痛みのあるむくみってどこに出やすいの?どんな病気の場合が多い?医師527人に聞いてみました

脚を気にする女性
痛みを伴うむくみが出現しやすい体の部位はどこかについては、「脚(下肢)」との回答が一番高く、次に「ふくらはぎ」、「足(足首より先)」が続きました。この結果から上位3つはどれも足に関係する箇所となっており、痛みが伴うむくみは下半身に現れやすいと言えそうです。また、痛みを伴うむくみを主訴とする患者の疾患で多いものについては、「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」と回答している医師が一番多く、次に「下肢静脈瘤」、「慢性心不全」が続きました。これら上位の病気に限らず、様々な種類の病気が医師から指摘されていました。特に深部静脈血栓症は、肺血栓塞栓症を引き起こす可能性があるため、おかしいと感じたら早めに医師に診察して頂きましょう。
むくみ
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痛みを伴うむくみに悩まされている方はいらっしゃるでしょうか。
単にむくんでいるだけでも嫌ですが、痛みを伴うと何か悪いところがないか、心配になりますよね。
病気にかかっているようであれば、早めに対処をしたいものです。

そこで今回は、一般内科、総合診療、腎臓内科・透析、循環器内科医527人に、痛みを伴うむくみが出やすい体の部位はどこか、それは何の病気が原因のことが多いか聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年8月23日~2018年8月24日にかけて行われ、一般内科、総合診療、腎臓内科・透析、循環器内科医527人から回答を頂きました。

痛みのあるむくみが出やすい場所ってどこ?

まずは、「痛みを伴うむくみが出現しやすい体の部位はどこですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 脚(下肢)
  • ふくらはぎ
  • 足(足首より先)
  • 顔面
  • 全身
  • 足の裏
  • 頭部
  • 腹部
  • 背中
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計では、「脚(下肢)」との回答が48%と一番高く、次に「ふくらはぎ」、「足(足首より先)」が続きました。
この結果から上位3つはどれも足に関係する箇所となっており、痛みが伴うむくみは下半身に現れやすいと言えそうです。

それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

脚(下肢)に出やすい

  • 60代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    下肢は血流が鬱滞し、痛みの原因になります。
  • 30代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    頻度としては圧倒的に多いと思います。
  • 30代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    下肢の静脈瘤によるものは痛みがありそうです。
  • 50代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    ひどい下肢のむくみは痛みが強いです。
  • 50代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    静脈血栓症を考えます。
  • 50代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    下肢静脈瘤が多いです。
  • 50代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    蜂窩織炎に伴う浮腫ではないでしょうか。
  • 50代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    体重が掛かるため下肢が多いです。
  • 30代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    立ち仕事の方など、足を痛がる人は多いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    蜂窩織炎を合併して痛みが強いことがあります。
  • 50代男性 循環器内科 「脚(下肢)」
    深部静脈血栓症ではかなり痛いです。
  • 50代男性 一般内科 「脚(下肢)」
    蜂窩織炎や静脈血栓症が考えやすいです。

医師の回答を見ると、「脚(下肢)」との声が多数挙がっていました。
やはり常に体重もかかる部位なので、痛みを伴うむくみが出る頻度も多いようです。特に、立ち仕事をされている方は要注意なようです。また、具体的な病名として主に以下のものが挙がっていました。

  • 深部静脈血栓症
  • 下肢静脈瘤
  • 蜂窩織炎

このほかにも、下肢は血流がうっ滞するため痛みが出やすいという指摘もありました。
さて、上に出てきた3つの病名ですが、いったいどのようなものなのでしょうか。
深部静脈血栓症と下肢静脈瘤については次項の設問にて説明するとして、ここでは蜂窩織炎の概要を解説したいと思います。

蜂窩織炎とは

蜂窩織炎は皮膚および皮下組織の急性細菌感染で,最も頻度の高い原因菌はレンサ球菌とブドウ球菌である。症状と徴候は,疼痛,急速に拡大する紅斑,および浮腫である。発熱や所属リンパ節腫脹が生じることもある。診断は病変の外観による。培養が有用となりうるが,その結果を待つために経験的治療を遅らせてはならない。治療は抗菌薬による。時機を逸することなく治療すれば,予後は極めて良好である

引用:蜂窩織炎|MSDマニュアル

症状の特徴に浮腫(むくみ)と記載されていますね。
また、時機を逃さずに対応するのが大切な病気だという事が分かります。
むくみが急激に悪化し、赤く熱を持っている場合などは、病院受診を検討するのが大事かもしれません。 

負荷のかかるふくらはぎにも現れやすい

  • 50代男性 一般内科 「ふくらはぎ」
    血栓性静脈炎の場合が当てはまります。
  • 70代男性 一般内科 「ふくらはぎ」
    血栓性静脈炎や静脈鬱滞の場合が該当します。
  • 50代男性 腎臓内科 「ふくらはぎ」
    今までの診療経験よりそのように考えます。
  • 40代男性 一般内科 「ふくらはぎ」
    ふくらはぎに痛みを訴える患者が多いです。
  • 60代男性 一般内科 「ふくらはぎ」
    深部静脈血栓症が原因として多いです。
  • 30代女性 一般内科 「ふくらはぎ」
    荷重がかかる所が痛みも感じやすいと思います。
  • 50代男性 一般内科 「ふくらはぎ」
    下肢静脈瘤などが多い気がします。
  • 50代男性 一般内科 「ふくらはぎ」
    深部静脈血栓症の場合がありますね。
  • 50代男性 一般内科 「ふくらはぎ」・「足(足首より先)」
    むくみだけでなく発赤などの炎症がある場合は痛みも出ます。
  • 50代男性 一般内科 「ふくらはぎ」・「足(足首より先)」
    蜂窩織炎などを起こした場合には見られます。
  • 60代男性 一般内科 「ふくらはぎ」・「足(足首より先)」
    重力の関係で、下腿や足が多いです。

次にコメントで多かったのは、「ふくらはぎ」との意見です。
やはり、体の体重を支えていたり、重力がかかったりなど「ふくらはぎ」は負荷のかかる場所なので、痛みを伴うむくみが出ることが多いようです。

さらに、むくみに加えて発赤などの炎症もあると痛みも出てしまうとコメントがありました。
こちらでも具体的な病名としては、以下が挙がっていました。

  • 深部静脈血栓症
  • 下肢静脈瘤
  • 血栓性静脈炎
  • 蜂窩織炎

先ほどと同様に深部静脈血栓症と下肢静脈瘤は次項で解説しますが、ここでは、まだ未解説の血栓性静脈炎について説明します。

血栓性静脈炎とは

下肢の静脈内に血栓ができて、炎症を引き起こす病気です。血栓のできる場所から、深部静脈に発生する深部静脈血栓症と静脈瘤に合併することが多い表在性血栓性静脈炎に分けて、考えられています。(中略)ふくらはぎや膝の周囲の静脈のややふくれた静脈が、突然、硬くなって、赤くなって痛みを伴って腫れてきます。一カ所のこともありますが、静脈の走行に沿って、縦に細長く症状が出ることもあります。

引用:血栓性静脈炎|兵庫県医師会

血栓のできる場所によって病名も変わり、深部の静脈で血栓が発生した場合は深部静脈血栓症になるようですね。皮下の静脈で発生する場合は症状として、皮膚が赤くなって痛みを伴って腫れるようです。

痛みのあるむくみで多い病気は何?

続いて、「痛みを伴うむくみを主訴とする患者の疾患で多いものはどれですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
  • 下肢静脈瘤
  • 慢性心不全
  • リンパ浮腫
  • ネフローゼ症候群
  • 糖尿病性腎症
  • 肝硬変
  • メネトリエ病
  • 血液疾患
  • ビタミンB1欠乏症
  • 月経前緊張症
  • クッシング症候群
  • 甲状腺機能低下症
  • 急性糸球体腎炎
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計では、「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」と回答している医師が36%と一番多く、次に「下肢静脈瘤」、「慢性心不全」が続きました。
これら上位の病気は特にそうですが、様々な種類の病気に対してそれぞれ医師から支持を集めていました。

まずは、上位の病気の概要を解説した後に、医師のコメントを見ていきましょう。

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)とは

静脈血栓塞栓症(世間一般ではエコノミークラス症候群、旅行者血栓症と呼ばれています)とは、足や体幹の深い静脈に血の塊(血栓)が形成された状態で、足の静脈に血栓ができた状態を深部静脈血栓症といいます。さらにこの血栓が流されて肺の血管を詰まらせた状態を肺血栓塞栓症といい、時に生命を脅かす危険性があります。

引用:エコノミークラス症候群|市立砺波総合病院

下肢静脈瘤とは

心臓に戻るべき血液が、静脈の弁の障害などのために下肢静脈にうっ滞し、静脈が瘤となって膨らんでいる状態。下肢に浮腫を生じ、皮膚に炎症を伴う色素沈着が起ったりする。深部下肢静脈では血管内生じた凝固塊が肺塞栓を起こすことがある。

引用:下肢静脈瘤|日本心臓財団

慢性心不全とは

心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしています。心不全というのは病名ではなく、様々な心臓の病気の結果、このポンプの働きに障害が生じて色々な症状を引き起こしている状態を指すものです。(中略)心筋症、高血圧や弁膜症などが原因で長年にわたって心不全症状を認める場合を慢性心不全といいます。

引用:慢性心不全|日本心臓財団

エコノミークラス症候群でむくみになることが多い

  • 70代男性 一般内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    深部静脈血栓症でむくみがひどいと痛みが伴います
  • 60代男性 一般内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    血栓ができて、二次感染を起こすと痛いです。
  • 50代男性 腎臓内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    疼痛を伴うものは緊急性が高いと思います。
  • 70代男性 一般内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    深部静脈血栓症では激しい痛みを伴います。
  • 30代男性 一般内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    強い痛みを伴う印象です。
  • 50代男性 一般内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    血栓部の細菌感染が多いと思います。
  • 40代男性 腎臓内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    深部静脈血栓症の急性期が多いです。
  • 50代男性 一般内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    末梢神経が傷害されていると多いです。
  • 60代男性 一般内科 「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」
    熱感発赤を伴う浮腫で見られ、圧痛もあります。

一番多く見られたコメントは、「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」というものでした。「深部静脈血栓症」とだけ聞くとイメージが湧きにくいですが、別名は、「エコノミークラス症候群」ということです。
長時間飛行機に乗る際などで発症することが特徴で、特に症状が強く出る急性期には激しい痛みを伴うこともあるようです。血栓部から細菌感染しているケースもあるため、熱感発赤を伴っているむくみは注意が必要なようでした。

下肢静脈瘤で痛みを伴うむくみが出ることも

  • 60代男性 一般内科 「下肢静脈瘤」
    下肢の静脈関係が一番多いです。
  • 50代男性 一般内科 「下肢静脈瘤」
    歩行時の痛みある場合が多いです。
  • 50代男性 一般内科 「下肢静脈瘤」
    炎症を続発することがあります。
  • 50代男性 一般内科 「下肢静脈瘤」
    静脈性の浮腫が多いと思います。
  • 60代男性 一般内科 「下肢静脈瘤」
    下肢静脈は痛みを伴いやすいです。
  • 30代男性 一般内科 「下肢静脈瘤」
    立ち仕事をする方に多いです。
  • 30代男性 一般内科 「下肢静脈瘤」
    ビリビリやだるい重さを伴う事があります。
  • 50代男性 一般内科 「下肢静脈瘤」
    下肢静脈瘤は疼痛を訴えます。

次にコメントで多かったのは、「下肢静脈瘤」とする意見です。歩行時に痛みを感じてしまう時などは、この病気の疑いがありそうです。
症状の特徴としては、ビリビリとした感じやだるい重さを伴うようです。
特に、立ち仕事の方など足に負荷がかかる方は発症するケースも多いようなので、注意が必要ですね。症状がひどい場合は、医療機関の受診も検討しましょう。

痛みが伴うむくみは下半身に出ることが多い。エコノミークラス症候群には注意を

本調査によると、痛みを伴うむくみが出現しやすい体の部位は、「脚(下肢)」との回答が一番多く、次に「ふくらはぎ」、「足(足首より先)」が続きました。
上位3つはどれも足に関係する箇所となっており、痛みを伴うむくみは下半身に現れやすいと言えそうです。
また、痛みを伴うむくみを主訴とする患者の疾患で多いものについては、「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」と回答している医師が一番多く、次に「下肢静脈瘤」、「慢性心不全」が続きました。
それぞれの病気には特徴的な症状もあるようで、当てはまる場合は、速やかに医師に相談するようにしましょう。
今回は、痛みを伴うむくみが出やすい体の部位はどこか、それはどんな疾患のことが多いかについてみてきました。
足は毎日の生活で一番使っている体の場所の一つだと思います。それだけにむくみや痛みの症状やそれに関連する病気というのは他人事じゃないですよね。
どんな病気の場合でも早期対応は鍵になってきます。本調査を参考に、異変を感じたならば、受診を視野に入れましょう。

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