飲酒が原因となる代表的な病気は何?健康にも配慮した飲酒量は一日にどの程度?医師509人に聞いてみました

お酒を飲む女性
本調査では、「飲酒が原因となる代表的な疾患は何ですか?」という質問をしたところ、「脂肪肝」との回答が一番多く、次に「肝炎」、「食道がん」が続きました。アルコールは肝臓に影響を及ぼしやすいようで、中でも脂肪肝・肝炎は引き起こしやすい疾患であることが医師の回答でわかりました。また、「健康にも配慮したお酒の量は一日にどの程度ですか?」という質問については、「ビール1缶」と回答している医師が一番多く、次に「お酒は飲まない方が良い」、「ビール1缶未満の少量」が続きました。上位2つの選択肢では、「ビール1缶」までを許容する肯定的な意見と「飲まないほうが良い」という否定的な意見がぶつかる結果になりました。前者では、適量を守ることと、休肝日を作ることの重要性を訴えた上で許容範囲としているようです。一方、後者では、最新の研究から少量であっても健康に影響があるというエビデンスを出し、健康を考えるのであれば、少量でも飲むべきではないと考えているようでした。本記事を参考までに、お酒との付き合い方を見直してみてはいかがでしょうか。
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「お酒が好きだから毎日でも飲みたい、でも健康が心配・・・」
そんな悩みを持っている方は意外と多いのではないでしょうか?
では、健康に配慮しながらも、お酒を飲む場合は、一日どの程度の量で留めておくことが良いのでしょう?また、過度な飲酒が引き起こす代表的な疾患を知っておくことで、日々のお酒の飲み方を見直すきっかけになるかも知れません。

そこで今回は、一般内科、総合診療、消化器内科医509人に飲酒が原因となる代表的な疾患は何か、健康にも配慮したお酒の量は一日にどの程度か聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月19日~2018年11月20日にかけて行われ、一般内科,総合診療,消化器内科医509人から回答を頂きました。

飲酒が原因となる代表的な疾患は何?

まずは、「飲酒が原因となる代表的な疾患は何ですか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。  

  • 脂肪肝
  • 肝炎
  • 食道がん
  • 膵炎
  • ウェルニッケ脳症
  • 高尿酸血症・痛風
  • 食道炎
  • 胃炎・胃潰瘍
  • 高脂血症
  • 末梢神経障害
  • 高血圧症
  • 認知症
  • 脳卒中
  • 不整脈
  • 大腸がん
  • 狭心症・心筋梗塞
  • うつ病
  • 心不全
  • 小脳失調
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「脂肪肝」との回答が72%と一番高く、次に「肝炎」57%、「食道がん」55%が続きました。
肝臓に関わる疾患が上位2位に挙がっています。
やはり、飲酒はアルコールを分解する器官に影響を与えやすいのでしょうか。

まずは、上位に挙がった疾患の概要をおさえた後、医師の回答をみていきましょう。

脂肪肝とは

肝臓には正常な人でも少量の脂肪が含まれていますが、その脂肪、特に中性脂肪が肝臓に過剰蓄積した状態を脂肪肝といいます。脂肪肝と聞くと、それほど怖い病気ではないと思う方も多いと思いますが、放置していると肝硬変や肝臓がんに進行してしまう可能性があります。
(中略)脂肪肝の原因は、アルコール性のものと非アルコール性のものがあり、さらに非アルコール性の原因としては、肥満、糖尿病、高脂血症などがあります。
アルコール性脂肪肝は多量の飲酒生活を続けていると、肝硬変へと進行する危険があります。

引用:脂肪肝|奈良県医師会

肝炎とは

ウイルス性肝炎は、A、B、C、D、E型などの肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。A型、E型肝炎ウイルスは主に食べ物を介して感染し、B型、C型、D型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。中でもB型、C型肝炎ウイルスについては、感染すると慢性の肝臓病を引き起こす原因ともなります。
肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。一部の方では、倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸(皮膚が黄色くなること)などの症状が出ることがありますが、全く症状が出ないことも少なくありません。

引用:ウイルス性肝炎|厚生労働省

高カロリーのおつまみが影響する場合がある

  • 50代男性 一般内科 「脂肪肝」
    飲酒が原因となる代表的な疾患は脂肪肝です。
  • 60代男性 一般内科 「脂肪肝」
    飲み過ぎた場合ではありますが、脂肪肝が多いと思います。
  • 40代女性 一般内科 「脂肪肝」
    脂肪肝は、確実に飲酒に関係あるかと思います。
  • 40代男性 一般内科 「脂肪肝」
    アルコール性肝障害でしょうか。
  • 40代男性 一般内科 「脂肪肝」
    お酒は適量にしておいたほうがよいでしょう。
  • 60代男性 一般内科 「脂肪肝」
    肝障害が頻度的には多いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「脂肪肝」
    検診のエコーで分かります。
  • 60代男性 一般内科 「脂肪肝」
    脂肪の摂り過ぎが現在では多いです。
  • 50代男性 一般内科 「脂肪肝」「肝炎」
    高カロリーのおつまみを摂ることが多いからだと思います。
  • 50代男性 一般内科 「脂肪肝」「肝炎」
    脂肪肝・肝硬変・アルコール依存症が問題になります。

最も多くの回答を集めたのは、「脂肪肝」という意見です。
医師のコメントを見ると「飲酒が原因となる代表的な疾患は脂肪肝」との声が多数挙がっていました。適量を超えた飲酒をすると脂肪肝になりやすいようです。
また、「高カロリーのおつまみを摂ることが多いから」とのコメントもありました。
飲酒は脂肪肝・肝硬変・アルコール依存症などの疾患の危険性が高まるという見解もみられたことから、飲み過ぎには注意が必要そうですね。

過剰摂取すると肝炎になる可能性も

  • 50代男性 一般内科 「肝炎」
    飲酒をするとアルコール性肝炎になりやすいです。
  • 60代男性 一般内科 「肝炎」
    飲酒の量にもよると思います。
  • 70代男性 一般内科 「肝炎」
    肝臓への影響が出るのではないでしょうか。
  • 60代男性 一般内科 「肝炎」「脂肪肝」
    他にも関連のある疾患はありますが、普通の量で考えると肝炎・脂肪肝でしょうか。
  • 50代男性 一般内科 「肝炎」
    飲酒が原因となる代表的な疾患は肝炎です。
  • 50代男性 一般内科 「肝炎」
    アルコールの害は多岐にわたります。
  • 40代女性 一般内科  「肝炎」
    適度な飲酒は良いですが飲酒過多は危険です。
  • 40代女性 一般内科 「肝炎」
    過剰摂取すると肝炎、膵炎が起こります。
  • 30代男性 一般内科 「肝炎」「脂肪肝」
    アルコール性脂肪肝、肝炎、肝硬変と進展します。
  • 50代男性 一般内科 「肝炎」「脂肪肝」「膵炎」
    少量から中等量なら「質の悪い糖質プラス脂肪」とみなしても良いかもしれません。大量では直接的な脳神経、肝臓、膵臓への障害性が問題となります。ただし個人差が大きいです。
  • 40代男性 一般内科 「肝炎」
    飲酒量と本人の可能代謝量のバランスによります。

次に回答を集めたのが「肝炎」との意見です。
医師のコメントで気になったものは、「過剰摂取すると肝炎を起こす」というものです。アルコールの害は多岐にわたるようですが、特に過剰摂取の場合にアルコール性肝炎や膵炎などを引き起こしやすいという意見が挙がっています。
また、飲酒量と本人の可能代謝量のバランスによるといった意見もあり、個人差はあるようでした。
他にも肝炎は、アルコール性脂肪肝→肝炎→肝硬変と進展していくと指摘する声もありました。アルコールを多飲していて肝疾患が疑われている人は、現在の肝臓の状態がどのステージなのか把握しておくことが必要なのかも知れません。

健康にも配慮したお酒の量は一日にどの程度?

続いて、「健康にも配慮したお酒の量は一日にどの程度ですか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • お酒は飲まない方が良い
  • ビール1缶未満の少量
  • ビール1缶
  • ビール2缶
  • ビール3缶以上

なお、この質問においてビールはアルコール度数5%とし、1缶あたり500mlとしています。
以下のグラフが結果となります。

こちらの調査では、「ビール1缶」と回答している医師が43%と一番多く、次に「お酒は飲まない方が良い」25%、「ビール1缶未満の少量」21%が続きました。ビール1缶と回答した医師が半数近くに上りましたが、お酒は飲まない方が良いとした声も。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。

個人差はあるが1日1缶程度なら問題ない

  • 60代男性 一般内科 「ビール1缶」
    ビール1缶くらいなら問題ないです。
  • 20代男性 一般内科 「ビール1缶」
    普通の人間ならこれ以上だと安全を保障できないです。
  • 50代男性 一般内科 「ビール1缶」
    適量と休肝日が重要だと思います。
  • 60代男性 一般内科 「ビール1缶」
    一般に言われており自分もそう思います。
  • 50代男性 一般内科 「ビール1缶」
    ビール1缶と指導しています。
  • 40代男性 一般内科 「ビール1缶」
    アルコール量20gが目安です。
  • 60代男性 一般内科 「ビール1缶」
    勧告通りのエタノール25g以下/日(男性)を推奨しています。
  • 50代男性 一般内科 「ビール1缶」
    アルコール量は、男性30g、女性20gを基準にします。
  • 50代男性 一般内科 「ビール1缶」
    500ml以下が良いと考えています。
  • 50代男性 一般内科 「ビール1缶」
    ビールでは350mlで1缶と指導しています。
  • 60代男性 一般内科 「ビール1缶」
    肝障害がなければ、ビールであれば500mlくらいまではいいと思います。
  • 40代男性 一般内科 「ビール1缶」
    糖尿病があってもこのくらいは休肝日あれば良いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「ビール1缶」
    いろんな研究で適量とされています。
  • 60代男性 一般内科 「ビール1缶」
    個人差はあると思いますが、アルコールに強くない人は、ビール1缶くらいです。
  • 50代男性 一般内科 「ビール1缶」
    飲むのが好きな人なら、好きなものを我慢すると悪影響もあるので、1缶くらいは良いでしょう。嫌いな人はわざわざ飲まなくて良いです。
  • 40代男性 一般内科 「ビール1缶」
    500ml程度ならいい影響もあります。
  • 40代男性 一般内科 「ビール1缶」
    赤くなる人はこの基準ではだめです。
  • 30代女性 一般内科 「ビール1缶」
    あとは1日量だけでなく、頻度もとても重要だと感じます。

最も多くの回答を集めたのは、「ビール1缶」という意見で、一般的な考えのようです。
「アルコール量は男性30g、女性20gを基準にする」という具体的な数値を挙げたコメントもありました。
また、「好きなものを我慢すると悪影響も出てくる」、「糖尿病があっても、休肝日を設ければ、ビール1缶は許容範囲」といった飲酒についての肯定的な意見も見られました。やはりお酒を飲むにあたっては休肝日を設けることも大事なようですね。
一方、「個人差がある」「赤くなる人はビール1缶でもだめ」といった意見もあります。肝臓の代謝能力などによっては、ビール1缶という基準は変わってくるのかもしれません。

最新の研究では少量であっても飲酒は健康に影響がある

  • 50代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    お酒は飲まない方が良いです。
  • 50代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    飲酒は良いことがないです。
  • 40代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    飲まずに済むなら飲まないのが一番いいです。
  • 50代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    お酒は体によくないと思います。
  • 50代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    生命活動の維持に必須なものではないからです。
  • 50代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    少量の飲酒は体にいいというのは、全くのデタラメです。
  • 50代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    適量なんてものはないでしょう。
  • 50代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    アルコールは脳を麻痺させる薬物だからです。
  • 60代女性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    認知症になります。
  • 70代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    酒は依存性もあるのでのまない方が良いです。
  • 70代男性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    適量の基準は個人により異なり、一概には言えません。医療現場では基本的に減酒や断酒をケースに応じて勧めております。
  • 30代女性 一般内科「お酒は飲まない方が良い」
    最新の研究では少量であっても、飲酒は健康に影響があると出ていると思います。

次に回答を集めたのが「お酒は飲まない方が良い」という意見です。
この選択肢を選んだ医師からは、お酒は生命維持のために必要なものではなく、体に害を及ぼすものとして、飲まないに越したことはないといった意見がみられました。
また、「最新の研究では少量であっても飲酒は健康に影響がある」という意見や、脳への影響などの懸念も挙げられています。
健康を第一に考えるのであれば、原則飲酒しないのが一番なのかも知れません。

お酒の過剰摂取は、脂肪肝、アルコール性肝炎につながる

本調査では、まず「飲酒が原因となる代表的な疾患は何ですか?」と質問したところ、「脂肪肝」との回答が一番多く、次に「肝炎」、「食道がん」が続きました。
飲酒が原因で起こる代表的な疾患は、アルコール性の脂肪肝とされ、進行していくとアルコール性肝炎、肝硬変になってしまうようです。
また、肝炎についても、過剰摂取によって引き起こしやすくなるようです。一方、肝臓の代謝能力には個人差があるようで、自身の状態に合わせてお酒の量のコントロールが必要かもしれません。
続いて、「健康にも配慮したお酒の量は一日にどの程度ですか?」という質問については、「ビール1缶」と回答している医師が一番多く、次に「お酒は飲まない方が良い」、「ビール1缶未満の少量」が続きました。
「ビール1缶」と回答した医師は、アルコール量は1日あたり男性30g・女性20gという基準を挙げ、休肝日を設けることも指摘した上で、「ビール1缶」を適量としていました。
一方、「お酒は飲まない方が良い」と回答した医師からは、「少量の飲酒は体にいいというのは、全くのデタラメ」「最新の研究では少量であっても飲酒は健康に影響があると出ている」という意見が挙がり、少量でも飲酒することは健康に悪いとしています。
お酒と健康の関係について心配がある方は、本記事を参考にしてみてください。

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