飲酒後に強い腹痛が生じた場合、病院は受診すべき?飲酒後に腹痛が続いた場合、考えられる重篤な病気は何?医師509人に聞いてみました

お酒を断る女性
本調査では、まず、飲酒後に強い腹痛が生じた場合、病院は受診すべきですか?と質問したところ、「症状が続くなら受診するべき」との回答が一番多く、続いて「すぐ受診するべき」、「どちらでもよい」が回答を集めました。飲酒後の強い腹痛で、病院をすぐに受診するか、それともしばらく様子を見るかの判断基準は、痛みの強さ・随伴症状の有無・継続時間にあるようです。一過性の場合もあるようですが、時に危険な場合も考えられるようです。次に、飲酒後に腹痛がする症状が続いた場合、考えられる重篤な病気は何ですか?という質問については、「急性膵炎」と回答している医師が一番多く、続いて「胆石発作」、「急性胆嚢炎」が回答を集めました。医師のコメントを見る限り、飲酒後の腹痛で特に医師が懸念する疾患は急性膵炎のようでした。本記事を参考までに、必要だと感じた場合は病院を受診することをおすすめします。
胃痛・腹痛
イシコメ運営事務局

「お酒を飲んだ後に腹部に激痛が走った」という経験をされた方はいるでしょうか?激痛となると、ただごとではないと心配になってしまいますよね。
しかし、腹痛というだけで病院を受診すべきなのか迷いどころです。
何かおつまみが当たったのではないか、冷たいアルコールでお腹が冷えてしまっただけではないかなど、思い当たる節に考えを巡らせてしまいます。
そればかりか、何か疾患が関係しているとすれば大事ですよね。

そこで今回は、一般内科,総合診療,消化器内科医509人に、飲酒後に強い腹痛が生じた場合、病院は受診すべきか、飲酒後に腹痛の症状が続いた場合、考えられる重篤な病気は何か聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2019年1月9日~2019年1月10日にかけて行われ、一般内科,総合診療,消化器内科医509人から回答を頂きました。

飲酒後に強い腹痛が生じた場合、病院は受診すべき?

まずは、「飲酒後に強い腹痛が生じた場合、病院は受診すべきですか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • すぐ受診するべき
  • 症状が続くなら受診するべき
  • どちらでもよい
  • 受診しなくて良い

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「症状が続くなら受診するべき」との回答が75%と一番高く、次に「すぐ受診するべき」17%、「どちらでもよい」5%が続きました。
「症状が続くなら受診するべき」が圧倒的な支持を得ています。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。

痛みの度合いや、随伴症状にもよるが、痛みが続く場合は受診すべき

  • 40代女性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    一時的な腹痛なら様子を見ても良いです。
  • 50代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    少し様子を見て、日中に受診してほしいです。
  • 40代男性 消化器内科 「症状が続くなら受診するべき」
    受診すべきかどうかは、腹痛の程度と腹痛以外の症状によるでしょう。
  • 50代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    飲酒後の腹痛としても、本当に飲酒が誘因なのか不明です。また、一過性なら病院に行っても経過観察になるので、症状の経過を見てから受診すべきです。
  • 30代女性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    症状持続時や疼痛で、冷汗などを伴う場合は受診が必要かと思いますが、それ以外の場合は経過観察で良いと思います。
  • 30代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    耐え難い腹痛や、今までに感じたことのない腹痛なら受診すべきですが、我慢できる程度なら様子を見ても良いと考えます。
  • 50代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    痛みの程度によりますが、のた打ち回るような強い痛みならすぐ受診すべきです。その他の場合は、続くなら受診しましょう。
  • 60代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    飲酒直後の腹痛では、嘔吐、特に血性嘔吐などがあれば直ちに受診すべきですが、それ以外であれば症状が持続する場合で良いと思います。
  • 60代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    危険な場合もあります。
  • 40代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    膵炎の可能性はあるので受診すべきだと思います。
  • 60代女性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    急性膵炎や胆嚢炎が疑われます。
  • 60代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    急性膵炎や胃潰瘍の穿孔等重篤になる可能性の疾患が含まれるので、持続するなら受診したほうが良いと思います。
  • 60代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    胆石症や膵炎の可能性があります。
  • 60代男性 一般内科 「症状が続くなら受診するべき」
    リンパ腫の症状として有名です。試験的には、ホジキン病です。
  • 50代男性 消化器内科 「症状が続くなら受診するべき」
    急性胃炎などがあります

まず、コメントに出てきた疾患の概要をおさえてから、医師のコメントに触れていきましょう。

急性膵炎とは

膵液に含まれる消化酵素により自らの膵臓が消化されてしまった状態が急性膵炎です。日本での発症は年々増加傾向にあります。膵炎になる人は、女性は70歳代、男性は60歳代の方が多く、比較的男性に多い傾向があります。

引用:急性膵炎|東京大学医学部附属病院 消化器内科 胆膵グループ

胆嚢炎・胆管炎とは

胆嚢炎・胆管炎とは、胆嚢や胆管に細菌が感染して起こる病気で胆嚢結石、胆管結石、胆泥(胆汁中の結石となる前の泥状の浮遊物)と合併する場合がほとんどです。しかし、明らかな結石がなくても胆嚢炎あるいは胆管炎が起こることもあります(無石胆嚢炎)。

引用:胆嚢炎・胆管炎|公益財団法人長寿科学振興財団

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃壁ないし十二指腸壁の粘膜が深く傷つき、みぞおちあたりの痛みを感じたり、場合によっては吐血や下血を起こす病気です。胃潰瘍と十二指腸潰瘍を総称して消化性潰瘍と呼びます。十二指腸潰瘍と胃潰瘍は、年齢によって発症率が違い、若い人は、十二指腸潰瘍を発症することが多く、中年以降に胃潰瘍を発症することが多くなります。

引用:胃潰瘍・十二指腸潰瘍|慶應義塾大学病院

胆石症とは

胆汁という一種の消化液が肝臓でつくられ、胆管を通って十二指腸に放出されます。この胆汁が何らかの原因によって固まり、「胆石」と呼ばれる石ができてしまうことがあるのです。
この石は、胆汁が濃縮される胆のうに一番よくできます。(胆のう結石)
しかし、時には胆管のいろいろな場所にできてしまうこともあります。(胆管結石)
胆のうにできる結石は、コレステロール結石という白っぽい丸みをおびた石であることが多く、時には数十個も見つかることがあります。
胆管結石はビリルビン結石という黒っぽいものが多く、一個でも激しい症状を引き起こすことがあります。

引用:胆石症|日本医師会

悪性リンパ腫とは

ヒトには感染や異物(がん細胞など)から体を守っているリンパ系組織(=免疫システム)があります。この組織を構成しているリンパ球が必要ないのに異常に増える病気が悪性リンパ腫です。悪性リンパ腫には様々な病型があり、症状や治療法はそれぞれ異なりますが、大きくはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられます。

引用:悪性リンパ腫|慶應義塾大学病院

一番多く回答を集めたのは、「症状が続くなら受診するべき」との意見でした。
第一に、腹痛で病院を受診するかの判断基準は、痛みの強さ・随伴症状の有無・継続時間にあるようです。
まず、受診すべき痛みの強さでは、「耐え難い痛み」「今まで感じたことのない痛み」「のたうち回るような痛み」という表現が挙げられています。
次に、随伴症状として冷や汗・嘔吐、特に血性嘔吐などがある場合は直ちに受診すべきとの意見が挙がりました。
前述ほどの強い痛みや随伴症状がない場合、一過性の腹痛とも考えられるようなので、その場合は様子を見て痛みが続くようであれば受診しても良いかも知れません。
第二に、飲酒後の強い腹痛で考えられる疾患として、急性膵炎・胆嚢炎・胃潰瘍・胆石症・リンパ腫などが挙げられています。
特に、「急性膵炎が考えられる」との意見が多くみられました。
まずは、痛みがある程度我慢できるかを冷静に判断し、症状が長く続くようであれば、病院の受診を検討しましょう。

激痛であれば、我慢せず受診すべき

  • 40代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    症状が重篤であれば受診を勧めます。
  • 50代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    強い腹痛の場合は受診すべきです。
  • 50代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    激痛の場合は、すぐに受診すべきです。
  • 60代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    「立っていられない」と屈み込んで動けないならすぐに受診すべきです。
  • 50代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    とにかく消化器内科の受診を勧めます。
  • 60代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    急性膵炎など、 危険な疾患があり得ます。
  • 30代男性 消化器内科 「すぐ受診するべき」
    急性膵炎を疑うべきで、早急な受診が必要です。
  • 60代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    急性膵炎を念頭に、その他の疾患も鑑別します。
  • 60代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    膵炎を何人も診ました。
  • 60代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    膵炎や胆石、AGML(急性胃粘膜病変)などの可能性を否定出来ないので受診すべきです。
  • 30代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    胆石、膵炎、その他重症疾患が隠れている可能性があるので受診すべきです。
  • 50代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    嘔吐などがみられる場合、消化管出血が考えられます。
  • 70代男性 一般内科 「すぐ受診するべき」
    強い腹痛であれば我慢する理由はないでしょう。

次に回答で多かったのは、「すぐ受診するべき」との意見でした。
まず、飲酒後に強い腹痛が生じた場合、その痛みが重篤なものであればすぐに病院を受診すべきとしています。
“痛みが重篤”というのは、「強い痛み」「激痛」「屈み込んで動けない」などの表現が挙げられており、痛みの強さの度合いが病院を受診するか否かの一つの判断基準といえます。
次に、飲酒後の強い腹痛で考えられる疾患として急性膵炎・胆石・AGML(急性胃粘膜病変)などが挙げられました。嘔吐を伴う場合は消化管出血も考えられるようです。
様々な病気が挙げられていますが、中でも医師がまず念頭におく疾患は急性膵炎とのことでした。
飲酒後に腹部に激しい痛みを感じる場合は、我慢せずに消化器内科などの受診を検討しても良いかもしれません。

飲酒後に腹痛がする症状が続いた場合、考えられる重篤な病気は何?

続いて「飲酒後に腹痛がする症状が続いた場合、考えられる重篤な病気は何ですか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 急性膵炎
  • 胆石発作
  • 急性胆嚢炎
  • 急性胃炎
  • 十二指腸潰瘍
  • アルコール性肝炎
  • 十二指腸炎
  • 慢性胃炎
  • 胃がん
  • 小腸炎
  • 大腸がん
  • 特定の病気ではない
  • その他

以下のグラフが結果となります。

こちらの調査では、「急性膵炎」と回答している医師が75%と一番多く、次に「胆石発作」38%、「急性胆嚢炎」37%が続きました。
飲酒後の腹痛で一番考えられるのは、急性膵炎との結果が得られました。
まずは、急性胆嚢炎の概要に触れてから、医師のコメントを見ていきましょう。

急性胆嚢炎とは

急性胆のう炎とは胆のうに炎症が生じた状態です。胆のうがむくんで腫れ、炎症の進行とともに胆のうの壁が壊死していきます。症状は初期には上腹部の不快感や鈍痛で、炎症の進行とともに右季肋部痛(右の肋骨の下あたり)になり、次第に激痛になります。

引用:急性胆嚢炎|日本肝胆膵外科学会

急性膵炎が第一に考えられ、命にかかわる場合も

  • 40代男性 一般内科「急性膵炎」
    アルコール絡みでは、急性膵炎などを心配すべきかと思います。
  • 60代男性 一般内科「急性膵炎」
    飲酒量が極めて多ければ膵炎でしょうか。
  • 30代男性 一般内科「急性膵炎」
    急性膵炎の可能性は考慮しておく必要があると思います。
  • 50代男性 消化器内科「急性膵炎」
    急性膵炎が最も危険だと思います。
  • 60代男性 一般内科「急性膵炎」
    急性膵炎が一番重篤化しやすいです。
  • 50代男性 一般内科「急性膵炎」
    急性膵炎など、緊急性の高い疾患も多いです。
  • 30代女性 消化器内科「急性膵炎」
    急性膵炎の場合は命に関わることがあるので、強い痛みが続くなら受診したほうが良いです。
  • 40代男性 消化器内科「急性膵炎」
    症状が続くなら急性膵炎もあり得るかもしれません。
  • 50代男性 一般内科「急性膵炎」
    急性膵炎、腹膜炎など致命的な病態もあります。
  • 50代男性 一般内科「急性膵炎」
    肝炎や悪性疾患で腹痛が出るのは、末期的でしょう。

一番多く回答を集めたのは、「急性膵炎」との意見でした。
アルコールが関係してくる腹痛では急性膵炎の可能性があり、特に飲酒量が多い場合に考えられるようです。
また、一番可能性として考えられている疾患でもありますが、同時に最も危険であり、重篤化しやすい疾患ともいわれています。
急性膵炎は、時に命にかかわることもあるという意見も挙がっていました。
こういった緊急性の高い疾患が考えられる場合、痛みを必要以上に我慢せず病院を受診しましょう。

飲酒歴や飲酒量にもよるが、胆石発作も考えられる

  • 30代男性 一般内科 「胆石発作」「急性膵炎」
    胆石発作や急性膵炎の可能性があると思います。
  • 40代男性 一般内科 「胆石発作」「急性膵炎」
    胆石の方が頻度は高いでしょう。
  • 50代男性 一般内科 「胆石発作」
    飲酒量や飲酒歴も関係してきます。
  • 50代男性 一般内科 「胆石発作」「急性膵炎」
    胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、急には起こらないので、胆石発作か急性膵炎以外無いと思います。
  • 60代男性 一般内科 「胆石発作」「急性膵炎」
    胆石発作や急性膵炎は再発の方もいると思います。

次に回答で多かったのは、「胆石発作」であり、飲酒後に腹痛を感じた場合、胆石発作あるいは急性膵炎が考えられるとのことでした。しかし、胆石発作が考えられるかは、患者の飲酒歴や飲酒量によるともいわれています。
また、「胃炎・胃潰瘍・十二指腸は突然起こる疾患ではないことから、胆石発作か急性膵炎のどちらかしか考えられないのではないか」との意見も挙がりました。
胆石発作や、急性膵炎の場合は、再発の可能性もあるといいます。これらの病歴をお持ちの方は特に注意しましょう。

飲酒後に強い腹痛が続く場合は、病院受診を

本調査では、まず、飲酒後に強い腹痛が生じた場合、病院は受診すべきか聞いたところ、「症状が続くなら受診するべき」との回答が一番多く、「すぐ受診するべき」、「どちらでもよい」が続きました。
飲酒後の強い腹痛で病院を受診するかは、痛みの度合いや継続時間が一定の判断基準となるようでした。
「激痛」「耐え難い痛み」「今まで感じたことのない痛み」「のたうち回るような痛み」「屈み込んで動けない」などの表現が当てはまる場合、あるいは強い腹痛が持続する場合は、なるべく日中のうちに病院へ行きましょう。
次に、飲酒後に腹痛がする症状が続いた場合、考えられる重篤な病気は何かという質問については、「急性膵炎」と回答している医師が一番多く、続いて「胆石発作」、「急性胆嚢炎」が回答を集めました。
まず、圧倒的に票を集めた急性膵炎は、最も危険な疾患であり、時に命にかかわるという意見が得られました。次に多かった胆石発作は、頻度として高く、再発で起こる可能性も考えられるとのことです。
一言に飲酒後の腹痛といっても、一過性のもので緊急性が低い腹痛から急性膵炎などの緊急性が高い腹痛と両極端になってしまうようで、強い腹痛があるからといって直ぐ病院に行くべきか判断が難しいかもしれません。
しかし、万一のこともあるので飲酒後に強い腹痛が続くようであれば病院を受診することをおすすめします。

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