カロリー制限は長生きや老化防止に効果がある?メリット・デメリットは?医師482名に聞いてみました

鏡を見る女性
本調査では、「カロリー制限は、長生きや老化防止に効果がありますか」という質問に対し、肯定的な56%、否定的な回答が24%、「わからない」が20%という結果になりました。肯定的な回答では、動物実験で長寿に結びついたという結果があることや、高カロリーは生活習慣病の原因になるためといったことが理由としてコメントされました。一方で否定的な回答では、直接的には影響しないとの見解があります。続いて、「カロリー制限をすると、どのようなメリットが考えられますか」という質問では、「糖尿病リスクの低減」、「インスリン抵抗性の改善」、「コレステロール値の改善」の順で回答されました。生活習慣病全般に効果があるというコメントの他、インスリン抵抗性の改善、代謝の向上、メタボリックシンドローム予防になるなどのメリットが挙げられました。最後に、カロリー制限をするデメリットとしては、「筋肉量の低下」との回答が最も多く、「栄養不足」、「疲労感」が後に続いています。医師のコメントでは、必要な栄養素が不足することが多く、冷えや疲労感、倦怠感を伴う等のデメリットが挙げられました。
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カロリー制限をすると寿命が伸びる、老化が防止されるといったうわさを耳にすることはありませんか。
もしこれが本当であれば、実践してみたいと思う人は多いかと思います。
しかし本当にそのような効果はあるのか、メリット・デメリットはどのようなものがあるのかなど、気になりますよね。

そこで今回は、医師482名に「カロリー制限は長生きや老化防止に効果があるか」、「カロリー制限のメリット・デメリットには何があるのか」について聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月16日〜11月19日にかけて行われ、一般内科医、総合診療科医、代謝・内分泌科医、健診・予防医学医の計482名から回答を頂きました。

カロリー制限は長生きや老化防止に効果ある?

まずは、「カロリー制限は、長生きや老化防止に効果がありますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

  • 大いにある
  • 多少はある
  • あまりない
  • ほとんどない
  • わからない

以下が結果となります。

  • 60代男性 一般内科 「多少はある」
    少なくとも動物実験では2割程度の栄養制限が長寿に結びついています。
  • 50代男性 一般内科 「多少はある」
    糖質の過剰摂取は寿命短縮に影響すると思うので若干のカロリー制限は有効と考えます。
  • 60代男性 一般内科 「多少はある」
    逆にカロリーオーバーは、人生を短縮させます。
  • 30代男性 一般内科 「多少はある」
    高カロリーな生活は生活習慣病の原因です。
  • 50代男性 一般内科 「わからない」
    ダイエットになりますが、長生き、老化防止はよくわかりません。
  • 40代男性 総合診療科 「わからない」
    線虫ではカロリー制限が寿命を延ばすとされていますが、人ではわかりません。
  • 30代男性 総合診療科 「あまりない」
    糖尿病などが改善されるなら長生きかもしれませんが、直接的には影響しないのではと思います。
  • 50代女性 代謝・内分泌科 「あまりない」
    しっかり食べて・しっかり運動すべきです。
  • 50代男性 一般内科 「大いにある」
    うまくやるのが難しいですが、体内の酸化が減って細胞が古くなりにくくなります。
  • 60代男性 一般内科 「ほとんどない」
    過食は良くありませんが、痩せていくのも良くないと思います。

集計の結果、カロリー制限には長生きや老化防止に効果があると考える回答(「多少はある」44%、「大いにある」12%の合計)が56%と最も多く、次に効果に否定的な回答(「あまりない」14%、「ほとんどない」10%の合計)が24%、「わからない」が20%という結果になりました。

肯定的な回答をした医師からは、動物実験では2割程度の栄養制限が長寿に結びついているため、高カロリーは生活習慣病の原因になるため、などの理由として挙げられました。
また、カロリー制限をすることで体内の酸化が減り、細胞が老化しにくくなるとの意見もありましたが、うまくやるのは難しいとのことです。

一方で否定的な回答をした医師からは、直接的には影響しないことがコメントされました。
なかには、「しっかり食べて・しっかり運動すべき」と述べた医師も。カロリーを制限するよりもしっかりと栄養を摂った上で体を動かした方が体に良いと考えていることがうかがえます。

最後に「わからない」と回答した医師からは、「線虫ではカロリー制限が寿命を延ばすとされていますが、人ではわからない」といったコメントがみられました。

カロリー制限をするメリットとは?

続いて、「カロリー制限をすると、どのようなメリットが考えられますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

  • コレステロール値の改善
  • インスリン抵抗性の改善
  • 血圧の改善
  • 糖尿病リスクの低減
  • 心臓病リスク低減
  • 認知症リスク低減
  • 癌リスクの低減
  • わからない
  • 特にない
  • その他

以下が結果となります。

  • 40代男性 代謝・内分泌科 「糖尿病リスクの低減」
    生活習慣病全般に効果があると思います。
  • 50代男性 総合診療科 「糖尿病リスクの低減」
    糖尿病の予防に大切だと思います。
  • 60代男性 一般内科 「糖尿病リスクの低減」
    血糖コントロールには使えそうです。
  • 60代男性 代謝・内分泌科 「糖尿病リスクの低減」
    疫学的にもエビデンスがあります。
  • 60代男性 代謝・内分泌科 「インスリン抵抗性の改善」
    カロリー制限をするとインスリン抵抗性が改善します。
  • 30代男性 一般内科 「インスリン抵抗性の改善」
    目に見えた効果はないと思いますが……。
  • 60代男性 一般内科 「インスリン抵抗性の改善」
    機能的に究極はこれですね。
  • 20代男性 一般内科 「インスリン抵抗性の改善」
    インスリン抵抗性は確実によくなると思います。
  • 60代男性 代謝・内分泌科 「コレステロール値の改善」
    カロリー制限により内臓脂肪が減ると代謝が良くなります。
  • 40代男性 総合診療科 「コレステロール値の改善」
    科学的にどうか分かりませんが、肥満者がカロリー制限する効果は大きいと思います。痩せた人がどうかは分かりません。
  • 30代女性 一般内科 「コレステロール値の改善」
    メタボリックシンドロームの予防につながります。

集計の結果、カロリー制限をするとどのようなメリットが考えられるかについては、「糖尿病リスクの低減」との回答が最も多く、次に「インスリン抵抗性の改善」、「コレステロール値の改善」が続きました

「糖尿病リスクの低減」と回答した医師からは、血糖コントロールに使えるという考えや糖尿病の予防に大切だというコメントが寄せられました。
また、カロリー制限は生活習慣病全般に効果的と考えている医師もいらっしゃいます。

2番目に回答された「インスリン抵抗性の改善」ですが、インスリン抵抗性をはじめて目にするという方も多いのではないでしょうか。
以下のように説明されていますので、ご存じないという方はぜひご覧ください。

糖尿病になると、インスリンが十分に働かなくなり、血糖をうまく細胞に取り込めなくなります。
〔中略〕
インスリン抵抗性:インスリンは十分な量が分泌されているけれども、効果を発揮できない状態。運動不足や食べ過ぎが原因で肥満になるとインスリンが働きにくくなります。鍵であるインスリンがたくさんあっても、細胞のドアのたてつけが悪く、開けることができません。この場合も、血液の中に糖があふれてしまいます。
引用:糖尿病ってなに? | 糖尿病情報センター

医師のコメントによれば、カロリー制限をすることで、糖尿病に関係するインスリン抵抗性の改善につながるようです。
また、「コレステロール値」の改善を選んだ医師からは、カロリー制限によって内臓脂肪が減り、代謝がよくなるという見解がありました。また、肥満の方がカロリー制限するとより効果的であるそうです。
メタボリックシンドロームの予防にもつながるようで、カロリー制限の効果は様々あるようですね。

カロリー制限のデメリットとは?

最後に「カロリー制限をすると、どのようなデメリットが考えられますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

  • 肌荒れ
  • 免疫力低下
  • 栄養不足
  • 筋肉量の低下
  • 疲労感
  • 骨密度低下
  • 貧血
  • 便秘
  • ホルモンバランスが崩れる
  • 痩せにくい体質になる
  • 冷えの原因になる
  • むくみやすくなる
  • 特にない
  • わからない
  • その他

以下が結果となります。

  • 50代男性 一般内科 「筋肉量の低下」
    正しいカロリー制限をしたら問題はないと思いますが、得てして必要な栄養素が不足することが多いです。
  • 60代女性 一般内科 「筋肉量の低下」
    脂肪や筋肉が分解されケトンが増えます。
  • 50代男性 一般内科 「筋肉量の低下」
    カロリーだけ制限して運動をしないと、筋肉も落ちて来ます。
  • 30代男性 一般内科 「筋肉量の低下」
    タンパク質を補う必要がありますね。
  • 50代男性 一般内科 「栄養不足」
    低栄養になり体調不良を引き起こすのではないかと思います。
  • 50代男性 一般内科 「栄養不足」
    総じてビタミンなどが不足します。
  • 40代男性 一般内科 「栄養不足」
    栄養不足で冷えの原因になります。
  • 50代男性 一般内科 「疲労感」
    疲労感は精神的な影響が強いです。体重は減っても半分以上は筋肉なので、筋肉をつける努力は同時に行います。
  • 40代男性 一般内科 「疲労感」
    初期には倦怠感などを伴うことが多いと思います。
  • 50代男性 総合診療科 「疲労感」
    モチベーションが低下した人を知っています。

集計の結果、カロリー制限をするとどのようなデメリットが考えられるかについては、「筋肉量の低下」との回答が最も多く、次に「栄養不足」、「疲労感」が続きました

「筋肉量の低下」を回答した医師からは、必要な栄養素が不足することや、脂肪とともに筋肉も分解されてしまうなどが挙げられました。またカロリー制限だけで運動をしないことも筋肉量の低下につながるようです。

「栄養不足」を回答した医師からは、低栄養になり体調不良を引き起こすという懸念や体の冷え・ビタミン不足につながることなどが危惧されました。
カロリー制限をする場合は、栄養バランスに気をつけた方がよさそうです。

また「疲労感」と回答した医師からは、特にカロリー制限を始めたころに疲労感・倦怠感がみられるとのコメントがありました。モチベーションの低下にも関係していると考える医師もいらっしゃったことを踏まえると、一見メリットの多そうなカロリー制限ですが、このようなデメリットも考えられるようでした。

「カロリー制限は長生きに効果があり」過半数の医師が支持。しかしメリットとデメリットは念頭に

本調査では、「カロリー制限には長生きや老化防止に効果がありますか」という質問をしたところ、肯定的な見解が半数以上という結果になりました。
肯定的回答をした医師からは、動物実験の結果で2割程度の栄養制限が長寿に結びついていることや、高カロリーは生活習慣病の原因になるためといったことが理由としてコメントされました。一方、否定的な回答からは、直接的には影響しないのではという見解がありました。
続いて、カロリー制限をするメリットについては、「糖尿病リスクの低減」が最多で回答され、「インスリン抵抗性の改善」、「コレステロール値の改善」が支持を集めました。医師からは、生活習慣病全般に効果がある、カロリー制限により内臓脂肪が減ると代謝が良くなる、メタボリックシンドロームの予防につながるなど様々なメリットも挙げられています。
反対にカロリー制限をするデメリットとして、「筋肉量の低下」、「栄養不足」、「疲労感」が回答されました。医師のコメントからは、必要な栄養素が不足することが多い、ビタミン不足になるなどの懸念があるようです。
また、カロリーだけ制限して運動をしないと筋肉も落ちてくるため、タンパク質を補う必要があるとのこと。カロリー制限をする場合は、筋肉量を落とさないよう同時に運動とタンパク質摂取する、栄養バランスには気を遣うなどデメリットをできるだけ抑える形で行なうことをおすすめします。

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