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「医療番組」の功罪、現場への影響は?

古いテレビ
医療番組の内容を聞かれる医師も多いのではないでしょうか。調査の結果、医療番組の現場の影響は「悪い影響がある」と「ほとんど関係ない」という回答が拮抗する結果となりました。
医療の現場
イシコメ運営事務局 イシコメ運営事務局

「関係なし」と「悪影響」が拮抗!

 「先生、昨日のテレビでやっていたのですが…」。患者さんからこのように聞かれ、返答に困ったことがある先生もいらっしゃるのではないでしょうか。MedPeer会員に医療番組の現場への影響を聞いたところ、42.3%の医師が「悪い影響がある」と答えました。その一方で、「ほとんど関係ない」との回答も45.5%あり、意見が分かれました。「よい影響がある」を選んだ医師は12.3%でした。

「よい影響」は1割強にとどまる

 調査は会員医師からの投稿をもとに、今月(10月)5日から11日までMedPeerサイト上で実施し、3731人が回答しました。

 3つの選択肢から選んでもらうと、最も多かったのは「ほとんど関係ない」で45.5%、次いで「悪い影響」で42.3%、「よい影響」は12.3%にとどまりました(図)。

図 全体(n=3,731)

医療番組の現場への影響

受診のきっかけになることも

 ひと口に医療番組と言っても、ニュースやドキュメンタリー、バラエティにドラマとさまざまです。ニュースについても、最先端の研究成果から芸能人の闘病まで幅広い内容が報道されますが、ここではすべてを含むこととします。

 医療番組に限らず、テレビによい面と悪い面があることは想像に難くありません。今回の自由コメントにも「たまに本当にその病気の人が来るので、スクリーニングにはよいかもしれません」(勤務医、口腔外科)、「正しく説明されている番組は、こちらの説明(に対する患者さん)の理解が早く助かります」(勤務医、精神科)のように、疾患啓発としての有用性を指摘する声がありました。

 ただ、「よい」と「悪い」を比べれば、明らかに「悪い」の方が優勢でした。

特殊な例を見て不安か、はたまた期待か

 「悪い」と思う理由で多かったのは、「レアケースだけを挙げて不安をあおる」(開業医、小児科)、またはその逆に「特殊な症例をもとに、患者さんが(未確立の治療法に)過剰な期待を持つ」(勤務医、腎臓内科・透析)というものです。

 結果として患者さんが「自分で診断・治療を決めてくる」(勤務医、リハビリテーション科)、「必要のない検査・治療を求める」(勤務医、一般内科)、「病状は安定しているが現在の治療方法を否定し、救急搬送される」(勤務医、一般内科)といった影響があることは見過ごせません。

「1週間で収まる」「説得はあきらめた」

 現場での対処法として、「基本的には聞き流し、時には『そうなんだあ』と感心してみせる」(勤務医、消化器内科)、「『テレビ局はあなたの健康などなんとも思ってないし、放送したことの責任なんて取りませんよ』との趣旨の言葉を述べる」(勤務医、一般内科)との方法が上がりました。

 ただ、中には「違う病気であることを告げると文句を言う」(勤務医、腎臓内科・透析)患者さんや、「こんなことも知らないのか、といった態度をとる」(勤務医、代謝・内分泌内科)患者さんもいるそうで、やり過ごせない場面もあるでしょう。

 そのせいか、「最近は無理に説得することはあきらめている」(勤務医、呼吸器内科)、「1週間もすれば影響は収まる」(勤務医、一般内科)、「熱しやすく冷めやすい日本人にはあまり影響はない」(勤務医、皮膚科)と達観した書き込みもありました。

 もっとも、「以前と比べてテレビの影響力は減っている」(開業医、救急医療)、「今はむしろネット上での一部の無責任な発言が問題」(勤務医、循環器外科)との指摘もあります。先生方の印象はいかがでしょうか。

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