幼児がインフルエンザになったときに処方される薬は?自然治癒でも良いの?小児科医157名に聞いてみました

幼児のインフルエンザ
今回の調査では、「幼児のインフルエンザに対し処方頻度が高い薬は何か」という質問に対し、「タミフル」との回答が87%で最多となり、圧倒的な支持を得る結果となりました。その理由としては、「幼児は吸入薬をうまく吸うことができないから」、「インフルエンザ治療のスタンダードだから」という意見が挙げられました。続いて、「幼児がインフルエンザを発症した際、自然治癒は適しているか」との質問に対しては、肯定的な意見が56%、否定的な意見が44%となりました。肯定的な回答をした医師からは、「薬の効果は限定的である」、「状態が良好であれば自然治癒も可能」との声が寄せられました。一方、否定的な回答をした医師は、「他の感染症に罹患し、重篤化してしまう恐れがある」、「基礎疾患がある場合は積極的に服薬すべき」との意見が挙げられました。
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毎年、特に冬に流行するインフルエンザ。インフルエンザになると大人でも相当辛いので、もし幼児がかかってしまうととても心配ですよね。
では、幼児がインフルエンザになってしまった場合は大人と同じ薬が処方されるのでしょうか。
また、薬を使わずに自然治癒することは適しているのでしょうか。

そこで今回は、幼児のインフルエンザに対して処方頻度が高い薬は何か、幼児がインフルエンザを発症した際、自然治癒は適しているか小児科医157名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年2月22日〜2月26日にかけて行われ、小児科医157名から回答を頂きました。

幼児のインフルエンザで処方される薬とは?

まず、「幼児のインフルエンザに対し処方頻度が高い薬は何か」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • タミフル
  • リレンザ吸入薬
  • イナビル吸入薬
  • ラピアクタ点滴薬
  • その他

以下のグラフが結果となります。

  • 30代女性 小児科 「タミフル」
    吸入薬は幼児では吸えないことが多いので、副作用を説明してタミフルを処方することが多いです。
  • 60代男性 小児科 「タミフル」
    可能な年齢なら、リレンザにしていますが、「幼児」という年齢に絞るなら、タミフルです。
  • 20代男性 小児科 「タミフル」
    吸入はできないことが多いです。ラピアクタはICUとかで使うものと考えています。
  • 70代男性 小児科 「タミフル」
    6歳ごろにならないとリレンザ、イナビルの吸入は上手にできないのではないでしょうか。
  • 50代男性 小児科 「タミフル」
    吸入薬は無理でしょう。内服も出来なければラピアクタ点滴薬です。
  • 50代男性 小児科 「タミフル」
    インフルエンザ治療のスタンダードと考えます。
  • 50代男性 小児科 「リレンザ吸入薬」
    5歳以上ならば、リレンザ吸入薬を第一選択にしています。
  • 50代男性 小児科 「イナビル吸入薬」
    吸入可能であれば、幼児のインフルエンザに対し処方頻度の最も多い薬はイナビルです。
  • 50代男性 小児科 「イナビル吸入薬」
    一回で済むのでイナビルを処方しています。

調査の結果では、「タミフル」と回答した医師が87%で最多となり、「リレンザ吸入薬」、「イナビル吸入薬」がともに4%で続きました。

ほとんどの医師がタミフルを処方すると考えていることがわかりました。
その理由として、「インフルエンザ治療のスタンダードだから」、「幼児は吸入することができないから」とのコメントが目立ちました。
具体的には、5,6歳になるまでは吸入は難しいと考える医師が多く、内服薬であるタミフルを処方するとのことです。

一方で、吸入が可能であればリレンザやイナビルを処方するとの意見もあり、どの薬剤を使うかは年齢やその子供が吸えるかによっても変わってくるようです。さらに、イナビルを選んだ医師は「1回で済む」ことをメリットとして挙げていました。

また、ラピアクタ点滴薬は内服も吸入もできない場合に用いられるとのことで、「ICUとかで使うものとしてとらえている」とのコメントもありました。
ラピアクタはインフルエンザで使う薬剤としてあまり一般的ではないのかもしれませんね。

幼児のインフルエンザは自然治癒に任せても大丈夫?

続いて、「幼児がインフルエンザを発症した際、自然治癒は適しているか」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 適切だと思う
  • どちらかというと適切だと思う
  • どちらかというと適切だと思わない
  • 適切だと思わない

以下のグラフが結果となります。

今回の調査によると、幼児のインフルエンザに対し自然治癒を試みることに肯定的な意見(「どちらかというと適切だと思う」34%、「適切だと思う」22%の合計)が56%、否定的な意見(「どちらかというと適切だと思わない」31%、「適切だと思わない」13%の合計)が44%という結果となりました。

それぞれの回答をした医師の意見を見ていきましょう。

自然治癒を考えても良い

まずは肯定的な回答をした医師のコメントを見ていきましょう。

  • 40代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思う」
    十分に様子を観察できる環境なら抗インフルエンザ薬は必要ないでしょう。
  • 60代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思う」
    自然に抗体ができるのが望ましいです。脳炎や肺炎に気を付けましょう。
  • 40代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思う」
    インフルエンザ薬には発熱期間の短縮程度しか効果がありません。
  • 50代女性 小児科 「どちらかというと適切だと思う」
    インフルエンザに限らず元気があれば自然治癒が適当です。
  • 60代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思う」
    全身状態が良好ならそのまま経過を見ることもあります。
  • 50代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思う」
    できれば、そうしたいですが、ほとんどの親御さんはそうではないです。
  • 30代女性 小児科 「適切だと思う」
    抗インフルエンザ薬は海外ではあまり出されていません。発熱時間を少し短くするだけの効果なので、自然経過をみても構わないと思います。
  • 50代女性 小児科 「適切だと思う」
    個人的には、自然に治すほうが、好ましいと思います。でも、保護者の意見も尊重すべきと思います。
  • 20代男性 小児科 「適切だと思う」
    薬は発熱の時間を減らすのみなので、そのことを説明して選択してもらいます。

自然治癒に対して肯定的な考えを持つ医師からは、「薬は発熱時間を短くするだけ」、「全身状態が良好ならそのまま経過を見る」という趣旨のコメントが目立ちました。
どうやら薬の効果は限定的と考え、自然治癒を勧めるようです。

ただし、処方するか否かについては親の意見も尊重するとのことで、実際には自然治癒が良いと考えている医師からも抗インフルエンザ薬を処方することがあるようです。
処方の際には医師からの説明があるとのことなので、親御さんはそれを聞いてどうするか判断すると良いかもしれません。

二次性の感染症などを防ぐため服薬すべき

続いて、否定的な回答をした医師の意見を見ていきましょう。

  • 30代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思わない」
    抗インフルエンザウイルス薬の効果が期待出るのであれば、使える状況ならば使ってあげた方がいいと思います。
  • 50代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思わない」
    自然経過では5日間は要します。脱水症や二次性の感染症を起こさないよう早期の改善を心がけるべきです。
  • 60代女性 小児科 「どちらかというと適切だと思わない」
    自然治癒するケースも多いと思いますが、脳症など重篤化するケースもあることを考えると、適切とは思いません。
  • 70代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思わない」
    基礎疾患があるときなどは積極的に服薬させるべきです。また、脳症や心筋炎などの合併症が不安なので。
  • 50代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思わない」
    自然治癒させる治療法を否定しませんが重症化することを考えれば薬を使用した方がいいと思います。
  • 30代男性 小児科 「どちらかというと適切だと思わない」
    有熱期間やウイルス排泄期間が長引いてしまうためあまり適切ではないと思います。
  • 60代男性 小児科 「適切だと思わない」
    家族内感染などのリスクを考えると 適切に治療したほうが良いです。
  • 40代男性 小児科 「適切だと思わない」
    一定頻度で神経症状がでる人がいるので早く収束させたいです。
  • 50代男性 小児科 「適切だと思わない」
    他人に感染させるリスクを下げるために治療するべきです。

自然治癒に否定的な回答をした医師のコメントを見てみると、「有熱期間が長引いてしまうので服薬すべき」、「他人への感染や重症化を防ぐため服薬すべき」といった趣旨の意見が目立ちました。
自然治癒に任せると5日間は要するとのことで、その間に脱水症や脳症、他の感染症に罹患し重篤化してしまうこともあるようです。

また、基礎疾患がある場合は積極的に服薬すべきとの意見もありました。
保護者の方は、重症化のリスクやお子さんの基礎疾患の有無などを総合的に考えつつ、医師と相談して服薬するか否かを決めると良いかもしれません。

幼児のインフルエンザはタミフルの処方が多い。服薬するかは重症化のリスクを考えて判断を。

今回の調査では、「幼児のインフルエンザに対し処方頻度が高い薬は何か」という質問に対し、「タミフル」との回答が87%で最多となり、圧倒的な支持を得る結果となりました。
その理由としては、「幼児は吸入薬をうまく吸うことができないから」、「インフルエンザ治療のスタンダードだから」という意見が挙げられました。
一方、吸入ができるようになる5、6歳からはリレンザを用いるとのコメントも見られました。

続いて、「幼児がインフルエンザを発症した際、自然治癒は適しているか」との質問に対しては、肯定的な意見が56%、否定的な意見が44%となりました。
肯定的な回答をした医師からは、「薬の効果は限定的である」、「状態が良好であれば自然治癒も可能」との声が寄せられました。
一方、否定的な回答をした医師は、「他の感染症に罹患し、重篤化してしまう恐れがある」、「基礎疾患がある場合は積極的に服薬すべき」との意見が挙げられました。

お子さんがインフルエンザに罹患してしまった場合は、本記事を参考に医師と相談してもらい、服薬すべきかどうか検討していただけたらと思います。

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