イライラを引き起こす疾患とは?受診する場合は何科にかかればよい?精神科医・心療内科医232名に聞いてみました

イライラする症状
今回の調査では、9割以上の医師が、疾患が「イライラ」を引き起こす直接的な原因が“ある”と回答しており、イライラを引き起こす疾患として多いものに、双極性障害、パーソナリティ障害、神経症などをあげていました。また、「イライラ」で病院を受診する際、精神科が適切であると回答した医師が7割以上、そのほか心療内科や一般内科が良いという意見もみられました。
メンタルの悩み
イシコメ運営事務局

些細なことが気になってしまったり、よくイライラしてしまうことに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
ストレス社会といわれている昨今において、イライラを感じる方は老若男女問わず多いのではないかと思われます。
しかし、あまりにも頻繁にイライラしてしまうのは、もしかしたら何らかの疾患が原因なのかもしれません。

そこで今回は、何らかの疾患がイライラを引き起こす直接的な原因となることはあるのか、最も多い疾患は何か、受診する場合はどの診療科がよいのかについて精神科医・心療内科医232名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年4月13日〜4月16日にかけて行われ、心療内科、精神科医、計232名から回答を頂きました。

イライラの原因が、何らかの病気のことはある?

  • 50代男性 精神科 「大いにある」
    うつ病等の精神疾患が原因となることが多いと思います。
  • 40代女性 精神科 「大いにある」
    MDI(Manic-Depressive Insanity: 躁鬱病、気分障害、双極性障害)など、多少なりとも考えられるものはあります。
  • 50代男性 精神科 「大いにある」
    精神疾患ならたくさんあります。体の病気なら甲状腺機能亢進症がありますし、慢性疼痛ならイライラを感じるのは当たり前です。
  • 30代女性 精神科 「大いにある」
    精神疾患は全てイライラ感を引き起こします。認知症患者さんの場合、便秘や排尿障害などでもイライラ感が増しますし、粗暴な言動につながります。
  • 50代女性 精神科 「大いにある」
    疼痛や掻痒、不調など、生活や気分に不具合が生じる状態では、ストレスからイライラを生じやすいと思います。
  • 40代男性 精神科 「大いにある」
    神経難病を中心に診療させていただいていますが、自分の体が自分の思い通りに動かなくなるというストレスは並大抵のことではなく、皆さん、病気を受け入れるまではイライラは増加します。
  • 40代男性 精神科 「大いにある」
    認知症の方は非常に情動が不安定なことが多く、特に男性でイライラ、易怒性を認めることがよくあります。不眠の方は疲れている印象ですが、家族にあたるなど増えているようです。
  • 40代女性 精神科 「たまにある」
    甲状腺機能亢進症などがありますね。
  • 30代男性 精神科 「たまにある」
    発達障害や双極性障害が正体のことがしばしばあります。
  • 50代女性 精神科 「たまにある」
    精神科疾患や精神症状を引き起こす内科疾患、疾患による心理反応などです。
  • 50代女性 精神科 「たまにある」
    甲状腺機能亢進症、躁状態、認知症などが、イライラの原因になると思います。
  • 40代女性 精神科 「たまにある」
    甲状腺機能亢進症の方がイライラを主訴に受診されたことがあります。

「何らかの疾患がイライラを引き起こす直接的な原因となることはあるか」という質問に対し、実に9割以上の医師の方々が“ある”と回答(「大いにある」、「たまにある」の合計)しています。
精神疾患は全てイライラ感を引き起こすというコメントもあり、うつ病、双極性障害、気分障害などには特に多いという意見がたくさん寄せられました。

また、体の病気の中でイライラを引き起こすものとして、甲状腺機能亢進症をあげた方も多くいました。

甲状腺機能亢進症については、以下のよう説明されていましたので、聞いたことがないという方は一読してもらえればと思います。

甲状腺機能亢進症とは

甲状腺は、のどぼとけの少し下にあるH字型の小さな臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています(図)。甲状腺ホルモンはfT3(フリー・トリヨードサイロニン)、fT4(フリー・サイロキシン)の2種類から成り、全身の細胞に活力を与える働きを持っています。
甲状腺の働きが活発な状態、すなわち甲状腺ホルモンの分泌が盛んな状態を、甲状腺機能亢進症といいます。別名、バセドウ病ともいいます。
引用:甲状腺機能亢進症・別名:バセドウ病|慶應義塾大学病院 KOMPAS

さらに、認知症患者の方々は情緒が不安定になりやすく、イライラを感じやすい傾向にあるといったコメントもみられました。
一方で、疼痛や掻痒、不調など生活や気分に不具合が生じる状態の方の場合もイライラがみられるようです。

このように医師からはいくつかの病名が挙げられましたが、ではイライラを引き起こす病気で最も多いものは何なのでしょうか。こちらも聞いてみました。

イライラを引き起こす精神疾患で多いものとは?

  • 40代男性 精神科 「双極性障害」
    焦燥のイライラは双極性障害に多いように思います。
  • 40代男性 精神科 「双極性障害」
    全ての疾患でありえますが、強いて言えば双極性障害が多いような気がします。
  • 40代女性 心療内科 「パーソナリティ障害」
    パーソナリティ障害の患者さんには、イライラが多い傾向があります。
  • 50代男性 精神科 「パーソナリティ障害」
    自分の思い通りにならないと気が済まないというBPD(Borderline Personality Disorder: 境界性パーソナリティ障害)が多いです。
  • 50代男性 心療内科 「神経症」
    頻度で言えば神経症が一番多いと思います。
  • 50代女性 心療内科 「神経症」
    長期的なイライラの訴えは、神経症に多い印象があります。
  • 50代男性 精神科 「その他」
    統合失調症の患者さんのイライラをよく経験します。
  • 50代男性 精神科 「単極性うつ病」
    患者の絶対数は単極うつ病が多いので、それを反映して考えると単極うつ病が最も多いと思います。
  • 40代男性 心療内科 「PMS」
    ホルモンバランスが大いにイライラと関わっていると思います。
  • 50代男性 心療内科 「PMS」
    女性のイライラはこれが原因のことが多い気がします。
  • 50代男性 心療内科 「更年期障害」
    女性の更年期障害のみならず、男性の更年期障害も原因となります。

「イライラを引き起こす疾患として最も多いのは何か」という質問では、双極性障害が全体のうちの30%と最多であり、次いでパーソナリティ障害、神経症、その他という結果になりました。

焦燥からくるイライラの場合は、双極性障害が多いとのことです。

双極性障害とは

双極性障害は、精神疾患の中でも気分障害と分類されている疾患のひとつです。うつ状態だけが起こる病気を「うつ病」といいますが、このうつ病とほとんど同じうつ状態に加え、うつ状態とは対極の躁状態も現れ、これらをくりかえす、慢性の病気です。
引用:双極性障害(躁うつ病)|厚生労働省

また、パーソナリティ障害の方は、自分の思い通りにならないと気が済まないため、イライラすることが多くなるそうです。
他にも、PMSや更年期障害では、ホルモンバランスの乱れによるイライラも見られるようです。

月経前症候群(PMSとは)

月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。(中略)精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。
引用:月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)|公益社団法人 日本産婦人科学会

イライラが続いたら受診すべき診療科は?

  • 40代男性 精神科 「精神科」
    精神科が適当と思いますが、身体疾患の除外も必要と思います。
  • 50代男性 精神科 「精神科」
    PMSやPMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder: 月経前不快気分障害)も含めて、精神科医は上手にコントロールすることができます。
  • 40代男性 精神科 「精神科」
    ただし病気によるものによります。原因があってのイライラは、医療的介入は必要ありません。
  • 50代女性 精神科 「精神科」
    身体疾患が疑われる場合は専門科と連携できる医療機関が望ましいと思います。
  • 50代男性 心療内科 「心療内科」
    精神科でも構いませんが、心療内科の方が敷居が低いと思われています。
  • 50代男性 精神科 「心療内科」
    反抗的な行動と易怒性で児童相談所に来ていた例が医師面接になり、視診上の甲状腺腫脹ですぐに甲状腺機能亢進症と診断できた例も経験しましたので、やはり最初は身体医学的なトレーニングの足りている医師が診察すべきものと思います。
  • 70代男性 心療内科 「心療内科」
    心療内科で、患者さんの気持ちを十分に理解できる医者に診てもらうのが良いと思います。
  • 50代男性 心療内科 「内科」
    まずは総合診療科の受診をお勧めします。
  • 50代男性 心療内科 「その他」
    病状次第だと思うので、何科という特定はできません。
  • 50代男性 精神科 「その他」
    疾患の原因によると思うので、原疾患を専門としている診療科が適していると思います。

最後に「イライラを感じたらどの診療科で診てもらうべきか」という質問をしたところ、7割以上の医師の方々が、精神科と答えています。
アンケート全体を通して精神科の医師の多くが、精神科が適当であると回答しており、同様に、心療内科の医師も、心療内科が良いと答えている印象を持ちました。

また今回の質問では、回答に問わず、イライラの原因によって診療科が左右されるという意見が寄せられており、その根本に当たる原因を専門としている診療科にかかるのが重要だというコメントがありました。

疾患が原因でイライラになっていることは「ある」。双極性障害やパーソナリティ障害が多い

本調査では、9割以上の医師が、疾患が「イライラ」を引き起こす直接的な原因が“ある”と回答しており、イライラを引き起こす疾患として多いものに、双極性障害、パーソナリティ障害、神経症などをあげていました。他にも疼痛や掻痒、不調などの生活や気分に不具合が生じる状態でも、イライラは誘発されるようです。

続いて、「イライラ」で病院を受診する場合の診療科について聞いたところ、精神科が適切であると回答した医師が7割以上、そのほか心療内科や一般内科が良いという意見もみられました。
一方で、イライラの原因によって診療科が左右されるという意見が寄せられており、その根本に当たる原因を専門としている診療科にかかるのが重要とのことでした。

ツイート
この記事の著者

関連する健康相談

関連する記事