イシコメ

眼科医に聞いたドライアイの原因と自分でできる対処法

今回インタビューに答えてくれた眞鍋医師
ドライアイは2200万人もの患者がいると考えられている、非常に身近な病気です。原因は涙の量と質の悪化と考えられています。普段から目薬を使用するなど、目をケアしてあげることが非常に大切です。
医療の現場
イシコメ運営事務局 イシコメ運営事務局

突然ですがみなさま、「ドライアイ」をご存知ですか?
眼がゴロゴロするなど非常に不愉快な症状をきたす病気です。

なんとドライアイの患者数は日本国内に800〜2200万人もいると考えられています!
しかもオフィスワーカーに限定すれば、3人に1人がドライアイになっているという報告があります。

参考:日本眼科学会:目の病気 ドライアイ

何を隠そう、わたしもドライアイ!

勤務時間8時間のうち、たぶん7時間半くらいはPCとにらめっこです。
毎日毎日、眼を酷使しているおかげで、帰るころには眼がカラッカラのゴロッゴロです。

そこで思い出したのです!
イシコメの運営元である我が社には眼科医がいたということを!

今回、オフィスで働く皆様の目を救うべく、現役の眼科医にドライアイについてのインタビューを実施しました。
ぜひこの記事を参考にして、日々のつらい症状に立ち向かってくださいね!

ドライアイってよく聞くけど、なんなの?

今回教えてくれるのは眞鍋先生(32歳・独身)

結構イケメンな感じの眞鍋先生

人物紹介:眞鍋 歩

現役医師として患者さんの診療を続けながら、メドピアに所属して日本の医療の向上のため日々邁進しているナイスガイ

―― お疲れ様です、眞鍋先生を知らないみなさまのために自己紹介をお願いします。

はじめまして、眞鍋歩です。
日本大学医学部を卒業し、現在は日本大学病院で眼科の外来をしています。
医師としては8年目で、32歳です。

メドピアでは「first call」のお手伝いなどさせてもらっています。
なるべく患者さんと接する機会を減らさないように、現在でも週1日の外来と手術は続けています。

―― 今日はドライアイについて教えて下さい。

はい、僕が知っている範囲でお答えできればと思います。

ドライアイはれっきとした病気

―― まず、ドライアイってよく聞きますけど、病気なんですか?

ドライアイは病気ですね。
『ドライアイ』という病名も存在します。

簡単にいえば涙の機能が弱まることで、目にさまざまな不快感が生じる病気です。

―― わたしも帰るころには目がゴロンゴロンしてます

それは典型的なドライアイの症状ですね。

他にも

  • 乾く、乾燥する
  • 異物感がある(ごろごろする)
  • 見えづらい(目がかすむ、視力が低下する)
  • 目が充血する
  • 疲れ目

などの症状がドライアイによって起こります。

―― 疲れ目もドライアイが引き起こすんですね

疲れ目の原因はさまざまですが、その一つがドライアイです。

疲れ目になることによって、(上記で)紹介した症状の他に頭痛や肩こりが引き起こされることもあります。

※ 参考:目の疲れの原因・対処法まとめ

症状には個人差もあるので、ここで挙げた症状がなくてもドライアイになっている可能性はあります
ドライアイは、涙の機能不全をベースとして眼に不快感が生じる状態を総合していう病気ですので、目に何らかの違和感・不快感を感じているのなら、すでにドライアイになっているかもしれません。

ドライアイの原因は何?

―― ドライアイってなんで起きるんですか?

ドライアイについては近年になって研究がとても進みました。

昔は単純に涙の量が足りないことが原因と考えられていましたが、最近では涙の質が悪いことも原因になると考えられてます。

―― 涙の質、とは?

涙は主に

  • 水分
  • 油分
  • ムチン(タンパク質)

で構成されます。

水分が足りない場合は単純に涙の量が不足します。
油分やムチンが不足すると涙が蒸発しやすくなります。

何らかの原因で3つのうちどれかに問題が起きると、ドライアイになりやすくなります。

パソコンやスマホの使用がドライアイにつながるって本当?

―― パソコンやスマホの長時間使用がドライアイにつながるとよく聞きますが、本当ですか?

VDT(Visual Display Terminal)症候群という言葉あります。
これは、パソコンのディスプレイ等の表示機器の長時間使用で目や身体、心などに支障をきたす病気の総称です。
ドライアイもこの中の一つ。

このVDT症候群について日本人が中心になって研究を行った「Osaka Study」という調査があるのですが、これによると(パソコンなどによる)1日の作業時間が8時間を超える場合、ドライアイになりやすくなるとされています。

コンタクトレンズはドライアイになりやすいの?

―― よく「コンタクトはドライアイにとってNG」みたいな話をよく聞きますが、なぜでしょうか? 目の上に被せるわけなので、水分の蒸発を防げるんじゃないかと思うのですが。

たしかにそうですよね。
実際に目の水分の蒸発量が変わるかはわかりませんが、そのイメージはなんとなくわかります。

ですが、結局コンタクトレンズは目にとって異物です。
目にとって異物は極力入れないほうがいいものです。

コンタクトレンズが目に入っている事によって、本来目に備わっている「眼をキレイに保つ機能」がうまく働かない事があります。
コンタクトレンズと眼の間にゴミなどが入っても、それを取り除くことが出来ません。

眼球が傷ついてしまうこともあるので、コンタクトレンズはドライアイにとってよくないということになります。

―― ソフトとハードであれば、どっちがマシとかはありますか?

以前は酸素透過率などの問題からハードレンズの方がいいとされていました。

しかし今ではソフトレンズの素材もかなり良くなっているため、ハードとそれほど変わらない性能を持っています。

それほど神経質になる必要はなく、自分のつけ心地がいいものやライフスタイルの合ったものを選ぶのが一番です。
ソフトかハードかより、消毒などのレンズケアをしっかり出来るかが重要です。

ドライアイってどうやって治すの?

放置しちゃだめ?

―― ドライアイに悩んでいる方は非常に多いです。でも「治療してきた」とは聞いたことがありません。放置してもいいものなんですか?

基本的には放置しないほうがいいです。

放置すると症状が悪化して、頭痛や肩こりを始め、全身に悪影響が出てくる事があります。
中には日常生活において困難が生じるケースもあるので注意が必要です。

また、ドライアイの特徴として午前中よりも午後や夕方になるにつれて症状がひどくなるという点があげられます。

例えば車を運転するような仕事をしている場合に、昼間は大したことがなくても、夕方になって運転出来なくなるほどの症状が出ることもあります。
短時間でも症状の程度に差が出ますので、自覚症状が出た時点で病院にいくなど、何らかの対策をとることをおすすめします。

―― そうはいっても、毎日のことですし、「そうだ 病院、行こう」とはなりません

そうですよね。笑

笑う眞鍋先生

―― 「さすがにこうなったら病院行ったほうがいいよ」という基準みたいなものはありますか?

これはよく患者さんにもお伝えするのですが、眼科は自覚症状の有無や程度が非常に重要な科です。

結論としては「ご自身が辛かったら行ってください」となりますね。

少なくとも、日常生活に支障をきたすレベルになったら、受診したほうがいいと思います。
まぁ、その判断もなかなか難しいというのが現実だとは思いますが。笑

自分でできるドライアイの対処法

―― 病院に行かなくても、自分でできる対処法って何がありますか?

目薬がおすすめですね。
特にソフトサンティアという目薬がおすすめです。

これは通常の市販薬(OTC医薬品)よりも効果が高く、かつ処方箋が無くても購入できる目薬です。

眼科で処方されるものよりは効果が弱いですが、市販薬と比べれば効果が高く、防腐剤なども少ないので、初期のドライアイの場合は自分で使うことで効果が期待できます。
処方箋もいらないため、手軽にできるところもポイントです。

(※ 注:ステマっぽいですが、販売元との金銭のやり取り等は一切発生しておりません。)

ちなみに、さすと目がスースーする目薬ってあるじゃないですか。
あれ、本当は避けたほうがいいんですよ。

―― え、そうなんですか?

スースーさせる成分は目にとっては異物ですので、あまりいいものとはいえません。
スースーしたほうが効いてる感じがして、気分的にはいいかもしれないんですけどね。

本来「効果を得るための成分だけ目に入れる」のが理想です。

この理想に一番近いのはやはり病院で処方される薬剤です。
今回紹介したソフトサンティアは症状が軽度の場合に使用し、それでも症状が治まらないようなら病院に行くことをおすすめします。

―― なるほど。あと、ホットアイマスクとか流行ってますけど、あれは効果あるんですか?

あれは効果あると思いますよ。
市販のホットアイマスクや、お湯を絞ったホットタオルでも大丈夫です。

涙の成分である油分を供給するための、マイボーム腺という部位が目にはあるんですが、それが詰まることがあるんですよね。
そうすると水分が蒸発しやすくなるので、ドライアイになりやすいです。

ホットアイマスクで目の周りを温めてあげると、毛穴が開くようにマイボーム腺も開き、詰まったものも柔らかくなります。
目を温めたら、あとは軽くマッサージしてあげるなどすれば、マイボーム腺のつまりが解消して、ドライアイの改善を期待することが出来ます。

病院に行ったらどんな治療をするの?

真面目にドライアイの治療法について語る眞鍋先生

―― いざ病院に行ったら、どんな治療をしてもらえるんですか?

基本は目薬です。

目薬の種類や使う回数、期間はさまざまです。
水分・油分・ムチンのどれが足りないのかによっても異なりますし、症状の程度によっても異なります。

最初は「1日に5回」などと決めて同じ時間に使うようにしてもらいますが、自覚症状の程度によって回数を増減させます。
調子が良ければ回数を減らしますし、悪ければ増やしてもらうか、目薬の種類を変えます。

それによって、最終的には目薬を使用しなくても良い状態になる、というのが目標です。

―― 他にはどんな治療がありますか?

塗り薬というか、眼に使っていい軟膏があるのでそれを用いることもあります。

例えば寝ている間に薄目が開いてしまう方もいますが、そういった方は寝る前に塗ってから就寝するなどしてもらいます。

他には涙点プラグという治療があります。

これは涙点という涙の出口を物理的に塞ぐことで、涙の流出を防ぎ、乾くのを防止する治療です。
重症のドライアイの場合に行うことが多いです。

逆にやっても意味のないこともある

―― 「ひまし油」を目に入れるとドライアイに効くって聞いたんですが本当ですか?

やめた方がいいですね。

正直、効くかどうかはよくわかりません。
そういった研究も見たことがありませんし、わたし自身も処方等はしたことがないので。

ですが、基本的に目に入れるものですので、大前提として清潔であることが求められます。
医療用に用いられるくらい滅菌された清潔なひまし油というのは売っていないと思います。

ひまし油を使ったからといって涙の量が増えるわけでもなければ、安定するわけでもありませんので、使用しないでください。

―― ブルーベリーやルテインなど、ドライアイに効くとうたったサプリは山ほどありますが、実際効くのでしょうか?

あれは目にはいいですが、ドライアイには効きません

ああいったサプリに含まれているのは、目の奥にある網膜などの機能が、加齢等で弱まることを防止する効果がある成分です。
目の表面にある水分の維持など、ドライアイを軽減する効果はありません。

目にいいのは確かなので、飲むことはいいことです。
しかしドライアイへの効果だけを期待して飲むのはおすすめできませんね。

ドライアイの予防方法

―― ドライアイを予防するにはどんな方法がありますか?

できればパソコンなどの使用時間を減らすことが一番です。
ただ、なかなか難しいと思うので、

  • 1時間に1回は休憩を挟む、遠くを見る
  • 目をギューっとつむる
  • まばたきを意識して多く行う

など、適度に目を休めてあげることが大切です。

また環境も重要です。

人間の目は上にあるものを見るとき大きく開くように出来ています。
パソコンのディスプレイが目線よりも上にあると目が大きく開いてしまい、水分が蒸発しやすくなります。

したがってディスプレイの位置を下げ、姿勢を正しくするだけでもドライアイの予防には効果的です。

次にドライアイの症状がなくても、常日頃から目薬を使うことですね。
1日1回とかでいいので、先程ご紹介したソフトサンティアや眼科で処方される目薬を使ってください。

あとは、冷暖房が直接当たるような状態だと目が乾きやすくなるので、それを避けることも重要です。

―― ちなみに、眞鍋先生はドライアイへの対策とかって何かしてますか?

ぶっちゃけ、僕もドライアイなんですよ。笑

爆笑する眞鍋先生

中学生の頃からずっとコンタクトを使っていて、それが原因かはわからないんですけど。

なので、普段から目薬使ってます

基本的に目薬はコンタクトの上から使っちゃいけないんですよ。
ただ眼科で(ドライアイに)処方する薬にもコンタクトをしたまま使える薬があるので、それを1日1回くらい使うようにしています。

コンタクトをしている人、長時間パソコン作業をする方などは、何かしら目薬を持ち歩くといいと思いますね。
目の乾きを感じるなど、少しでも気になる点があったらそれを使うようにしてください。

―― まさか眞鍋先生もドライアイだったとは。まさにドライアイのプロにお話が聞けてよかったです。

いえいえ。笑
本日はどうもありがとうございました。

普段からのケアが大切、無理なら遠慮せず病院へ

最後に眞鍋先生の記念撮影をしました

とてもたくさんの情報をいただけたので、すごく長い記事になってしまいました。
ここまでお読みいただいたみなさま、ありがとうございます。

ドライアイは普段から目を大切にすることが大切ということが分かりました。
それでも限界はあるので、辛い症状が治まらなければ遠慮せずに眼科を受診してくださいね。

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