鼻血の症状がある場合に重い病気のケースはあるの?耳鼻咽喉科医143人に聞いてみました

鼻血からわかる病気
本調査では、これまで鼻血を主訴に来院された方の中に紛れていた重篤な病気で、ご経験があるものは何かという質問をしたところ、「鼻腔の腫瘍・癌」との回答が一番多く、次に「オスラー病」、「白血病」が続きました。これら上位の病気の特徴は共通して、鼻血の症状が繰り返すこと、出血が止まりにくいことが挙げられるそうです。ケースとしてはどの病気もあまり頻度は高くないようですが、どれも重大な病気です。自身の症状が気になる場合は、医療機関の受診も検討しましょう。
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急に出る鼻血に悩まされた経験はありませんか。
止血をしてもなかなか止まらないと、対応に困ってしまいますよね。
一過性の鼻血であればいいのですが、鼻血が繰り返したりすると心配になる方も多いはずです。
そんな鼻血の症状がある場合、何か重い病気にかかっている可能性はあるのでしょうか。

そこで今回は、耳鼻咽喉科医143人に、これまで鼻血を主訴に来院された方の中に紛れていた重篤な病気で経験があるものは何か聞いてみました。

※本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月4日~2018年11月5日にかけて行われ、耳鼻咽喉科医143人から回答を頂きました。

鼻血の症状がある患者さんで、重い病気だったケースは何?

「これまで鼻血を主訴に来院された方の中に紛れていた重篤な病気で、ご経験があるものは何ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 鼻腔の腫瘍・癌
  • オスラー病
  • 白血病
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 肝硬変
  • 血友病
  • 特に重篤な病気だったことはない
  • その他

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「鼻腔の腫瘍・癌」との回答が69%と一番多く、次に「オスラー病」、「白血病」が続きました。
1位の「鼻腔の腫瘍・癌」は過半数を占める医師からの支持があり、特に気をつけたい病気だと考えられます。

まず上位の病気の概要をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。

鼻副鼻腔腫瘍とは

▶症状の解説
良性から悪性まで非常に多岐にわたる疾患があり、その多くの場合は早期では無症状名事があり、ある程度の大きさになってから発見される事が多く、発生した場所によっては進行してから見つかる事も多いです。鼻腔や副鼻腔に発生する腫瘍は進行すると副鼻腔炎を伴ってくる事が多いです。
引用:鼻副鼻腔腫瘍|関西医科大学附属病院

鼻副鼻腔癌とは

副鼻腔には、上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞があります。この中で多いのは上顎洞にできた上顎癌ですので、これに絞って解説します。

1.症状
上顎洞は上顎骨という骨に囲まれていますので、初期には症状がありません。骨を破壊すると症状が出現します。そのときはすでにT2以上の病期となっていることになります。進展方向により出現する症状が異なります。
鼻腔側への進展:鼻閉、鼻出血、悪臭のある鼻漏
口腔側への進展:硬口蓋や歯肉の腫脹、歯痛、口腔内出血
眼窩側への進展:眼球の突出や偏位、眼球運動障害や複視
前方への進展:頬部の知覚麻痺や皮膚の発赤
後方への進展:顔面、硬口蓋の知覚異常や開口障害
引用:鼻副鼻腔癌|大阪医療センター

オスラー病とは

Osler病は別名、遺伝性出血性毛細血管拡張(hereditary hemorrhagic telangiectasia: HHT)やランデューオスラーウェーバー症候群(Rendu-Osler-Weber syndrome)など様々な呼び方が存在する。常染色体優性遺伝の先天性疾患で、粘膜、皮膚、中枢神経器官に毛細血管拡張性の微小血管腫を多数生じ、同部位からの繰り返す出血を特徴とする。
引用:オスラー病|一般社団法人 日本血栓止血学会

白血病とは

白血病とは血液の中の白血球が悪性腫瘍(がん)になった血液がんの一つです。
白血病といっても急性から慢性まであり、どの白血病であるかによって病状や治療が全くことなり、以下に記載することがすべてあてはまるわけではありませんので御注意ください。
(中略)白血病は未治療の場合にとる病状の経過から、急性白血病と慢性白血病に分けられ、白血病細胞の由来する血球細胞により骨髄性とリンパ性の各白血病に分けられます。
引用:白血病|愛知県がんセンター中央病院

鼻血が繰り返す時、止まりにくい時は、鼻腔腫瘍・癌の場合も

  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    鼻茸と出血で来院した患者が上顎洞癌だった事があります。
  • 40代女性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」「オスラー病」
    繰り返す場合や、止まりにくい場合は精査すべきです。
  • 60代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    悪性リンパ腫が多い印象があります。
  • 50代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    全身性疾患で鼻出血のみということは普通ありませんが、鼻腔の腫瘍などは注意が必要です。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    鼻腔腫瘍は出血で見つかる事があります。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    一側性の長引く鼻出血は上顎がんの可能性があります。
  • 60代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    高齢者だと癌を疑います。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    まず腫瘍がないかどうか確認はするようにしています。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    黒い血の混じったもので悪性黒色腫だった事が数例あります。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    腫瘍は良性も含めると、決して少なくないと感じています。
  • 40代女性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」「オスラー病」「白血病」
    原因不明の異常出血の場合は腫瘍の有無精査は必ずしています。
  • 60代男性 耳鼻咽喉科 「鼻腔の腫瘍・癌」
    鼻内の精査のためファイバー検査を行います。

医師の回答を見ると「鼻腔の腫瘍・癌」との声が多数挙がっていました。
鼻血の症状が繰り返す場合や、出血が止まりにくい場合は原因について精査すべきとの医師のコメントが複数あり、具体的な精査の手段としては、ファイバー検査を行うとの意見もありました。

また、鼻腔の腫瘍の中では悪性リンパ腫が多い印象があるそうです。さらに高齢者の場合だと癌の可能性も考慮して精査をするとのことでした。
他にも片方の鼻血が頻発する場合や、その鼻血が止まらない場合は癌の可能性があるとの指摘もありました。
過去の例では、鼻血に黒い血の混じっていたケースで悪性黒色腫だった事例もあるそうで、いつもとは違う症状が出ている際は、特に注意が必要です。

病院に行けば詳しく検査をして頂けるので、鼻血の症状に不安がある場合は医師に相談してみましょう。

出血がひどく止血に難渋するなら、オスラー病の可能性もあり

  • 50代男性 耳鼻咽喉科 「オスラー病」
    オスラー病とまでの診断がつけられないケースも多いです。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「オスラー病」
    オスラー病は粘膜置換術をしない限り難治です。
  • 50代男性 耳鼻咽喉科 「オスラー病」
    オスラー病は、バイポーラで焼いても止まらない事が多く、難渋します。
  • 40代女性 耳鼻咽喉科 「オスラー病」
    オスラー病はびっくりするくらい鼻血が止まらないです。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「オスラー病」・「鼻腔の腫瘍・癌」
    腫瘍とオスラー病の出血は難治性で苦渋します。
  • 30代女性 耳鼻咽喉科 「オスラー病」
    オスラー病は比較的多い印象です。
  • 50代男性 耳鼻咽喉科 「オスラー病」
    オスラー病は止血処置がうまく機能しない場合が多いです。

次にコメントで多かったのは、「オスラー病」との意見です。

オスラー病の鼻血の特徴としては、特に止血が困難なようで、多くの医師が対応に苦渋したとコメントしていました。バイポーラという電気メスで焼いても出血が止まらないことが多いそうです。
オスラー病の治療には、粘膜置換術をしない限り難治との意見もありました。
個人で対処するには限界もあるので、異常な鼻出血の症状が現れた際は病院受診を検討した方がよさそうです。

頻繁に出血を繰り返す場合は白血病の場合も。病院にて鑑別を

  • 60代男性 耳鼻咽喉科 「白血病」
    白血病の鼻血は、症状が鼻血だけではない事がしばしばあります。
  • 60代男性 耳鼻咽喉科 「白血病」
    白血病は小児で経験があります。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「白血病」
    重篤な原因疾患を見逃してはならないですが、稀ではあります。
  • 40代男性 耳鼻咽喉科 「白血病」「オスラー病」「鼻腔の腫瘍・癌」
    鼻血を繰り返す場合、治りにくい場合がこれらの病気に当たります。
  • 50代男性 耳鼻咽喉科 「白血病」
    白血病は3例ほど経験しました。頻繁に出血を繰り返す場合は血液疾患の鑑別が必要と思います。
  • 50代男性 耳鼻咽喉科 「白血病」
    自院で採血をして見たところ、明らかに異常値が出て白血病が判明した事があります。

次にコメントで気になったのは、「白血病」との意見です。
白血病でも鼻血が繰り返す場合、治りにくい場合に疑われる病気のようです。
小児で白血病を経験した医師の方もおり、普段とは違う鼻血の症状が現れた際は注意した方が良さそうです。

また、頻繁に出血を繰り返してしまう場合も注意が必要とのことで、心当たりのある方は一度医師の診察を受けてみても良いかもしれません。
白血病は稀な病気ではあるようですが、医師の方も見逃さないように気を配っているとのことでした。
病院で採血をして血液疾患の鑑別をすれば、白血病の有無も明確になるそうです。

鼻血が繰り返す場合、止まりにくい場合は要注意。病院での検査も検討を

本調査では、これまで鼻血を主訴に来院された方の中に紛れていた重篤な病気で、ご経験があるものは何かという質問をしたところ、「鼻腔の腫瘍・癌」との回答が一番多く、次に「オスラー病」、「白血病」が続きました。
「鼻腔の腫瘍・癌」・「オスラー病」・「白血病」はそれぞれ重い疾患であり、早期発見が重要といえそうです。
医師のコメントを見るに、どの病気でも、普通とは異なる鼻血の症状が現れるのが特徴のようです。
鼻血の症状が繰り返す場合や、出血が止まりにくい場合は、原因を精査すべきとの意見が多くありました。特に高齢者の場合だと癌の可能性も高くなるので、考慮して慎重に診断をするとの意見もありました。

日常生活のふとした瞬間に現れる鼻血ですが、時に重大な病気が紛れているということが本記事を通してご理解いただけたと思います。
しばらく様子を見ても鼻血が繰り返す場合、止まりにくい場合は、一度医師に相談してみても良いかもしれません。
病院に行くとコメントでもでてきたファイバー検査や血液検査などで病気の鑑別をして頂けるそうなので、対応策も明確になるはずです。

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