隆起する皮疹ができた場合は何の病気?他にどんな症状があれば病院を受診すべき?皮膚科医187人に聞いてみました

虫刺され
本調査では、まず隆起する皮疹ができる疾患で頻度が多いものは何かという質問をしたところ、「蕁麻疹」との回答が一番高く、次に「皮膚良性腫瘍」、「尋常性疣贅」が続きました。これら上位3つの病気への医師からの回答はどれも過半数を占めていますが、特に「蕁麻疹」への支持が目立つ結果となりました。また、隆起する皮疹がある場合、他にどのような症状が患部にあれば受診を急ぐべきかという質問については、「患部が急に大きくなるとき」と回答している医師が一番多く、次に「患部が全身に広がっているとき」、「患部に出血や痂疲を伴うとき」が続きました。「患部が急に大きくなるとき」と「患部が全身に広がっているとき」はどちらも過半数を占める医師の支持があり、これらの症状は特に注意が必要といえそうです。本調査を参考に、上記のような場合は、医師に相談するなど次の対応も考えてみてください。
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体に盛り上がった発疹ができたことはありませんか。
虫刺されでも皮膚が隆起することはありますが、目立って大きいものや、範囲が広いものができていると、何か怖い病気なんじゃないだろうかと不安にもなりますよね。
どのような症状の場合は病院の受診をすべきか気になる方も多くいらっしゃると思います。

そこで今回は、皮膚科医187人に、隆起する皮疹ができた際に考えられる病気は何か、他にどんな症状があれば病院を受診すべきか聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年9月2日~2018年9月3日にかけて行われ、皮膚科医187人から回答を頂きました。
 

隆起する皮疹の症状がある場合、考えられる病気は何?

まずは、「隆起する皮疹ができる疾患で頻度が多いものは何ですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。         

  • 尋常性ざ瘡
  • 蕁麻疹
  • 乾癬
  • アトピー性皮膚炎
  • 帯状疱疹
  • 痒疹
  • 尋常性疣贅
  • 皮膚良性腫瘍
  • 皮膚悪性腫瘍
  • その他
     

以下のグラフが結果となります。



集計結果では、「蕁麻疹」との回答が79%と一番高く、次に「皮膚良性腫瘍」、「尋常性疣贅」が続きました。
これら上位3つの病気への医師からの回答はどれも過半数を占めていますが、特に「蕁麻疹」への支持が目立つ結果となりました。

まず上位の病気の概要をおさえた後に、医師のコメントを見ていきましょう。
 

蕁麻疹とは

典型的な蕁麻疹(じんましん)は、蚊に刺された後のように「膨れた赤または淡いピンクの盛り上がった」もの(膨疹:ぼうしん)をいい、よく「みみず腫れ」と表現されています。盛り上がりの形や大きさは様々です。
引用:蕁麻疹|慶應義塾大学病院

皮膚良性腫瘍とは

皮膚のできものを皮膚腫瘍といいます。皮膚に細菌感染を起こして生じるしこりもできものと呼ぶことがありますが、これは感染が終われば自然に治ります。腫瘍とは、体の組織の一部が病的に変化して正常とは違う形で増殖したものです。腫瘍は良性と悪性とに大きく分けられます。良性腫瘍は、一般に増殖が緩やかで生命に悪影響を起こさないものと定義できます。
引用:皮膚の腫瘍|慶應義塾大学病院

尋常性疣贅とは

境界が明瞭で疣状に隆起した、正常皮膚色から淡褐色の発疹が手足や指趾に生じます。足の裏では魚の目状に角質化が強くなります。子供には魚の目はできませんので、そのような症状があれば、いぼと思われます。爪の周囲も好発部位です。
引用:尋常性疣贅|関西医科大学附属病院

 

皮疹に隆起が見られる場合は、蕁麻疹の可能性が高い

  • 20代男性 皮膚科 「蕁麻疹」
    蕁麻疹の頻度が一番高いと思います。
  • 40代男性 皮膚科 「蕁麻疹」
    蕁麻疹が一番膨隆しています。腫瘍は当然です。
  • 40代男性 皮膚科 「蕁麻疹」
    蕁麻疹は膨隆が特徴です。
  • 60代男性 皮膚科 「蕁麻疹」
    皮疹の大きさや、1か所か、多数かによって判断が異なります。
  • 30代女性 皮膚科 「蕁麻疹」
    接触刺激でもよくできます。
  • 40代男性 皮膚科 「蕁麻疹」
    原因不明で困っているとの相談が多いです。
  • 60代男性 皮膚科 「蕁麻疹」
    蕁麻疹は短期間に隆起する病気の代表です。
  • 40代男性 皮膚科 「蕁麻疹」
    造影剤アレルギーなども多いです。
  • 50代女性 皮膚科 「蕁麻疹」
    隆起して一日の中で出没するけど、受診時には皮疹がない事が多いのが蕁麻疹の特徴です。
     

医師の回答を見ると「蕁麻疹」との声が多数挙がっていました。
皮疹が隆起するという症状が蕁麻疹の特徴に最もよくあてはまっているようです。隆起も短期間で生じるようですね。また医師のコメントにもあるように、短時間で皮疹の隆起も無くなってしまうため、病院の診察時には皮疹がないこともあるみたいです。
蕁麻疹」が起こるきっかけとしては、接触刺激造影剤のアレルギーなどが挙がっていました。ここで造影剤という言葉の意味をおさえておきましょう。
 

造影剤とは

造影剤とは、画像診断検査をより分かりやすくするために用いる薬剤全体を意味します。主にCT検査、MRI検査などで用いられる造影剤は静脈に注射し、血管造影検査(ANGIO)ではカテーテルを用いて直接血管内に注入します。
引用:造影剤|大阪急性期・総合医療センター


このように画像診断検査で造影剤を使用された際に注意するべきアレルギーが、造影剤アレルギーのようですね。一方で、原因不明で困っている方の相談も多いという医師のコメントもみられました。
皮疹の大きさや何ヵ所にあるかなどによって判断も変わってくるようなので、皮疹の症状に悩んでいる場合はまずは皮膚科で相談してみましょう。
 

粉瘤などの皮膚良性腫瘍も多い

  • 30代女性 皮膚科 「皮膚良性腫瘍」
    小さな隆起ではなく比較的大きなものであれば、湿疹ではなく腫瘍を疑います。
  • 60代男性 皮膚科 「皮膚良性腫瘍」
    感染を起こしたアテロームが結構多いです。
  • 40代女性 皮膚科 「皮膚良性腫瘍」
    大体は隆起した皮疹が見られます。
  • 60代男性 皮膚科 「皮膚良性腫瘍」
    皮膚表面からの隆起は粉瘤が最も多いです。
  • 40代男性 皮膚科 「皮膚良性腫瘍」
    良性腫瘍も様々ですが、よくあります。
  • 30代女性 皮膚科 「皮膚良性腫瘍」
    一番、粉瘤が多いです。
  • 30代男性 皮膚科 「皮膚良性腫瘍」「蕁麻疹」「皮膚悪性腫瘍」
    腫瘍と蕁麻疹では同じ隆起であっても性状、経過が異なります。
     

次にコメントで多かったのは、「皮膚良性腫瘍」との意見です。
皮疹の隆起の大きさによって、湿疹か腫瘍を区別しているという皮膚科医の見解がみられました。比較的大きな隆起があるならば、腫瘍の疑いがありそうですね。
具体的な「皮膚良性腫瘍」の中の病名としては、粉瘤もしくはアテロームが挙がっていました。

粉瘤(アテローム)とは

体中の何処にでも出来る良性の皮下腫瘍です。多くは背中や項、顔の頬や耳たぶなどにできて、俗に『脂肪の固まり』などといわれています。半球状の固まりとして触れ、真ん中にやや黒っぽい開口部が見られることもあります。(中略)
あまり大きくならず自然に無くなることもあります。しかし、多くは放っておくと徐々に大きくなり野球のボールほどになることもあります。
引用:粉瘤|日本形成外科学会


粉瘤は、医師の方が現場で遭遇する頻度としても高いようなので、実際になったことがある方もいるのではないでしょうか。
放っておくと大きくなってしまうことがあるようで、そういった場合は皮膚科に相談することが大事そうです。
 

他にどんな症状があったら病院を受診するべき?

続いて「隆起する皮疹がある場合、他にどのような症状が患部にあれば受診を急ぐべきですか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 最近できた皮疹であるとき
  • 患部が急に大きくなるとき
  • 患部が硬いとき
  • 患部が黒っぽいとき
  • 患部が赤いとき
  • 患部に痛みがあるとき
  • 患部にかゆみが強いとき
  • 患部の形が左右非対称のとき
  • 患部に出血や痂疲を伴うとき
  • 患部が全身に広がっているとき
  • その他
     

以下のグラフが結果となります。


 

こちらの調査では、「患部が急に大きくなるとき」と回答している医師が64%と一番多く、次に「患部が全身に広がっているとき」、「患部に出血や痂疲を伴うとき」が続きました。
患部が急に大きくなるとき」と「患部が全身に広がっているとき」はどちらも過半数を占める医師の支持があり、これらの症状は特に注意が必要といえそうです。

それでは医師のコメントを見ていきましょう。
 

患部が急に大きくなる場合は、悪性腫瘍や感染の可能性あり

  • 60代男性 皮膚科 「患部が急に大きくなるとき」
    患部が急に大きくなる時が危険です。
  • 30代男性 皮膚科 「患部が急に大きくなるとき」
    腫瘍、炎症であれ急激な変化は早めの受診を勧めます。
  • 40代女性 皮膚科 「患部が急に大きくなるとき」
    悪化していく可能性があります。
  • 40代男性 皮膚科 「患部が急に大きくなるとき」
    感染を伴っていたり、悪性のものだったりする事があります。
  • 60代男性 皮膚科 「患部が急に大きくなるとき」
    患部が硬い時は悪性腫瘍が疑われるので、受診は急いだほうが良いです。
  • 50代男性 皮膚科 「患部が急に大きくなるとき」
    急激に増大する腫瘍性病変は早めの受診をしましょう。
  • 60代男性 皮膚科 「患部が急に大きくなるとき」「患部が全身に広がっているとき」
    黒っぽい腫瘍は悪性化の可能性が高くなります。
  • 60代女性 皮膚科 「患部が急に大きくなるとき」
    悪性腫瘍のことが多いです。
     

一番多く見られたコメントは、「患部が急に大きくなるとき」というものでした。
患部が腫瘍でも炎症でも急に大きくなる場合は、早期の病院受診を勧める医師が多かったです。
具体的には、悪性腫瘍の可能性を指摘する意見がみられました。特に悪性腫瘍の特徴としては、黒っぽいもの硬いものが挙がっていたので、当てはまる場合は特に注意が必要です。他には、感染性を指摘する声も聞かれました。
このような急激な変化が皮膚に起こった場合は、状況や経緯を詳しく医師に話して、原因を究明して頂きましょう。
 

患部が全身に広がる時も要注意

  • 20代男性 皮膚科 「患部が全身に広がっているとき」
    全身に広がる時は早めの受診を勧めます。
  • 50代男性 皮膚科 「患部が全身に広がっているとき」
    全身性ならアナフィラキシーを考慮します。
  • 50代男性 皮膚科 「患部が全身に広がっているとき」
    全身性疾患である可能性が大きくなります。
  • 50代女性 皮膚科 「患部が全身に広がっているとき」
    全身病の可能性がある場合は、受診を勧めたいです。
  • 60代男性 皮膚科 「患部が全身に広がっているとき」
    重症疾患や、悪性疾患、帯状疱疹の可能性のある時は、早く受診すべきです。
  • 60代男性 皮膚科 「患部が全身に広がっているとき」
    重症の蕁麻疹は気道閉塞をきたす事があります。
  • 40代男性 皮膚科 「患部が全身に広がっているとき」
    痒みがひどいと痒疹はさらに盛り上がります。
  • 60代男性 皮膚科 「患部が全身に広がっているとき
    全身になるとアナフィラキシーも心配です。
     

次にコメントで多かったのは、「患部が全身に広がっているとき」との意見です。
理由としては、以下のようなものが挙がっていました。

  • 重症疾患の可能性がある
  • アナフィラキシーの可能性がある
  • 帯状疱疹の可能性がある

特に全身性の場合は、アナフィラキシーを考慮するそうです。アナフィラキシーと帯状疱疹について病気の概要をおさえておきましょう。
 

アナフィラキシーとは

生体の中に抗原(アレルゲンと呼ぶ)が侵入すると、生体はその抗原に対して特異的な抗体(IgE抗体等)を産生し、再び同一の抗原が体内に入ると抗原抗体反応が起こり、それを除去しようとします。この抗原抗体反応は生体の防御反応の一種ですが、ときに生体にとって極めて有害な反応を引き起こします。この反応は防御反応(phylaxis)と反対の状態を意味する"ana"をつけてアナフィラキシー(anaphylaxis)と呼ばれています。また、アナフィラキシーのうち、血圧が下がってショック状態に陥ったものをアナフィラキシーショックといいます。
引用:アナフィラキシー|一般社団法人広島県医師会

帯状疱疹とは

帯状疱疹は水ぼうそうのウィルスと同じ、水痘・帯状疱疹ウィルス( VZV:varicella zoster virus )が再び活性化することにより起こります。通常は生涯に一度しかかからず、日本では6~7人に1人がかかるものと推定されています。高齢の方がかかることが多い疾患であるため、今後社会の高齢化が進めば、帯状疱疹になる方はさらに増えると思われます。
引用:帯状疱疹|慶應義塾大学病院


他にも痒みがひどいと痒疹はさらに盛り上がる、といったコメントもあり、全身に患部が広がる場合は色々な病気のリスクが考えられるようです。

早めの病院受診を勧める声も多かったことから、こういった場合は速やかに対応するようにしましょう。
 

隆起する皮疹は蕁麻疹が多い。患部が急に大きくなる場合は病院受診の検討を

本調査では、まず隆起する皮疹ができる疾患で頻度が多いものは何かという質問をしたところ、「蕁麻疹」との回答が一番高く、次に「皮膚良性腫瘍」、「尋常性疣贅」が続きました。「蕁麻疹」は接触刺激など色々な原因で発症し、原因が不明なケースも多いようです。

また、隆起する皮疹がある場合、他にどのような症状が患部にあれば受診を急ぐべきかという質問については、「患部が急に大きくなるとき」と回答している医師が一番多く、次に「患部が全身に広がっているとき」、「患部に出血や痂疲を伴うとき」が続きました。ここで挙がった症状はどれも軽視できないものと言えそうです。
場合によっては早期の対応が望ましい病気のケースもあるので注意しましょう。

本調査を参考に、上記のような症状が出た際は、医師に相談するなど次の対応も考えてみてください。

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