肥満で妊娠した場合、どのような悪影響やリスクがあるの?産婦人科医167名に聞いてみました

考える女性
本調査では、「肥満の方が妊娠した場合、自身や子供に何か悪影響はあるか」という質問に対し、87%の医師が「ある」と肯定的な回答をしました。医師のコメントを見ると、難産・帝王切開率の上昇・軟産道狭小・巨大児・陣痛微弱・妊娠糖尿病・高血圧・子供の低酸素状態になる可能性など、さまざまな悪影響が挙げられていました。続いて、「肥満の方が妊娠した場合、どのようなリスクが考えられますか」という質問では、「妊娠糖尿病」、「妊娠高血圧症候群」、「流・早産」の順で回答されました。医師のコメントからは、「元は肥満でなくても、妊娠してからの体重増加が著しいと元々の肥満と同様」、「胎児が将来生活習慣病を発症するリスクもある」などの意見がみられました。妊娠を考えられている女性の方々は、このようなリスクを回避するためにも今のうちから体重管理・肥満対策をされてみてはいかがでしょうか。
妊娠・出産・不妊の悩み
イシコメ運営事務局

肥満と妊娠はあまり関係ないと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかしインターネット上などでは、肥満の方が妊娠した場合、自身や子供に影響があるといった情報を目にします。
果たしてこういったことは本当なのでしょうか?そうであるならば対処しておきたいものですよね。

そこで今回は、産婦人科医167名に、肥満の方が妊娠した場合、自身や子供に悪影響はあるか、どのようなリスクがあるのか聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https:/ /medpeer.jp/)にて、2018年10月10日〜10月17日にかけて行われ、産婦人科医の167名から回答を頂きました。

肥満で妊娠した時、自分や子供への悪影響は?

まずは、「肥満の方が妊娠した場合、自身や子供に何か悪影響はありますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

  • 大いにある
  • 多少はある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下が結果となります。

 

  • 70代男性 産婦人科 「多少はある」
    難産や帝王切開率が上がります。
  • 70代男性 産婦人科 「多少はある」
    印象ですが、標準体重の人より肥満と痩せの妊婦は難産になることが多いです。また、分娩後の処置や会陰縫合にしても困難で苦労が多いです。
  • 30代男性 産婦人科 「多少はある」
    肥満の方の体重制限はより厳しくなりますし、ストレスは高くなると思います。
  • 50代男性 産婦人科 「多少はある」
    出産時に分娩がスムーズにいきません。それにより子供が低酸素状態になる可能性が増加します。
  • 70代男性 産婦人科 「多少はある」
    巨大児や陣痛微弱が多いように思われます。
  • 50代男性 産婦人科 「大いにある」
    肥満女性の妊娠管理はかなり大変です。妊娠糖尿病、巨大児、血圧が高くなりやすいリスクや分娩後の止血処置や縫合処置が大変、帝王切開で腰椎麻酔がなかなか入らない、帝王切開の創部が脂肪融解を起こして開いてしまう、といったことが稀ではありません。肥満女性の妊娠管理は、別加算を請求したいぐらいです。
  • 60代女性 産婦人科 「大いにある」
    妊娠糖尿病を始め、高血圧なども起こりやすく、巨大児、軟産道狭小などで分娩異常も多いです。
  • 60代男性 産婦人科 「大いにある」
    肥満の方は耐糖能異常が多く妊娠糖尿病を起こしやすいです。妊娠糖尿病になると巨大児になり免疫力が下がります。出産の時も産道に脂肪がつくため難産になりやすいです。
  • 50代男性 産婦人科 「あまりない」
    ただ(子どもも)似たような食生活になりやすいです。
  • 50代男性 産婦人科 「ほとんどない」
    分娩時以外ほとんど影響はありません。

集計の結果、肥満で妊娠すると、自身や子供へ悪影響はあると肯定的な回答をした医師(「多少はある」51%、「大いにある」36%の合計)が87%となりました。
否定的な回答(「あまりない」10%、「ほとんどない」3%)は13%にとどまっており、多くの医師は何かしらの悪影響を考えるようです。

医師のコメントからは、難産、帝王切開率の上昇、巨大児や陣痛微弱、妊娠糖尿病や高血圧といったことが挙げられました。
また、「分娩がスムーズにいきません」とコメントする医師もいらっしゃいました。それにより、子供が低酸素状態になる可能性も指摘しています。
さらには、分娩後の処置や会陰縫合が困難との見解も寄せられました。
帝王切開の創部が脂肪融解を起こして開いてしまう、といったことが稀ではありません。」といったコメントも頂いており、肥満は様々な悪影響があるようです。

一方、少数ながらも否定的な回答をした医師からは、子供の食生活への懸念はありながらも、「分娩時以外ほとんど影響はありません。」との考えが寄せられました。

肥満で妊娠した場合、どのようなリスクがあるのか

続いて、「肥満の方が妊娠した場合、どのようなリスクが考えられますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

  • 妊娠糖尿病
  • 妊娠高血圧症候群
  • 流・早産
  • 子宮内胎児死亡
  • 胎児への栄養減少
  • 胎児奇形
  • その他
  • 神経管閉鎖障害

以下が結果となります。

 

  • 70代男性 産婦人科 「妊娠糖尿病」
    元は肥満でなくても、妊娠してからの体重増加が著しいと元々の肥満と同様です。
  • 40代女性 産婦人科 「妊娠糖尿病」
    肥満だけでは発症しませんが、初期から体重コントロールと栄養指導はしっかりとします。
  • 50代男性 産婦人科 「妊娠糖尿病」
    糖代謝異常は多いと思います。
  • 60代男性 産婦人科 「妊娠糖尿病」
    糖尿病になりやすい因子なので、留意することです。
  • 50代女性 産婦人科 「妊娠高血圧症候群」
    そして難産になり、帝王切開になりやすいです。
  • 50代男性 産婦人科 「妊娠高血圧症候群」
    特に多いとは思いませんが、高血圧にはなりやすいかもしれません。
  • 40代女性 産婦人科 「妊娠高血圧症候群」
    ご本人が食事管理できていれば問題ないのですが、管理されない方も多いので。
  • 40代男性 産婦人科 「妊娠高血圧症候群」
    肥満と妊娠高血圧症候群の相関はかなり高い印象です。また経膣分娩も難渋する事が多いです。
  • 40代男性 産婦人科 「流・早産」
    これだけでなく胎児が将来生活習慣病を発症するリスクもあります。
  • 30代女性 産婦人科 「流・早産」
    胎児への栄養減少、糖尿病が考えられます。

集計の結果、肥満の方が妊娠した場合、考えられるリスクは「妊娠糖尿病」と「妊娠高血圧症候群」との回答が多く、次に「流・早産」が続く結果となりました。

「妊娠糖尿病」と回答した医師からは、「元は肥満でなくても、妊娠してからの体重増加が著しいと元々の肥満と同様です。」と指摘を頂いています。
妊婦の体重管理は大事、とインターネット上でもよく言われているかと思いますが、体重増加が顕著な場合もこのような病気に陥る恐れがあるようです。
なかには、肥満は妊娠糖尿病になりやすい因子との指摘もあり、体重・栄養面では十分に気を配る必要がありそうです。

次に多く回答された「妊娠高血圧症候群」では、難産、帝王切開の可能性を危惧するコメントが寄せられました。また、本人が食事管理できていれば問題ないというコメントがある一方、管理されていない方も多いといった厳しい意見も上がっています。
さらに肥満と妊娠高血圧症候群は相関が高いと考える医師もおり、特に注意が必要そうです。

三番目に回答された「流・早産」の回答からは、これだけでなく胎児が将来生活習慣病を発症するリスクや、胎児への栄養減少、糖尿病といった危険性が示されました。

肥満で妊娠した場合は悪影響・リスク共に大きいかもしれない

本調査では、87%もの医師が肥満の方が妊娠した場合、自身および子供に悪影響があると肯定的な考えを示しました。
主に難産、帝王切開率の上昇、巨大児や陣痛微弱、妊娠糖尿病や高血圧の可能性が指摘されています。また分娩が上手くいかないだけでなく、それによって子供が低酸素状態になるといった懸念もあるようです。
さらに帝王切開後の創部が脂肪融解を起こして開くといったことも少なくないようで、悪影響は大きそうでした。
続いて行った「どのようなリスクが考えられるか」という質問では、前項でも挙げられた「妊娠糖尿病」をはじめ、「妊娠高血圧症候群」、「流・早産」の順で回答されました。
妊娠糖尿病を選択した医師からは、「妊娠してからの体重増加が著しいと元々の肥満と同様」とのコメントが寄せられており、体重コントロールの大事さがうかがえます。
また「妊娠高血圧症候群」を回答した医師からは難産、帝王切開を懸念するコメントが、「流・早産」を回答した医師からは胎児への栄養減少などの危険性が指摘されました。
このように、肥満の方の妊娠は様々な悪影響、リスクが考えられるようです。こうした状態にならないよう、体重管理・肥満対策を行うことを推奨します。

ツイート
この記事の著者

関連する健康相談

関連する記事