「コーヒーを飲むといつもお腹が痛くなる・・・」という方はいませんか。
なかには、コーヒーや紅茶が好きだけれど、カフェインに弱くてお腹が痛くなってしまうために、飲むのを我慢している、という方もいるかもしれません。
では、カフェインの摂取は実際に腹痛に関係しているのでしょうか。
そこで今回は、一般内科、総合診療科、代謝・内分泌科、健診・予防医学科医527人に、カフェイン摂取が腹痛を引き起こすことはあるのか聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2019年4月17日~2019年4月18日にかけて行われ、一般内科,総合診療科,代謝・内分泌科,健診・予防医学科医527人から回答を頂きました。
カフェイン摂取が腹痛を引き起こすことはある?
「カフェイン摂取が腹痛を引き起こすことはありますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 大いにある
- 多少ある
- あまりない
- 全くない
以下のグラフが結果となります。
集計結果では、「あまりない」との回答の割合が47%と一番高く、次に「多少ある」30%、「全くない」18%が続きました。
「あまりない」との回答が半数近くを占めているという結果となりました。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。
カフェインと腹痛はあまり関係ないが、カフェインアレルギーや胃・十二指腸潰瘍がある人は腹痛が生じる可能性も
- 30代男性 一般内科 「あまりない」
あまり関係ないと思います。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
そのような症例は経験がありません。 - 50代女性 一般内科 「あまりない」
カフェインによる腹痛の症例は知りません。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
都市伝説であり、常用カフェインで消化管粘膜障害は起きません。 - 40代男性 一般内科 「あまりない」
常識的な範囲の量では、あまり経験がありません。 - 40代男性 一般内科 「あまりない」
コーヒーでお腹が緩くなることがあります。 - 60代女性 一般内科 「あまりない」
腹痛が生じる人は、カフェインアレルギーかも知れません。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
胃・十二指腸潰瘍のある患者さんではあると思います。 - 60代男性 一般内科 「あまりない」
摂取量によると思います。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
摂りすぎれば、引き起こす可能性はあります。 - 60代男性 一般内科 「あまりない」
よほど大量に摂取しなければ、腹痛を起こさないと思います。 - 40代女性 一般内科 「あまりない」
あまりないですが、腸蠕動が促進して痛みの原因になることはあると思います。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
程度によるのではないでしょうか。過度に取ると胃粘膜障害になる恐れがあります。
一番多く回答を集めたのは、「あまりない」との意見でした。
カフェインと腹痛は関係なく、実際にカフェインが原因で腹痛が生じた症例を経験していないという声が多く挙がりました。腹痛が生じるか否かは摂取量によるとも言われています。常識的な範囲の量では、腹痛や消化管の粘膜障害は起こらないそうですが、大量摂取してしまうと、腹痛を引き起こしてしまう可能性があるようです。
また、腹痛が生じやすい人として、カフェインアレルギーの人、胃潰瘍・十二指腸潰瘍がある人という声が聞かれました。常用量でも、腹痛が生じてしまう場合は、一度、病院を受診してみても良いのかもしれません。
空腹時にコーヒーを摂取すると腹痛を起こすことがある
- 50代男性 一般内科 「多少ある」
カフェイン摂取が腹痛を引き起こすことはあります。 - 40代男性 一般内科 「多少ある」
患者で腹痛を訴える人が稀にいます。 - 40代女性 一般内科 「多少ある」
腹痛というよりも胃痛というか上腹部痛でしょう。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
空腹時のブラックコーヒーで腹痛が起きます。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
空腹時に濃いコーヒーを数杯飲んだら胃が荒れる人も多いです。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
刺激にて腹痛が出る可能性もあるでしょう。 - 50代女性 一般内科 「多少ある」
胃部の痛みや不快感を自覚することがあります。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
便が緩くなる可能性はあります。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
便が緩くなるので、腸管蠕動促進が行き過ぎると腹痛に繋がるのだと思います。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
急速な摂取で起こすことはあるかなと思います。 - 30代男性 一般内科 「多少ある」
過剰摂取では、腹痛が生じ得ます。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
大量の摂取により腸管運動が阻害されることによる腹痛と思われる例があります。 - 30代男性 一般内科 「多少ある」
中には胃腸障害が出る人もおられます。
次に回答で多かったのは、「多少ある」との意見でした。
こちらではカフェイン摂取が腹痛を引き起こすことは、稀にあるという意見がみられ、特に上腹部痛が生じると言われています。また、空腹時にブラックコーヒーを摂取すると、刺激により胃が荒れ、胃部の痛みや不快感を感じるといったコメントもみられました。
とある医師のコメントによれば、カフェインを摂取することで便がゆるくなり、腸管蠕動運動の促進が行き過ぎた結果、腹痛が生じるとも考えられています。
中には、胃腸障害が出る人もいるそうなので、カフェイン飲料の摂取後に腹痛が生じてしまう人は、注意したほうが良いのかも知れません。
常用量では腹痛は生じない
- 50代男性 一般内科 「全くない」
カフェイン摂取が腹痛を引き起こすことはありません。 - 30代男性 一般内科 「全くない」
エビデンスがありませんので腹痛は生じないでしょう。 - 50代女性 一般内科 「全くない」
聞いたことがありません。 - 50代男性 一般内科 「全くない」
症例を診たことはありません。 - 50代男性 一般内科 「全くない」
関係ないと思います。 - 50代男性 一般内科 「全くない」
個人差が大きいように思います。 - 40代男性 一般内科 「全くない」
飲みすぎるとあるかもしれませんが、常用量では腹痛は起きないでしょう。 - 40代男性 一般内科 「全くない」
カフェインアレルギーなら可能性があるのではないでしょうか。 - 30代男性 総合診療 「全くない」
腹痛は、他の要因で起こっていると思っています。
次に回答で多かったのは、「全くない」との意見でした。
「全くない」と回答した医師からは、カフェインの摂取が原因で腹痛を引き起こすことはないといった意見が多く、聞いたことがない、症例を診たことがない、エビデンスがないということなどを理由として挙げていました。
一方、個人差が大きいという意見もあり、飲み過ぎた場合や、カフェインアレルギーの場合では、腹痛が生じる可能性も捨てきれないそうです。また、カフェイン以外の要因で腹痛が生じている可能性もあるとも言われているため、自己判断で腹痛の原因をカフェインと決めつけるのは好ましくないのかもしれません。
カフェインで腹痛が生じることはあまりない
本調査では、カフェイン摂取が腹痛を引き起こすことはあるかという質問をしたところ、「あまりない」との回答の割合が一番高く、次に「多少ある」、「全くない」が続きました。
カフェインの摂取が原因で腹痛が生じることはないという見解を述べた医師からは、エビデンスがない、そのような症例がないという理由で、カフェインと腹痛は無関係であるといった声が聞かれました。
しかし、カフェインアレルギーの人や胃・十二指腸潰瘍の人は、常用量でも腹痛が生じる可能性があるようです。空腹時にブラックコーヒーを飲んだ場合に、刺激により胃が荒れ、腹痛が生じてしまうこともあるといった見解もみられました。
ただし、他の要因で腹痛が生じている可能性も考えられるため、症状がひどい場合は、一度、医師に相談することをおすすめします。