飲酒が貧血に繋がることはある?医師509人に聞いてみました

酔っ払いの男性
本調査では、「飲酒が貧血に繋がることはありますか?」という質問をしたところ、「ある」との回答が一番多く、次に「あまりない」、「ほとんどない」が続きました。回答だけみると、意見が分かれているように見えますが、医師のコメントを見ると、どの回答も共通して「貧血は、飲酒量によって異なるもので、主に大量飲酒する方に多い」とのことです。ただし、飲酒による貧血を起こす事例は少なく、貧血の症状がでる人は、肝硬変やアルコール依存症が疑われるとのことでした。大量飲酒をされている方、飲酒時の食事で栄養が不足している方は、こういった怖い合併症にならないよう生活習慣を見直すことが大事そうです。
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お酒を飲んでいたら急な立ちくらみが起こり、危険な思いをした方もいるのではないでしょうか。
その立ちくらみについて「お酒を飲みすぎたから貧血が起きたのではないか?」と考えられたこともあると思います。
では、実際に飲酒と貧血は関係があるのでしょうか。関係があるのであれば、飲酒の習慣についても見直したいものですよね。

そこで今回は、一般内科、総合診療、消化器内科医509人に、飲酒が貧血に繋がることはあるのか聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月19日~2018年11月20日にかけて行われ、一般内科,総合診療,消化器内科医509人から回答を頂きました。

飲酒が貧血に繋がることはある?

「飲酒が貧血に繋がることはありますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 大いにある
  • ある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「ある」との回答が35%と一番多く、次に「あまりない」33%、「ほとんどない」22%が続きました。
「ある」と「あまりない」と相反する意見がでる結果となっています。
それでは、医師のコメントをみていきましょう。

アルコール摂取量が多い人は、二次的な貧血が考えられる

  • 50代男性 一般内科 「ある」
    飲酒が貧血に繋がることはあります。
  • 30代女性 一般内科 「ある」
    アルコール依存症の領域まで飲むとそうなるかと思います。
  • 60代男性 一般内科 「ある」
    飲みすぎた場合は大球性貧血になります。
  • 40代女性 一般内科 「ある」
    肥満のないアルコール摂取量が多い人は、たいがい巨赤芽球性貧血です。
  • 40代男性 一般内科 「ある」
    健診でも飲酒量が日本酒3合以上だと、たまに下限基準値を下回って(軽度が多いですが)いる人にあたります。
  • 60代男性 一般内科 「ある」
    ビタミン欠乏性の悪性貧血になります。
  • 60代男性 一般内科 「ある」
    ビタミンや葉酸不足になる可能性はあります。
  • 50代男性 一般内科 「ある」
    飲酒は栄養失調の原因になりやすく、ビタミン不足や鉄不足からの貧血はあり得ます。
  • 50代男性 一般内科 「ある」
    酒ばかり飲んで偏食の場合にビタミンB12欠乏を起こすことはよく経験しますし、アルコール自体が脂質代謝に異常を来すため、後天性の球状赤血球症をもたらすことは、我々の分野ではよく知られています。
  • 50代男性 一般内科 「ある」
    栄養不良に陥った二次的な貧血なら有り得ます。
  • 60代女性 一般内科 「ある」
    胃粘膜の障害から、巨赤芽球性貧血が起こります。
  • 60代男性 一般内科 「ある」
    消化管傷害などから貧血が起こってきます。
  • 60代女性 一般内科 「ある」
    多量飲酒習慣→胃潰瘍→貧血ならあり得ます。
  • 40代女性 消化器内科 「ある」
    肝硬変までいくと貧血と関与するのではないでしょうか。

一番多く支持を得たのは、「ある」との回答でした。
コメントでは、飲酒による貧血の要因が多数挙げられています。
まずは、栄養不良に陥った場合の貧血です。飲酒は栄養失調の原因になりやすいようで、特にビタミンB12・葉酸・鉄分が不足することで貧血を起こしてしまうとのことです。
そして、具体的な貧血の種類については、飲みすぎた場合は大球性貧血、肥満のないアルコール摂取量が多い人の場合は巨赤芽球性貧血とするコメントがみられました。
次に、疾患が原因になる場合では、胃粘膜の障害・胃潰瘍・肝硬変などが挙げられています。胃潰瘍から貧血に陥ったり、肝硬変までいくと貧血と関与したりするとしたコメントがみられました。
巨赤芽球性貧血や胃潰瘍、肝硬変、アルコール依存症などの病気の概要は、以下の通りです。知らなかったという方は参考にしてみてください。

巨赤芽球性貧血とは

巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12あるいは葉酸の不足を原因とする貧血の総称であり、血液が造られている場所である骨髄を顕微鏡で観察すると、その名の通り、大きく未熟な赤血球((巨赤芽球)が認められます。

引用:巨赤芽球性貧血|東邦大学医療センター 大森病院 臨床検査部

胃潰瘍とは

胃から分泌される胃酸と、胃酸から胃壁を守る粘液の分泌のバランスが崩れ、胃酸によって胃壁が傷つき、痛みを感じたり出血を起こす病気のことです。胃潰瘍と十二指腸潰瘍を総称して消化性潰瘍とも呼びます。

引用:胃潰瘍|厚生労働省

肝硬変とは

肝硬変とは文字通り肝臓の組織が硬くなる病気です。B型やC型肝炎ウイルス感染やアルコール肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎などによって肝臓の炎症が生じ、組織の修復の過程で線維が増加し肝臓全体が硬くなってしまう病気です。

引用:肝硬変|一般社団法人 枚方市医師会

アルコール依存症とは

大量のお酒を長期にわたって飲み続けることで、お酒がないといられなくなる状態が、アルコール依存症です。その影響が精神面にも、身体面にも表れ、仕事ができなくなるなど生活面にも支障が出てきます。またアルコールが抜けると、イライラや神経過敏、不眠、頭痛・吐き気、下痢、手の震え、発汗、頻脈・動悸などの離脱症状が出てくるので、それを抑えるために、また飲んでしまうといったことが起こります。

引用:アルコール依存症|厚生労働省

アルコールが過度でなければ貧血の直接的な関わりはあまりない

  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    貧血とは直接関係ないと思います。
  • 40代男性 一般内科 「あまりない」
    過度でなければ、あまり関係ないです。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    よほどの大量飲酒と食事摂取不良がなければならないです。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    ビタミンB12の低下がなければ関係ないです。
  • 40代女性 一般内科 「あまりない」
    直接つながる印象はないですが、アルコール依存症になるとビタミン不足で悪性貧血になり得ます。
  • 30代男性 一般内科 「あまりない」
    飲酒をしすぎて必要な栄養素が不足した場合はありそうです。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    アルコール依存症や肝硬変の方は貧血と関係あるかもしれません。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    飲みすぎで胃や食道に疾患ができていなければ、あるいは過度の飲酒で栄養障害が起こっていなければ、貧血は起こらないと思います。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    胃炎を起こすほど飲めば貧血になるかもしれないです。
  • 50代女性 一般内科 「あまりない」
    胃潰瘍になったり、ビタミン不足になったりすることで貧血になることはあります。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    野菜をとらないと貧血になります。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    おつまみばかり食べていると貧血になると思います。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    脳貧血以外はあまりないと思います。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    大酒家では、大球性貧血になることがあります。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    多飲する人が健康診断で検査すると、むしろ多血症が目立ちます。貧血症は深刻な事態である場合もあり、肝硬変などを疑います。

次に回答で多かったのは、「あまりない」との意見でした。
全体的に、「ある」と回答した医師と共通した内容のコメントが多くみられており、ビタミンB12の低下が重要とされ、飲酒をしながらおつまみばかり食べていたり、野菜を摂らなかったりすることが貧血に繋がると考えられているようでした。
次に、疾患では、胃炎・胃潰瘍・食道疾患がみられると貧血が起こる可能性があると指摘されています。
しかし、「貧血とは直接関係がない」との意見も多く、もし関係があるとすると、その対象は大酒家や、アルコール依存症患者とのことでした。
また、多飲する人が検査をすると、むしろ多血症が目立つ場合があるそうで、貧血の場合は、肝硬変など深刻な事態のことがあるともコメントがありました。
飲酒の際は、飲みすぎないよう自制し、おつまみも塩気の多いものばかりでなく野菜類もしっかり摂ることを意識すると良いかもしれません。

貧血を伴う場合はアルコール依存症や肝硬変が疑われる

  • 70代男性 一般内科 「ほとんどない」
    貧血を血球成分の減少とするならば、飲酒が貧血に繋がることはないです。
  • 60代男性 一般内科 「ほとんどない」
    直接は関係ないかと思います。
  • 60代男性 一般内科 「ほとんどない」
    アルコールそのものの作用としては、貧血は無いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「ほとんどない」
    貧血まで起こす例はほとんど無いです。
  • 50代男性 一般内科 「ほとんどない」
    栄養とらなければそうなりますが、ほとんどないでしょう。
  • 60代男性 一般内科 「ほとんどない」
    飲酒に伴う食事の影響が多いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「ほとんどない」
    食べていれば問題はないです。ただし肝硬変に至っていれば貧血となります。
  • 50代男性 一般内科 「ほとんどない」
    何も食べずに飲む、血を吐く程飲む、とかしない限りは大丈夫でしょう。
  • 40代男性 一般内科 「ほとんどない」
    貧血にまで至るような状態ではアルコール依存症が疑われます。
  • 30代男性 一般内科 「ほとんどない」
    かなりの大酒飲み以外はあてはまらない。

次に回答で多かったのは、「ほとんどない」との意見でした。
こちらの回答でも、「飲酒と貧血は、直接は関係ない」や「アルコールそのものの作用として貧血は無い」という意見が目立ちました。
飲酒に伴う食事が貧血に関係しやすく、栄養を摂らなければ貧血になりやすいようです。一方で、そういった例はあまり見ないとのことでした。
また、貧血にまで至るような場合はやはり肝硬変やアルコール依存症が疑われるようなので、受診することをおすすめします。

飲酒が貧血に関わることは通常少ないが、大酒家やアルコール依存症などではありうる

本調査によれば、「飲酒が貧血に繋がることはありますか?」という質問に対して、「ある」との回答が一番多く、次に「あまりない」、「ほとんどない」が続きました。
回答が「ある」「あまりない」など分かれる結果になりましたが、コメントの内容は比較的共通していました。
まず、アルコールの作用が直接貧血に関わるとは考えにくいものの、二次的な要因として栄養不足が挙げられています。飲酒に伴う食事の際に栄養の偏りが出てしまいがちになると指摘されており、特にビタミンB12の不足が貧血の原因となるようです。
一方、疾患が要因になる場合としては、胃潰瘍や胃炎などが挙げられています。これらの疾患は大量飲酒した結果、起こる可能性があるとしています。
さらに、貧血が出てしまっている場合は、肝硬変やアルコール依存症など深刻な状態の疑いがあるという意見もありました。
大量飲酒をされている方、飲酒時の食事で栄養が不足している方は、こういった怖い合併症にならないよう生活習慣を見直すことが大事そうです。

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