「コーヒーを飲んだらお腹を下してしまう・・・」という悩みを抱えている人はいるのではないでしょうか。
カフェインで下痢をしてしまう可能性があると、おしゃれなカフェでもなかなか行く気になれませんよね。しかし、カフェインと下痢は、本当に関係があるものでしょうか。
そこで今回は、一般内科,総合診療科,代謝・内分泌科,健診・予防医学科医527人に、カフェイン摂取により下痢になることはあるのか聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2019年4月17日~2019年4月18日にかけて行われ、一般内科,総合診療科,代謝・内分泌科,健診・予防医学科医527人から回答を頂きました。
カフェイン摂取により下痢になることはある?
「カフェイン摂取により下痢になることはありますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 大いにある
- 多少ある
- あまりない
- 全くない
以下のグラフが結果となります。
集計結果では、「あまりない」との回答の割合が45%と一番高く、次に「多少ある」31%、「全くない」16%が続きました。
「あまりない」と「全くない」を合計するとカフェインの摂取によって下痢になる可能性はないとの回答が、半数以上という結果になりました。
カフェイン飲料を摂取したら下痢になってしまうということはあまり見られないものなのでしょうか。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。
常用量で下痢になることはあまりない
- 40代男性 一般内科 「あまりない」
あまり関係ないと思います。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
カフェインの摂取により下痢になることはありません。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
お腹が痛くなることはあっても下痢になることはありません。 - 60代女性 一般内科 「あまりない」
交感神経を活性化するので、かえって下痢はきたさないのではないでしょうか。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
そのような症例は経験がありません。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
今まで、明らかにカフェインが原因と思われる症例はありません。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
常用量では起きないと考えます。 - 40代女性 一般内科 「あまりない」
多量に摂取しなければ、問題ありません。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
摂り過ぎれば、胃の不調から消化不良や下痢に繋がることはあると思いますが、自験例はありません。 - 60代男性 一般内科 「あまりない」
濃度の高いものだとあるかも知れません。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
個人的にはカフェインで下痢になることはありませんが、なる人もいるという認識です。
一番多く回答を集めたのは、「あまりない」との意見でした。
こちらを選んだ医師によれば、カフェインと下痢は関係がなく、腹痛が生じることがあっても下痢になることはないと言われています。医師の経験の中でも、カフェインが原因で下痢になってしまっている症例はないとのことです。少なくとも常用量では、下痢に繋がることはないといったコメントもみられました。
ただし、多量に摂取した場合は、胃の不調によって、消化不良や下痢に繫がってしまう可能性があるそうなので注意が必要です。
体質や健康状態による側面も
- 60代男性 一般内科 「多少ある」
薬理学的にはあるのではないでしょうか。 - 50代女性 一般内科 「多少ある」
カフェイン飲料を飲むと便通が良くなるという人もいます。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
多少軟便になる可能性はあります。 - 40代男性 一般内科 「多少ある」
下痢に関しては多少関係があるかもしれません。 - 40代男性 一般内科 「多少ある」
人によっては多少あるように思います。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
カフェイン摂取により下痢になることはあります。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
激しい下痢まではありませんが、影響が想定されることがあります。 - 40代男性 一般内科 「多少ある」
腸の蠕動が亢進し、下痢をきたすことがあります。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
その人の体質によると思います。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
ほぼありませんが、最初からお腹の調子が悪く、壊している人は多少あるかも知れません。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
そのような訴えの人は複数いました。 - 50代女性 一般内科 「多少ある」
大量に摂取すれば可能性はあると思います。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
コーヒーのタンニンが下痢の原因になり得ます。
次に回答で多かったのは、「多少ある」との意見でした。
カフェインを摂取したことによって下痢の症状が生じてしまうことは、薬理学的にはあり得るとの意見が挙がり、実際にそのような訴えの人が複数いたと言われています。
コメントによれば、カフェイン飲料を飲んだ人の体質や健康状態に左右されるようですが、腸の蠕動が亢進して、多少軟便になったり、下痢をきたしてしまったりすることはあるようです。ただし、激しい下痢とまではいかないと言われています。
その他にも、コーヒーのタンニンが下痢の原因になるとの意見も挙げられていました。
カフェイン以外の要因を考えるべき
- 30代男性 一般内科 「全くない」
エビデンスがありませんから、下痢にはならないでしょう。 - 50代男性 一般内科 「全くない」
摂り過ぎれば、下痢になる可能性はあると思います。 - 40代男性 一般内科 「全くない」
常用量では経験ありません。 - 50代男性 一般内科 「全くない」
カフェインの摂取により下痢になることはありません。 - 40代男性 一般内科 「全くない」
個人的にも症例としても、下痢をきたした経験はありません。 - 40代男性 一般内科 「全くない」
他の要因を考えた方が良いのではないでしょうか。 - 50代男性 代謝・内分泌科 「全くない」
人それぞれ、そういう人がいてもおかしくありません。 - 30代男性 一般内科 「全くない」
プラセボ効果だと思います。
次に回答で多かったのは、「全くない」との意見でした。
カフェインと下痢を紐付けるような検証結果はなく、少なくとも常用量で下痢になることはないと言われています。また、医師自身にも患者さんにも、そのような症例はないといったコメントもみられました。
一方で、プラセボ効果により、下痢の症状が生じてしまう可能性もあるといった見解もみられています。プラセボ効果については、以下の説明を参考にしてもらえればと思います。
プラセボ(プラシーボ)効果とは
プラセボ効果とは、治療を受ける側の期待感や信頼感によってもたらされる見せかけの効果のことであり、代替医療の治療効果のほとんどはこのプラセボ効果である。
引用:プラセボ(プラシーボ)効果|新潟市医師会
基本的に常用量で下痢にはならないが体調・体質によって起こることも
本調査では、カフェイン摂取により下痢になることはあるのか聞いたところ、「あまりない」との回答が一番多く、次に「多少ある」、「全くない」が続きました。
基本的にカフェインを常用量・摂取しただけでは、下痢になってしまうことはないとした医師の声が多く聞かれました。ただし、体調や体質によって、常用量のカフェイン摂取であっても、下痢をきたしてしまう可能性があるようです。
一方で、カフェインで下痢を起こすことは薬理学的にはあり得るとの意見や、実際にそのような訴えの人が複数いたという医師のコメントもみられました。
カフェインと下痢の関係について気になるという方は、本記事を参考にしてみてください。
下痢