運動不足は体にどのような影響があるの?死亡率に影響する?医師527人に聞いてみました

運動不足
本調査では、運動不足は体にどのような影響があると思うか質問したところ、「肥満の原因になる」と回答している医師が一番多く、次に「糖尿病の原因になる」、「高血圧の原因になる」が続きました。「肥満の原因になる」を選択した医師は全体の約8割を超え、肥満に伴う生活習慣病が指摘されています。続いて、運動不足は死亡率に影響すると思いますか?という質問については、「多少ある」との回答が一番多く、次に「大いにある」、「あまりない」が続きました。肯定的な回答が約8割にも上り、運動不足が死亡率に影響することは研究や統計上示されている、WHOも大きな要因と言及している等のコメントがみられました。
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大人になると、運動する機会は子供に比べ減ってきますよね?
仕事で忙しかったり、家事で忙しかったりすると運動の時間はなかなかとれないものです。
その上、移動は車やバス、電車などの利用が多く、歩く機会があまり無い方もいるのではないでしょうか。
では、そのまま運動不足を放置していると体に何か影響が出てしまうのでしょうか。
また、その運動不足は死亡率に関係してしまうことなどあるのでしょうか。

そこで今回は、一般内科、総合診療、代謝・内分泌科、健診・予防医学医527人に、運動不足は体にどのような影響があるか、運動不足は死亡率に影響すると思うか聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月25日~2018年11月26日にかけて行われ、一般内科、総合診療、代謝・内分泌科、健診・予防医学医527人から回答を頂きました。

運動不足は体にどのような影響があるの?

まずは、「運動不足は体にどのような影響があると思いますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 肥満の原因になる
  • 糖尿病の原因になる
  • 高血圧の原因になる
  • 便秘になる
  • 腰痛になる
  • うつ病などの精神疾患のリスクを高める
  • 疲れやすくなる
  • 特にない
  • その他

以下のグラフが結果となります。


こちらの調査では、「肥満の原因になる」と回答している医師が82%と一番多く、次に「糖尿病の原因になる」、「高血圧の原因になる」が続きました。
これら上位3つへの医師からの支持はどれも過半数を占めており、運動不足の体への代表的な影響と考えられそうです。

それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

肥満は各種疾患のリスクにもなる

  • 50代男性 一般内科 「肥満の原因になる」
    当然カロリー消費が少ないので肥満になると思います。
  • 60代男性 一般内科 「肥満の原因になる」
    どうしても肥満傾向になってしまいがちです。
  • 60代男性 一般内科 「肥満の原因になる」
    体重が増えて中性脂肪が高値になります。
  • 40代男性 一般内科 「肥満の原因になる」
    肥満で更に運動不足になる感じです。
  • 30代女性 一般内科  「肥満の原因になる」
    運動不足は肥満を招き、生活習慣病に関わります。
  • 50代男性 代謝・内分泌科 「肥満の原因になる」
    サルコペニア、フレイルにつながると思います。
  • 50代男性 代謝・内分泌科 「肥満の原因になる」
    筋肉が減る悪循環になると思います。
  • 40代男性 代謝・内分泌科 「肥満の原因になる」
    運動不足による筋肉の減少は転倒リスクの増大につながります。
  • 30代男性 一般内科   「肥満の原因になる」
    生活習慣病の一番の原因と思います。
  • 30代女性 一般内科  「肥満の原因になる」
    肥満は各種疾患のリスクです。
  • 40代男性 一般内科 「肥満の原因になる」
    これまでの運動量に対する不足を意味しているため、一概に病の元にはならないかもしれませんが、体調の変化は何らか来すと思います。
  • 50代男性 一般内科 「肥満の原因になる」
    生活不活発病による代謝の低下から生じます。
  • 30代女性 一般内科  「肥満の原因になる」
    規則正しい運動はやはり必要です。

一番多く見られた回答は、「肥満の原因になる」というものでした。
運動不足により、体重が増えて中性脂肪が高値になったり、肥満に繋がったりするようです。

さらに、生活習慣病など各種疾患のリスクが高まることや、運動不足は筋肉量の減りを招き、転倒リスクが増大するといった危険性も指摘されていました。
また、「肥満で更に運動しなくなる」、「筋肉が減る悪循環になる」とのコメントもあり、運動しないことで肥満や筋肉低下が起こり、ますます運動しにくくなるという悪循環も懸念されています。
そんな負の連鎖を断ち切るためにも、やはり規則正しい運動が必要とされていますので、バス停を一駅手前で降りて歩くなど、できる範囲で運動の工夫をしてみましょう。

糖尿病をはじめとした全てのリスクになり得る

  • 40代男性 一般内科 「糖尿病の原因になる」
    やはり糖尿病は多いです。
  • 50代男性 一般内科 「糖尿病の原因になる」・「肥満の原因になる」
    体重増加の原因になるので、肥満や糖尿病の原因になります。
  • 60代男性 一般内科 「糖尿病の原因になる」・「肥満の原因になる」・「腰痛になる」・「便秘になる」      
    運動不足に摂取カロリー過多が加われば、当然、生活習慣病発生の素地が出来上がります。
  • 60代男性 一般内科 「糖尿病の原因になる」・「肥満の原因になる」・「高血圧の原因になる」
    糖尿病の原因になります。更に高血圧の原因になるでしょう 。肥満の原因としても見過ごせません。
  • 40代男性 一般内科 「すべて」
    すべてのリスクファクターになり得ると思います。
  • 70代男性 一般内科 「すべて」
    運動不足は諸疾患に影響し、増悪因子になると思います。
  • 40代男性 一般内科 「糖尿病の原因になる」・「肥満の原因になる」
    脂質異常症や糖尿病になるなど多く見られます。
  • 60代男性 一般内科 「糖尿病の原因になる」・「肥満の原因になる」・「高血圧の原因になる」・「腰痛になる」
    自分自身ではないのですが、肥満・糖尿病・高血圧・腰痛が多いと思います。
  • 50代男性 一般内科 「糖尿病の原因になる」・「肥満の原因になる」・「高血圧の原因になる」
    糖尿病、高血圧、脂質異常症のリスクを高めます。
  • 40代男性 一般内科 「糖尿病の原因になる」・「肥満の原因になる」・「高血圧の原因になる」
    運動不足は、糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満などの生活習慣病の発症リスクを増大させ、心筋梗塞や脳卒中などの命の危険のある疾患にもかかりやすくなり、死亡リスクをも増大させます。

次にコメントで気になったのは、「糖尿病の原因になる」との意見です。

まず、運動不足と摂取カロリー過多が相まって生活習慣病の素地が出来上がり、それらが糖尿病の因子になる可能性があるとのことです。
生活習慣病の例で挙がったものは、糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満、腰痛などで、運動不足はそれらの疾患の発症リスクを増大させるといいます。それだけでなく、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる疾患のリスクも増大するといったコメントもみられました。
また、運動不足は、「全てのリスクファクターとなり得る」と指摘もありました。糖尿病などの生活習慣の予防のためにも、運動不足の自覚がある方は、日々の習慣を見直したほうが良いかもしれません。

運動不足は死亡率に影響するの?

続いて、「運動不足は死亡率に影響すると思いますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。 

  • 大いにある
  • 多少ある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下のグラフが結果となります。

 

集計結果では、「多少ある」との回答が48%と一番多く、次に「大いにある」、「あまりない」が続きました。
「多少ある」・「大いにある」の回答を合計すると、実に88%もの医師が運動不足は死亡率に影響すると考えている事が分かります。

それでは医師のコメントをみていきましょう。

運動不足は生活習慣病の遠因になる

  • 50代女性 一般内科 「多少ある」
    運動不足による肥満が影響するのではないでしょうか。
  • 50代男性 一般内科 「多少ある」
    動脈硬化を促進させるので関係あると思います。
  • 60代男性 一般内科 「多少ある」
    全ての臓器に影響すると思います。
  • 30代男性 一般内科 「多少ある」
    メタボリックシンドロームになる程なら、影響すると思います。
  • 50代男性 健診・予防医学 「多少ある」
    筋力低下が寝たきりや、呼吸機能低下、嚥下障害の原因になると考えられます。
  • 30代男性 健診・予防医学 「多少ある」
    サルコペニア、フレイルと関わってきます。
  • 40代女性 一般内科 「多少ある」
    体力が低下したり転倒しやすくなったりします。
  • 40代男性 一般内科 「多少ある」
    脂質異常症や糖尿病になるなど多く見られます。
  • 60代男性 一般内科 「多少ある」
    糖尿病発症、動脈硬化進行などにより、死亡率上昇が考えられます。
  • 30代男性 一般内科 「多少ある」
    生活習慣病の遠因になると思います。
  • 60代男性 一般内科 「多少ある」
    運動というより、日々の生活動作のために必要な体力を落とさない事を意識して頂きたいです。運動をあまり強調しなくても良いかもしれません。
  • 50代女性 一般内科 「多少ある」
    しかし、運動のやり過ぎはもっと寿命に影響しそうです。
  • 40代男性 一般内科 「多少ある」
    全く運動しなくても健康的な方はいます。ロコモティブシンドロームになるかどうかは別とします。

まず、コメントに出てきた言葉の概要をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。

メタボリックシンドロームとは

内蔵肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさり、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患をまねきやすい病態です。単に腹囲が大きいだけではメタボリックシンドロームにはあてはまりません。
引用:メタボリックシンドローム|厚生労働省

ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)とは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態 」1)のことを表し、2007年に日本整形外科学会によって新しく提唱された概念です
引用:ロコモティブシンドローム|公益財団法人 長寿科学振興財団

サルコペニアとは

筋肉の量が減少していく老化現象のことです。25~30歳頃から進行が始まり生涯を通して進行します。筋線維数と筋横断面積の減少が同時に進んでいきます。主に不活動が原因と考えられていますが、そのメカニズムはまだ完全には判明していません。
引用:サルコペニア|厚生労働省

フレイルとは

フレイルとは,加齢に伴う様々な機能変化や予備能力 低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態と 理解される.
引用:フレイルの意義 -日本老年医学会

一番多く回答を集めたのは、「多少ある」との意見でした。

まず、運動不足は全ての臓器に影響を与え、動脈硬化や、糖尿病、脂質異常症などの温床になると考えられるようです。
また、筋力の低下から、呼吸機能の低下や嚥下障害にも繋がるという意見も挙がりました。この筋力低下に限っては、サルコペニアやフレイルを発症しやすいとされ、高齢者は特に注意が必要なようです。
若い方でも、運動不足が肥満やメタボリックシンドロームなど生活習慣病の遠因になる可能性が挙げられています。
運動不足が直接、死亡率に関わるわけではなさそうですが、生活習慣病などが結果的に死亡率に影響してしまうのかもしれません。

運動不足はあらゆる健康障害に繋がる

  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    WHOも大きな要因と言っています。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    統計上でそういう結果だった気がします。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    多くの研究が死亡と運動不足との関連性を示しています。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    運動不足から肥満になりメタボリックシンドロームの各種疾患が発生・進行します。
  • 40代男性 一般内科 「大いにある」
    心血管イベントを増加する等、20以上の疾患と関連することが報告されています。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    肥満の人の死亡率は高いと思います。
  • 40代男性 一般内科 「大いにある」
    運動不足は、耐糖能異常、脂質異常症、高血圧、肥満などの生活習慣病の発症リスクを増大させ、心筋梗塞や脳卒中などの命の危険のある疾患にもかかりやすくなり、死亡リスクをも増大させます。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    運動不足から来る肥満や、サルコペニアなどは関係します。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    筋肉の減少による転倒リスクが増大します。
  • 40代男性 一般内科 「大いにある」
    肥満、糖尿病、高血圧などが増えると思われます。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    動かないこと自体が動脈硬化性疾患のリスク(喫煙と同程度)です。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    がん、動脈硬化予防に重要です。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    筋肉量の低下、心肺機能の低下が影響します。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    筋肉量の低下のため、サルコペニアやフレイルのリスクは高まると思います。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    血流が悪くなって血栓ができやすくなります。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    運動不足は、死亡の原因の、脳血管障害、心疾患に、影響があります。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    骨粗鬆症から、転倒骨折、寝たきり、誤嚥性肺炎というコースを辿ります。
  • 40代男性 一般内科 「大いにある」
    運動で多くの生活習慣病が予防できます。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    メタボリックシンドロームの予防の観点から重要です。
  • 60代男性 一般内科 「大いにある」
    運動で寿命は延びます。

次に回答で多かったのは、「大いにある」との意見です。

まず、運動不足が死亡率に影響することは研究や統計上示されており、WHOもその関係について言及しているといったコメントがみられました。
具体的には、運動不足が原因で心血管イベントを増加する等、20以上の疾患と関連してくることが報告されているそうです。
例として挙げられている疾患は、脂質異常症、高血圧、動脈硬化、糖尿病などで、運動しないことでこれらのリスクが高まると指摘されています。
また、高齢者の場合は、骨粗鬆症→転倒骨折→寝たきり→誤嚥性肺炎といったコースを辿りやすいとされていますので、要注意です。
他にも、「運動不足は、死亡原因の脳血管障害、心疾患に影響がある」との意見もみられました。
多くの生活習慣病や疾患は、適度な有酸素運動で予防することができ、健康寿命を伸ばすこともできると言われているので、ウォーキングなど無理のない運動から始めてみてはいかがでしょうか。

運動不足は生活習慣病に繋がり、死亡リスクが高まる恐れも

本調査では、まず、運動不足は体にどのような影響があると思うか聞いたところ、「肥満の原因になる」と回答している医師が一番多く、次に「糖尿病の原因になる」、「高血圧の原因になる」が続きました。
運動不足は肥満を招きやすく、結果的に生活習慣病が関わってくるようで、複数の疾患のリスクが高まるようです。具体的には、動脈硬化・脂質異常症・糖尿病・高血圧・心筋梗塞・脳血管障害などが例として挙げられました。

続いて、運動不足は死亡率に影響すると思うかという質問については、「多少ある」との回答が一番高く、次に「大いにある」、「あまりない」が続きました。
運動不足が死亡率に影響すると肯定的な回答が約8割にも上りました。さらに、運動不足が死亡率に影響することは研究や統計上示されており、WHOも大きな要因と言及しているといったコメントがみられました。

運動不足は様々な疾患を引き起こす憎悪因子となり得ますので、日頃から運動を取り入れた生活を心がけることが大事そうです。

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