痛い火傷の応急処置を教えます|医師監修

痛い火傷の応急処置を教えます
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痛い火傷の処置

火傷(やけど)の危険性は日常の様々な場面にあります。

特に料理のときは火を使ったり、油やお湯を使ったりするため、結構お母さん方の指先は軽い火傷が多かったりします。

また、赤ちゃんがいる家庭も、急に熱いものをひっくり返して赤ちゃんが火傷をして急いで病院に処置の相談に来ることも見受けられます。

気をつけているけども、実際火傷が起きてしまうとどうしていいか分からない。

緊急だからゆっくりしていられないし・・・。

火傷(やけど)がジンジンと痛い・・・。そんな経験ありませんか?

【痛い】火傷は皮膚の傷?

火傷とは皮膚の熱傷です。痛いですよね・・・。

そのため、皮膚に傷ができたように、皮膚にジンジンと鋭い痛みが起きます。

皮膚の奥深くまで火傷の熱が達すると、より激しい痛みを伴います。

火傷によって皮膚の組織が傷つくと、損傷した部分の血管から体液が漏れ出して、皮膚に水ぶくれが起こります。

また損傷した皮膚に細菌や微生物が侵入しやすくなり、感染症を引き起こしやすくなります。早い処置が必要です。

症状の軽い火傷なら赤みが生じるだけですが、症状の重い火傷になると水ぶくれ(水疱)が生じ、数日でさらに悪化する恐れがあります。

また広範囲の火傷においては、患部そのものの治療に合わせて、火傷のショック症状の治療をすることが必要になります。

火傷の深さの段階について(痛い火傷は何種類?)

火傷の状態は大きく3段階に深さを分けられます。

火傷の深さは、火傷を負った2日後くらいからハッキリしてくるといわれています。

なので、火傷をした当初は「赤いだけだから大丈夫!」といっても、実はその後48時間程度は火傷が進行し、痛い状態が続きます。

水泡をつくったり、皮膚がぶくぶくになってきたりします。

私も昔、漏れたガスがとろ火に引火し、火傷で入院する大事故を経験しました。火傷の診断結果は「2度」でした。

2度熱傷以上の火傷は、皮膚移植の処置が必要と判断されることがあります。

火傷最初の頃は損傷が激しく、痛い状態も続き手術を予定していたのですが、入院中に徐々に回復して手術はギリギリ大丈夫でした。

その時に火傷には1度、2度、3度と段階があることを知りました。

火傷の1度、2度、3度の状態|火傷の処置

1度(I度)の火傷

表皮のみの損傷です。火傷はまだ皮膚の表皮に留まっています。

【症状】

皮膚が赤くなったり、腫脹(腫れ)がみられ、ヒリヒリとした灼熱感や痛みがあります。

一時的に色素沈着することもありますが、数日で自然に治ります。やけど跡は残りません。

ストーブなどに短時間触れた場合も、直ぐに冷やせばⅠ度の火傷で済みます。

ヒリヒリ痛む程度なら、病院に行かなくてもかまいません。

痛むなら軟膏をつければ、一週間ぐらいで治るでしょう。

2度(II度)の火傷:浅達性2度(II度)

表皮基底層(真皮上層)までの損傷です。

【症状】

発赤・浮腫性腫脹・水疱(水ぶくれ)がみられます。

水疱は破れてただれをきたし、痛みや灼熱感が著しく生じます。

上皮化後に、色素沈着などがおきますが、だいたい3週間以内にやけど跡があまり残ることなく治癒します。

ただし、やけど後のケアによっては、やけど跡が残る場合があります。

2度(II度)の火傷:深達性2度(II度)

真皮深層までの損傷です。

【症状】

発赤・水ぶくれ、びらん、浅い潰瘍などが起きます。

痛みは軽度で、水ぶくれの下の皮膚が白くなります。

治癒までには1か月以上かかり、軽度の瘢痕を残します。

2度(II度)は水ぶくれが出来る火傷で、浅い火傷と少し深い火傷があります。

2度(II度)の火傷は出来るだけ病院で治療をした方が良い火傷です。

特に、浅達性1度の熱傷と、深達性2度の熱傷は、慣れた医師でも判断に悩むことが有ります。

浅い2度(II度)熱傷は2〜3週間程度で治り、跡形を残しませんが、深い2度熱傷は治るまでに3週間以上かかり、痕形を残します。

さらに、深達性2度の熱傷より重いものでは、皮膚移植の処置が必要に成ることがあるため、必ず皮膚科もしくは形成外科への受診が必要です。

皮膚の表面がうっすらと赤くなるだけなら、病院に行かずにご自宅で見守るのも良いですが、水泡ができたり、白っぽい色になった場合は、必ず病院を受診しましょう。火傷の処置が必要です。

3度(III度)の火傷

皮下組織(皮膚の深いところ)までの損傷です。

皮膚が白く変化し壊死している部分があります。

痛みを感じる神経も焼け死んでいます。そのため、火傷の状態が痛いとは感じません。

肌の表面が壊死している場合もあります。

損傷した表面は白く乾燥し、ひどいときは焦げています。

水ぶくれはできません。やけど跡は盛り上がったり、ケロイド状になったりと、はっきりと残ります。

3度(III度)は皮膚の層全てが傷付いた火傷で自然治癒が難しく、酷い痕が残ります。

火傷をした後の処置について

応急処置はその後の治療や、やけど跡も大きく左右しますので、いざという時に素早く処置できるようにしましょう。

火傷(やけど)の痛みを抑えるには、初期の処置が重要になります。

処置をしっかり行うことで、熱が皮膚を焼く時間を短くします。

また熱の温度を下げることでやけどを少しでも軽くすることと、痛みをやわらげる効果があるからです。

冷やす処置をすることで、火傷の跡が残りにくくなるほかに、痛みを和らげることもできます。

火傷(やけど)の処置は、まずは大量の流水や氷で患部を冷やすことが最も重要です。

患部を冷やすポイントは主に2つです。

①「冷やす時間は5分以下で良い」

以前は、30分以上冷やしたほうが良い、との説もあったのですが、現在ではかえって皮膚をふやかしてしまうので、5分以下の処置が良いと言われることが多いです。

②氷や氷水での冷却処置は控える

氷や氷水の冷却処置は、かえって皮膚組織を傷つけてしまい、逆効果です。保冷剤などでの冷却処置も控えるべきでしょう。

家の中なら、台所かシャワーで一気に冷水を患部にかけるのが良いでしょう。

ただし、火傷の傷口を流水にさらすのはやめたほうがよいでしょう。

流水の刺激によって、皮膚がはがれ落ちる危険があるためです。

衣服の上から熱湯や油をかぶり火傷した場合には、衣服の上から流水で冷やすようにしましょう。

無理に衣服を脱がせてしまうと、やけど部分の皮膚も一緒にはがれてしまう可能性があります。

また、火傷をした患部は徐々に腫れを伴うので、アクセサリーなど身につけているものはすぐに外すようにしましょう。

腫れた皮膚を締め付ける可能性があるものは全て取り去りましょう。

患部を締め付ける服(脱げる場合のみ)やアクセサリーを外すことでそれ以上の損傷を防ぐこともできます。

これにより患部への血流が改善され、火傷は次第に回復に向かいます。

また、火傷を負った後や冷やす処置をしていくうちに、水ぶくれ(水疱)ができることがあります。

水ぶくれ(水泡)を破る処置が良いかどうかは、実は医師の研究でもはっきりしていません。

しかし、一般的な説としては、3cm以上の水泡や可動性のある水泡に関しては、清潔な状態で破ったほうがよいとされることが多いです。

また、もし水泡自体が予期せずに破れてしまった場合は水と石鹸で洗浄して、破れてしまったペラペラの皮膚は除去します。

冷やした後は、軟膏などを塗る処置で、患部を保護してください。

軟膏は包帯を巻く場合も、包帯が皮膚に貼り付くのを妨げる効果もあります。皮膚が剥がれることの痛みを防ぐためにも必要です。

そして、できるだけ痛い火傷の箇所に空気を触れさせないようにしましょう。

軟膏を塗って家庭で使っているラップで保護するだけでも、火傷の処置として効果はあります。

常に患部を清潔に保ちましょう。火傷を石けんと水で洗って感染症を予防します。

大きな火傷を負った場合は、決して水で冷やす以外の処置をしてはいけません。

すぐに病院に行きましょう。

そもそも火傷の時にできる水ぶくれは何か?

水ぶくれは熱傷が真皮まで達した時に、表皮と皮下組織の間に液体が入り込んで膨れることにより発生します。

皮膚は一番上が表皮、その下が真皮、一番奥が皮下組織の3層になっています。

真皮には毛細血管が通っており、火傷によって切れてしまった毛細血管から血漿(けっしょう)と呼ばれる血液中の液体成分が熱傷部分に入り込み、水ぶくれになります。

Ⅱ度のやけどは、水ぶくれができやすく、水ぶくれが潰れると細菌に感染しやすく患部が化膿して傷口の状態が悪くなります。

他に火傷の種類にはどのようなものがあるか?

温熱熱傷

熱湯、火、鉄板やアイロンなどの熱による皮膚や粘膜が損傷した状態

低温熱傷

低温熱傷は温熱熱傷に含まれるが、カイロや炬燵、湯たんぽ、ホットカーペットなど低温のものに長時間触れていることで起こる熱傷

化学熱傷

酸やアルカリ性の化学薬品や物質が肌や粘膜に触れてできる熱傷

電撃熱傷

感電や落雷による熱傷

放射線熱傷

過度な放射線を浴びたことによる熱傷

気道熱傷

火災などで煙や高温の空気、有毒物質を含んだ気体を吸い込んだ時に起きる熱傷

やっちゃだめ、よく聞く火傷の処置(民間療法)

これらの火傷の処置についての民間療法はよく聞きますが、基本的に流水でよく冷やす対応をしてください。

  • 大根おろし
  • はちみつ
  • ジャガイモの絞り汁
  • 味噌を塗る
  • スイカ焼酎
  • くるみ

患部にダメージを与えてしまったり、感染の恐れなどもあるためです。

赤ちゃんの火傷は気をつけて

赤ちゃんの皮膚は弱いので、時間が経つと火傷(やけど)はどんどん重症化してしまいます。早めの処置をしてください。

やけどしない環境を整えてあげたほうが安心なので、予防対策もきちんとしておきましょう。

また、やけど跡には紫外線は大敵です。

紫外線を浴びてしまうことで跡の色が濃くなります。

衣服などで紫外線から患部を守るように心掛けましょう。

参考:やけどの治療・対処法・治療法

参照:Happily

医師のコメント

  • 田中 公孝
    ぴあ訪問クリニック三鷹 家庭医療
    記事にある通り、やけどの痛みを抑え、経過をよくするためには、初期の処置が重要です。素早く適度に冷却して頂き、ワセリンなどの軟膏を塗り、ラップで保護しましょう。湿潤環境を保つのがとても重要です。空気に触れることで痛みが出るため、そのままにしたり、空気を通すガーゼを上からするのはオススメしません。特にガーゼをとる時は痛みがでますし、せっかくできた良い皮膚も剥がしてしまいます。
    自院でやけどの処置について指導させてもらった方は、その後も適切な初期対応をしてもらって来院されるため、診療もスムーズです。

    適切なやけどの処置は、様々な生活場面に役立つと思うのでぜひ身につけてもらえればと思います!
    投稿日時:
    なるほど

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