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生理前のイライラが病気!? 女性の9割が経験するPMS(月経前症候群)とは

生理でイライラする!
月経前症候群(PMS)は黄体期の女性ホルモンが関係して起こる説が有力ですがまだ原因は不明とされています。症状は身体症状、精神症状とあり個人差があります。症状を悪化させてしまうものは主に生活習慣にあり、ストレスが大敵です。
医療の現場
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女性ならほとんどの人が経験のある生理前の不調。
お腹が痛かったり、身体もだるくてイライラする!

調子の悪さから、周囲の人にも当たってしまうことなどありませんか?

それはPMS(月経前症候群)かもしれません。

このPMSの症状は身体も心も狂わせてしまうもの。
一体どうしてPMSは起こってしまうのでしょうか。

今回は女性みんなの悩み、PMSについてまとめてみました。

PMS(月経前症候群)ってなに?

まずどんな病気なのかみてみましょう。

PMSはPremenstrual Syndromeの略で、日本語では月経前症候群のことをいいます。

月経の始まる3日~10日前から、身体面や精神面に様々な不調が現れ、月経が始まると症状が消失します。

PMSは9割の女性が感じてる

症状の程度に個人差はありますが、実に女性の90%がなんらかのPMSによる症状を感じているそうです。

ほとんどの女性が経験していながら、我慢して過ごしていることが多いのかもしれません。
相手が女性であっても相談しづらいですし、ましてや男性に理解してもらうとすれば相当難しいですものね。

PMSの主な症状

PMSの症状

とくに精神面の症状は困りモノです。
症状が重くなると、怒りが爆発したり、突然涙が出たり、感情をコントロールできなくなってしまうこともあります。

このような症状から仕事や人間関係がうまくいかなくなり孤立したり、社会的な支障をきたすこともあるんです。

そんな症状もあら不思議、月経が始まるとすっかりおさまってしまうというのがPMSの特徴です。

身体面の症状

  • 腹痛
  • 頭痛
  • 乳房の張り、痛み
  • めまい
  • 肩こり
  • むくみ
  • 冷え
  • ニキビ、肌荒れ
  • 便秘
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 過食
  • だるさ
  • 吐き気
  • 関節痛
  • 動悸

など

精神面の症状

  • 気分の落ち込み
  • イライラ
  • 不注意
  • 意欲の低下
  • 集中力低下
  • 不安感
  • 性欲減退、増進
  • 甘い物が食べたくなる

など

排卵痛や生理痛とはどう違う?

PMSは腹痛やイライラがあったり、排卵痛、生理痛とも症状が似ていますね。
違いはどういったものなのでしょうか。

生理痛

月経(生理)中に起こり

  • 下腹部痛
  • 頭痛
  • 胸の張り
  • 腰痛
  • だるさ
  • 冷え

などの症状があります。

プロスタグランジンというホルモンの分泌によって子宮が収縮され、過剰に分泌された場合に痛みが発生します。
ストレス、冷え、生活習慣の乱れによって酷くなると言われています。

生理痛に関しては「男子注目! 生理が辛い原因と女性からの評価が上がる行動5選」で解説しています。

排卵痛

排卵日やその前後に起こり、症状は

  • 下腹部のちくちくするような痛み
  • お腹の張り
  • おりものが増える

などがあります。

痛みの原因は明らかになっていませんが、

  • 排卵前の卵巣の腫れ
  • 排卵時に卵胞から卵子が飛び出るときの痛み
  • 排卵後の卵巣内の出血による痛み

ではないかといわれています。

PMSと生理痛・排卵痛は仕組みから違う

PMS、生理痛、排卵痛はそれぞれ、症状を出す時期も違えば、痛みを発生させる原因もまったく違うことがわかります。

それにしても、

  • PMS:月経(生理)前
  • 生理痛:月経(生理)中
  • 排卵痛:排卵前後

となると、「いつ休まるんだ!」って感じですよね。笑
女性の体がいかにデリケートかを表わしているようです。

PMSになりやすいタイプがある

PMSになりやすいタイプの人がいる

PMSは発症しやすいタイプがあるようです。
どういったことが関係しているのでしょうか。

性格が関係している

PMSになりやすい女性はこういった性格の人が多いようです。

  • 真面目
  • 几帳面
  • 完璧主義
  • 自分にきびしい
  • 負けず嫌い
  • こだわりが強い
  • 我慢強い
  • 感情をあまり表現しない

真面目でしっかりしてそうな女性のほうがPMSになりやすいんですね。
ストレスを溜めやすそうなので、それが関係してそうです。

生活習慣が関係している

  • 飲酒や喫煙の習慣がある
  • コーヒーをよく飲む
  • 生活リズムが乱れている

カフェインやアルコールは活動的に動くのに必要な交感神経を興奮させる作用があります。
日常的にたくさん摂取していると自立神経を乱してしまい、PMSを発症させてしまう原因になる場合があります。

生活リズムの乱れも、ホルモンバランスをくずし、PMSを発症させやすくなります。

病気が関係している

PMSに似た症状を持っている病気もあります。

それぞれ症状が煮ているため、間違いやすいです。
「婦人科に行ったのになかなかよくならない!」という方はこれら他の病気の可能性がありますので、一度精神科や総合内科など、他の病院に行ってみるといいかもしれません。

・ うつ病

気分の落ち込みが酷く、月経前の時期と関係なく二週間以上続くようならうつ病かもしれません。
心療内科、精神科を受診しましょう。

・ 更年期障害

更年期を迎えると卵巣から分泌されるエストロゲンが減少しホルモンバランスがくずれ、PMSと似た症状を引き起こします。
だいたい45歳くらいから55歳くらいの間におこるのが特徴です。

月経前時期に限らず症状がある場合は更年期障害の可能性があります。

・ PMDD(月経前不快気分障害)

PMDDはPMSより精神面の症状が激しく出ます。
日常生活が送れないような支障が出ているならPMDDかもしれません。

・ 月経困難症

PMSと月経困難症の違いは、月経前ではなく月経中に症状が出るということです。
月経困難症は子宮の収縮により下腹部の痛みが強いのも特徴です。

子宮の病気などから起こっている場合もあります。

・ 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

20代から30代に多くなる病気で、甲状腺機能が高くなりPMSにと似た症状を出します。

動機や倦怠感がとても強くなります。
また甲状腺が腫れ、首が太く見えたり眼球突出など身体に症状がでます。

こういった症状が現れた場合、すぐに内科か内分泌科を受診しましょう。

バセドウ病の症状については「女性に多いバセドウ病、どんな症状が出る?」を参考にしてください。

・ 甲状腺機能低下症(橋本病)

橋本病は自己免疫が原因で甲状腺に炎症が起きている病気です。

むくみや冷え、集中力の低下がありPMSに似た症状ですが、甲状腺の腫れで首が太く見えたり、皮膚の乾燥を伴うのが違いになります。

30代半ばに発症しやすい

PMSは20代から40代に発症されるものですが、とくに30代が重くなる傾向があるようです。
30代中期症候群」といわれていて、身体の症状に加え、精神面の症状が非常に強くなります。

実際の年齢というよりは、30代のライフステージが原因のようです。

30代は一般的に仕事で部下ができ責任が増えたり、結婚など生活環境が変わる時期です。
子育てで毎日忙しくしている人も多くいます。

責任や忙しさ、環境の変化により知らず知らずストレスが溜まり、PMSの症状がひどくなると考えられています。

出産経験によって引き起こされることも

出産経験があるか無いかでもPMSに影響があります。
出産経験の無い方は身体症状に悩むことが多いのですが、出産経験がある方は精神面の症状を訴えることが多いようです。

妊娠をきっかけに生活が変化して、出産以降は子育ても始まり、生活がそれまでとは大きく変化します。

精神面で様々な影響を受けることがPMSの症状にも反映しているようです。

PMSの原因

近年になってPMSが注目されていますが、原因はまだはっきりとわかっていません

ただ、いくつか有力とされている仮説があるので紹介します。

エストロゲンとプロゲステロン不均衡説

PMSの原因に月経サイクルによるホルモンバランスの変化が関係していることもある

女性ホルモンの一種である「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が関わっていると考えられています。
生理前の黄体期に分泌されているこの2つのホルモンバランスの変化がPMSの症状を引き起こしている、という仮説です。

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
    → 女性らしい身体をつくり、自律神経を整える働きがある。
     
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)
    → 妊娠を助ける働きがある。

しかしみなさま御存知の通り、PMSは個人差がとても大きいです。
これらのホルモンは月経がある女性は皆同じように出ているもののため、ホルモンバランスだけが原因とはいえないのではないか、という意見も多いようです。

中枢ホルモン異常説

月経前に脳内のホルモン、セロトニンが低下して精神面に不調をもたらしているという説があります。

セロトニンは精神の安定や幸福感をもたらす作用があるので、これが低下することで精神症状を引き起こすのではないか、という説です。

水分貯留説

黄体期にプロゲステロンが増加し、その働きによってむくみが出やすくなります。

身体に溜まってしまった余分な水分が症状の原因になっているという説があります。

さまざまな要因が絡み合って生じている?

他にも

  • オピオイドペプチド消退説:βエンドルフィンが減少して起こるという説
  • ビタミン欠乏説:ビタミンの不足により起こるという説

など、さまざまな仮説がとなえられています。

また、本人の性格や精神的なストレスなども関係しているともされています。

決定的な理由は不明ですが、様々な要因が複合して症状を引き起こしているようですね。

PMSを悪化させる習慣

PMSには日頃の生活習慣が大きく関わっています。
ただでさえ辛いPMSを、さらに悪化させてしまう生活習慣をご紹介します。

悪化原因① アルコール、カフェイン

カフェインやアルコールは脳の交感神経を興奮させる作用があります。

これによって脳や身体を休めることができなくなり、PMSによるイライラや不眠の症状を悪化させてしまいます。

※ 不眠については「不眠症ってどんな症状が現れる?不眠症の原因と改善方法」をご確認ください。

悪化原因② 塩分の多いもの

塩分の多いものはむくみを悪化させてしまいます。

喉も渇きやすくなり、水分のとり過ぎにも繋がってしまうので注意が必要です。

悪化原因③ 砂糖の多いもの

PMSの症状で甘い物が欲しくなってしまうことがあります。
しかし甘い物は血糖値を急激に上げますが、その後わたしたちの身体の仕組みで急降下し、逆に低血糖状態になります。

低血糖状態になると体がだるくなったり、動悸、イライラ、めまいなどが現れます。

悪化原因④ ストレス

ストレスを溜めないよう気をつけることも大切です。

ストレスは交換神経・副交感神経に大きな影響を及ぼします。
ゆっくり休んだり、趣味を楽しむなど解消することを心がけてください。

悪化原因⑤ ピルの副作用

避妊のために使われるピルですが、PMSの症状を緩和するために処方される場合があります。
ピルには排卵を抑制し、女性ホルモンを安定させる働きがあルタ目です。

しかしピルには副作用があり、人によってはそれが強く出てしまうことがあります。
頭痛や吐き気と行った症状が出ることもあり、それがPMSが酷くなったかのように感じることがあるのです。

服用して頭痛や吐き気などの体調不良を感じた場合は医師に相談してみましょう。

辛い時は周囲の人の理解を得る努力も大切

PMSは女性ならほとんどの人が症状を感じているものですが、それが重い場合は本当に辛いですよね。
個人差があるので症状を理解してもらえないこともあるかもしれません。

女性の身体は妊娠ができるように日々変化を繰り返しています。
PMSはそんな女性の身体を労わってあげる目安なのかもしれません。

疲れたなと思ったらゆっくり休み、周囲のひとにも助けてもらいながら生活を改善していくことがPMSを発症させない秘訣ではないでしょうか。

医師のコメント

  • 眞鍋 歩
    PMSが性格と関係しているかどうかは疑わしいですが、PMSでで苦しまれている方はかなり多いかと思います。 お辛い時は我慢せず、婦人科でご相談されるようにしてくださいね。
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