高血圧と睡眠状況は関係するの?高血圧の予防には何時間寝れば良い?医師521人に聞いてみました

ベッドで眠る女性
高血圧と睡眠状況は関係あるかという質問については、「多少はある」との回答が一番多く、次に「大いにある」、「あまりない」が続きました。高血圧と睡眠状況に関係があると考えている医師は、実に84%もいるという結果が出ています。また、高血圧の予防に適した睡眠時間は何時間かという質問については、「6時間~8時間未満」と回答している医師が一番多く、次に「睡眠時間は予防につながらない」、「8時間以上」が続きました。調査結果からは、4分の3以上の医師が「6時間~8時間未満」の睡眠が高血圧の予防に適していると回答しましたが、最適な睡眠時間については個人差があるという意見もあり、あくまでも「6時間~8時間未満」を一つの目安に、質の良い睡眠時間を確保できるよう工夫するのが大事そうです。
高血圧
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日々の生活や仕事に追われていると、生活のサイクルや食生活も不規則になってしまいがちですよね。食生活の乱れや不規則な生活習慣によって、血圧にも悪影響が出てしまうこともあると思います。
では、睡眠不足が血圧に影響することはあるのでしょうか。血圧も考慮した適切な睡眠時間があれば気になりますよね。                      

そこで今回は、一般内科、総合診療、循環器内科医521人に、高血圧と睡眠状況は関係するのか、高血圧の予防には何時間寝れば良いのか聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年9月18日~2018年9月19日にかけて行われ、一般内科、総合診療、循環器内科医521人から回答を頂きました。

高血圧と睡眠状況は関係あるの?

まずは、「高血圧と睡眠状況は関係あると思いますか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。  

  • 大いにある
  • 多少はある
  • あまりない
  • 全くない

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「多少はある」との回答が44%と一番多く、次に「大いにある」、「あまりない」が続きました。
高血圧と睡眠状況に関係があると考えている医師は実に84%(「多少はある」と「大いにある」の合計の割合)もいることが分かります。

それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

睡眠時無呼吸症候群や睡眠不足だと高血圧になりやすい

  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    睡眠時無呼吸症候群の改善で軽快する例があります。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    不眠は血圧上昇の原因になります。
  • 60代男性 一般内科 「多少はある」
    睡眠時無呼吸症候群などでは夜間や早朝の血圧上昇が考えられます。
  • 70代男性 一般内科 「多少はある」
    血圧が高いと不眠症が多いと感じます。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    交感神経優位だと血圧も高くなるような気がします。
  • 70代男性 一般内科 「多少はある」
    良眠を得られないとストレスが増して高血圧になるというつながりは無視できないです。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    不眠症が改善すると高血圧のコントロールが改善する事はよく言われています。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    不眠の翌日は血圧が高い患者さんがいます。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    精神的ストレスで不眠になり血圧も上がる場合があります。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    睡眠時無呼吸症候群患者は肥満である者が多く、高血圧を呈する率が高いです。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    自律神経が関与しています。
  • 20代女性 一般内科 「大いにある」
    睡眠不足だと増悪しやすいと感じます。
  • 40代男性 一般内科 「大いにある」
    睡眠不足はストレス増加につながり、高血圧を増悪させると感じます。
  • 40代男性 一般内科 「大いにある」
    SASは高血圧症や心臓病・脳卒中への予防の観点からもっと理解されるべき疾患と思います。
  • 70代男性 一般内科 「大いにある」
    夜勤後には、ほとんど血圧は上昇します。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    不眠の人は交感神経のトーンが上がって血圧が高くなります。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    不眠は体調不良を招き、血圧をあげる要因になります。

医師の回答を見ると、「多少はある」・「大いにある」との声が多くありました。
医師のコメントでは、「不眠の翌日は血圧が高い患者さんがいる」、「血圧が高いと不眠症が多いと感じます」といった声がみられました。
また、具体的な病名には睡眠時無呼吸症候群(SAS)や不眠症が挙がっていました。まずは、病気の概要をおさえましょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠中に断続的に呼吸が止まることにより、日中強い眠気を感じたり、疲労感や集中力、記憶力の低下などの症状を引き起こします。睡眠中、筋肉の緊張が低下して、舌や軟口蓋がノドに落ち込み、気道が狭くなったりふさがったりすることがあります。そのことにより、10秒以上の呼吸停止があった場合を無呼吸と呼びます。無呼吸が続くと体内の酸素不足を招き、循環器系や呼吸器系に様々な影響が生じます。その状態を治癒せずに放っておくと高血圧、不整脈、心筋梗塞などの障害が出てくると考えられています。

引用:睡眠時無呼吸症候群|熊本県歯科医師会

不眠症とは

寝つきが悪い、途中で目が覚めて再入眠できない、熟睡感がない、早朝に目が覚めるなどの症状を不眠といいます。夜間に眠れないと、日中の眠気やだるさ・集中力の低下・イライラなどの症状が出現します。何らかの不眠の症状がある人は、日本の成人の3分の1にも上るといわれています。さらに、週に3日以上、少なくとも1カ月間以上(米国精神医学会精神疾患の診断・統計マニュアル第5版では3カ月間以上)、夜間眠れないために、日中の生活に支障がある状態を不眠症といいます。不眠が長期間持続すると、生活習慣病(高血圧、糖尿病、肥満)やうつ病などになりやすくなります。

引用:不眠症|上尾市医師会

説明文からは、どちらの病気も血圧に影響を与えることが分かりますね。

特に睡眠時無呼吸症候群は、心臓病や脳卒中への予防の観点からもっと理解されるべき疾患であると医師も警鐘を鳴らしています。
肥満である方は、睡眠時無呼吸症候群になりやすいそうなので、特に注意しましょう。

さらに、よく眠れないストレスで血圧が上昇する、逆にストレスにより寝付けず血圧が上昇するという指摘もあり、ストレスの影響の大きさがわかりますね。
良い眠りを確保するためにも、睡眠時はなるべくリラックスできるように工夫してみると良いかもしれません。

少数だがあまり関係ないとの意見も

  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    あまり実感がないです。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    特に関連を感じる症例はなかったです。
  • 50代女性 一般内科 「あまりない」
    年齢的なものなのか区別がつかないです。
  • 60代女性 一般内科 「あまりない」
    睡眠不足などで惹起される血圧の上昇は一過性ではないでしょうか。
  • 40代男性 一般内科 「全くない」
    睡眠に影響した経験はありません。
  • 50代男性 一般内科 「全くない」
    高血圧の随伴症状で不眠はないです。

次にコメントで気になったのは「あまりない」・「全くない」との意見です。

関係があると考える医師に比べると少数派な意見ですが、理由としては次のようなものが挙がっていました。

  • 今までの経験で関連を感じる症例がない
  • 年齢によるものか区別がつかない
  • 睡眠不足による高血圧は一過性のもの
  • 高血圧の随伴症状に不眠はない

医師によっては実際に経験した症例や感じ方によって、睡眠と高血圧にはあまり関係がないと考える方もいるようです。

高血圧の予防には何時間寝れば良いの?

続いて、「高血圧の予防に適した睡眠時間は何時間ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 8時間以上
  • 6時間~8時間未満
  • 3時間~6時間未満
  • 3時間以下
  • 睡眠時間は予防につながらない

以下のグラフが結果となります。

こちらの調査では、「6時間~8時間未満」と回答している医師が76%と一番多く、次に「睡眠時間は予防につながらない」、「8時間以上」が続きました。
医師の回答は集中する結果となり、4分の3以上の医師は、「6時間~8時間未満」の睡眠が高血圧の予防に適していると考えていることが分かります。

それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

6時間以上の熟睡を目指そう

  • 30代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    7時間を目標にすればよいでしょう。
  • 50代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    6時間以上あればほぼ十分ではないでしょうか。
  • 70代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    日中に眠気がこない程度の睡眠が必要です。
  • 60代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    寝過ぎも良くないと思います。
  • 50代男性 循環器内科 「6時間~8時間未満」
    自分としての理想はこの程度の睡眠時間です。若年者と高齢者ではやや相違はあると思います。
  • 50代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    睡眠不足は避けるべきです。
  • 60代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    睡眠不足は高血圧に悪影響を及ぼします。
  • 70代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    睡眠時間以上に熟睡できるかどうかが重要です。
  • 50代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    高血圧だけでなく健康のためにも6時間以上の睡眠が適当と考えます。
  • 40代女性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    人によって、最適な睡眠時間は変わるので一概には言えません。
  • 30代女性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    具体的に何時間以上なら安全というラインは分かりませんが、深くしっかり休む事が大事だと思います。
  • 60代男性 一般内科 「6時間~8時間未満」
    睡眠の質の問題もありますが、8時間以上の睡眠は推奨していません。

一番多く見られたコメントは、「6時間~8時間未満」というものでした。
6時間以上の睡眠を勧める医師からの意見が一番多かったです。ただし、睡眠時間は長すぎても良いというわけではなく、「8時間以上」の睡眠はあまり推奨されていませんでした。

また、若者と高齢者では理想的な睡眠時間に相違があるみたいです。

さらに、睡眠時間と同等に重視されているのは、睡眠の質のようです。
しっかりと熟睡できていて体の疲れも抜けているかといったポイントも大事で、毎日良質な睡眠を取るよう心がけましょう。

少数だが睡眠時間は高血圧の予防に繋がらないとの声も

  • 50代男性 一般内科 「睡眠時間は予防につながらない」
    睡眠時間は個人差が大きいので数値に出来ないです。
  • 30代男性 一般内科 「睡眠時間は予防につながらない」
    必要な睡眠時間は人によると思います。
  • 50代男性 一般内科 「睡眠時間は予防につながらない」
    時間ではなく、質の問題です。
  • 30代男性 循環器内科 「睡眠時間は予防につながらない」
    睡眠時間が長くても、睡眠時無呼吸症候群を治療しなければだめだと思います。
  • 60代女性 一般内科 「睡眠時間は予防につながらない」
    適切な睡眠時間には個人差があります。
  • 60代男性 一般内科 「睡眠時間は予防につながらない」
    睡眠不足時は血圧が高くなりやすいですが、十分に睡眠を取れば血圧が正常化するわけではないです。
  • 50代男性 一般内科 「睡眠時間は予防につながらない」
    人それぞれで十分な睡眠時間が違うので一概に言えません。

次にコメントで気になったのは、「睡眠時間は予防につながらない」との意見です。
挙がっていた主な理由は、以下の通りです。

  • 適切な睡眠時間は人によって異なる
  • 睡眠時間より質が大切
  • 睡眠時無呼吸症候群などの病気では治療が必要
  • 十分な睡眠で血圧が正常になるわけではない

一概に適切な睡眠時間と言っても、人それぞれに最適な時間は異なるようなので、「6時間~8時間未満」はあくまでも一つの基準として考えたほうがよさそうです。また睡眠時無呼吸症候群など疾患がある場合は、治療も並行して行った方が血圧の改善に繋がりそうです。

質の高い睡眠が取れるように工夫してみたり、自分に合った睡眠時間を探してみると良いかもしれません。

睡眠状況は高血圧に影響する!質の高い睡眠を6時間~8時間とろう

本調査によると、高血圧と睡眠状況は関係あるかという質問については、「多少はある」との回答が一番多く、次に「大いにある」、「あまりない」が続きました。
睡眠が阻害されるような睡眠時無呼吸症候群といった病気があると、特に高血圧の原因にもなるそうです。睡眠不足も高血圧の要因になるそうなので、なるべくリラックスして質の高い睡眠を目指しましょう。
また、高血圧の予防に適した睡眠時間は何時間かという質問については、「6時間~8時間未満」と回答している医師が一番多く、次に「睡眠時間は予防につながらない」、「8時間以上」が続きました。
人によって最適な睡眠時間は変わるそうで、一概には具体的な時間は言えないと意見も目立ちました。あくまでも一つの基準として、「6時間~8時間未満」を考えていただけたらと思います。
今回は高血圧と睡眠状況は関係するのか、高血圧の予防には何時間寝れば良いのか、についてみてきました。
睡眠は日々の体調にも影響し、血圧にも影響する可能性がありそうです。時間と質の両面から、満足のいく睡眠を目指してみましょう。

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