不安神経症の治療法は?お酒は不安に効果がある?精神科医、心療内科医210名に聞いてみました

不安神経症への治療
本調査の結果、「不安神経症の治療法として精神療法と薬物療法のどちらを第一に選択しますか」という質問では、「精神療法」との回答が50%、「薬物療法」が40%で、意見が分かれる結果となりました。どちらを第一選択とするかは医師によるようですが、実際は両方を併用して治療を行っていくケースが多いとした意見が目立ちました。また、「不安を解消する方法としてお酒には効果がありますか」という質問については、お酒は一時的な不安の解消には効果的なものの、結果的に不安が増加する場合や、二次的な健康問題が生じる恐れがあるためお勧めしないとの意見が多く寄せられました。依存や睡眠の質の悪化などが考えられるようで、不安解消のためと安易にお酒を服用することは良くないようです。
メンタルの悩み
イシコメ運営事務局

不安神経症と診断された場合、どのような治療法が行われるのでしょうか。
その治療法について知る機会はあまりないように感じます。薬物療法と精神療法、どちらが主に選ばれるのか気になりますよね。
また、不安の解消にはお酒が良いと考える方もいるようですが、実際のところはどうなのでしょう。

そこで今回は、不安神経症の治療法として精神療法と薬物療法のどちらを第一に選択するか、不安を解消する方法としてお酒には効果があるのか、精神科医、心療内科医の計210名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月28日〜5月1日にかけて行われ、精神科医、心療内科医の計210名から回答を頂きました。

不安神経症の治療では精神療法と薬物療法どちらが第一?

まずは、「不安神経症の治療法として精神療法と薬物療法のどちらを第一に選択しますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

  • 薬物療法
  • 精神療法
  • その他

以下が結果となります。

 

今回の調査では、50%の医師が「精神療法」を回答しましたが、一方で40%もの医師が「薬物療法」と回答しており、意見が分かれていました。

それでは各回答のコメントを見ていきましょう。

精神療法と回答した理由とは?

  • 60代女性 精神科 「精神療法」
    不安にさせている環境や原因を本人が自覚しないと不安から抜け出せないためです。
  • 50代男性 心療内科 「精神療法」
    大元からアプローチしないと延々と薬を出す空しい治療になります。
  • 50代男性 精神科 「精神療法」
    どちらも大事であると思いますが、精神療法の方が大事です。
  • 60代男性 精神科 「精神療法」
    薬物療法は効果的ですが後に依存の問題が生じる恐れがあります。
  • 40代男性 精神科 「精神療法」
    話をするだけでいいし、身近な人と話した方がいいです。
  • 40代男性 精神科 「精神療法」
    生活上のアドバイスを中心に接し、薬物療法を併用します。
  • 40代女性 心療内科 「精神療法」
    結果的にはどちらも組み合わせます。
  • 30代女性 精神科 「精神療法」
    薬物療法は依存性が気になります。
  • 50代男性 精神科 「精神療法」
    どちらもとても大切と思うので、できれば薬を使わずにという意味から精神療法を選択します。
  • 30代男性 精神科 「精神療法」
    基本的には薬物療法および精神療法の組み合わせが重要だと思います。

精神療法と回答した医師からは、環境や原因など大元からアプローチする必要があるとのコメントがいくつか寄せられました。
なかには、「話をするだけでいいし、身近な人と話した方がいいです」とのアドバイスもありました。不安な気持ちを誰かに聞いてもらうことも大事そうですね。
また、薬物療法による依存性を危惧する声も寄せられていました。
一方で、精神療法と薬物療法の併用を推す声もあったことから、実際の現場では組み合わせて治療される様子が伺えます。

続いて薬物療法と答えた医師のコメントを見ていきましょう。

薬物療法と回答した理由とは?

  • 50代男性 精神科 「薬物療法」
    病院に来る時点で薬物療法が必要な状態がほとんどです。
  • 40代男性 心療内科 「薬物療法」
    不安神経症のうちのなんという病気かにもよりますが、薬物療法なしで治療するケースは少ないです。
  • 40代男性 精神科 「薬物療法」
    ケースによるので一概には言えませんが、抗不安薬を併用することによって精神療法の導入をスムーズに行えると考えています。
  • 50代男性 精神科 「薬物療法」
    薬物療法である程度不安のレベルを下げるのが大事だと思います。
  • 30代男性 精神科 「薬物療法」
    本当は精神療法の方がいいと思いますが、薬物療法の方が時間がかからないので。
  • 40代男性 精神科 「薬物療法」
    もちろん、薬物療法を行う際に、精神療法も同時に行います。
  • 30代男性 精神科 「薬物療法」
    基本的には併用ですが、即効性があるのは薬物かと思います。
  • 40代女性 精神科 「薬物療法」
    併用が望ましいですが、症状が強ければ薬物療法を行います。

薬物療法とする理由として、薬物療法によってある程度不安のレベルを下げるのが大事といったほか、そうすることで精神療法の導入をスムーズに行えるからといったことが挙げられました。
また、薬物療法なしで治療するケースは少ないことや、薬物の方が即効性があるとの声も寄せられています。
精神療法と回答した医師と同じく、基本的には併用するといったコメントも散見されており、実際のところ、薬物療法なしで治療するのはなかなか難しいのかもしれません。

その他と回答した理由とは?

  • 40代男性 精神科 「その他」
    たいていは両方行います。
  • 60代男性 精神科 「その他」
    薬物を使わずに済むこともありますが、拗らせた方が多いので何らかの薬物療法の併用が多いです。
  • 50代男性 精神科 「その他」
    当然両方です。そうしないと意味がありません。互いを補完しあっています。
  • 40代女性 精神科 「その他」
    両方でアプローチしないと変化がないと思います。

その他と回答した医師のコメントも見ると、たいていの場合は精神療法と薬物療法を併用することが多いとのことです。
やはり実際は両者を併用して治療を行っていくケースが多いのかもしれません。

ところで皆さんは「お酒による不安の解消」について耳にしたことはあるでしょうか?うわさではお酒を飲むことによって不安が解消される方もいるようですが、果たしてこの効果は本当なのでしょうか?
続いて医師に聞いてみました。

不安解消にお酒は効果がある?

「不安を解消する方法としてお酒には効果がありますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

  • 大いにある
  • 多少はある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下が結果となります。

 

本調査では、肯定的な回答(「大いにある」、「多少はある」)が47%、否定的な回答(「あまりない」、「ほとんどない」)が53%という結果になりました。
肯定的な回答と否定的な回答がおよそ二極化する結果となっています。

それでは医師のコメントを見ていきましょう。

お酒に不安解消の効果があると考える理由とは?

  • 60代男性 精神科 「多少ある」
    一時的には効果あります。しかし、酒は治療薬ではなく好ましいことではありません。二次的な健康問題を生じさせる可能性もあります。
  • 60代男性 精神科 「多少ある」
    アルコールはその場限りの抗不安剤、抗うつ剤の役目をします。ただし治療との併用は禁止しています。
  • 40代男性 精神科 「多少ある」
    お酒に不安を和らげる効果はありますが、依存形成に至るケースがあり、おすすめはできません。
  • 50代女性 精神科 「多少ある」
    多少はありますが、アルコールに逃げて悲劇的な状況になった患者様をたくさん見てきたので、勧めません。
  • 50代男性 心療内科 「大いにある」
    不安を解消するだけなら大いに役立ちます。しかし、有害の方が上回るのは明らかなので勧めることはありません。

肯定的な回答をした医師によれば、お酒は一時的に不安を解消する効果があるようです。

しかし、依存など二次的な健康問題を懸念するコメントが寄せられました。
また、「アルコールに逃げて悲劇的な状況になった患者様をたくさん見てきたので、勧めません。」と実例をコメントする医師もいらっしゃり、不安が消えないからとお酒に手を出すことは推奨されないようです。

続いて、効果はないと答えた医師のコメントを見てみましょう。

お酒に不安解消の効果がないと考える理由とは?

  • 60代女性 精神科 「ほとんどない」
    感情が不安定になり、社会的不適応に陥りやすいです。またはアルコール依存という合併症を併発します。
  • 40代女性 精神科 「ほとんどない」
    一時的なものです。お酒を飲んで、友人や家族としゃべってストレス解消するという意味ならOKです。
  • 50代男性 心療内科 「ほとんどない」
    離脱期にはよけい不安が高まります。
  • 40代男性 心療内科 「あまりない」
    飲んだときだけ抗不安作用があるものの、酒が切れると余計に不安が増します。
  • 40代男性 精神科 「あまりない」
    むしろ、睡眠の質の低下に伴い、悪化する印象です。
  • 50代男性 心療内科 「あまりない」
    アルコール漬けで脳がマヒしている短時間のみ、不安が隠れるだけです。

お酒には効果がないと答えた医師からは、お酒によって感情が不安定になり、社会的不適応に陥りやすい、またはアルコール依存症を併発することもあるといったことが挙げられました。
また、お酒が切れると余計に不安が増す場合や、睡眠の質の低下により症状が悪化するとのコメントもあります。

両者の意見をまとめると、お酒は一時的には不安の解消にひと役買うこともあるが、結果的に不安が増加する可能性や二次的な健康問題が生じる恐れがあるためお勧めはしないということになりそうです。
お酒に逃げるのは良くないということですね。

不安神経症の治療は精神療法と薬物の併用が多い様子。不安解消はお酒を頼らず、相談を

本調査によれば、不安神経症の治療法として精神療法と薬物療法のどちらを第一選択とするかは医師によるみたいでした。
しかし、実際にはどちらが第一というよりも二つを併用して治療を行っていくケースが多いようです。
薬物療法は即効性があり、精神療法は根本的な不安の改善につながるとのことで、うまく組み合わせることで良い効果が得られるとのことでした。

また、不安を解消する方法としてお酒を飲むことについては、一時的な効果があるものの、依存や二次的な健康問題など有害要素が多いため勧められないとの声が多く寄せられました。
お酒で不安を解消しようと試みる前に、周りの信頼できる人と話したり、医師の診察を受けることを推奨します。

ツイート
この記事の著者

関連する健康相談

関連する記事