妙案あるか?「外来待ち時間短縮」

医者が外来待ち時間を短縮する工夫をしているかの調査結果
外来の待ち時間への工夫について、医師に聞いてみました。
医療の現場
イシコメ運営事務局

「工夫し効果あり」は2割にとどまる

 外来患者さんの満足度が低いとされる「診察までの待ち時間」-。医師側はどうかといいますと、「工夫をし、効果を上げている」との回答は2割弱でした。予約患者さんのカルテを前日までにチェックし、診療の段取りを頭に入れておくとの方法が比較的多く示されました。4人に1人は「工夫をしているが、効果は上がらない」と答えており、「(予約制でも)オーバーブッキング、プラス新患自由来院では無理」(勤務医、代謝・内分泌科)といった意見が目立ちました。

3割弱は「工夫しても効果なし」

 調査は昨年11月24日から30日まで、MedPeerサイト上で行いました。外来診療をされている先生方を対象に、待ち時間を短縮する工夫をされているかをお聞きしました。

図1 全体(n=3,901)

医者が外来待ち時間を短縮する工夫をしているかの調査結果

 3901人から回答が得られ、最も多かったのは、「工夫しているが、効果は上がらない」で26.5%でした(図1)。次いで「特に工夫していない」(23.3%)、「工夫し、効果を上げている」(18.4%)、「そもそも外来待ち時間が長くない」(15.5%)などと続きました。

開業医・勤務医別、医者が外来待ち時間を短縮する工夫をしているかの調査結果

予約患者のカルテを前日にチェック

 では、どのような工夫があるかを見ていきましょう。

 多かったのは、予約の再診患者さんに関しては前日までにカルテをチェックしておくことです。

  • 予約患者は予習を必ず行い、次回外来予定日、診察前採血、画像、その他説明書などの準備を完璧に行い、時間を順守するよう心がけている。(勤務医、血液内科)
  • 前夜に予約患者のカルテを見て、記事や処方を保留保存し、すぐにオーダー入力を済ませられるようにしています。(勤務医、呼吸器内科)
  • 前日に必ず予習をしている。予習に30分かかるが、診療時間は30分以上短縮できるので、効果は大きいと思う。(勤務医、精神科)

 予約制は待ち時間の短縮につながらないとの意見も多いのですが、こうした事前準備や、「時間がかかる患者さんは、本人が早い時間を希望しても最後の時間帯に予約を入れています」(勤務医、一般内科)、「落ち着いている患者さんの再診日をあとに延ばす」(勤務医、一般内科)といった活用の仕方で、待ち時間短縮につながるかもしれません。

医療スタッフと協働で

 看護師や事務職との協働で成果が出ているとのコメントもありました。

  • 看護師により問診、既往歴、内服状況を聞いて、電子カルテに記載しておいてもらい、すぐに診察、レントゲンなどの検査に移行できるようにしています。(開業医、整形外科・スポーツ医学)
  • 医療秘書が予約し呼び入れる、呼び入れの近くなった人の番号表、などでだいぶ診察時間が効率良くなりました。(勤務医、代謝・内分泌科)
  • 検査予約を事務にしてもらえるようになって時間は節約できるようになった。(勤務医、消化器外科)

1人の医師が、2部屋を使って

 施設の事情が許せば、1人の医師が診察室を2部屋使用し、患者さんの入退室に要する時間の有効利用、待ち時間に対する印象の変化をねらう試みもあります。

  • 一時的に2つの診察室で診る。明らかに検査が必要であろう患者さんの場合、看護師の問診を元に、先ずは2診に入れて、検査の必要性、結果が出るのに時間がかかる旨をお伝えし、先に行ってもらう。そうすると、患者さんの感覚としては同じ待ち時間でも「検査結果待ち」になる。(勤務医、消化器内科)
  • 2つの診察室を行き来することで看護師の処置と退室の間、私が待つ時間はほぼゼロにできている。(開業医、皮膚科)

「納得に基づく待ち時間」を目指す

 とはいえ、実際には待ち時間を短縮することは容易ではないようです。

  • 田舎の何でも屋ですので、大きめの外傷の患者さんが来たりしたら1時間ぐらいはかかってしまいます。(開業医、家庭医療)
  • 初診は全身の神経所見をとると、どうしても20分から30分はかかってしまう。(勤務医、神経内科)
  • 待ち時間に気を遣い過ぎると診断を誤ると思います。(勤務医、脳神経外科)

 そこで「患者さんが納得できればいい」(勤務医、代謝・内分泌科)、「『待たされた』という意識を持たれないように」(勤務医、一般内科)といった観点での工夫も上がりました。

  • 変に急がず、はしょらず、いつもどおりの対応を心がけています。「長い時間待ったけどちゃんと診てもらえてよかったな」「今日来てよかったな」と思っていただけると、待ち時間が短く感じるようです。(勤務医、一般内科)
  • 「お待たせしました」の声かけ。(勤務医、一般内科)
  • 順番間違いや放置されていると思われないように、何かしら(例えば、合間で血圧測ったり、採血に行ってもらったり)予定を入れながら待ってもらいます。(勤務医、産婦人科)
  • 混雑時にはおおよその待ち時間を告知し、一度外出する患者さんには順番が近くなったら携帯電話などへ連絡し、院内での待ち時間を減らすようにはしている。(開業医、整形外科・スポーツ医学)

効果が上がれば、患者さんが増えて…

 他には、定刻よりも早く診療を開始するとの声がありました。勤務医からは医師の増員や、病診連携による外来患者数の抑制を指摘するコメントが目立ちました。

 一方、開業医からは「発想の転換」とも言うべきコメントもありました。

  • 少ない患者数で成り立つような経営をしている。患者さんとのコミュニケーションは十分だが、今の形態では経営に多少不安は残る。(開業医、眼科)
  • (短縮策の)効果が上がると、また患者さんが増えて待ち時間が長くなる。(開業医、脳神経外科)
  • 「待ち時間を短くする工夫」には限界があるとあきらめ、「待ち時間を快適に過ごしてもらう工夫」に切り替えた。それなりに効果を上げていると思う。(開業医、心療内科)

参考サイト

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