眼球破裂って何? 原因や症状、治療法と後遺症の有無について調べてみました

楽しい音楽イベント中にも危険は潜んでいる
眼球破裂は転倒などでも生じることのある、わたしたちにとって身近な病気です。完全に元通りには戻らず、辛い後遺症に苦しむこともあります。重要なことは、眼や顔を強打した後に目の痛みを感じた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることです。
医療の現場
イシコメ運営事務局

東京ドームで9月25日に開かれたライブイベント。
イベント中、ライブを盛り上げるための演出としてキャノン砲という機材で発射されたテープがスタッフの女性に直撃するという事故が発生しました。

ライブイベントに参加したことのある方はご存知だと思いますが、このテープの発射は非常に多く行われている演出の一つです。
たくさんの金色や銀色のキラキラしたテープが舞う様は、とってもキレイで盛り上がります。

今回は、その発射されたテープが女性スタッフの眼球に直撃し、眼球破裂になってしまったことが大きな話題になりました。
事故にあった女性スタッフは現在治療中とのことです。

「眼球破裂」って、字面だけでも恐ろしい感じがする病気ですよね。
どんな病気なのか気になって、今回の事件を機に調べてみました。

眼球破裂とは?

眼球が強い刺激を受けることで破裂してしまった状態のことをいいます。
本来は眼球内部にあるべき器官が外部に露出してしまったりします。

そのため眼球破裂が起こった場合は、可能な限り早い緊急治療が必要です。

眼球破裂の主要な症状

視力の低下

眼球破裂は眼球、角膜さらに強膜が破裂した状態です。
そのため著しく視力が低下します。

充血、痛み、腫れ

刺激を受けた眼球は充血し痛みや腫れを伴います。また異物感を感じるという方も多いようです。

もう片方の眼にも同様な症状が出る

眼球破裂の恐ろしいところは刺激を受けた眼球のみならず、もう片方にも炎症などで同様な症状が現れやすくなるという点です。

隻眼や独眼という言葉を聞いたことはありますか?

隻眼や独眼とは片側の目の視力を失った状態をいいます。
眼球破裂で傷ついた片目が急激に視力を失うことで隻眼や独眼の状態に近くなってしまいます。
完全に視力を失ったわけではなくても、今まで持っていた視力を急激に失うことで脳内の感覚として同じ状態に近くなってしまうのです。

隻眼や独眼の場合、大半は眼帯等で視力を失ってしまった眼を覆い隠し、片目だけでの生活を送ります。

これは視力を失った眼球に光などの刺激を与えないようにするためです。
視力のない眼球に刺激を与えることで、もう一方の眼に見えない眼をカバーするための負荷がかかってしまいます。

眼に大きな負担がかかることで、傷ついていない方の目にもさまざまな症状が現れやすくなります。

眼球破裂の原因

眼球破裂の主な原因は眼球や角膜に強い刺激を受けることといわれています。

スポーツ

身近な原因としてはスポーツがあげられます。
特にボールなどを使用して行うスポーツは特に注意が必要とされています。

たとえば野球選手のキャッチャーがつける顔面のプロテクターは、眼球破裂の危険を防ぐ効果もあります。

交通事故

交通事故などで突然顔を強打することも考えられます。
ハンドルに眼を強打するなど、さまざまな理由で眼球破裂が発生します。

転倒

転倒もまた、眼球破裂の原因になりえます。

注意散漫になっていたり、泥酔しているなどした場合、転倒時にとっさに手を付くことができないことがあります。
そうして顔面をもろに強打したとき、眼に大きな衝撃が加わると眼球破裂を起こすことがあります。

眼球破裂による失明のリスクはどれくらい?

眼球破裂を起こすと緊急で治療が行われます。
眼球破裂は早期に医療機関を受診する必要のある緊急事態です。

上でご紹介した眼球破裂の原因に思い当たるところがあり、眼の痛みなどを感じた場合、速やかに医療機関を受信するようにしてください。

治療が遅れるほど、失明のリスクが高まるとされています

眼球破裂を起こした場合に、どれだけの可能性で失明するかということはまだはっきりしておりません。
ただ、眼球が破裂し神経の集まる網膜が損なわれている場合は特に失明の危険が高くなるといわれています。

眼球破裂の治療

眼球破裂の治療は症状によって異なります。

医師が判断する基準として穿孔創の大きさが関係してきます。

眼球破裂の状態になることで視力の低下や充血などの症状が現れることはすでに解説しました。
この原因となっているのが穿孔創(眼球に開いた穴のこと)です。

穿孔創が小さい場合には軽症と診断され、治療用コンタクトレンズを着用し傷口の自然治癒を促す治療が可能になります。
眼球破裂を起こした際、最もリスクの低い治療法といえます。

しかし、穿孔創が大きく重症とされた場合には手術療法を取り入れます。

局所麻酔もしくは全身麻酔をし、角膜を縫い合わせる手術を行います。

重症な眼球破裂になった場合、この手術の後に、感染有無や視機能有無などの検査を行ったり、場合によっては白内障手術や硝子体手術などが必要になることもあり、体にかかる負担が大きくなります。

眼球破裂から考えられる後遺症

眼球破裂が起き、適切な治療を行っても、それまで通りの生活はなかなかうまく送れないケースが多いようです。

さまざまな後遺症に悩まされ、それを放置するとその後に失明など起こすこともあります。

光をまぶしく感じる

通常の光がまぶしく感じるようになるとされています。

症状がひどい場合には、外出時に常にサングラスが欠かせなくなるほどだそうです。
普段わたしたちが目にする眩しさからは想像できないほどの刺激を感じるようになるため、ただ外出するだけでも大きな負担がかかってしまいます。

視力の低下

眼球破裂を起こすと大半の場合は視力の低下が現れます。
ただしどれだけの視力を失うかは個々の症状や治療等の対応により異なります

早期に適切な治療を受けることが視力を少しでも保つために重要になるのです。

異物感を感じる

眼球破裂の治療後も、やはり「異物感を感じる」といった不快な症状はしばらく残ります。

適切な治療を行えばある程度おさえることができるとされていますが、場合によっては改善すること無く、一生残ることもあるそうです。

まとめ

今回の事故の原因は、音楽イベントでは特に広く使われている演出用機材です。

わたしたちの身近なところにも、とても怖い病気がひそんでいることがわかります。

普段からやっていることであっても、危険がありそうなことに関しては細心の注意を払って行いたいと思いました。

医師のコメント

  • 眞鍋 歩
    眼球破裂は高確率に失明につながる予後不良の疾患です。 予後が悪い要因として過去の国内の報告では、 ・ 裂創の大きさが8mm以上 ・ 網膜剥離がある ・ 眼科受診時の視力が光覚(光が分かる程度)以下 ・ 水晶体が脱出している ・ 網膜が嵌頓している ・ 角膜(黒目の部分)の端より5mm以上後方へ及ぶ裂傷 のいずれかがあると、予後が不良とされています。 受傷後、早急に眼科を受診してもなかなか視力を取り戻すことが出来ない眼球破裂。 もし万が一目に物が当たってしまった時は、まずは片目ずつ目を隠して見え方を確認し、もし少しでも見え方がおかしかったらできるだけ早く眼科を受診する様にしましょう。
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