熱性けいれんは、いつ頃おきやすい?自宅でできる対応方法とは?再発はあるの?小児科医155名に聞きました

熱性けいれんによる発熱
熱性けいれんの好発時期については、「1歳〜2歳頃」を挙げた小児科医が6割と最も多く、次に「生後6ヶ月〜1歳頃」が続きました。また、熱性けいれんが起きやすいのは、「発熱当日」と選んだ医師が9割弱を占め、もし起きてしまったときは、「まずお母さん自身が落ち着くこと」、「けいれんの時間や様子を観察すること」、「赤ちゃんを楽な姿勢にすること」などが小児科医から推奨されていました。熱性けいれんの再発は多くはないようですが、家族歴などがあると注意が必要なようでした。一方で、後遺症を起こすことは、ほとんどないようでした。
医療の現場
イシコメ運営事務局

「子供が1歳頃に風邪で高熱を出し、熱性けいれんを起こしました…。」
多くは、熱性けいれんと呼ばれるもののようですが、なかには繰り返してしまう子もおられるようです。
こんな大変な経験をしたママさんもおられるのでは?熱性痙攣の体験談なんかに目を通すと、深夜に救急車を呼んでしまった、というエピソードも見かけます。
さらに、初めてのことだしパニックになり、どうしてよいかわらかなかったとお話も聞きますし、できれば熱性けいれんについて色々と知っておきたいですよね。

そこでイシコメでは、熱性けいれんについて様々な角度から小児科医に聞こう、という調査を企画しました。

たとえば熱性けいれんは、いつ頃おきやすいのでしょうか?医師たちが指導する自宅でできる対処とは?再発はあるの?後遺症は?けいれんの後の予防接種はいつからできる?などなど。
こうした熱性けいれんにまつわる疑問について、小児科医155名に聞きました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2018年2月19日に行われ、小児科医155名から回答をいただきました。

まずは、熱性けいれんとは何かおさえておきましょう。

熱性によるけいれん

子どものけいれんで最も多いのは「熱性けいれん」です。熱性けいれんは、字のごとく「熱があり、けいれんを起こす病気」です。生後5、6か月から5、6歳までの子どもに使われる病名で、尚且つ熱の原因が髄膜炎、脳炎など中枢性疾患や代謝性疾患ではないときです。
熱のほとんどの原因は、風邪などの感染症です。子どもの5、6%にみられるごくありふれたものです。両親や兄弟に、子どものころ同じ熱性けいれんを起こした既往があることが多く、遺伝的な病気だと言われています。
引用:けいれん、ひきつけ - 白クマ先生の子ども診療所|日本医師会

つまり、その名の通り、熱があったときに起きるけいれん、ひきつけですが、熱性けいれんと診断するためには髄膜炎など怖い病気ではないことが条件のようです。

それでは、「生後5、6か月から5、6歳まで」とありますが、いつの時期が多いのでしょうか?医師に聞いてみました。

熱性けいれんは1〜2歳が起きやすい

「先生のこれまでのご経験で、熱性けいれんがおきやすい時期はいつ頃ですか」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 生後6ヶ月未満
  • 生後6ヶ月以上〜1歳未満
  • 1歳以上〜1歳6ヶ月未満
  • 1歳6ヶ月以上〜2歳
  • 2歳以上

以下のグラフが結果となります。

図1

  • 40代男性 小児科 1歳〜2歳頃
    0歳台はあまり多くないです。典型的には1-2歳で、おそらく免疫系の発達段階と関係があるような印象です。
  • 60代女性 小児科 1歳〜2歳頃
    乳児を診療する絶対数が少ないこともありますが、当院でとしてはこの年齢が多いです。
  • 50代男性 小児科 1歳〜2歳頃
    6ヶ月〜2歳くらいで、インフルエンザや突発性発疹罹患時に多いです。
  • 50代男性 小児科 1歳〜2歳頃
    インフルエンザでは学童でもなるようです。
  • 50代男性 小児科 1歳〜2歳頃
    とくにインフルエンザのときにおきやすいです。
  • 60代女性 小児科 1歳〜2歳頃
    1歳前後が多いと思いますが、稀に4,5歳で、初発の子もいます。
  • 40代男性 小児科 1歳〜2歳頃
    ガイドラインが出てから標準化されてきたかと感じます。
  • 60代男性 小児科 1歳〜2歳頃
    やはり親が心配しますので、解熱剤は使います。
  • 50代男性 小児科 1歳〜2歳頃
    乳児以降、小学生未満のイメ-ジです。
  • 60代男性 小児科 1歳〜2歳頃
    好発年齢は6か月から6歳、と説明しています。
  • 30代男性 小児科 生後6ヶ月〜1歳頃
    高熱が出れば未熟なほど起きやすいでしょうが、発熱の頻度を加味すると、絶対数は1歳から3歳くらいのほうが多いでしょう。
  • 60代男性 小児科 生後6ヶ月〜1歳頃
    やはり単純性か否かを、発作の持続時間、反復性、元気がないなどで判断することが重要です。
  • 40代男性 小児科 生後6ヶ月〜1歳頃
    1歳前後に多い印象。幼い児ほど起きやすいが、5歳前後での初発も経験はしています。

調査の結果、熱性けいれんの好発時期として「1歳〜2歳頃」を挙げた小児科医が6割と最も多く、「生後6ヶ月〜1歳頃」が続きました。
医師のコメントでは、「インフルエンザや突発性発疹罹患時に多い」とありましたが、高熱になりやすい感染症の場合に熱性けいれんが出ることがあるようです。
なかには、「5歳前後での初発も経験はしています」というコメントも見られ、頻度は違えど年齢の幅は広いことが伺えます。

次に、熱性けいれんは、高熱のなかでも何日目に起こりやすいのでしょうか?
こちらも聞いてみました。

熱性けいれんが起きるのはいつ頃?

「先生のこれまでのご経験で、熱性けいれんが最もよく起きるのは、発熱してどれくらい経過してからでしょうか」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 発熱当日
  • 発熱翌日
  • 発熱2日後
  • 発熱3日以上

以下のグラフが結果となります。

図2

集計では、熱性けいれんが起きやすいのは、「発熱当日」と選んだ医師が9割弱を占めるという結果になりました。
それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

一番熱性けいれんが起こりやすいのは「発熱当日」

  • 50代男性 小児科医 発熱当日
    昔、インフルエンザが流行した時期に1日で250人患者をみて、そのうち5人が熱性痙攣で救急車で再受診してきたことがあります。
  • 40代男性 小児科医 発熱当日
    当日が多いですが、2日目といったケ-スもあります。2日目だと複雑性に該当しますが、臨床的には単純性とそう大差がないこともあります。
  • 30代男性 小児科医 発熱当日
    発熱して24時間以降の痙攣は注意が必要と考えています。髄膜炎でも発熱初日に痙攣することはありますが。
  • 50代男性 小児科医 発熱当日
    熱が出そうになると厚着をさせてしまい、熱がこもり、発症しているケ-スが多いです。
  • 40代男性 小児科医 発熱当日
    DZP(ダイアップ)予防投与を指導しますが間に合わずに痙攣が出てしまうことも多いです。
  • 20代男性 小児科医 発熱当日
    朝発熱して夜けいれんが起きることが多いような気がします。
  • 60代女性 小児科医 発熱当日
    数時間以内の急激な上昇で生じることが多いと思います
  • 30代男性 小児科医 発熱当日
    発熱後24時間以内のけいれんがほとんどを占めます。
  • 70代男性 小児科医 発熱翌日
    けいれんで発熱に気付くものが大昔は多かったのですが、早めの受診、早めの投薬が当たり前になってきてからは、当日ではなく、服薬後が増えてきている印象です。

多くの医師のコメントでは、「発熱当日」に多いというコメントが見られました。また、「朝発熱して夜けいれんが起きることが多い」や「数時間以内の急激な上昇で生じることが多い」など数時間〜半日程度で起こることが多いという意見が見られました。

一方で、「2日目だと複雑性に該当します」や「発熱して24時間以降の痙攣は注意が必要」といった意見もあり、発熱2日目以降の痙攣は注意が必要なようでした。

また、「ダイアップ予防投与」という言葉が出てきましたが、こちらはご存知でしょうか。
使い方については、以下の説明を一読してもらえればと思いますが、どうやらダイアップ座薬とは、痙攣の予防を目的として使われるようです。

8.熱性痙攣用坐薬(ダイアップ)の使用法は?

熱性痙攣は体温が急激に上昇する時に起こりやすいので、37.5℃前後の発熱に気づいた時はできるだけ速やかに1回分を使用して下さい。そして、38度以上の発熱が続く場合は8時間後にもう一度だけ坐薬を挿入して下さい。それ以降は原則として使用する必要はありませんが心配な場合は受診して下さい。
引用:vol.06 坐薬の使いかた - おひさまつうしん|独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

このように場合によっては、2回挿入することもあるようで、慣れないと難しそうな印象もあります。
また、こちらの参考ページには、ダイアップの座薬と解熱剤の座薬との併用で注意することも書かれていました。どちらが先かという話は、たしかに初めてのママさん達も迷いそうですね。

9.ダイアップと解熱用坐薬の両方を処方されたけど、どっちを先に入れればいいの?

熱性痙攣の予防が先決となるのでまずはダイアップを挿入して下さい。その後30分ほど様子を見て熱が38.5℃前後あるようでしたら解熱剤を挿入して下さい。

10.2種類の坐薬をもらったけど、どれくらいの間隔をあけて使用すればいいの?

2種類以上の坐薬を一度に挿入した場合、一方の薬の効き目が弱くなってしまう場合があります。坐薬は30分もすれば溶けて吸収が始まり、1時間もすれば完全に吸収されます。したがって複数の坐薬を使用する場合は30分〜1時間の間隔をおいて使用して下さい。
引用:vol.06 坐薬の使いかた - おひさまつうしん|独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 

ただし、熱性けいれんの指導方法は医師によって少し異なる部分があるようなので、最終的な使用方法は医師と相談してもらうのがよいと思われます。
一方で、発熱より先にけいれんがある場合もあるといった医師のコメントもありましたので、ご紹介します。

発熱と同時、またはけいれんが先で熱が後から気づくケースも

  • 60代女性 小児科医 発熱当日
    発熱し始め、時々、親も熱に気づかないまま、起こす子もいます。
  • 50代男性 小児科医 発熱当日
    発熱と同時か発熱前でけいれん後に熱発に気付くなど、熱発とほぼ同時が多いです。
  • 50代男性 小児科医 発熱当日
    発熱前に痙攣ということもあります。救急車では平熱だけど、来院時発熱を認めるなど。
  • 50代男性 小児科医 発熱当日
    けいれんを起こして、熱をはかったら高熱だったというのが多いです。

このように、発熱と同時に痙攣、または先にけいれんが出て、あとで体温をはかったら熱があることがわかったというケースもあるようです。
発熱当日にけいれんを起こすと言っても、どの時間に起きるかはお子さんによってまちまちのようです。

熱が出ないケースはてんかんに注意

  • 60代男性 小児科医 発熱当日
    体温上昇に伴っておきるものでなければてんかんの可能性があります。

コメントのなかには、発熱がないけいれんの場合は、てんかんを疑うといった注意喚起をする意見もみられました。受診の際は、熱の有無を伝えることは大事そうです。

さて、実際に熱性けいれんが起きてしまったとき、自宅ではお母さんは何をすればよいでしょうか?

熱性けいれんの対処は、まずお母さんが落ち着くこと、よく観察をすること

「自宅でできる熱性けいれんの対処方法について勧めるものは何でしょうか」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • まずはお母さん自身が落ち着くこと
  • 赤ちゃんを楽な姿勢にすること
  • 周囲の危険物を取り除く
  • けいれんの時間や様子を観察する
  • けいれん止めの座薬を処方されていれば使用する
  • クーリングをする
  • 舌を噛まないように口のなかに物を入れる
  • その他

以下のグラフが結果となります。

図3

調査では、「まずお母さん自身が落ち着くこと」が最も支持を集め、続いて「けいれんの時間や様子を観察する」、「赤ちゃんを楽な姿勢にすること」が続きました。
では、医師のコメントを見ていきましょう。

口の中に物を入れない!なにもしないことが大事

  • 30代男性 小児科
    口の中に手や物を入れるのは勧めていません。ご家族からのお話で状況を推定するしかないことが多いのですが、なかなか冷静に観察できる方は少ないです。
  • 50代男性 小児科
    舌を噛んでしまうという懸念があるようですが、今まで舌を噛んだ子に遭遇したことはありません。
  • 50代男性 小児科
    最近は舌を噛まないように口のなかに物を入れることは指導していません。
  • 60代女性 小児科
    口の中には何も入れず、できるだけ落ち着いて、観察することです。

舌を噛まないように…と思い、対処としてやってしまいそうな「口の中に手や物を入れる」ということも医師からはNGのようです。それでも心配なママもいるかもしれませんが、「今まで舌を噛んだ子に遭遇したことはありません」といった医師のコメントもありましたので、過度な心配はしないほうがよさそうです。

また、「親は動揺しているので何かしようとすると怪我・事故につながります」といった医師のコメントもありましたが、何か対策をしようとすることで二次被害を及ぼしてしまう可能性もあるようです。

よく観察をすることが大事!動画撮影も念頭に

  • 50代男性 小児科
    自宅で、医療従事者以外が出来ることは、詳細な観察のみ。あわてて救急隊を呼んでも、救急隊到着までの様子は観察してもらっていないと判らない。
  • 30代男性 小児科
    余裕があればけいれんの様子や時間をみてもらって、余裕がなければ救急要請でいいですよとお話ししています
  • 60代男性 小児科
    起きてしまった痙攣は止められないので、よく観察して、嘔吐物を誤飲しないように対応することです。
  • 40代男性 小児科
    はじめてのけいれんで落ち着くのは難しいですね。再発の場合はスマホで動画をとってもらう事もあります。

痙攣をした時は、観察をすることが大事なようです。病院に着いたときにけいれんの時間や特徴がわかるのが、診断に大事なのかもしれませんね。
ある医師のコメントでは、「再発の場合はスマホで動画をとってもらう事もあります」とあったので、動画撮影という方法は念頭に置いてもらうとよいかもしれません。

痙攣が続くようなら救急要請も視野に

  • 50代男性 小児科
    とにかく何もしないことです。親は動揺しているので何かしようとすると怪我・事故につながります。発作が収まるまでは何もしない。5分続けば救急車を呼ぶようにしてください。
  • 40代男性 小児科
    5分以下でおさまれば様子を見て、続くようであれば救急搬送です。
  • 60代男性 小児科
    チアノ-ゼ出現時、数分以上持続時の救急要請を指導しています。
  • 40代男性 小児科
    実際問題としては慌てて救急車を呼ぶのも仕方がない面はあります。
  • 50代男性 小児科
    熱性けいれんは全例救急車でもいいと思っています。

「(痙攣が)5分続けば救急車を呼ぶ」というアドバイスもありましたが、痙攣が5分以上続くときが救急要請の目安みたいでした。
ほかにもチアノ-ゼと呼ばれる唇が青くなるサインがあるときも救急要請をする状況のようです。

冷静になるのが大事!でも実際は難しい側面も

  • 60代男性 小児科
    初めての痙攣でも、慌てずに経過を観ることが大事だと思います。
  • 30代女性 小児科
    なかなか難しいですが冷静になることが一番大切だと思います。
  • 70代男性 小児科
    熱性けいれんは慣れた医師でもいやなものであり、母親に冷静になるように言うのは簡単ですが難しいです。
  • 60代男性 小児科
    何度も経験された家族は問題ないですが、初めての家族は気が動転するので冷静さを保つことが大事です。
  • 60代女性 小児科
    ほとんどが受診、または救急車到着までには消失していることが多いので 家人による落ち着いたサポ-ト、ケアが必要と感じています
  • 60代男性 小児科
    初回のけいれんには驚く親が多いですが、2回目以降は落ち着いて対応できるようです。
  • 40代男性 小児科
    説明はしますが、内心では落ち着いていられないよな、と思っています。

「初めての家族は気が動転するので冷静さを保つことが大事」といったようにけいれんの際は、まずお母さんが落ち着くよう促すアドバイスが医師からありました。
しかし一方で、「母親に冷静になるように言うのは簡単だが難しい」といった実際問題は難しいといった医師のコメントが見られました。

さて、上のコメントでも「2回目以降は落ち着いて対応できる」とありましたが、どれくらいの子が熱性けいれんを繰り返してしまう子もいるのでしょうか?

熱性けいれんを繰り返す子もいる

「先生のこれまでのご経験で、熱性けいれんを2回以上繰り返す子は、熱性けいれん全体の割合からみてどれくらいいますか」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 10%未満
  • 10~30%程度
  • 30~50%程度
  • 50~80%程度
  • 80%以上

以下のグラフが結果となります。

図4

  • 70代男性 小児科 10~30%程度
    熱性けいれん予防薬(ダイアップ坐薬)があらかじめ用意されていることが多く、再発率は少し下がってきていると思います。
  • 40代男性 小児科 10~30%程度
    初発を見ることがほとんどなので、全体としては3割くらいの印象です。説明するときは4割としています。
  • 80代男性 小児科 10~30%程度
    先ほども記しましたが、親に熱性けいれんの既往がある子が複数回けいれんを引き起こしやすい。
  • 50代男性 小児科 10~30%程度
    そんなに多くはないと思います。家族歴などは関連あるかと思います。
  • 40代男性 小児科 10~30%程度
    ほとんどは1回だけですが、繰り返すかどうか予測できれば良いと思います。
  • 40代男性 小児科 10~30%程度
    てんかんに移行するものはさらに少ないが一定割合で存在します。
  • 50代男性 小児科 10~30%程度
    突発性発疹やインフル以外でも起こした子は2回目も多いかなと思います。
  • 60代男性 小児科 10%未満
    ほとんどいないですが、2回以上繰り返す患児には経過観察が大事で脳疾患も疑う必要があります。
  • 60代男性 小児科 10%未満
    ほとんどの症例が多くて2回まで。3回以上繰り返すのは10%
  • 50代女性 小児科 30~50%程度
    複数回起こす子供は、ダイアップの予防投与をしてない子供がほとんどです。
  • 50代男性 小児科 30~50%程度
    報告では50%以上とありますが、実際にはそれほど高くありません。

集計結果では、「10~30%程度」とした医師が半数を占め、続いて「10%未満」「30~50%程度」が続きました。
医師のコメントでは、「再発率は少し下がってきていると思います」や「そんなに多くはないと思います」というように、それほど熱性けいれんの再発はないとした内容が複数みられました。

一方で、「複数回起こす子供は、ダイアップの予防投与をしてない子供がほとんど」というように、繰り返すお子さんは、小児科医の予防投与の指示がある際はしっかり実行してもらうことをおすすめします。
また、「親に熱性けいれんの既往がある子が複数回けいれんを引き起こしやすい」といった熱性けいれんの家族歴がある場合は再発しやすいなどの意見も聞かれました。お父さんお母さんで熱性けいれんがある方は、要注意のようです。

また、インターネットでも後遺症についての不安が聞かれたことから、取りあげていきたいと思います。なかには、発達障害との関連性を心配する声もありました。
実際、どうなのでしょうか?医師に聞きました。

熱性けいれんの後遺症が残ることは「ほとんどない」

「先生のこれまでのご経験で、熱性けいれんで後遺症を残すケースはどれくらいありますか」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 大いにある
  • ときどきある
  • あまりない
  • ほとんどない

以下のグラフが結果となります。

図5

  • 40代男性 小児科 ほとんどない
    熱性けいれんであればまず大丈夫です。発熱を伴う痙攣でそれが脳炎・脳症であったら可能性としてはありますが、その場合は熱性けいれんの症例としてカウントしないので。
  • 40代男性 小児科 ほとんどない
    熱性けいれんで、というよりは基礎疾患の存在によるものが多い(すなわち、症候性てんかん)と思います。
  • 50代男性 小児科 ほとんどない
    ほとんどないです。合併症を残すのは、突発性発疹かインフルエンザが多いです。
  • 50代男性 小児科 ほとんどない
    熱性けいれんで後遺症を残した症例を経験していません。
  • 30代男性 小児科 ほとんどない
    むしろ後遺症を残すと、てんかんなど別の病名がつくと思います。
  • 50代男性 小児科 ほとんどない
    あった場合は病名的に熱性痙攣とは言いづらいのではと考えております。
  • 80代男性 小児科 あまりない
    純粋な熱性けいれんではほとんどないと思いますが、てんかん・複雑熱性けいれん等が先行して熱性けいれんが現れる時は要注意です。家族歴が重要。

熱性けいれんの後遺症については、「ほとんどない」とする医師が大半でした。
どうやら後遺症を残すものは熱性けいれんではなく、てんかんや脳炎など別の病気になるようです。

最後に、この熱性けいれんの好発時期は、予防接種のスケジュールが絡んでくるお子さんもいらっしゃると思います。熱性けいれんを起こした後は、どれくらい期間をあけて予防接種をするとよいのか聞きました。

熱性けいれん後の予防接種は、「1週間あける」が多いも医師によって異なる

「先生のこれまでのご経験で、熱性けいれんを起こした後に熱が下がっていたら、どれくらい期間をあけると予防接種をしてもよいですか(重篤な感染症でなかった場合とします)」という質問に対して、つぎの選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

  • 当日でも可能
  • 翌日であれば可能
  • 2-3日あければ可能
  • 1週間あければ可能
  • 1ヶ月あければ可能
  • 2-3ヶ月あければ可能
  • その他

以下のグラフが結果となります。

図6

  • 40代男性 小児科 1週間あければ可能
    原因が突発疹(突発性発疹のこと)であれば1ヶ月あけます。それ以外の場合でも、間隔をあけることやその期間については医師別に判断がまちまちであり、科学的根拠が存在しないことから、「まあ」1週間の経過でよいこととしています。
  • 40代男性 小児科 1週間あければ可能
    数日でもいいと思いますし、エビデンスもないと思います。お母さん方の反応みながら1週間くらいですかねと説明しています。
  • 60代男性 小児科 1週間あければ可能
    体の免疫の回復に1週間は必要と考えています(明らかなエビデンスは知りません)。
  • 50代男性 小児科 1週間あければ可能
    熱性けいれんだけでなく、解熱して1週間くらいあけるのが妥当かと。
  • 50代男性 小児科 1週間あければ可能
    念の為1週間開けますが、解熱後数日でも全く問題ないと思います。
  • 50代男性 小児科 1ヶ月あければ可能
    1ヶ月あければ可能と説明しています。最終的には、接種医の判断ですとも付け加えています。
  • 50代男性 小児科 1ヶ月あければ可能
    念のため、1カ月空けて予防接種するように指導します。
  • 50代男性 小児科 1ヶ月あければ可能
    2-4週間が多い、特にエビデンスはないはずです。
  • 30代男性 小児科 2-3日あければ可能
    当日でもよいと個人的には思っていますが、これまでの慣例とはだいぶそれているのも自覚しているので、2-3日は最低あけます。
  • 50代男性 小児科 当日でも可能
    「熱性けいれん」と判断できれば、予防接種する時点で発熱がなければ、接種しています。

熱性けいれん後の予防接種については、「1週間あければ可能」が最も支持を集め、続いて「1ヶ月あければ可能」が続きました。
1週間を支持した医師からは、「体の免疫の回復に1週間は必要」や「熱性けいれんだけでなく、解熱して1週間くらいあけるのが妥当」といった1週間を推奨するコメントが見られました。

一方で、全体的な医師のコメント全体を見る限り、意見が分かれている印象で、「特にエビデンスはないはずです」というコメントからも、熱性けいれん後の予防接種をあける期間に明確な共通基準はなさそうでした。
かかりつけの医師と相談しながら、予防接種のスケジュールを進めていくというのがよさそうです。

熱性けいれんは、慌てずしっかり観察を。発熱当日に注意。

本調査では、熱性痙攣にまつわるさまざまな疑問を小児科医に聞きました。
熱性けいれんの好発時期については、「1歳〜2歳頃」を挙げた小児科医が6割と最も多く、次に「生後6ヶ月〜1歳頃」が続きました。

また、熱性けいれんが起きやすいのは、「発熱当日」と選んだ医師が9割弱を占め、もし起きてしまったときは、「まずお母さん自身が落ち着くこと」、「けいれんの時間や様子を観察すること」、「赤ちゃんを楽な姿勢にすること」などが医師からは推奨されていました。
熱性けいれんの再発は多くはないようですが、家族歴などがあると注意が必要なようです。一方で、後遺症を起こすことは、ほとんどないようでした。
子供が痙攣を起こしてしまうと想像するだけで不安ですよね。本記事が不安なお母さん達の一助になれば幸いです。

医師のコメント

  • 横山 俊之
    意識がない状態で危険な事態は誤嚥による気道閉塞と窒息です。嘔吐し難い右側臥位に保ち、口腔内の食物・異物を除去して気道確保が第一です。痙攣で体温中枢も巻き込まれるので解熱しませんから、解熱に拘らず、額・頚部・腋窩等を冷やします。解熱剤は、原則、使用せず「ジアゼパン(ダイアップ)」座薬があれば、直ちに使用します。解熱剤を使用する場合、ジアゼパン座薬挿入後15分以上あけて指定量の半量がら使って下さい。解熱剤が効き過ぎると、体温がリバウンドして急上昇し、熱性痙攣を起こすことがあります。http://www.geocities.jp/ygrkt763/s-0609happynoteFCtext.jpg
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