 60代男性 一般内科 「空咳」
    ACE阻害剤の空咳とカルシウム拮抗剤の頭痛は結構多いです。
  • 40代女性 一般内科 「空咳」
    空咳と口喝の訴えが多いです。
  • 40代男性 一般内科 「空咳」
    ACE阻害薬の空咳はしばしば見かけます。最近は合剤もあるので、他の症状にも注意が必要です。
  • 40代男性 一般内科 「空咳」
    ACE阻害薬は空咳が有名です。
  • 50代男性 一般内科 「空咳」
    正しく内服できていない人が実は多いです。
  • 70代男性 一般内科 「空咳」
    最初に使用する薬剤がACE阻害薬なので、空咳、硬い浮腫があります。

一番多く見られたコメントは「空咳」というものでした。

ACE阻害剤の副作用として「空咳」が起こることが有名のようです。まずACE阻害剤についておさえましょう。

ACE阻害薬について

心不全では弱くなった心臓のポンプ機能を補うために、アンジオテンシンというホルモンが活発化しています。このホルモンは、手足など全身の血管を縮めることにより心臓の血液量を増やします。しかし逆に縮まった血管へ血液を送るためには、心臓の力がさらに必要になってしまいます。これらのお薬はアンジオテンシンの過剰な活動を抑えて血管をひろげるので、心臓にかかる負担を軽くします。また血圧を下げる効果があります。

引用:ACE阻害薬|京都大学医学部附属病院

血圧を下げたり、心臓の負担を減らす薬だということが分かりますね。この薬の副作用としては、「空咳」と硬い浮腫が出る恐れがあるということでした。
医師の意見によれば、治療には合剤を用いるケースもあるそうなので、他の症状にも注意して診察を行っているようです。

また、なかには薬を正しく内服できていない方も少なからずいるようなので、薬の服用方法について一度医師・薬剤師に確認してみるのも良いかもしれません。

カルシウム拮抗薬の副作用の局所性浮腫も目立つ

  • 60代男性 一般内科 「局所性浮腫」
    多剤多用量使うと副作用は出やすくなります。
  • 50代男性 一般内科 「局所性浮腫」・「脱水」
    Ca拮抗薬で浮腫が多いです。
  • 50代男性 一般内科 「局所性浮腫」
    薬剤によって副作用は違うので注意が必要です。
  • 50代男性 一般内科 「局所性浮腫」
    副作用は出ない場合も多いです。
  • 70代男性 一般内科 「局所性浮腫」
    降圧薬による高血圧の治療を行う際に、比較的よく遭遇する薬の副作用はカルシウム拮抗剤投与時の浮腫です。
  • 60代男性 一般内科 「局所性浮腫」
    カルシウム拮抗剤による足の浮腫はしばしば見られます。
  • 50代男性 一般内科 「局所性浮腫」
    ストレスや睡眠不足、喫煙が悪化要因になります。
  • 40代男性 一般内科 「局所性浮腫」
    一般的には腎機能に注意して投薬内容等を考慮しています。
  • 50代女性 循環器内科 「局所性浮腫」
    カルシウム拮抗薬による下肢の浮腫があります。

次にコメントで気になったのは、「局所性浮腫」との意見です。

カルシウム拮抗薬の副作用で、「局所性浮腫」が出るケースが多いようです。カルシウム拮抗薬についてまずはおさえましょう。

カルシウム拮抗薬について

作用

カルシウムは主に骨や歯に分布し体を支えていますが、それ以外の組織にも微量に存在し筋肉を縮める働きがあります。カルシウム拮抗薬は血管の筋肉に対するカルシウムの働きを抑えることで、血管をひろげ血圧を下げる効果があります。特に心臓の血管(冠動脈)に作用すると、心臓への血液の量が増えるため、狭心症の発作を予防する効果があります。また、血管がけいれんするタイプの狭心症にも用いられます。

副作用

頭痛、めまい、熱っぽい、顔がほてる(血管がひろがることによる)、低血圧、脈が遅くなったり逆に速くなったりする、むくみ

引用:カルシウム拮抗薬|京都大学医学部附属病院

副作用の中に浮腫も含まれていますね。浮腫が出やすい場所としては、足が多いようです。

浮腫をはじめとした副作用は、必ず出るというものではないそうですが、多剤多用量の薬を使用する際は副作用も出やすくなるみたいなので注意が必要です。

さらに生活習慣に問題がある場合、例えばストレスや睡眠不足、喫煙は悪化要因にもなるそうなので、心あたりがある場合は、身体に負荷がかからないように工夫してみても良いかもしれません。

食生活の減塩を心がけよう。空咳・浮腫は降圧薬の副作用の恐れあり

本調査によると、まず薬物療法以外で高血圧を改善するために適した対処法については、「塩分を制限する」との回答が一番高く、次に「体重を減量する」、「適度な運動をする」が続きました。
減塩はしっかりとエビデンスのある高血圧の治療法だと、医師の方のコメントにもありました。推奨されている6グラム/日の塩分摂取量を目標に、日々の食生活を振り返ってみるのもよさそうです。

また、降圧薬による高血圧の治療を行う際に、比較的よく遭遇する薬の副作用については、「空咳」と回答している医師が一番多く、次に「局所性浮腫」、「電解質異常」が続きました。
具体的には、ACE阻害剤の副作用として「空咳」が、カルシウム拮抗薬の副作用として「浮腫」が表れることが多いとのことでした。硬い浮腫も出る場合があるようなので注意しましょう。

今回は高血圧の適した対処法は何か、降圧薬による代表的な副作用は何か、についてみてきました。今回の調査で、薬以外の方法でも高血圧への対処法は多くあることが分かったと思います。まずは減塩や減量など、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

ツイート
この記事の著者

関連する記事

閲覧数ランキング

  1. 7割が妊娠中にも性行為します!どこまでOKなのか、何がNGなのかまとめてみた

  2. 腹痛のない下痢、続くなら病院へ行くべき?523名の医師に聞いてみました

  3. 閉経後も妊娠の可能性はあるの??産婦人科医130名に聞いてみました

  4. 風邪をひいている時って飲酒しても大丈夫?飲酒が与える悪影響って一体何?医師501人に聞いてみました

  5. 皮膚科医200人に聞いた本当に正しいニキビ跡の消し方

  6. 発熱だけの症状で考えられる病気って何?病院は受診した方がいいの?医師524人に聞いてみました

  7. 全部無駄だったの!? イチゴ鼻の治し方を皮膚科医200人にきいてみた

  8. どれくらいの期間下痢が続いたら病院を受診するべき?医師549名に聞いてみました

  9. 風邪でかかるのは内科?耳鼻咽喉科?医師4200人アンケート調査

  10. 何日以上、熱が下がらないと病院に行くべき? 考えられる疾患は?医師523人に聞いてみました