飲酒した際に特に服用を避けるべき薬は何?医師509人に聞いてみました

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本調査では、「飲酒した際に特に服用を避けるべき薬は何ですか?」という質問をしたところ「睡眠薬」との回答が一番多く、次に「全ての薬の服用を避けるべき」、「精神安定薬」が続きました。「睡眠薬」「精神安定薬」と回答した医師からは、薬の効果が増強してしまうといった危険性を訴えるコメントが多く見られました。さらに睡眠薬の場合は、レム睡眠が浅くなってしまったり、一過性健忘を伴ったりする可能性が挙げられています。精神安定剤は、鎮静効果の増強がみられることがあり、呼吸抑制を起こす危険性が挙げられていました。「すべての薬の服用を避けるべき」と回答した医師からは、「薬剤は水と一緒に内服するよう設計されている」や「アルコールは薬物と認識するべき」という基本的な注意点に触れるコメントがみられました。
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現在、服薬中の方は、飲み会がある場合に「お酒を飲んでも薬に影響しないかな?」と心配になることがあると思います。
中にはあまり気にかけない方もいるかも知れませんが、健康に関わることなので油断は禁物です。アルコールが薬にどのような影響を及ぼすか知っておきましょう。
また、医師が警鐘を鳴らす、特にアルコールとの併用を避けるべき薬にはどんなものがあるのかも確認しておきたいものです。

そこで今回は、一般内科、総合診療、消化器内科医509人に飲酒した際に特に服用を避けるべき薬は何か聞いてみました。

関連記事:薬と相性の悪い飲み物ってあるの?医師500人に聞いてみました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月19日~2018年11月20日にかけて行われ、一般内科,総合診療,消化器内科医509人から回答を頂きました。

飲酒した際に特に服用を避けるべき薬は何?

「飲酒した際に特に服用を避けるべき薬は何ですか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 睡眠薬
  • 精神安定薬
  • 抗ヒスタミン薬
  • 抗生物質
  • 鎮咳薬
  • 降圧薬
  • 解熱鎮痛剤
  • 糖尿病薬
  • 抗凝固薬
  • 全ての薬の服用を避けるべき
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「睡眠薬」との回答が50%と一番高く、次に「全ての薬の服用を避けるべき」36%、「精神安定薬」30%が続きました。
全ての薬の服用を避けるという意見以上に、睡眠薬は特に避けるべきという回答が一番多く挙がりました。
まずは選択肢に挙がっている薬の概要をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。

睡眠薬とは

睡眠を誘発し、持続させるための薬物。症状に合った薬剤を医師の処方によって服用する。
最近では睡眠導入剤とも言われます。文字通り睡眠を促す薬で、不眠状態や睡眠が必要な状態に使われる薬の総称です。
(中略)使用には、疾患を併せ持つ場合や他の薬剤との併用などは副作用などの恐れもあるため、医師の診断が必要です。また、最近の睡眠薬は安全性が高くなりましたが、突然中止すると症状が悪化する場合もあります。

引用:睡眠薬|厚生労働省

精神安定薬とは

不安や緊張などを軽減、解消をする薬のこと。マイナートランキライザーとメジャートランキライザーの2種類があり、どちらも中枢神経に作用します。
マイナートランキライザーは抗不安薬とも言われ、主に神経症やうつ病、心身症などに利用されます。比較的軽度の不安の緩和や、気分を落ち着かせることができます。眠くなることが多いため、睡眠補助剤として使われる場合もあります。
メジャートランキライザーは抗精神病薬とも言われ、統合失調症やアルコール依存症などに用いられます。強い抗精神作用を持つ薬で、マイナートランキライザーでは対応できない、極度の不安などを取り除くことができます。急性の精神障害の治療や、その他にも幅広い精神疾患に使用されます。
一般的に精神安定剤という場合、多くがマイナートランキライザーを指しています。

引用:精神安定薬|厚生労働省

抗ヒスタミン薬とは

アレルギー性鼻炎治療薬の中心となる抗アレルギー薬は,メディエーター遊離抑制薬とメディエーター拮抗薬に分類されるが,抗ヒスタミン薬はメディエーター拮抗薬の範疇に分類される。肥満細胞上でのアレルゲンと特異IgE抗体の架橋によって誘導されるヒスタミンの遊離がアレルギー性鼻炎の症状発現の中心であるが,ヒスタミンは産生細胞自身や近傍の標的細胞上の受容体を介して,オートクラインあるいはパラクラインに作用することが知られている。

引用:抗ヒスタミン薬|厚生労働省委託事業 公益財団法人日本医療機能評価機構

降圧薬とは

血圧を下げるために飲む薬を降圧剤といいます。 降圧剤は、飲み始めたら長期に継続して飲むことが大事です。 薬を内服して血圧が下がったからといって自分で勝手に止めてしまうのは危険です。 生活習慣の改善等で血圧が低下すれば降圧剤を止めることも可能ですが、主治医の先生とよく相談して決めなければいけません。

引用:降圧薬|一般社団法人 小金井市医師会

飲酒によって、薬の効果が強くなってしまう可能性がある

  • 60代男性 一般内科 「睡眠薬」
    これは医学的な常識です。
  • 50代男性 一般内科 「睡眠薬」
    眠剤は服用注意の代表例です。
  • 40代女性 一般内科 「睡眠薬」
    睡眠薬は危険なのではないでしょうか。
  • 50代女性 一般内科 「睡眠薬」
    睡眠薬との併用は禁忌です。
  • 60代男性 一般内科 「睡眠薬」
    相乗効果があるからです。
  • 60代男性 一般内科 「睡眠薬」
    突然、効きすぎるのではないでしょうか。
  • 60代男性 一般内科 「睡眠薬」
    睡眠薬は効果が出過ぎる可能性があります。
  • 30代男性 一般内科 「睡眠薬」
    相乗効果による副作用が懸念されます。
  • 50代男性 一般内科 「睡眠薬」
    ハルシオンなどはやめたほうがいいでしょう。
  • 50代男性 一般内科 「睡眠薬」
    そうでなくてもレム睡眠を浅くしますし、振戦せん妄をもたらしやすくなります。
  • 40代男性 一般内科 「睡眠薬」
    一過性健忘を伴うことがあります。
  • 50代男性 一般内科 「睡眠薬」
    夢遊病になることがあります。
  • 50代女性 一般内科 「睡眠薬」
    過鎮静になりやすいので注意が必要です。

一番多かった回答は、「睡眠薬」との意見でした。
まず、医師のコメントで多かったのは「睡眠薬とお酒の併用は危険」というものでした。睡眠薬とお酒の併用は禁忌とまで言う医師もおり、その危険性がうかがえます。また「ハルシオンは避けるべき」と、具体的な薬剤名をコメントした医師も多数いました。
何故併用すべきでないかという理由については、アルコールとの相乗効果や、薬の効果が増強されることから、本来薬が持っている薬効が、より強く出てしまう可能性が指摘されました。
それに伴い、突然効きすぎてしまうことや、副作用も懸念されています。
アルコールと睡眠薬の併用で出現しやすい症状の例として、振戦せん妄、一過性健忘、夢遊病、過鎮静などが挙げられています。
振戦せん妄、一過性健忘などの用語の概要は、以下の通りです。知らなかったという方はご一読ください。

振戦せん妄とは

振戦せん妄は、アルコールの離脱症状(俗にいう禁断症状)のひとつで、長期間の飲酒歴のある重度のアルコール依存症者が、飲酒を中断または減量した際に生じます。多くは大量のアルコール摂取を中止または減量してから2~4日目頃に出現し、通常3~4日で回復しますが、個人差が大きく、長引くこともあります。身体的な合併症がある場合に起こりやすいといわれています。
主な症状としては「頻脈や発熱」「発汗などの著明な自律神経機能亢進」「全身性の粗大な振戦」「意識変容」「精神運動興奮」「失見当識」「幻覚」などが挙げられます。

引用:振戦せん妄|厚生労働省

一過性全健忘とは

ある限られた時間に起こった出来事をすっかり忘れてしまったまま、全く思い出せなくなる症状のことです。
例えば、大切な記念日にレストランで、仲間たちと食事をしながら会話も弾み、楽しいひとときを過ごしていたはずなのに、帰宅してから急に「僕は今まで何をしていたの?」と何度も家族に尋ね始めるのです。しばらく何も覚えられない状態が続くので、家族がいくら説明してもすぐに同じ質問が繰り返されるというところが特徴の一つです。そして、このような記憶障害の他には何の症状も見られないのです。

引用:一過性全健忘|病気辞典|病気について知る|一般社団法人 松山市医師会

アルコールは、あらゆる医薬品の吸収・代謝・排泄に影響を与える危険性がある

  • 50代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    アルコールと薬の併用は厳禁でしょう。
  • 60代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    全ての薬に影響が出ます。
  • 60代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    アルコールは、薬物とご認識いただきたいものです。
  • 30代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    薬剤は、水と一緒に内服するように設計されています。
  • 60代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    飲酒と薬の服用は完全に分離すべきです。
  • 30代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    服薬中はお酒を飲むことはすすめません。
  • 30代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    アルコール代謝が薬物代謝にも影響を与えます。
  • 50代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    薬物代謝への影響は無視できないと思います。
  • 50代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    あらゆる医薬品の吸収・代謝・排泄に影響を与える危険性があります。
  • 50代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    どんな影響があるか不明だからです。
  • 50代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    飲酒して服薬すれば、何があってもおかしくありませんが、特に危険なのは抗ヒスタミン薬、睡眠薬、一部の鎮咳薬、精神安定薬などでしょう。
  • 30代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    あらゆる薬剤の血中濃度を変え得ます。
  • 50代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    特に市販の感冒薬も避けるべきです。
  • 50代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    効果増強減弱ともにありえます。
  • 60代男性 一般内科 「全ての薬の服用を避けるべき」
    副作用の出現は、人によって違い予測できないと思います。

次に回答で多かったのは、「全ての薬の服用を避けるべき」との意見です。
多くの医師が、「アルコールは薬の吸収・代謝・排泄などに影響を及ぼす危険性がある」とコメントしていました。
薬剤は水と一緒に内服するよう設計されていることから、アルコールという薬物を併用して薬を服用することは推奨されないようです。
さらに副作用や薬剤の効果増強減弱は、人によって違い、予測できないというコメントもありました。
また、特に避けたほうがいい薬剤として抗ヒスタミン薬・睡眠薬・一部の鎮咳薬・精神安定薬・市販の感冒薬(風邪薬)を挙げる医師もいました。
アルコールと薬の併用では、どんな影響が体に出てしまうか不明確なため、特に定期的に薬を服用している方は、なるべく飲酒を避けるようにしましょう。

アルコールと精神安定剤の併用は鎮静効果が増強するので危険

  • 50代男性 一般内科 「精神安定薬」
    精神活動に関わる薬剤は特に注意が必要です。
  • 60代男性 一般内科 「精神安定薬」
    効きすぎる懸念があります。
  • 60代男性 一般内科 「精神安定薬」
    向精神薬と相乗効果があると思います。
  • 60代男性 一般内科 「精神安定薬」
    とくにこれらの薬は作用がかわります。
  • 60代男性 一般内科 「精神安定薬」
    鎮静効果が増強して危険だと思います。
  • 40代男性 一般内科 「精神安定薬」
    転倒のリスクが増えると思います。
  • 30代女性 一般内科 「精神安定薬」
    呼吸抑制が掛かる可能性があります。
  • 60代男性 一般内科 「精神安定薬」
    けいれん作用が怖い印象です。
  • 60代男性 一般内科 「精神安定薬」
    中枢神経に作用する薬剤は危険です。
  • 60代男性 一般内科 「精神安定薬」
    ベンゾジアゼピン系の薬物は良くないです。
  • 50代男性 一般内科 「精神安定薬」
    眠剤や抗不安剤が危険だと思います。
  • 60代男性 一般内科 「精神安定薬」
    飲酒は脳に影響があるので、神経系の薬は避けるべきです。

次に回答を集めたのは、「精神安定薬」との意見です。
薬の中でも、精神活動に関わる薬剤とアルコールの併用は危険としています。
その理由としては、本来精神薬が持っている効果の一部である鎮静効果が増強し、場合よっては呼吸抑制が掛かってしまうそうです。
さらに併用することで薬の作用に変化がでたり、けいれんの作用がでたりすることもあるようで、危険とされています。
ベンゾジアゼピン系という具体的な薬剤の種類を挙げるコメントもみられました。
精神安定剤を服用している方は、飲酒は避けた方がよさそうです。

アルコールと薬の併用は危険

本調査では、「飲酒した際に特に服用を避けるべき薬は何ですか?」と質問したところ、「睡眠薬」との回答が一番多く、次に「全ての薬の服用を避けるべき」、「精神安定薬」が続きました。
「睡眠薬」と回答した医師からは、アルコールとの併用で、薬の効果が増強されてしまう危険性が示唆されていました。
また、それによって振戦せん妄・一過性健忘などの症状も出てくる可能性があるとしています。
次に、「すべての薬の服用を避けるべき」と回答した医師の意見では、「アルコール代謝が薬物代謝に影響を与える」というコメントが多く、それによって、さまざまな薬剤の作用が変わってしまう可能性があるようでした。また、予期せぬ副作用も懸念されています。
最後に、「精神安定薬」と回答した医師からは「鎮静効果が増強して危険」という意見が挙げられ、場合によっては呼吸抑制、けいれんが起こってしまう可能性もあるようです。
今回の調査では、どの選択肢を選択した医師も共通して、薬とアルコールの併用には批判的な姿勢を示していました。
薬とアルコールの併用をしてしまうと、どのような副作用が出てしまうのか予測できない面があるため、薬の服用中は飲酒しないよう心がけたほうがよさそうです。

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