高血圧の場合によく処方する薬は何?血圧が改善したら休薬って可能?医師500人に聞いてみました

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本調査によれば、まず高血圧の患者さんに対してよく処方する薬は何か聞いたところ、「カルシウム拮抗薬」との回答が一番多く、次に「ARB」、「ACE阻害薬」が続きました。上位2つの薬への医師からの支持が際立って高くなっており、どちらも過半数を占めています。処方頻度が高い薬は、効果が高く副作用が少ないという共通点があり、使い勝手が良いからこそ、よく用いられていると言えるようでした。続いて、血圧が改善してきた場合に高血圧の薬を休薬は可能かという質問については、「場合によっては可能」と回答している医師が一番多く、次に「十分に可能」、「あまり勧められない」が続きました。8割以上の医師は血圧が改善すれば休薬は可能であると考えているのが分かりました。ただし、休薬については簡単には実現できないとのコメントもあり、しっかりと継続した努力をすることが大事といえそうです。
高血圧
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現在、高血圧の治療をしている方は多くいらっしゃると思います。
定期的に血圧を家で測定したり、処方薬を忘れずに飲んだりと、気をつけるべき点も多いですよね。
そんな中、普段飲んでいる薬は、一般的によく用いられる薬なのか、どんな効果があるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
加えて将来的に血圧が改善したら、休薬は可能なのでしょうか。このような疑問を持つ方もいるはずです。

そこで今回は、一般内科、総合診療、循環器内科医500人に、高血圧の場合によく処方する薬は何か、血圧が改善したら休薬は可能か聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年10月3日~2018年10月4日にかけて行われ、一般内科、総合診療、循環器内科医500人から回答を頂きました。

高血圧の場合によく処方する薬って何?

まず「高血圧の患者さんに対してよく処方する薬はなんですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • カルシウム拮抗薬
  • ARB
  • ACE阻害薬
  • 利尿薬
  • β遮断薬
  • α遮断薬
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「カルシウム拮抗薬」との回答が75%と一番多く、次に「ARB」、「ACE阻害薬」が続きました。
上位2つの薬への医師からの支持が際立って高くなっており、どちらも過半数を占めています。
まずは上位の薬の概要をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。

カルシウム拮抗薬とは

カルシウムは主に骨や歯に分布し体を支えていますが、それ以外の組織にも微量に存在し筋肉を縮める働きがあります。 カルシウム拮抗薬は血管の筋肉に対するカルシウムの働きを抑えることで、血管をひろげ血圧を下げる効果があります。

引用:カルシウム拮抗薬|京都大学医学部附属病院 循環器内科

ACE阻害薬・ARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)とは

心不全では弱くなった心臓のポンプ機能を補うために、アンジオテンシンというホルモンが活発化しています。このホルモンは、手足など全身の血管を縮めることにより心臓の血液量を増やします。しかし逆に縮まった血管へ血液を送るためには、心臓の力がさらに必要になって しまいます。これらのお薬はアンジオテンシンの過剰な活動を抑えて血管をひろげるので、心臓にかかる負担を軽くします。また血圧を下げる効果があります 。

引用:ACE阻害薬・ARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)|京都大学医学部附属病院 循環器内科

降圧効果が期待できるカルシウム拮抗薬がよく使われる

  • 60代男性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    第一選択はカルシウム拮抗薬にしています。
  • 40代男性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    エビデンスからもカルシウム拮抗薬を処方しています。
  • 60代男性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    血圧が良く下がるのはカルシウム拮抗薬です。
  • 50代男性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    全年齢通してCCBを第一選択としています。
  • 50代男性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    降圧力が最も強いと思います。
  • 40代女性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    一番降圧効果あるし、合併症とか年齢に関係なく処方できる気がします。
  • 60代男性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    確実性、持続性を考えるとこれです。
  • 50代男性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    効果が強く副作用も少ないので処方しています。
  • 40代男性 一般内科 「カルシウム拮抗薬」
    CCBが副作用も少なく使いやすいです。長時間作用型なら有用性も高いです。

「カルシウム拮抗薬」を選択した医師のコメントでは、第一選択としてカルシウム拮抗薬を処方するという意見が多数挙がりました。
薬の効果に関するエビデンスの存在も指摘されています。合併症や年齢に関係なく処方できるとの意見もあり、「カルシウム拮抗薬」が幅広く処方されていることが分かりますね。
また、「カルシウム拮抗薬」がよく処方される理由としては、降圧力が強く確実性があることや、副作用が少ないことなどが挙げられていました。

ARBも安全性が高く、よく処方される

  • 50代男性 一般内科 「ARB」
    ARBを第一選択としています。
  • 70代男性 一般内科 「ARB」「カルシウム拮抗薬」「利尿薬」
    私は先ずカルシウム拮抗薬を増加して、それでだめならARBをアドオン、それでもだめなら更に利尿薬をアドオンしています。
  • 40代男性 一般内科 「ARB」「カルシウム拮抗薬」
    若年者にはARB、高齢者はカルシウム拮抗薬を処方します。
  • 50代男性 一般内科 「ARB」
    ARBは、値段は高いですが効果も高いです。
  • 40代男性 一般内科 「ARB」
    ARBから処方して、まず血圧を下げます。
  • 50代男性 一般内科 「ARB」
    効果と副作用のバランスが良いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「ARB」
    副作用が少なくて、マイルドに降圧できます。腎保護作用もあります。
  • 40代女性 一般内科 「ARB」
    安全性が高く使いやすいです。

次にコメントで多かったのは、「ARB」との意見です。
カルシウム拮抗薬と同様に、ARBも効果が高く副作用が少ないという特徴があるようですね。さらに腎保護作用があるという点も服用で期待できるポイントでしょう。ただし、値段は少し高くなってしまうとのことでした。
また、処方の仕方について「若年者に対してはARBを、高齢者にはカルシウム拮抗薬を出す」と年齢によって処方薬を変えるという意見もありました。
他にも、高血圧の症状に応じてまずカルシウム拮抗薬を処方し、効果が薄ければARBを追加、さらに効果がなければ利尿薬を追加するというケースもあるそうです。

血圧が改善したら休薬は可能?

続いて「血圧が改善してきた場合、高血圧の薬を休薬することは可能ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 十分に可能
  • 場合によっては可能
  • あまり勧められない
  • 勧められない

以下のグラフが結果となります。

こちらの調査では、「場合によっては可能」と回答している医師が66%と一番多く、次に「十分に可能」、「あまり勧められない」が続きました。
「場合によっては可能」と「十分に可能」を合計すると8割以上の医師は血圧が改善すれば休薬は可能であると考えているのが分かります。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。

条件はあるが休薬は可能

  • 40代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    血圧に変動があるので適宜調節が必要です。
  • 60代男性 一般内科   「場合によっては可能」
    夏場は薬を減らしたり、休薬したりしています。
  • 50代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    場合によっては可能ですが、多くの場合は継続が必要になります。
  • 40代女性 一般内科 「場合によっては可能」
    肥満の方が減量に成功し標準体重となった場合などは、中止できると思います。
  • 50代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    夏場は中止する方もいます。
  • 30代女性 一般内科 「場合によっては可能」
    生活習慣の改善がなされていることが前提です。
  • 50代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    毎日の血圧を測定してもらうことが必要です。
  • 40代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    ストレス源が緩和されたら可能です。
  • 40代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    やめた後に血圧が上昇したら再開するという条件付です。
  • 60代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    通院を続けると、減塩などの理由で血圧が低下する方はたくさんいます。血圧が問題ないレベルになれば、減量、場合によっては中止します。
  • 50代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    生活習慣の改善でよくなった場合や、夏場のみ休薬できる人はいました。
  • 60代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    患者さんには、治ったわけではなく、落ち着いているだけなので、血圧測定は続けるように話しています。
  • 50代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    減薬の可能性は大いにありますが、中止できる患者さんは少ないです。
  • 60代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    塩分、飲酒量、ストレスが少なく、規則正しい生活が継続できるなら減薬、休薬も可能な場合もあります。
  • 40代男性 一般内科 「場合によっては可能」
    夏季など、過降圧のため休薬せざるを得ない状況も、比較的よく経験します。

一番多く見られたコメントは「場合によっては可能」というものでした。

休薬するにはいくつか条件が挙がっていました。主なものは、以下の通りです。

  • ストレス源が緩和されていること
  • 減量に成功し標準体重になっていること
  • 血圧を毎日測定すること
  • 飲酒量が少ないこと
  • 塩分を摂取しすぎないこと
  • 規則正しい生活を継続できること
  • 休薬後に血圧が上昇したら薬の服用を再開すること

人によって該当する項目は異なると思いますが、複数の条件があるのが分かります。
医師のコメントにも実際に休薬できる患者さんは少ないとあり、条件を達成するには継続した努力が必要になると言えそうです。
ほかにも夏場に休薬する方が多いといった医師の意見がみられました。まずは、血圧の変動についておさえましょう。

血圧の変動とは

血圧は一定ではなく、いろいろな条件によって変動します。例えば、運動した場合などは心拍出量と血管抵抗が共に上がるので血圧は上昇します。また季節にも影響されます。夏よりも冬が高くなりますし、年齢にも影響され、子供より大人のが高くなり、高齢になるに従い上昇します。

引用:血圧の変動|田方医師会

つまり、血圧は夏の方が低くなるようなのです。このように血圧は様々な影響で変動があるので、適宜調節が必要となるようです。
また、医師の方も診察時に患者さんに、血圧の薬が中止できても治ったわけではなく、血圧は落ち着いているだけなので、血圧測定は続けるようにと話しているそうです。
血圧は一度落ち着いたとしても、定期的に測定する習慣を作るように心がけましょう。

努力は必要だが休薬は十分に可能

  • 60代男性 一般内科 「十分に可能」
    食事や運動、肥満の改善などで相当程度血圧も改善することが期待できます。
  • 50代男性 一般内科 「十分に可能」
    むしろ積極的に減らします。
  • 50代男性 一般内科 「十分に可能」
    特に減量するなど生活習慣を改善すると、休薬の可能性も大きくなると思います。
  • 50代女性 一般内科 「十分に可能」
    生活環境が変われば血圧が改善するケースはしばしばあります。
  • 50代男性 一般内科 「十分に可能」
    生活習慣、特にダイエットが成功したら可能と考えます。
  • 60代男性 一般内科 「十分に可能」
    実際に休薬しても大丈夫な方がたくさんいます。
  • 50代男性 一般内科 「十分に可能」
    季節の変化、生活習慣の変化、体重の減少など、血圧の変化には色々な原因が考えられるため薬もそれに合わせて量を調節します。
  • 30代女性 一般内科 「十分に可能」
    特に高齢者では必要ない薬はできるだけ減らすよう努力しています。
  • 60代男性 一般内科 「十分に可能」
    血圧が改善してきた場合、高血圧の薬を休薬する事は可能です。
  • 50代男性 一般内科 「十分に可能」
    生活習慣をきちんと改善させて、自分でも努力しており、結果も残しているのが条件です。その上で血圧が安定すれば(基準より低いぐらいになれば)、十分休薬・減薬は可能ですし、人数は少ないですが実際、中止・減量出来ている人はいます。ただ、そこまで頑張れる人は一握りです。

次にコメントで多かったのは、「十分に可能」との意見です。
こちらを回答した医師からは、休薬により前向きな意見が目立ちました。特に高齢者の場合は積極的に必要のない薬は減らすようにしているようです。
休薬の条件として挙がっているものは、既に述べているものと重複しますが、なかでも減量を強く勧める医師が目立ちました。
まずは、血圧と体重の関係性をおさえましょう。

血圧と体重の関係性とは

肥満は高血圧の大きな危険因子であることが明らかになっています。特に、内臓脂肪型肥満は血圧上昇と関連が深く、減量すると血圧が下がるという報告があります。また、心臓から送られる血液の量は体重に比例して増加するため、肥満は心臓にも負担がかかります。

引用:血圧と体重の関係性|東京都病院経営本部

こちらの引用からも肥満は、高血圧の大きなリスクになることが分かりますね。
減量もそうですが、生活習慣を改善することはなかなか難しいものです。休薬・減薬まで頑張れる人は実際には一握りとの医師のコメントもあります。
休薬には努力が必要となりますが、健康のためにも出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。

高血圧では、カルシウム拮抗薬やARBがよく用いられる。努力次第で休薬は可能

本調査では、まず高血圧の患者さんに対してよく処方する薬は何か聞いたところ、「カルシウム拮抗薬」との回答が一番高く、次に「ARB」、「ACE阻害薬」が続きました。上位の薬は降圧の効果が高いことや副作用が少ない点などの共通点がありました。よく処方される薬の理由も分かり、納得された方も多いのではないでしょうか。
続いて、血圧が改善してきた場合に高血圧の薬の休薬は可能かという質問については、「場合によっては可能」と回答している医師が一番多く、次に「十分に可能」、「あまり勧められない」が続きました。
休薬するのは簡単ではないようですが、適正な血圧にするための継続した努力があれば、休薬が可能なこともあるようです。
今回は高血圧の場合によく処方する薬は何か、血圧が改善したら休薬は可能なのか、についてみてきました。今回上位に上がった薬を実際に処方されているという方も少なくないはずです。
更に気になる項目があれば今回の記事を参考に、医師の方に聞いてみてもいいかもしれませんね。休薬については個人の判断ではできない点ですので、まずは医師に相談してみましょう。

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