タンパク質を多く摂ると腎臓への負担リスクはある?医師524名に聞いてみました

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本調査では、タンパク質を多く摂ると腎臓への負担リスクはあるかという質問に対し、78%の医師が肯定的な意見(「大いにある」と「多少はある」の合計)、22%の医師が否定的な意見(「あまりない」と「ほとんどない」の合計)を持っていることが判明し、肯定派が大いに上回る結果となりました。肯定的な意見のなかには、腎機能が悪い人や高齢者はタンパク質を多く摂りすぎると腎臓に負担がかかる、過剰なタンパク質摂取はCKD(慢性腎臓病)を引き起こすことがあるといった意見も寄せられました。しかし、いずれの回答においても共通して、「腎機能が正常な人であれば問題はない」との意見が見られたことから、特に腎臓が悪い方のタンパク質の過剰摂取に注意が必要なようです。
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筋肉を作りたいときや強化したいときなどに、タンパク質を摂取するという方は多いかと思います。
しかし、インターネット上のサイトをいくつか見てみると、タンパク質の摂りすぎはあまり良くないという情報もしばしば目にします。
場合によっては、タンパク質の摂取が多すぎると腎臓に負担をかけてしまう恐れもあるとか。
では、タンパク質を多く摂ることが本当に腎臓への負担につながるのでしょうか。

そこで今回は、タンパク質を多く摂ると腎臓への負担リスクはあるか、一般内科医、総合診療医、代謝・内分泌科医、健診・予防医学医、計524名の医師に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月23日〜11月26日にかけて行われ、一般内科医、総合診療科医、代謝・内分泌科医、健診・予防医学医の計524名から回答を頂きました。

腎臓の働きについて

まず、医師のコメントを見る前に、腎臓の働きについて説明いたします。

腎臓の主な働きは、3つあります。

1. 血液の浄化/老廃物や毒素の排泄

全身をめぐる血液から老廃物や毒素を取り除き、血液をきれいにします。老廃物や毒素は尿中に排泄され、体の外へ送り出されます。腎臓が一日にろ過する血液の量は150リットルといわれており、大型のドラム缶1本分に相当します。この機能が低下すると、体中に老廃物や毒素がたまることになります。

2. 体内の水分量や電解質の調整

体の水分や電解質(ナトリウム、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウムなど)は不可欠なものですが、多すぎても少なすぎても悪影響がでます。腎臓はそれらの量を調節することで、体内環境のバランスを保っています。

3. ホルモンの分泌と調節

赤血球をつくるエリスロポエチンや血圧を調節するレニン、プロスタグランジンなどのホルモンを分泌するほか、ビタミンDを活性化(体内で働くようにする)させて、骨を作るカルシウムの吸収を助けています。

監修:順天堂大学医学部附属順天堂医院 腎・高血圧内科 教授 富野 康日己先生

引用:腎臓のはたらき|NPO法人腎臓サポート協会

まとめると、腎臓には、①血液の浄化、②体内の水分量や電解質の調整、③ホルモンの分泌と調節、この3つの働きがあるようです。

それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

タンパク質を多く摂ると腎臓への負担リスクがある?

医師の方々には、「タンパク質を多く摂ることで腎臓への負担リスクはあると思いますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

  • 大いにある
  • 多少はある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下が結果となります。

集計したところ、タンパク質を多く摂ることで腎臓への負担リスクはあるかという質問に対し、78%の医師が肯定的な意見(「大いにある」と「多少はある」の合計)、22%の医師が否定的な意見(「あまりない」と「ほとんどない」の合計)を持っていることが判明し、肯定派が大いに上回る結果となりました。
それでは、肯定派・否定派それぞれの医師のコメントを見ていきましょう。

肯定的な意見

  • 50代男性 総合診療科 「多少はある」
    腎臓が悪い人にとっては影響があるかと思います。
  • 40代女性 一般内科 「多少はある」
    腎機能がもともと悪い人はダメだと思います。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    腎臓がよい人には問題ないとは思います。
  • 60代男性 一般内科 「多少はある」
    もともと腎臓が健康な人なら問題はないでしょう。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    何十年も大量に摂り続ければ腎臓に負担がかかるとは思います。
  • 70代男性 一般内科 「多少はある」
    重い腎疾患があれば問題だと思います。
  • 40代男性 総合診療科 「多少はある」
    他の原因で腎機能が悪い人には負担だと思います。
  • 50代男性 総合診療科 「多少はある」
    腎臓疾患ではタンパク質制限が必要です。
  • 60代男性 一般内科 「多少はある」
    高齢者ではあると思います。
  • 60代男性 一般内科 「多少はある」
    高齢者や基礎疾患のある場合には多少の影響はあります。
  • 40代男性 一般内科 「大いにある」
    CKD患者にはタンパク制限食を推奨しています。
  • 40代男性 一般内科 「大いにある」
    過剰なタンパク質は、CKDを引き起こすことがあります。
  • 50代男性 代謝・内分泌科 「大いにある」
    CKD患者には、タンパク制限してもらっています。
  • 50代男性 総合診療科 「大いにある」
    腎疾患患者においては、十分な食事指導が重要です。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    腎機能の低下した高齢者は要注意であります。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    特に高齢者、腎機能低下の人は注意が必要です。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    特に高齢者など腎機能が下がっている方の場合は注意が必要です。

肯定的な意見を回答した医師の方々のコメントを見てみると、タンパク質を多く摂ることは、腎臓がもともと悪い人であれば負担リスクが考えられるが、そもそも腎臓が健康な方は問題ないという声が多かったです。

腎臓疾患にかかっている方はタンパク質制限が必要というコメントもある通り、やはり腎臓がもともと悪い方にとっては、タンパク質の過剰摂取は悪影響を及ぼす可能性があることがうかがえます。
また、医師のコメントで度々登場するCKDですが、以下のように説明されていました。

慢性腎臓病(chronic kidney disease=CKD)は慢性に経過するすべての腎臓病を指します。CKDの原因にはさまざまなものがありますが、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)や慢性腎炎が代表的でメタボリックシンドロームとの関連も深く、誰もがかかる可能性のある病気です。

引用:腎臓病とは | 腎臓病について | 一般社団法人 全国腎臓病協議会(全腎協)

医師のコメントでは、CKD患者にはタンパク質を抑えた食事をとってもらうだけでなく、過剰なタンパク質はCKDを引き起こすことがあるという見解も頂いております。
やはり、腎疾患を抱えている方や腎機能の低下した高齢者の方はタンパク質の摂取量に気を配る必要があるようですね。

否定的な意見

  • 30代男性 一般内科 「あまりない」
    タンパク質を摂りすぎて腎臓が悪くなった人は見たことがないです。
  • 50代女性 一般内科 「あまりない」
    腎機能の低下している方にはリスクがあると思いますが。
  • 20代男性 一般内科 「あまりない」
    腎臓疾患にかかっている人のみだと思います。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    もともとの腎疾患がない限り、あまりないと思います。
  • 40代男性 総合診療科 「あまりない」
    腎機能が落ちて来たら制限するべきだとは思います。
  • 40代男性 代謝・内分泌科 「あまりない」
    かなり腎機能が低下した人だとダメですが、腎機能が悪くなければ悪化の影響はないのではないでしょうか。
  • 50代男性 一般内科 「ほとんどない」
    健常者であれば、特にないと思います。
  • 50代男性 代謝・内分泌科 「ほとんどない」
    腎機能正常ならほとんどないです。
  • 50代男性 一般内科 「ほとんどない」
    腎障害がなければ問題ないと思います。

一方、否定的な意見を回答した医師の方々のコメントにも、前述のように、腎機能が正常な方であれば、タンパク質を多く摂っても腎臓に問題はないと考える意見が多くありました。
また、「タンパク質を摂って腎臓が悪くなった人を見たことがない」とご自身の経験からあまりないと考える医師もいました。
ただし、「腎機能が落ちて来たら制限するべきだとは思います。」というコメントもあり、必ずしも影響がないと考えているわけではなさそうです。

腎臓が悪い方は、タンパク質の摂取に注意を

本調査では、タンパク質を多く摂ることで腎臓への負担リスクはあるかと尋ねたところ、78%の医師が肯定的な意見(「大いにある」が24%、「多少はある」が54%)、22%の医師が否定的な意見(「あまりない」が16%、「ほとんどない」が6%)と回答する結果となりました。
肯定的・否定的な意見の両方を通じて、腎機能が正常な方はタンパク質を多く摂っても負担はないと考える方が多かったです。
一方、肯定的な意見のなかには、腎機能が悪い人や高齢者はタンパク質を多く摂りすぎると腎臓に負担がかかる、過剰なタンパク質摂取はCKD(慢性腎臓病)を引き起こすことがあるといった意見も寄せられました。
全体を通じて肯定派が多かったものの、その多くは「腎機能がもともと悪い人によく見られる」とのコメントであり、健常人であれば特に問題はないとの声が目立ちました。
したがって、腎臓が悪い方のタンパク質の摂りすぎには注意が必要であり、該当される方は医師および栄養士の指導を受けることが大事そうです。

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