カフェイン飲料を摂取した後に、めまいを起こしたことはありませんか。
突然のめまいは、体に悪い異変が起きているのではないかと、不安になってしまいますよね。では、はたしてめまいの原因として、カフェインの摂取は挙げられるのでしょうか。
そこで今回は、一般内科,総合診療科,代謝・内分泌科,健診・予防医学科医527人に、カフェインの摂取により、めまいが起こることはあるのか聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2019年4月17日~2019年4月18日にかけて行われ、一般内科,総合診療科,代謝・内分泌科,健診・予防医学科医527人から回答を頂きました。
カフェインの摂取により、めまいが起こることはある?
「カフェインの摂取により、めまいが起こることはありますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。
- 大いにある
- 多少ある
- あまりない
- 全くない
以下のグラフが結果となります。
集計結果では、「あまりない」との回答が51%と一番高く、次に「多少ある」22%、「全くない」22%が続きました。
「あまりない」と「全くない」を合計すると、実に7割以上の医師がカフェインとめまいの関係について否定的な回答をしていることになります。
それでは医師のコメントを見ていきましょう。
めまいが起きたとしてもカフェインが原因とは限らない
- 60代男性 一般内科 「あまりない」
医学的な根拠に乏しいです。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
影響はないと考えます。 - 40代男性 一般内科 「あまりない」
カフェインを摂ったからと言って、めまいはあまり関係ありません。 - 40代女性 一般内科 「あまりない」
カフェインが原因のめまいは、あまり聞いたことがありません。 - 60代男性 一般内科 「あまりない」
カフェインが原因かどうか分かりません。 - 40代女性 一般内科 「あまりない」
カフェインのせいというわけではないのでは、と考えます。 - 60代男性 一般内科 「あまりない」
自身も診療上も経験はありません。 - 60代男性 一般内科 「あまりない」
普通の摂取量では、あり得ません。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
カフェインの利尿作用などから体液の変化が起こり、めまいの原因になることはあり得ます。 - 50代男性 一般内科 「あまりない」
過量摂取の場合は起こり得ます。 - 40代男性 一般内科 「あまりない」
眠気を過剰に抑制された場合は、めまいを自覚し得ると思われます。しかし、個人的には経験がありません。 - 30代男性 一般内科 「あまりない」
別の要因があると思います。
一番多く回答を集めたのは、「あまりない」との意見でした。
医師のコメントを見ると、カフェインによってめまいが起こるという症例は聞いたことがない上に、医学的な根拠に乏しいため、カフェインとめまいは関係ないのではないかと考えられているようです。もし、めまいが起きたとしても、その原因がカフェインにあるかどうかは分からないそうです。
また、普通の摂取量ではあり得ないと強く否定する意見も挙げられました。
その一方で、カフェインによってめまいが生じる可能性は、考えられるという意見も挙がっています。具体的には、カフェインの利尿作用により体液の変化が起こることでめまいが生じるのではないかという意見が挙げられました。他にも、カフェインによって眠気を過剰に抑制した場合や過剰摂取した場合は、めまいを自覚するのではないかといった声が聞かれました。
様々な原因によりめまいが生じることがある
- 30代女性 一般内科 「多少ある」
ある程度影響はあると思います。 - 40代男性 一般内科 「多少ある」
カフェインとめまいは、多少関係があるように思います。 - 40代男性 一般内科 「多少ある」
因果関係は不確かですが、あり得ると思います。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
原因になり得ると思います。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
可能性としてはあり得ると思いますが、経験はありません。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
刺激にて症状が出る可能性はあるでしょう。 - 60代男性 一般内科 「多少ある」
興奮作用からくると想像します。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
カフェインで胃が痛くなるとめまいが起きます。 - 40代男性 一般内科 「多少ある」
これも、脱水が原因かも知れません。 - 50代女性 一般内科 「多少ある」
カフェインの摂取量によると思います。 - 30代女性 一般内科 「多少ある」
多量に摂取すれば起こるかと思います。 - 50代男性 一般内科 「多少ある」
摂取過剰で、動悸やめまいが出る人がいました。 - 40代男性 一般内科 「多少ある」
中毒症状としてあり得ます。
次に回答で多かったのは、「多少ある」との意見でした。
カフェインとめまいの因果関係は不確かなようですが、いくつかの仮説が挙げられました。
- カフェインの刺激によってめまいが起こる
- カフェインの興奮作用からめまいが起こる
- カフェインの摂取により胃が痛くなることによるもの
- 脱水によるもの
- 過剰摂取による中毒症状
このように様々な原因により、めまいが生じると考えられていました。
中でもカフェインを過剰に摂取してしまった場合は、中毒症状としてのめまいかもしれず、もしかしたらカフェイン摂取を見直した方が良いのかもしれません。
通常ではそのような状態になることはない
- 50代男性 一般内科 「全くない」
因果関係はないと思います。 - 50代男性 一般内科 「全くない」
カフェインの摂取により、めまいが起こることはありません。 - 20代女性 代謝・内分泌科 「全くない」
めまいについては聞いたことがありません。 - 70代男性 一般内科 「全くない」
全く経験がないので、起こらないと思います。 - 60代男性 一般内科 「全くない」
普通はないと思います。 - 40代男性 一般内科 「全くない」
メカニズム的にそんな状態になり得るとは思えません。 - 60代女性 一般内科 「全くない」
特殊な体質でなければないと思います。 - 50代男性 一般内科 「全くない」
よっぽど多量に摂取しないとめまいは起きないでしょう。 - 60代男性 一般内科 「全くない」
そうした症例は、他の要因の方が多いのではないでしょうか。
次に回答で多かったのは、「全くない」との意見でした。
医師のコメントでは、カフェインとめまいは因果関係がなく、カフェインによってめまいが起こることはないといった意見がみられます。医師自身も、そのような症例は聞いたことがない、あるいは経験がないといったコメントが多くみられました。カフェインによってめまいが生じるということ自体、メカニズム的にあり得ないそうです。
ただし、特殊な体質の人や、かなり多量にカフェインを摂取した人は、めまいが生じる可能性があると言われています。通常ではあまり考えられないようなので、カフェインの摂取後にめまいが起こってしまった場合は、他の要因を疑った方が良いのかも知れません。
通常の量でめまいが起こる可能性は低い。他の要因を視野に入れよう
本調査では、カフェインの摂取によりめまいが起こることはあるのかという質問をしたところ、「あまりない」との回答の割合が一番高く、次に「多少ある」、「全くない」が続きました。
カフェインが原因でめまいが起こるということは、医学的根拠に乏しく、因果関係はあまりないと言われています。まず、普通の摂取量の場合では、めまいが起こる可能性は低いそうです。
しかし、特殊な体質の人にはめまいが生じることがあるようです。また、カフェインによる興奮作用や脱水などが原因となったのではないかといった声も聞かれました。
基本的にはめまいが起こることは、イレギュラーなケースのようなので、常用量でカフェインの摂取後にめまいが生じてしまった場合は、カフェイン以外の要因が関係していると考え、一度専門医に相談した方が良いのかもしれません。
めまい