運動不足で起こる腰痛の原因でよく見られるものは何?腰痛の改善に適した運動とは?医師527人に聞いてみました

腰を押さえる女性
本調査では、「運動不足で起こる腰痛の原因でよく見られるものは何ですか?」と質問したところ、「急性腰痛症」との回答が一番多く、次に「腰部椎間板ヘルニア」、「変形性腰椎症」が続きました。筋力の低下によるもので多い腰痛は、急性腰痛症(=ギックリ腰)とされており、一方、肥満など体重増加に伴う腰痛では、腰部椎間板ヘルニアが多いようでした。次に、「腰痛の改善に適した運動は何ですか?」という質問では、「ウォーキング」と回答している医師が一番多く、次に「水泳」、「ストレッチ」が続きました。手軽さをとるなら、ウォーキングがおすすめで、腰への負担の軽さをとるなら水泳がおすすめのようです。本記事を参考に、ご自身に合った腰痛改善方法を試してみてはいかがでしょうか。
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重い荷物を持ち上げようとした時、急に腰に痛みが走ってしまうこともありますよね。
その他にも、年齢を重ねると思わぬ腰痛に悩まされることがあるかと思います。そんな腰痛ですが、原因としては何が考えられるのでしょうか。
また、実際に腰痛が起きてしまった場合、改善法として適した運動はあるのか気になりますよね。

そこで今回は、一般内科、総合診療、代謝・内分泌科、健診・予防医学医527人に、運動不足で起こる腰痛の原因でよく見られるものは何か、腰痛の改善に適した運動は何か聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月25日~2018年11月26日にかけて行われ、一般内科、総合診療、代謝・内分泌科、健診・予防医学医527人から回答を頂きました。

運動不足で起こる腰痛の原因でよく見られるものは何?

まずは、「運動不足で起こる腰痛の原因でよく見られるものは何ですか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 急性腰痛症
  • 腰部椎間板ヘルニア
  • 変形性腰椎症
  • 心因性腰痛
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎分離症・すべり症
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「急性腰痛症」との回答が63%と一番多く、次に「腰部椎間板ヘルニア」、「変形性腰椎症」が続きました。
「急性腰痛症」への医師からの回答のみ過半数を占めており、特に代表的な腰痛の原因と考えられそうです。
いくつかの病気の概要をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。

急性腰痛症/ギックリ腰とは

腰痛症には、急性腰痛と慢性腰痛があります。急性腰痛は、いわゆるギックリ腰とよばれ、腰部椎間板(ようぶついかんばん)の断裂、ヘルニア、腰部椎間関節症(ようぶついかんかんせつしょう)、腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)などが原因として考えられます。急性腰痛は、物を持ち上げたり、腰をひねったりした時に、突然腰痛が生じ、動けなくなる状態をいいます。

引用:急性腰痛症|慶應義塾大学病院

腰部椎間板ヘルニアとは

腰の骨は、5つの腰椎とその下位に位置する仙骨から構成されています。腰椎同士の間、腰椎と仙骨の間には、椎間板があります。椎間板はドーナツのようなものを想像してください。椎間板の中央 (ドーナツの穴部分) は髄核(ずいかく)といって、10歳台まではゼリー状ですが、年齢を重ねるうち水分を失い硬くなり、柔軟性がなくなってきます。そして縦・横に亀裂が生じるようになると、日常のちょっとしたストレスで破れてしまい腰椎の脊柱管の中に飛び出します。脊柱管の内部には神経があり、飛び出した髄核によって圧迫を受けます。この状態が椎間板ヘルニアです。

引用:腰部椎間板ヘルニア|上尾市医師会

変形性腰椎症とは

加齢性の変化で脊椎が変形したり、腰背部の筋肉が弱くなったり、骨粗鬆症、圧迫骨折などで身体の正しい姿勢を保持できなくなり脊椎の形が歪んでくる事で脊椎の変形は生じます。

引用:変形性腰椎症|慶應義塾大学病院

筋肉が衰えている腰に、急に負荷をかけると発生しやすい

  • 50代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    急性の腰痛の原因は運動不足だと思います。
  • 50代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    軽いギックリ腰は多いと思います。
  • 60代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    肥満と筋力低下が原因です。
  • 50代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    体幹の筋力が弱いと腰痛になります。
  • 50代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    脊椎・下肢の周囲筋肉が弱ることで発生すると考えられます。
  • 50代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    腰椎を支える筋肉が衰えると、腰痛症が発生します。
  • 40代女性 一般内科 「急性腰痛症」
    運動不足のところに急な負担をかけるとなりやすいです。
  • 50代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    萎縮した筋肉への負担は痛みがでるのではないでしょうか。
  • 50代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    柔軟体操が大切です。
  • 30代女性 一般内科 「急性腰痛症」
    痛いからといって動かずにいると、悪循環になります。
  • 50代男性 一般内科 「急性腰痛症」
    痛みが落ち着けば、運動を勧めています。

一番多く回答を集めたのは、「急性腰痛症」との意見でした。
まず、急性の腰痛の主な原因は運動不足とされ、肥満や筋力低下が関係してくるとのことでした。
特に、脊椎・腰椎など体幹の筋力が衰えてくると急性腰痛症(=ギックリ腰)になりやすいそうです。
他にも普段運動をしない方が、急に腰に負担のかかる動きをすると発生しやすいとのことでした。
萎縮している筋肉に負担を掛けることで痛みが起こりやすいといったコメントや、柔軟体操で筋肉を柔らかくすることを推奨したコメントもみられています。
さらに、痛いからといって運動しないと悪循環との指摘もあり、痛みが落ち着いてきたら運動することも大事なようでした。

運動不足による肥満では、腰部椎間板ヘルニアが多い

  • 60代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    腰痛が多いですが、腰部椎間板ヘルニアが一番多い気がします。
  • 40代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    腰への負担が腰部椎間板ヘルニアの原因になり得ると思われます。
  • 60代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    肥満に伴う間接的要因が大きいと思います。
  • 50代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    体重に椎間板が負けてしまうと思います。
  • 50代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    メタボリックシンドロームなら危険です。
  • 50代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    体重増加は肥満となり、腰部椎間板ヘルニアを悪化させます。
  • 50代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    筋力の低下で椎間板に負担がかかるからです。
  • 60代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    脊柱を支える筋群の弱体化により生じると考えています。
  • 40代男性 一般内科 「腰部椎間板ヘルニア」
    歩きすぎると、腰椎椎間板ヘルニアの症状が再発します。自分の経験談です。

まず、コメントで新しく出てきた「メタボリックシンドローム」という言葉の概要に触れてから、医師のコメントを見ていきましょう。

メタボリックシンドロームとは

内蔵肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさり、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患をまねきやすい病態です。単に腹囲が大きいだけではメタボリックシンドロームにはあてはまりません。

引用:メタボリックシンドローム|厚生労働省

次に回答で多かったのは、「腰部椎間板ヘルニア」との意見でした。
主に挙がった意見は「肥満に伴い起こる」という内容でした。
肥満や、メタボリックシンドロームの方は、特に体重に椎間板が負けてしまい腰部椎間板ヘルニアになってしまう可能性が示唆されています。
他にも脊柱を支える筋群が弱体化することで、椎間板に負担がかかりヘルニアになってしまう例も挙げられています。
また、「歩き過ぎると、症状が再発する」といった医師自身の経験談も上がっていますので、もし既に腰部椎間板ヘルニアを患っている方がいましたら、参考にしてみてください。

腰痛の改善に適した運動は何?

続いて「腰痛の改善に適した運動は何ですか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • ウォーキング
  • 水泳
  • ストレッチ
  • 筋肉トレーニング
  • 体操
  • ヨガ
  • ランニング
  • 特にない
  • その他

以下のグラフが結果となります。

こちらの調査では、「ウォーキング」と回答している医師が54%と一番多く、次に「水泳」、「ストレッチ」が続きました。
「ウォーキング」・「水泳」を支持する医師はどちらも過半数を占めており、腰痛の改善の際はまず試してみても良さそうです。
それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

手軽に続けやすいウォーキングがおすすめ

  • 50代男性 一般内科「ウォーキング」
    適度に歩くのが一番良いと思います。
  • 60代男性 一般内科「ウォーキング」
    人間の自然な行動の歩行で十分です。
  • 60代男性 一般内科「ウォーキング」
    低強度の運動が良いと思います。
  • 60代男性 一般内科「ウォーキング」
    体に負担のかからない運動がよいと思います。
  • 60代男性 一般内科「ウォーキング」
    ウォーキング 、 ランニング等簡単にできる運動が良いです。
  • 30代女性 一般内科「ウォーキング」
    一番手軽で誰でもできます。
  • 30代女性 一般内科「ウォーキング」
    普段の生活に運動を取り入れるといいでしょう。
  • 50代男性 一般内科「ウォーキング」
    歩くことが解決につながると思います。
  • 50代男性 一般内科「ウォーキング」・「水泳」
    歩くだけで効果があります。
  • 50代男性 一般内科「ウォーキング」
    歩行は、腰痛の改善に有効と思います。
  • 40代女性 一般内科「ウォーキング」・「水泳」
    特に水中ウォーキングがいいです。

一番多く回答を集めたのは、「ウォーキング」との意見でした。
ウォーキングが推奨される理由として、手軽で誰でもできること、体に負担のかからないことなどが挙げられていました。
継続しやすい腰痛の改善方法として支持されているようですし、まずは日常的に歩く機会を増やしてみてはいかがでしょうか?

浮力を利用する水泳は、腰への負担が少ない

  • 40代男性 一般内科 「水泳」・「ウォーキング」
  • 軽めの運動で、持続できるものでしょうか。
  • 40代女性 一般内科 「水泳」・「ウォーキング」
    水中でのウォーキングが最も良いと思います。
  • 40代男性 一般内科 「水泳」
    水泳は有酸素運動でありながら、レジスタンス運動でもあり、良いと思います。
  • 60代男性 一般内科 「水泳」
    全身運動としては最適です。
  • 40代男性 一般内科 「水泳」
    水泳が一番腰や肩に負担がないです。
  • 30代男性 一般内科 「水泳」・「ウォーキング」
    浮力を考えると水泳が負担なくいいのではないでしょうか。
  • 40代女性 一般内科 「水泳」
    重力がかかりにくいので、水泳が最適です。
  • 70代男性 一般内科 「水泳」・「ストレッチ」
    関節への負荷が生じないものが望ましいです。
  • 60代男性 一般内科 「水泳」・「筋肉トレーニング」・「ストレッチ」
    高齢者の場合には、体重の負担の影響の比較的少ないものが安全です。
  • 50代男性 代謝・内分泌科 「水泳」
    全身の負担が少ないのでやりやすいです。
  • 60代男性 一般内科 「水泳」
    腰痛の人の状況しだいだと思いますが、とりあえず水の中での運動は腰痛治療には必須だと思います。
  • 50代男性 一般内科 「水泳」
    温水プールでの水泳が良さそうです。
  • 50代男性 一般内科 「水泳」・「ウォーキング」
    あまり負荷のかかる激しい運動は逆効果と思います。

次に回答で多かったのは、「水泳」との意見でした。
「水泳」と選択した医師からは「水中でのウォーキングが最適」との意見や、水中での運動は浮力が働くため、陸上での運動に比べ関節や腰への負担が少ないといった意見が挙がっていました。
他にも「高齢者の場合、体重の負担が比較的少ないものが安全」という意見も挙がっていました。
水の中での運動は、腰痛治療には必須との意見も挙がっていますので、続けやすいと思う方は水泳などの水中運動を取り入れても良いかも知れません。
あまり負担のかかる激しい運動は逆効果になりますので、注意しましょう。

腰に負担がかからない程度の運動を心がけましょう

本調査によると、まず運動不足で起こる腰痛の原因でよく見られるものは何か聞いたところ、「急性腰痛症」との回答が一番多く、次に「腰部椎間板ヘルニア」、「変形性腰椎症」が続きました。
急性腰痛症は、いわゆるギックリ腰のことで、体幹の筋肉が衰えている状態で腰に負担をかけると起こりやすいようです。腰部椎間板ヘルニアは、特に肥満やメタボリックシンドロームの方に多く、体重に椎間板が負けてしまうことで起こってしまうようでした。
次に、腰痛の改善に適した運動は何かという質問については、「ウォーキング」と回答している医師が一番多く、次に「水泳」、「ストレッチ」が続きました。
まず、「続けやすい」「手軽」という理由から、ウォーキングをおすすめする声が挙がりました。「自然な行動の歩行で十分」といった医師の意見もみられています。
続いて、「浮力を利用することで、腰への負担が少ない中で全身運動ができる」という理由で、水泳や水中ウォーキングを推奨する声が挙がりました。以上をふまえると腰痛の改善も予防も、腰回りの筋肉を鍛えるのが重要そうです。そのため、腰痛などを抱えていない方でも、日頃歩く機会を増やし、腰に負担がかからない程度の運動を意識した方が良いのかも知れませんね。

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