手術や薬はいらない?

週刊誌報道に懸念を示した日医の道永麻里常任理事
医療の現場
イシコメ運営事務局 兼松 昭夫

日医が週刊誌報道に懸念

日本医師会の道永麻里常任理事は8月3日の定例記者会見で、一部の週刊誌が特定の手術や医薬品の必要性を否定するような報道を展開しているとして、「限られた側面からのみ論じることがかえって国民の不安をあおり、適切なアクセスを阻害しかねない」と懸念を表明しました。

道永常任理事はその上で、「報道関係者は、薬や手術のことだけでなく医療全般について正しい情報を提供するように配慮すべきだ」と指摘しました。

さらに、一連の報道に対しては、「一つだけでなく、いろいろな立場の意見を聞くべきだと思う。本当に偏った情報だ」と批判しました。

横倉義武会長も、週刊誌の報道に触れて不安を覚えた患者さんは「かかりつけ医」に相談するよう訴えました。

ただ、「日医と対決することで報道をより先鋭化させてしまう心配がある」とし、メディアの具体名については名言を避けました。

一連の報道に対して、日本医学会や各学会にも困惑が広がっているといい、横倉会長は学会側が近くコメントを出す方向で検討していることも明らかにしました。

8月8日発売の「週刊現代」が「100人の医者が答える“飲み続けてはいけない薬”“やってはいけない手術”」と題する特集記事を掲載するなど、物議を醸しています。

 

医師のコメント

  • 石見 陽
    メドピア株式会社 一般内科
    先日お会いした医学界の重鎮の先生も、さすがに見かねる。しかし同じ土俵に乗りたくないくらいくだらないので対応に困る、とおっしゃっていました。
    MedPeerやこのイシコメを運営しているのは、医療人と皆様との情報ギャップを少しでも埋めるためです。最近の煽動的な記事は本当にもったいないと思います。
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    医師
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    一般
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  • 原田 馨太
    岡山大学病院 消化器内科
    昨今の医療報道を見るにつけ、我々が「へー」と思って読んでいる他分野の記事の中には、同様のことがわんさかあるんだろうなと思ってしまいます。マスメディアの社会に対する影響力は今も大きく、記者が初めて知った事実や考え方にいかに感銘を受けようと、ネットのブログを書くのとは違うんです。薬や手術の悪い側面ばかりを挙げて「今まであなたは騙されていた」などと銘打てば、それは商業的にはいいやり方かも知れません。しかしそうした記事に影響された読者が自己判断で必要な服薬をやめて、致命的なことにでもなったら誰が責任をとるつもりでしょう。記事の内容に過誤があれば、記者は相応の責任を取るべきだと思います。医者みたいにね。
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    医師
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  • 東 光久
    白河総合診療アカデミー 総合診療
    実際に週刊誌を読んだ訳ではありませんので内容は分かりかねますが、最近、私達総合診療領域で重要視している、Choosing wiselyやPolypharmacyと重なってしまいそうで気になります。それはあたかも、がん治療の領域で特定の医療者らが唱える極論に、本来の正論が同一視されかねない現状と似ていて、本当の意味で一般の方のリテラシーが問われることになります。私達にもとめられているのは、善か悪かの二元論ではなく、医療は常に不確実であるという大前提を一般の方に広く知ってもらうことだと思います。
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  • 中山 祐次郎
    がん・感染症センター都立駒込病院 消化器外科
    週刊現代は私も拝見しました。
    悩ましいのが「同じ土俵に立つのが憚られる」という点。私も感情的には強く同意しますが、それでもきちんといちいち「そうではないのですよ」と医師が話していかねばならないのかもしれません。また、トンチンカンなコメントをお偉い先生がしているので、一層同じ土俵に立つ気が萎えるのです。近藤誠氏と同じ構図ですね。
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