めまいの症状で悩まれている方は、意外と多いのではないでしょうか。
日常のふとした瞬間にめまいは起こるので、対応に困りますよね。
ではめまいは、事前に対策をすることはできるのでしょうか。めまいに悩まれている方は、予防策があるのであれば日々の生活に取り入れていきたいですよね。
そこで今回は、一般内科、耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科医538人に、日常生活でめまいを予防するために患者さん自身ができることは何か、習慣的にめまいが起こるような患者さんの対処法として適しているものは何か聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年3月8日~2018年3月9日にかけて行われ、一般内科、耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科医538人から回答を頂きました。
日常生活でめまい予防のために出来ることは何?
まずは、「日常生活でめまいを予防するために患者さん自身ができることは何ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 生活のリズムを整える
- ストレスを溜めない
- 適度な運動を行う
- 体をゆっくり動かすようにする
- アルコール・タバコを控える
- バランスのとれた食事をする
- その他
以下のグラフが結果となります。
集計結果では、「生活のリズムを整える」との回答が65%と一番高く、次に「ストレスを溜めない」、「適度な運動を行う」が続きました。
上位2つはどちらも過半数を占める医師からの支持があり、まず試してみても良さそうです。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。
生活習慣を改善しリズムを整えよう
- 50代男性 一般内科 「生活のリズムを整える」
めまいが生じた時の対応方法を指導するようにしています。 - 50代男性 一般内科 「生活のリズムを整える」
生活習慣を改善することと、節制が第一です。 - 50代男性 神経内科 「生活のリズムを整える」
十分な睡眠が大切です。 - 30代男性 一般内科 「生活のリズムを整える」
生活リズムが崩れていることが原因になります。 - 60代男性 一般内科 「生活のリズムを整える」
生活リズムの乱れが誘因となる印象があります。 - 60代男性 一般内科 「生活のリズムを整える」
しっかりと休養する事が重要です。 - 30代男性 一般内科 「生活のリズムを整える」
生活習慣の見直しが大事です。 - 60代男性 一般内科 「生活のリズムを整える」
自律神経の正常化が重要です。 - 40代男性 一般内科 「生活のリズムを整える」
睡眠不足は一番良くないです。
医師の回答を見ると、「生活のリズムを整える」との声が多数挙がっていました。
具体的には以下のような意見がありました。
- 生活習慣を改善すること
- 節制すること
- 十分な睡眠をとること
- 自律神経を正常化すること
睡眠不足などで生活リズムが乱れると、それが誘因となってめまいも起こるようです。生活習慣に問題がある場合は、まずは見直せないか考えてみましょう。
また自律神経という言葉も出てきたので、まずは概要をおさえましょう。
自律神経とは
自律神経は自分の意思とは無関係に、体表や身体の内部の刺激に反応して身体の機能を調整する働きをしています。走ると“ハ~ハ~”と激しく息をして心臓がドキドキするのは、自律神経によって呼吸や心臓の動きが速くなったためです。
引用:自律神経|日本医師会
自律神経は、自分の意思とは無関係に体の表面や内部の刺激に反応しているものののようですね。生活リズムを正して、自律神経も正常化出来るように心がけましょう。
ストレスを溜め過ぎないように心がけよう
- 60代女性 一般内科 「ストレスを溜めない」
ストレスが原因となることが多いような気がします。 - 60代男性 耳鼻咽喉科 「ストレスを溜めない」
楽天的な人は、あまりめまいを起こさないように思います。 - 30代男性 一般内科 「ストレスを溜めない」
心因性のめまいは予防可能です。 - 50代男性 脳神経外科 「ストレスを溜めない」
ストレスを溜めないのはたやすいことではないですが、大切なことです。 - 50代男性 一般内科 「ストレスを溜めない」
ストレスをためない事が重要ですが、だからと言ってストレスをためないで済ませることは難しいとも思います。 - 40代男性 一般内科 「ストレスを溜めない」
ストレスの軽減が重要と思います。 - 50代女性 一般内科 「ストレスを溜めない」
無理しないことが大切だと思います。 - 50代男性 一般内科 「ストレスを溜めない」
現代でストレスフリーは難しいですが、意識してみましょう。 - 30代男性 一般内科 「ストレスを溜めない」
ストレスは血圧等にも影響があります。 - 30代女性 一般内科 「ストレスを溜めない」
ストレスは大敵です。適度な発散をしましょう。
次にコメントで多かったのは、「ストレスを溜めない」との意見です。
ストレスの影響は大きく、血圧の数値の悪化やめまいを起こすことも多いようです。個人差はあると思いますが、楽天的な人はあまりめまいを起こさないとの医師の意見もありました。
現代でストレスを完全に取り払うことはなかなか難しいことですが、ストレスの適度な発散を心がけることが大切と言えそうです。
心因性のめまいは予防可能との意見もあるので、日々のストレスの軽減を目指しましょう。
習慣的にめまいが起こる場合の対処法って何?
続いて「習慣的にめまいが起こるような患者さんの対処法として適しているものは何ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 横になるなど安静にする
- 頭を動かさない
- 部屋を暗くする・目を閉じる
- 体を締め付けているものを緩める
- ツボを押す
- その他
以下のグラフが結果となります。
こちらの調査では、「横になるなど安静にする」と回答している医師が74%と一番多く、次に「頭を動かさない」、「部屋を暗くする・目を閉じる」が続きました。「横になるなど安静にする」に対する医師からの支持が大きく目立つ結果となりました。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。
まずは安静にして焦らずに様子を見よう
- 70代男性 一般内科「横になるなど安静にする」
まずは安静にして様子を見てみると良いと思います。 - 50代男性 一般内科 「横になるなど安静にする」
まず安静で改善することが少なくないと思います。 - 60代男性 一般内科 「横になるなど安静にする」
患者さんには、まずはあまりあわてる必要はない旨を説明します。他の症状で呂律が回らない、麻痺等が出現した場合、耳の聞こえが悪くなった場合等は総合病院受診を勧めます。 - 50代男性 一般内科 「横になるなど安静にする」
ゆっくり動き始めるように指導しています。 - 70代男性 一般内科「横になるなど安静にする」
ゆっくりとリラックスすることが必要です。 - 60代男性 一般内科 「横になるなど安静にする」
まずは安静を保つ事でほとんどのめまいは改善するので、重症ではないことを理解させます。 - 40代男性 一般内科 「横になるなど安静にする」
症状の出ている急性期については上記安静臥床をお勧めしています。高齢者の場合、転倒からのさらなる障害の発生に配慮します。 - 30代男性 一般内科 「横になるなど安静にする」
転倒、骨折といった2次被害を防ぎたいです。 - 50代男性 一般内科 「横になるなど安静にする」
程度と症状によりますがまずは安静にて経過をみてよいと思います。 - 70代男性 一般内科「横になるなど安静にする」
経過観察で、症状が改善しない場合は、受診するように指導しています。
一番多く見られたコメントは、「横になるなど安静にする」というものでした。
安静にすることで改善する場合が少なくないそうです。患者さんにも、あまり慌てる必要はなく、リラックスするように説明することが多いとコメントした医師もおられました。
慌ててしまい転倒して骨折といった2次被害を防ぐためにも、まずは落ち着くことが大切なようです。特に、高齢者の転倒が懸念されるそうなので、注意が必要です。
一方で、経過を観察して症状が良くならない場合や、他の症状ある場合は病院の受診が推奨されています。具体的な随伴症状には、呂律が回らない場合、麻痺等が出現した場合、耳の聞こえが悪くなった場合が挙がっていました。
急に頭を動かすことは控えよう
- 50代男性 一般内科 「頭を動かさない」
立ち上がる時などは膝に手をつく等指導しています。 - 40代女性 一般内科 「頭を動かさない」
急に頭を動かすとなりやすいように思います。 - 50代男性 一般内科 「頭を動かさない」
体動を控えることが肝要です。 - 60代男性 一般内科 「頭を動かさない」
急には頭を動かさないようにしましょう。 - 40代男性 一般内科 「頭を動かさない」
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は安静が良いと思います。 - 50代男性 一般内科 「頭を動かさない」
良性発作性頭位めまい症(BPPV)の場合、頭の位置は重要と思います。 - 40代男性 一般内科 「頭を動かさない」
片頭痛の方は光刺激を抑え、良性発作性頭位めまい症(BPPV)は頭部の動きを抑制します。 - 50代男性 一般内科 「頭を動かさない」
挨拶など頭を動かす動作が多い人は要注意です。 - 40代男性 一般内科 「頭を動かさない」
頭位を変えると吐き気などが起こることもあります。 - 50代女性 一般内科 「頭を動かさない」
横になってもめまいが起こる場合は、余計に不安になるので、動かずに、じっとして軽く目を瞑るよう指導します。
次にコメントで気になったのは、「頭を動かさない」との意見です。急に頭を動かすことでめまいが起こることがあるようなので注意しましょう。
例えば、立ち上がる時などは膝に手をつくなど工夫をしてみるといいそうです。
また、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の際も頭部の動きを抑制することが肝心のようです。病気の概要についてもおさえておきましょう。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは
良性発作性頭位めまい症とは、その名前の通り、発作的に突然、頭の位置を変えた時におこる良性のめまいのことです。生命の危険がなく、後遺症も残らず、治療をしなくても自然と軽快することも多く、ぐるぐるまわるようなめまいの原因として一番多いとされています。
頭位を変えるとめまい以外にも吐き気などが起こることもあるそうなので、まずは頭を動かさずに安静にしてみましょう。
めまいがなかなか治まらず余計に不安になる場合は、動かずにじっとして軽く目を瞑ることもお勧めされているので、試してみても良いかもしれません。
めまいの予防には、生活リズムを整えることが大事。めまいが起きた際は焦らずに安静に
本調査では、まず日常生活でめまいを予防するために患者さん自身ができることは何か聞いたところ、「生活のリズムを整える」との回答が一番高く、次に「ストレスを溜めない」、「適度な運動を行う」が続きました。
生活リズムを整える方法としては、生活習慣を改善すること、節制すること、十分な睡眠をとることなど具体的な方法が複数挙げられていました。
取り入れやすいものから実践すれば、めまいの予防策にもなるはずです。また、ストレスについても、意識して適度に発散することが推奨されていました。
続いて、習慣的にめまいが起こるような患者さんの対処法として適しているものは何かという質問については、「横になるなど安静にする」と回答している医師が一番多く、次に「頭を動かさない」、「部屋を暗くする・目を閉じる」が続きました。
まずは安静にすることで、めまいの症状が改善する場合が多いようです。また、横になることで転倒から骨折するなどといった、2次被害を防ぐ狙いもあるようでした。
今回は日常生活でめまいを予防するために患者自身ができることは何か、習慣的にめまいが起こるような患者さんの対処法として適しているものは何かみてきました。
めまいは生活リズムやストレスなど、日常のささいなことが影響して、起こってしまうことが今回の調査から分かったと思います。めまいは厄介な症状なので、紹介した方法を行っても繰り返しめまいが起こる場合などは、無理をせずに病院の受診も検討しましょう。