お酒を飲んだ後に寒気の症状が出た場合、急性アルコール中毒の恐れはある?急性アルコール中毒にはどのような症状がある?医師525人に聞いてみました

酔っぱらってソファーに寝る男性
本調査では、お酒を飲んだ後に寒気がした場合、急性アルコール中毒の恐れはあるか聞いたところ、「多少ある」との回答の割合が一番高く、「あまりない」、「ほとんどない」が続きました。「ある」と「ない」とで大きく意見は分かれ、急性アルコール中毒と寒気の関連を支持する意見と、直接的な因果関係はないとする意見に分かれました。次に、急性アルコール中毒の場合、どのような症状があるかという質問については、「嘔気・嘔吐」と回答している医師が一番多く、続いて「動悸」、「脱力」が回答を集めました。危険性が高い症状として「嘔気・嘔吐」や「意識障害」が考えられ、他の症状として「動悸」や「脱力」などが挙げられています。本記事を参考までに、急性アルコール中毒が疑われる場面では、適切な対応を試みて下さい。
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週末の繁華街で酔いつぶれて吐いてしまっている人をみかけたことはありませんか。そんな方のなかには、ひどいと急性アルコール中毒で救急搬送される方もおられます。
たくさんのお酒を飲む人であれば、決して他人事ではありません。
例えば、お酒を飲んだあとに寒気を感じた場合、これは急性アルコール中毒のサインなのでしょうか?その他にどんな症状が出たら急性アルコール中毒を疑うべきなのでしょうか?

そこで今回は、一般内科,総合診療,消化器内科医525人に、お酒を飲んだ後に寒気がした場合、急性アルコール中毒の恐れはあるのか、急性アルコール中毒にはどのような症状があるのか聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2019年2月12日~2019年2月13日にかけて行われ、一般内科,総合診療,消化器内科医525人から回答を頂きました。

お酒を飲んだ後に寒気の症状が出た場合、急性アルコール中毒の恐れはある?

まずは、「お酒を飲んだ後に寒気がした場合、急性アルコール中毒の恐れはありますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。         

  • 大いにある
  • 多少はある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下のグラフが結果となります。

集計結果では、「多少ある」が37%と回答の中で一番割合が高く、次に「あまりない」30%、「ほとんどない」22%が続きました。
お酒を飲んだ後に寒気がした場合、急性アルコール中毒の可能性が「ある」と「ない」とで、ほぼ真っ二つに意見が分かれる結果となりました。
まずは、病気の概要をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。

急性アルコール中毒とは

急性アルコール中毒は飲酒により意識レベルが低下し、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ります。若年者・女性・高齢者などでリスクが高まり、とくに大学生や新社会人では一気飲みとして飲酒させられ、死亡に至るケースが毎年発生しています。
引用:急性アルコール中毒|厚生労働省

急性アルコール中毒の患者は寒気が生じる傾向にある

  • 30代女性 一般内科 「多少ある」
    寒気は一般的にあり得ることですが、ある程度のアルコール濃度で生じると思うので、急性アルコール中毒となる可能性はあると思います。
  • 60代男性 一般内科 「多少ある」
    あまり実感していませんが、急性アルコール中毒の患者さんにはその傾向があります。
  • 50代男性 一般内科 「多少ある」
    寒気の程度や状態によります。
  • 50代男性 消化器内科 「多少ある」
    季節によりますが、夏でも寒気がある場合は、アルコールによる循環抑制は否定できません。
  • 50代男性 一般内科 「多少ある」
    発汗後に寒気がすると思います。
  • 50代男性 一般内科 「多少ある」
    脱水で末梢血流が減り、寒気が発生します。
  • 50代女性 一般内科 「多少ある」
    寒気を経験したことはありませんが、体温調節障害が生じていると思われます。
  • 50代男性 一般内科 「多少ある」
    体の体温調節が出来なくなった状態は危険です。
  • 40代男性 一般内科 「多少ある」
    意識が朦朧としたら危ないです。
  • 50代男性 一般内科 「多少ある」
    脱水で血圧が下がりかけているかもしれません。救急受診もやむなしです。
  • 50代男性 一般内科 「多少ある」
    寒気だけでは、急性アルコール中毒・確定ではありません。
  • 40代女性 一般内科 「多少ある」
    多少はあるかと思いますが、直結はできません。
  • 50代男性 一般内科 「多少ある」
    普段の飲酒時に違う体の症状が出た場合には、アルコール中毒をはじめ、何らかの急性疾患の可能性があります。

一番多く回答を集めたのは、「多少ある」との意見でした。
まず、飲酒が原因で起きる急性アルコール中毒にも寒気が関わることはあるといった医師の見解が見られました。
次に、寒気の原因として、アルコールによる脱水が引き起こす末梢血流の減少や、体温調節障害などが挙げられました。また、夏でも寒気が生じる場合は、アルコールによる循環抑制が否定できないという意見もありました。
寒気の症状だけで急性アルコール中毒と確定することは難しいようですが、体温調節ができない場合や、意識が朦朧としている場合などは、危険な状態です。医師のコメントにあるように、状況をみて、救急受診も検討しましょう。

寒気の症状だけでは急性アルコール中毒とは言えない

  • 40代男性 一般内科 「あまりない」
    そういう症例は、経験したことがありません。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    個人差があり、何とも言えません。
  • 50代女性 一般内科 「あまりない」
    寒気は経験がないですし、関係性もわかりません。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    直接的な因果関係はありません。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    どちらか言うと低血糖を心配します。
  • 40代男性 一般内科 「あまりない」
    脱水が絡んでくると思います。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    単なるアルコールによる血管拡張作用の結果でしょう。
  • 50代男性 一般内科 「あまりない」
    おそらく血管拡張による体温低下だと思います。
  • 60代男性 一般内科 「あまりない」
    寒気の症状だけでは急性アルコール中毒とは言えません。

次に回答で多かったのは、「あまりない」との意見でした。
この回答では、急性アルコール中毒と寒気の直接的な因果関係はなく、飲酒による低血糖脱水なのではないかという意見や、飲酒後の寒気には、血管拡張による体温低下の可能性もあるという意見もありました。
また、寒気の症状を持つ急性アルコール中毒患者を受け持った経験がなく、関連性もわからないという医師もいました。
個人差があるといったコメントも見られたことから、一概に言えないところがありそうです。

急性アルコール中毒の場合、どのような症状がある?

続いて「急性アルコール中毒の場合、どのような症状がありますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 嘔気・嘔吐
  • 動悸
  • 脱力
  • 呼吸困難
  • 顔面や全身の紅潮
  • 発汗
  • 頭痛
  • めまい
  • 低血圧
  • 口渇
  • 目のかすみ
  • 胸痛
  • その他

以下のグラフが結果となります。

こちらの調査では、「嘔気・嘔吐」と回答している医師が49%と一番多く、次に「動悸」46%、「脱力」40%が続きました。
全体的に回答が分散する結果となりましたが、急性アルコール中毒の症状は多岐に渡るということかもしれません。
それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

嘔吐した時点で既に急性アルコール中毒に陥っている

  • 40代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」「顔面や全身の紅潮」「口渇」「脱力」
    急性アルコール中毒の患者には上記のような症状が出ていたと記憶しています。
  • 40代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」
    嘔気・嘔吐が重要な症状だと思います。
  • 40代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」
    消化器症状が多そうです。
  • 40代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」「脱力」「その他」
    嘔吐した時点で既に急性アルコール中毒です。
  • 50代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」「顔面や全身の紅潮」
    嘔吐が続くと危険です。
  • 60代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」「発汗」「動悸」
    わかりやすいのは、嘔吐して意識が低下する場合です。
  • 50代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」「脱力」
    吐いた後にぐったりして意識が低下すると危険です。
  • 40代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」「動悸」「呼吸困難」「脱力」
    重症だと、意識の問題が発生すると思います。
  • 50代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」
    嘔吐で脱水になるのではないでしょうか。
  • 40代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」「発汗」「動悸」「低血圧」「口渇」
    吐物による誤嚥や窒息に注意が必要です。
  • 50代男性 一般内科 「嘔気・嘔吐」「発汗」「動悸」「呼吸困難」「胸痛」「低血圧」「頭痛」「めまい」「めのかすみ」「口渇」
    意識が混濁し、倒れこむ場合が多いです。飲酒者自身は分からない事が殆どであるため、周囲の者が気付いて手当をすることが重要です。

まず、コメントで新しく出てきた言葉の概要をおさえてから、医師のコメントに触れていきましょう。

誤嚥とは

食物や唾液は、口腔から咽頭と食道を経て胃へ送り込まれます。食物などが、なんらかの理由で、誤って喉頭と気管に入ってしまう状態を誤嚥(ごえん)と呼びます。
引用:誤嚥|日本気管食道科学会

一番多く回答を集めたのは、「嘔気・嘔吐」との意見でした。
多岐に渡る急性アルコール中毒の症状の中でも、嘔気・嘔吐は重要な症状であり、嘔吐した時点で既に急性アルコール中毒になっているといったコメントもみられました。
さらに、嘔吐が続き意識が低下することで危険性が増すようです。また、嘔吐することで脱水の恐れも強まるといった懸念の声も聞かれました。
そして、吐物には誤嚥窒息の危険性もあり、注意が必要とされています。急性アルコール中毒は、時に倒れ込むこともあるそうで、周囲の人と協力して手当を行いましょう。

動悸の他にも自律神経系の症状が出る

  • 30代男性 一般内科 「動悸」「発汗」
    動悸や発汗の症状がみられると思います。
  • 50代男性 一般内科 「動悸」「呼吸困難」「低血圧」
    動悸及び息苦しさでしょうか。
  • 30代男性 一般内科 「動悸」「頭痛」
    動悸、頭痛がみられると思います。
  • 40代男性 一般内科 「動悸」「顔面や全身の紅潮」「発汗」
    全身の状態で判断するしかないです。
  • 40代男性 一般内科 「動悸」「発汗」「呼吸困難」「低血圧」
    中毒症状であればショックバイタルでしょうか。
  • 50代男性 一般内科 「動悸」「呼吸困難」「低血圧」「頭痛」「めまい」「嘔気・嘔吐」「脱力」
    自律神経系の症状が前面に出ます。
  • 20代男性 一般内科 「動悸」「顔面や全身の紅潮」「低血圧」「頭痛」「嘔気・嘔吐」「脱力」
    症状の出方に個人差があると思います。
  • 70代女性 一般内科 「動悸」「顔面や全身の紅潮」「呼吸困難」「頭痛」「嘔気・嘔吐」「口渇」「脱力」
    いずれも当てはまるとは思いますが、複数重なれば救急車を呼ぶべきです。

次に回答で多かったのは、「動悸」との意見でした。
急性アルコール中毒は、動悸をはじめ、発汗、頭痛、息苦しさなどの症状が出ると言われています。また、そのような中毒症状の場合は、既にショック状態のバイタルとなっていることもあるようです。
ショックという用語について詳しく知らないという方は、以下の説明を参照ください。

ショックとは

生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果,重要臓器の血流が維持できなくなり,細胞の代謝障害や臓器障害が起こり,生命の危機にいたる急性の症候群。収縮期血圧90mmHg以下の低下を指標とすることが多い。典型的には交感神経系の緊張により,頻脈,顔面蒼白,冷汗などの症状をともなう。
引用:ショック 日本救急医学会・医学用語解説集|日本救急医学会

急性アルコール中毒の症状は、個人差があるため、全身の状態から判断する必要があるという意見もみられました。複数の症状が重なってみられる場合は、急性アルコール中毒の疑いが高く、必要に応じて救急車を呼ぶことも視野に入れた方がよさそうです。

飲酒後の嘔吐による意識低下は緊急性が高い

本調査によると、お酒を飲んだ後に寒気がする場合、急性アルコール中毒の疑いは「多少ある」との回答の割合が一番高く、「あまりない」、「ほとんどない」が続きました。
「多少ある」と回答した医師からは、急性アルコール中毒の患者さんには寒気を訴える傾向がある、アルコールによる脱水で末梢血流が減り寒気が発生するという意見を得ることができました。一方、「あまりない」と回答した医師は、直接的な因果関係はなく、血管拡張によって体温が低下し、寒気が生じているのではないかといった意見が聞かれました。

次に、急性アルコール中毒にはどのような症状があるかという質問については、「嘔気・嘔吐」と回答している医師が一番多く、続いて「動悸」、「脱力」が回答を集めました。
急性アルコール中毒の症状は多岐にわたり、嘔気・嘔吐の他にも、動悸や発汗、頭痛、息苦しさなどの症状が前面に出てくるとされ、全身症状で判断する必要があるようです。一方、嘔吐した時点で、既に急性アルコール中毒というコメントや、意識低下もみられる場合は危険な状態との意見もみられました。

急性アルコール中毒の懸念があれば、場合によっては命の危険もあるため、可能な限り周囲の人によるケアや、状態により救急車を呼ぶことも検討しましょう。

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