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精神科医200人にきいたうつ病の症状となりやすい性格・なりにくい性格について

うつ病の男女
うつ病・躁鬱
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まだまだ寒い日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

冬は寒くて元気が出ないし、昼間の時間も短くて憂鬱な気分になりがちですよね。
これを冬季うつ病というそうですが、そういった季節性のものを除いても、うつ病は近年増加傾向にあるそうです。

平成8年には43.3万人だったうつ病等の気分障害の総患者数は、平成20年には104.1万人と12年間で2.4倍に増加しました。「患者調査」は、医療機関に受診している患者数の統計データですが、うつ病患者の医療機関への受診率は低いことがわかっており、実際にはこれより多くの患者がいることが推測されます。

引用元:厚生労働省:政策レポート(自殺・うつ病等対策プロジェクトチームとりまとめについて)

少し古いデータですが、上記の通り、厚生労働省によるとうつ病患者数は12年間で2.4倍にもなっています。
また、上記のページからも分かる通り、自殺者の4割強がうつ病を原因としており、社会問題化しています。

今回はうつ病の初期症状や男女での違い、うつ病になりやすい性格について、精神科医・心療内科医212人にアンケート調査を行いましたので、その結果を共有したいと思います。

※ 本調査は2017年2月9日に、医師専用サイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて精神科・心療内科の医師に向け行われました。

うつ病の症状は個人差があり人それぞれ

うつ病には様々な症状があります。
インターネット上で「うつ病の症状」として紹介されているもので、よく見かけるものは下記のとおりです。

  • 気分が落ち込む(特に朝)
  • 悲しい気持ちや憂うつな気持ちになる
  • 集中力が低下し、仕事の能率が落ちる
  • 些細な決断ができない
  • 注意力が散漫になって、人のいうことがすぐに理解できない
  • 今まで好きだったことや趣味をやる気になれない
  • 友人や家族と話すのも面倒になり、会話が楽しくなくなる
  • テレビや新聞、本などに面白さを感じなくなる
  • 不安や落ち着きのなさ(焦燥感)でじっとしていられない
  • 毎日生活に張りが感じられない
  • 眠れない(入眠困難)
  • 寝すぎる(過眠)
  • 朝、目覚ましよりも早く目が覚める(早朝覚醒)
  • 夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)
  • 寝た気がしない(熟眠障害)
  • 食欲がない
  • 食欲が止まらない
  • ダイエットをしていないのに、体重が1か月で数キロも減った
  • 甘い物が過剰に欲しくなる
  • からだがだるい、疲れがずっと残っている
  • 月経不順
  • 勃起障害
  • 性欲の低下
  • 頭痛(頭に鍋をかぶったようなすっきりしない鈍い痛み)、頭重感
  • 肩、背中、四肢関節などさまざまな部位が痛む
  • 便秘
  • 心臓がドキドキする(動悸がする)
  • 胃の痛み
  • 発汗
  • 息苦しさ、窒息感

めちゃめちゃ多いですね。

これらの症状、本当にうつ病の症状として起こりうるのか、医師にきいてみました。

図1_本当にこういった症状があるか

すると、6割弱の医師が上記にあげた症状は全てうつ病の症状として起こりうると回答しました。

「起きないものもある」と回答して頂いた医師には、どれがうつ病の症状に当てはまらないか質問しました。
しかしうつ病の症状として当てはまらないとする意見は最も多いものでも15%にとどまっていました。

このことから、うつ病の症状は個人差が有り、一概に「こんな症状が出るよ!」というのは決めつけることは出来ないと言えるでしょう。

初期に出やすい鬱病の症状

症状に個人差があることはわかりましたが、(特に初期に)共通して見られやすい症状について質問しました。

図2_初期に出やすい症状

すると、「(特に朝方に)気分が落ち込む」症状が出るという意見が最も多く、全体の51%の医師がそのように回答しました。
次いで「集中力が低下し、仕事の能率が落ちる(45%)」「眠れない(入眠困難)(32%)」などを初期症状とする医師の割合が高かったです。

男女によっても症状が違うと考える医師が過半数

続いて、男女によって症状に違いがあるかどうか質問しました。

図3_男女で症状に違いはあるか

すると全体の6割の医師が「男女で鬱病の症状に違いがある」と回答しました。

男女における鬱病の症状の違い

男女間で症状に違いがあるとした医師127名に、具体的にどんな違いがあるかを質問してみました。

図4_女性に多い症状

すると、女性に多い症状として、半数以上が女性特有の現象である月経不順をあげました。
ほかに、気分の落ち込みやコミュニケーションにおける問題を指摘する声が続いています。
「甘いものが過剰に欲しくなる」というのは、いかにも女性らしい症状に感じますね。

図5_男性に多い症状

一方、男性に多い症状として最も選択されたのは「集中力が低下し、仕事の能率が落ちる」というものです。
うつ病とは無関係に、そもそも就業率が男女では差があるので、これは当然かもしれませんね。

続いて、男性特有の現象である勃起障害、性欲の低下をあげる医師が多く見られました。

8割の医師が「うつ病になりやすい性格は存在する」と回答

次に、「うつ病になりやすい性格」が存在するかどうか質問してみました。

図6_鬱になりやすい性格は存在する?

すると、8割を超える医師が「うつ病になりや牛性格は存在する」と回答しました。

最もうつ病になりやすいのは「生真面目、完璧主義」な人

図7_うつになりやすい性格は?

「うつ病になりやすい性格が存在する」と回答した医師177名に、具体的にどんな性格がうつ病になりやすいかを質問してみました。

すると、7割弱の医師が「生真面目、几帳面、完璧主義、凝り性」と回答しました。

  • 50代女性 精神科医
    自分にも他人にもハードルを高くしがちであり、それをクリアできないと強いストレスを受けます。「こんなはずじゃない」という強い思いがあるため、少しでも理想にそぐわないと自分を責めたり、他人の分まで背負い込んで落ち込んだりしてしまいます。結果、いらない疲れを溜め込みやすくなります。仕事だけでなくプライベートでも同様の傾向にあるので、休むことができません。

この性格の方がうつ病になりやすい理由として、ほとんどの医師が上記のような趣旨のコメントをしています。

次いで多かったのが、「責任感、義務感、自己責任の意識が強い」タイプであるという回答で、2割強の医師が選択しました。
理由としては

  • 50代男性 精神科医
    責任感が強すぎると自分の能力以上の仕事を抱え込んでしまうから。
  • 30代男性 精神科医
    義務感を持っての行動が多すぎる方はうつ病になりやすいといえます。

といった回答がありました。

「うつ病になりにくい性格」も存在する

うつ病になりやすい性格が存在するのはわかったんですが、逆に「うつ病になりにくい性格」は存在するのでしょうか?

図8_うつになりにくい性格は存在する?

存在するらしいです。

医師にきいてみた所、約6割の医師が「うつ病になりにくい性格は存在する」と回答しました。

では、具体的にはどんな性格ですとうつ病になりにくいのでしょうか?
医師からのコメントを紹介します。

  • 50代男性 精神科医
    物事にこだわらず楽天的な人ですね。
  • 50代男性 精神科医
    楽観主義で友人が多いく、愚痴が言える環境を作れる人。喜怒哀楽を表現できるとよりうつ病にはなりにくいです。
  • 40代男性 精神科医
    幼少の頃過ごした過程の幸福度が高いほどうつ病にはなりにくい性格になると思います。
  • 50代女性 精神科医
    物事にあまりこだわらず、適当に揚力よくなんでもうまくやることができる人。少々間違っていたり曲がっていたりしても、気にならない人。うまくいかないことを他人のせいにできる人。自分の感情を躊躇なく他人にぶつけることができる人。

たまには肩の力を抜くことが大切

うつ病の症状には様々なパターンが有り、人によって出る症状が異なります。
男女によっても症状が異なりますが、ある程度は傾向がありますので、不安になった方は今回ご紹介した症状が自分に当てはまるか比べてみると良いでしょう。

そのうえで、もし自分がうつ病かもしれない、なりかけているかもしれないと思う部分がありましたら、迷わず医療機関を受診することをおすすめします。

また、今回ご紹介したうつ病になりやすい性格・なりにくい性格をぜひ参考にしていただきたいと思います。

自分の性格がうつ病になりやすい方だと感じたら、普段から意識してストレス発散をしたり、うつ病になりにくい性格を参考に意識転換をはかってみていただけると幸いです。

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