医師の喫煙率は10%未満! 医師4000人アンケートでわかったこと

医師の喫煙状況は?
医師の喫煙率は1割未満と、全国平均と比較して非常に低くなっています。「医師として吸うわけにはいかない」という職業倫理に基づいた考えを持つ方も非常に多く存在します。煙草による健康被害は明らかなので、可能な限り禁煙していきたいですね。
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いきなりですが、みなさんはタバコを吸っていますか?
ちなみにわたしは非喫煙者です。

最近は喫煙所もどんどん減り、喫煙者の方は肩身の狭い思いをされているかもしれませんね。

実は、一部の小規模店舗を除き、全ての飲食店を原則禁煙とするための法案が今国会に提出される見込みです。
飲み会に行くとほぼ間違いなく誰かがタバコを吸っていますが、それもなくなるかもしれないということですね。

賛否両論ある中、「低所得者ほど喫煙率が高い」という話を聞き、本当かどうか調べてみたのですが・・・

収入と生活習慣の関係

〈所得と生活習慣等に関する状況〉

・世帯の所得が600万円以上の世帯員と比べて、200万円未満、200万円以上~600万円未満の世帯員は、女性の肥満者、朝食欠食者、運動習慣のない者、現在習慣的に喫煙している者の割合が高く、野菜の摂取量が少なかった(P31,32)。

引用元:平成22年国民健康・栄養調査結果の概要 |報道発表資料|厚生労働省

(太字はこちらで追加しました。)

本当でした。

では、高所得者の代表なうえ、健康のスペシャリストである医師の喫煙状況はどうなっているのでしょうか。

3873名の医師に向けたアンケート調査の結果をご紹介したいと思います。

※ 本調査は2014年5月20日から同年5月25日にかけて、医師専用サイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて全診療科の医師に向け行われました。

医師の喫煙率はたったの10%未満!

医師に

  • 喫煙したことはない
  • 以前喫煙していた(現在は喫煙していない)
  • ときどき喫煙している
  • ほぼ毎日喫煙している

のうち、該当するものを選択してもらったところ

医師の喫煙状況

なんと、そもそも6割以上の医師が喫煙したことがないと回答しました。
これはデータが無いので比較しようがありませんが、もしかしたら一切タバコを吸ったことがない人の割合は一般人であってもこんなものなのかもしれませんね。

そして、「2. 以前喫煙していた(現在は喫煙していない)」と合わせると91%の医師が現在タバコを吸っていないということになります。

つまり、タバコを吸っている医師はなんとたったの9%!

ちなみに厚生労働省によると、平均の喫煙率は男性で32%、女性で8.5%です。

現在習慣的に喫煙している者の割合は、19.3%である。性別にみると、男性32.2%、女性8.2%であり、男女ともに10年間で減少傾向にある。

引用元:最新たばこ情報|統計情報|成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査)

医師の8割が男性であることも考えると、全国平均と比べて医師は明らかにタバコを吸わないことがわかります。

「タバコを吸ったことがない」という医師のコメント

ここで、「タバコを吸ったことがない」と回答した医師のコメントをいくつかご紹介します。

  • 50代男性 一般内科医
    喫煙者が病気になって使う医療費の補てんのため、喫煙する方には医療保険の保険料を沢山払ってもらうべき
    ですね。もしくは、1箱5千円にして医療費に当てるべきというのが30年前からの私の持論です。
  • 50代女性 脳神経外科医
    たばこを吸う人は医療に従事してはいけないとさえ思います。
  • 50代男性 一般内科医
    医師以前に、十分な情報社会に住んでいるなら、喫煙の問題は理解できるはずです。依存、環境、火災、医療からみた国家予算、貿易など、タバコの問題は多方面に絡みます
  • 50代男性 一般内科医
    毎日1本以上喫煙する人は議論の余地なく禁煙すべきです。ただ、年に数本しか吸わない人もいて、この場合はリスクとベネフィットを各自でお考えください。
  • 30代女性 健診・予防医学
    受動喫煙の煙草の煙で目や鼻の調子が悪くなります。人体に害のあるものなのに、規制されないのが不思議です。メディアも中国からのPM2.5にはナーバスなのに、PM2.5が含まれる煙草に関してはあまり報道していないのが腹立たしいです。

吸ったことがないので当たり前ですが、全体を通して「喫煙者の気持ちが理解できない」とする意見が多かったです。
また、「医療者が吸うべきではない」とする意見も多く見られました。

禁煙に成功した医師のコメント

次に、「以前喫煙していた(現在は喫煙していない)」と回答した医師、つまり禁煙に成功した医師のコメントを紹介したいと思います。

  • 50代男性 一般外科医
    職場が全面禁煙になり、自宅で吸っていると職場で我慢できなくなるため、完全に止めました。
  • 70代男性 小児科医
    30年前に、ちょうど受動喫煙の害が言われ出した頃に禁煙しました。大学で学生指導をしていた頃で、医学生と一緒に禁煙しようと言った覚えがあります。
  • 60代男性 感染症科医
    タバコはやめてから咳・痰が無くなりいい感じです。喫煙者のひどい臭いに閉口しています(以前は自分もあんな臭いがしていたかと思うとゾッとします)。

「学生時代は吸っていたが、医師になったのを機にやめた」という意見が多く寄せられました。

また、病院が施設内禁煙になったのを機にやめたという声も多かったです。
今回の飲食店禁煙化を機に、飲食業で働く方の喫煙率も下がるかもしれませんね。

ちなみに、禁煙するのに苦労した方よりも、すんなりやめられたという医師のほうが多いようでした。

特に呼吸器内科の医師はタバコを吸わない

愛煙家の中には、健康診断などのときに医師からタバコをやめるように言われたことのある方も多いと思います。

医師は仕事として、患者に禁煙指導をすることがありますので、タバコを吸わない理由としてそれをあげる医師も複数名いらっしゃいました。
「自分が出来ないことを患者に言うことが出来ない」とコメントした医師もいらっしゃいます。

禁煙指導をすることの多い診療科である、呼吸器内科の医師は特にタバコを吸わない方が多いことが分かりました。

今回のアンケートを答えた医師の中で、第一標榜科目を呼吸器内科とする医師55名にしぼった結果がこちらです。

呼吸器内科医の喫煙状況

「1. 喫煙したことはない」「2. 以前喫煙していた(現在は喫煙していない)」と回答した医師を合わせると、なんと97%の方がタバコを吸っていないと回答しました。

呼吸器内科を専門とすると、COPDなど、タバコを原因とする病気を患う方を毎日見ることになるからでしょうか?
呼吸器内科医の方からいただいたコメントを紹介します。

  • 30代男性 呼吸器内科医
    呼吸器内科医ですので、喫煙をしていては患者さんに示しがつきません
  • 40代男性 呼吸器内科医
    呼吸器学会員は(名目上)禁煙してます。当然わたしも禁煙していますし、禁煙外来もやっており、指導する立場です。
  • 50代男性 呼吸器内科医
    呼吸器内科専門医の資格をとるには非喫煙が前提です。

呼吸器内科の専門医資格取得が非喫煙者であることが前提なのは知りませんでした。
(勉強不足で申し訳ございません・・・)

呼吸器内科の先生は、やっぱりさすが!って感じですね。

医師は喫煙者に対し理解もしている

医師は喫煙者に理解も示している

インターネット上ではしばしば喫煙者叩きのようなことも行われています。
実際、医師の中にも

  • 30代男性 皮膚科医
    正直喫煙している人の気がしれない。副流煙など考えると、ある意味犯罪に値することを喫煙者は認識すべきと思います。
  • 50代男性 一般内科医
    タバコの臭いが大嫌いです。自分が見ている患者の家族がヘビースモーカーだと憂鬱です。面会にいらっしゃった後は、患者の服や髪にタバコの臭いが染み付き、病室に残ってしまいます。臭くてかないません。
  • 40代男性 アレルギー科医
    タバコは絶対イヤです!!! 飲食店で隣の奴が喫っていると、メニューとかであおいでやります。

このようにコメントされる方もいらっしゃいます。

ですが、基本的に医師は喫煙者の方にも理解を示す方が多いようです。
ニコチンの依存が病気であることを理解されているからでしょうか。

  • 50代男性 一般内科医
    過剰な嫌煙活動には反対です。むしろ分煙を徹底すべきと考えます。喫煙が健康被害をもたらす事実は多くの研究で証明されていますが、であれば法的に禁止すれば良いのです。それが出来ないのですから、しっかりした分煙が現実的でしょう。
  • 50代男性 一般内科医
    タバコの臭いが大嫌いですが、吸いたい人が吸える場所がないというのは気の毒かなとも思います。遠慮なく吸える場所も作ってあげてください。
  • 30代女性 麻酔科医
    人生の中で一度も喫煙したことがないので、良さは分かりませんが、煙草を吸っている人を見ると、ただただかわいそうに思います。

一方、タバコを吸う医師の意見は「個人の嗜好だから放っといて欲しい」

タバコくらい吸わせて欲しい

では、タバコを吸う医師はどのような考えをお持ちなのでしょうか。

  • 60代男性 腫瘍外科医
    喫煙による健康障害は十二分に理解しています。しかし禁煙に伴うストレス・反動等を考え、喫煙継続中です(本数はかなり減りましたが)。さらに、煙運動家(特に女性の運動家)の過敏すぎる態度やヒステリックな話しぶりに遭遇すると、決して禁煙する気にはならないものです.
  • 40代男性 循環器内科医
    嗜好の問題であり、分煙さえきちんとできて他者へ迷惑をかけていないのであれば、とやかく言われる筋合いはないのでは?
  • 50代男性 血管外科医
    嗜好品についてガタガタ言わないで欲しい。人に迷惑をかけなければ問題ないでしょうし、お酒の方がたちが悪いと思います。

基本的にはこのように、「個人の嗜好品は自由にさせて欲しい」とお考えのようです。
また、「非喫煙者が喫煙者を感情的に嫌っているのは異常だと思います(60代男性 一般内科医)」のように、過剰な嫌煙活動に対する批判的なコメントも目立ちました。

ただし、

  • 30代男性 一般内科医
    ストレスもあり、毎日喫煙しています。やめるにやめられない今の状況を思えば、手を出すべきではなかったと思っています。
  • 40代男性 循環器内科医
    今やすっかり肩身の狭い思いしかしていません。くれぐれも吸わない人の迷惑にならないようにすることに精いっぱいです。
  • 40代男性 一般内科医
    1年以上禁煙していたがストレスで再開してしまった。禁煙が必須と思っている

といった、タバコを吸っていることを後悔するコメントや

  • 40代男性 一般外科医
    やめられません。ごめんなさい。
  • 40代男性 整形外科医
    すみません。やめてません。
  • 40代男性 アレルギー科医
    すみません。すいます。

このような謝ることしか出来ないといったコメントもたくさん届きました。
(ちょっと可愛いなと思いました。)

全体を通して、肩身の狭さや、タバコはやめたほうが良いことはわかっている、という意見がほとんどでした。

最も喫煙率の高い診療科は救急医療科

ちなみに、「3. ときどき喫煙している」と「4. ほぼ毎日喫煙している」とを足した喫煙率が最も高かったのは救急医療科の医師でした。

最も喫煙率の高い救急医療科の喫煙状況

救急医療科を標榜する75名の医師のうち、タバコを吸っていたのは17%です。

なぜ救急医療を担う医師たちの間で、その他の診療科よりもタバコが蔓延しているのかは謎ですが、やはりストレスが多いんでしょうか?
ただ一番喫煙率の高い診療科の医師でも、一般女性の喫煙率と同程度なのは「さすが」の一言です。

「医師として」といった意見が非常に多かった

医師という立場を強く意識している

「患者を指導する立場にある医師として」
「人の健康を預かり、守る立場の医師が」
「命を守る役割を担う医師が」

このような、医師という職業につくものとしての責任感を口にする医師が非常に多かったのが印象的でした。

  • 50代男性 放射線科医
    非喫煙者にとって喫煙直後の呼気は敏感にわかるものです。体調が悪い患者にとって喫煙後の呼気が気分を害することもあるので、医療関係者は喫煙は控えるべきだと考えます。

このように、患者や周囲の方への迷惑を考えるべきという意見も多かったです。
「命を守る者として、副流煙による健康被害を起こすわけにはいかない(60代男性 一般内科医)」とする医師もいました。

禁煙の重要性を最も理解しているであろう医師の中にもタバコをやめられない方がいるので、禁煙できない一般の方が多いのは当然のことと思います。

しかし、タバコが健康に悪影響をおよぼすことは事実ですので、出来る限り禁煙するようにしたいですね。

医師のコメント

  • 田中 公孝
    もともとタバコを吸う気はないのですが、外来で禁煙指導している身として、今後もしようという気は起きないです。それと医師の喫煙が少ない理由の1つに病院敷地内禁煙が、禁煙外来の条件という影響もあるだろうという印象はありました。 「最も喫煙率の高い診療科は救急医療科」で思い出しましたが、昔流行した「救命外来24時」で進藤先生も喫煙風景がよく出ていましたね。昔は医療従事者も吸っていたイメージですが、最近は本当に見かけないです。
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