医師に聞いた本当に正しい便秘の改善法! 医師も便秘の対応は困るって本当?

踏ん張りどころ
3日程度の軽い便秘であれば、生活習慣の改善のみで解消することが有ります。症状が重いようであれば、年令によっては大腸がんのリスクも有りますので、一度医療機関を受診して医師に相談してください。
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「あなたの健康上の悩みはなんですか?」

こう聞いた時、「便秘」とこたえる女性はきっと多いですよね。
かくいうわたしもその一人。
お通じが長期間無いとどんどんお腹が張ってくるし、体調も悪くなっていくし、なんだか肌の調子も悪化しているような気がします。

多くの女性を悩ませている便秘ですが、実は医師にとっても悩みのタネになりがちな症状なんですよ。

医師も悩む便秘への対応

以下は日本の医師の3人に1人が登録しているMedPeer(https://medpeer.jp/)に2011年にある会員医師が他の医師会員に向けて投稿した質問です。

臨床の場で日常的に接することの多い症状に便秘があります、特に高齢者では便秘はつきものです。
主症状の治療やコントロールが優先されると思いますが、便秘を放置するわけにもいきません。
加えて、薬剤の影響で便秘が助長されるようなケースもあります。

そこで先生方にお伺いします。便秘を伴う患者さんに、基本的にどう対応していますか?

引用元:便秘の患者さんの対応について | MedPeer
(注:MedPeer会員医師しかリンク先は見れません、すみません・・・)

  • 特定の病気が便秘を引き起こすことがある
  • ある病気に対する治療薬の副作用で便秘が引き起こされることがある
  • 便秘を放置しすぎると、腸閉塞(イレウス)等の危険な症状に発展することもある

このような事情があることで、医師が医師に相談したくなるくらい、便秘に対する対応というのは悩ましいものなんですね。

ほとんどの医師が下剤を処方

上記の質問に対し、2897名の医師から回答が寄せられました。
その結果をご紹介します。

図1 殆どの医師が下剤の処方で済ませている
  • 副作用による便秘は仕方がないので、常に下剤を処方
  • 下痢などを起こさない程度に少なめに下剤を処方
  • 本人や家族の希望があれば下剤を処方

上記3つの回答を合計すると全体の69%になり、ほとんどの医師が便秘に対しては下剤の処方で対処することが分かりました。

ちなみに、この質問に回答した2897名の医師のうち女性の医師は307名いましたが、女性医師のみの回答に絞ると、下剤を処方する割合がわずかに減少することが分かりました。

図2 女性医師に限ると、下剤を処方する割合が若干低下する

上述の3点のいずれかを選択したのは女性医師の62%で、若干ではありますが女性の医師は下剤の処方を避ける傾向にあることが分かります。
理由は不明ですが、もしかしたら女性の方が男性よりも便秘になりやすいことが関係しているのかもしれませんね。

下剤以外に自分でできる対応は?

とはいえ、なるべく薬には頼りたくないというのが本音ですよね。
それに毎日忙しい中、「うんちが出なくて・・・」と病院に行くのはなかなか勇気がいるものです。

そこで、病院に行かなくても自分でできる対応についての医師のコメントをいくつかご紹介します。

  • 50代男性 消化器外科医
    食事療法、水分接種、運動を便秘治療の基本としています。人間の胃腸の活動は朝の起床時がもっとも強力です。この時に水分を200-500ML摂取してあげればたいていの人は排便に至ります。朝食をしっかり摂取するのも重要です。排便に至りづらい人には、冷たいミルクなど、胃腸への刺激が少し強いものを摂ってもらったりしています。そのほか日々の食生活では、食事による食物繊維だけでなく、オリゴ糖をまぜて乳酸菌を十分にあたえることが重要だと思います。最後に適度な運動、これはやはり必要です。
  • 60代男性 一般内科医
    毎日便を出したい方は多いですが3日間まで出ないのは便秘ではないと説明し、葉物野菜とか根菜、海藻などの線維が多い物を多く摂るように指導しております。また適度な運動(ウォーキングやスロートレーニングなど)をするように指導しています。水分もやや多めに飲んで頂く様にお話しします。
  • 50代女性 一般内科医
    生活習慣を変えることで改善する場合も多く、まずはその指導をします。また副作用を起こしそうな薬を服用していれば、それを中止するか、他の薬に変えられないか検討します。

やはり下剤の処方を除けば、

  • 水分をしっかりとる
  • 食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖などを積極的にとる
  • 運動する

といった意見がほとんどで、下痢への対処としてテレビ等でもよく紹介されている方法が効果的という結果でした。
とくに水分の接種をあげる医師が非常に多くいましたので、朝起きたらコップ1杯の水を飲むという対策は便秘でお悩みの方にはおすすめできそうです。

便秘に対してお腹のマッサージは効果あり?

では、水分摂取などと同様、テレビなどでよく紹介される「お腹のマッサージ」には効果があるのでしょうか?

慢性便秘への対応として「お腹のマッサージ」について、

  1. 知らない
  2. 知っているが診療で試したことはない
  3. 試したことがあるが、有用性を感じられなかった
  4. 診療に取り入れていて、有用性を感じている
  5. その他

上記の中から自身に当てはまるものを選択してもらうアンケート調査を2015年1月20日から同年1月26日にかけて行い、3925名の医師から回答を得ました

図3 お腹のマッサージは便秘に効果はありますか?

その結果、実際に便秘の患者に対してマッサージを行い、効果を実感しているの医師はたったの1割ということが分かりました。

「効果あり」とする医師のコメント

ここで、実際にお腹のマッサージの効果を実感している医師から届いたコメントを紹介します。

  • 40代男性 一般内科医
    便秘の頑固な方に対しては、看護師さんが普通の行為として「腹部マッサージ」によって排便を促したりしています。全員とはいえませんが、中には効いたのではないかと思う患者さんもいます
  • 60代男性 一般内科医
    腹部には全身の血液の1/4があり、さらに腸管が曲がりくねっているために血液が溜まってしまいがちです。このうっ血を減らすための手段として、腹壁からの刺激を多用しております。当然ですが、刺激の仕方で効果が変わってきます。
  • 40代男性 小児科医
    自分も便秘症です。的確なマッサージを行うと実際に便意が出現し、排便できすます。小児科クリニックでも指導してます。

便秘に対するマッサージの効果は明確なエビデンスがありませんが、過去の経験から有効であると考える医師が多くいました。

その他の医師も、「気休め程度にはなりそう」とする医師が多い

実際に効果を実感したことのない医師であっても、「気休め程度の効果」は期待できるとする医師がほとんどでした。

  • 30代男性 総合診療医
    何をやっても便秘が改善しない患者さんに聞かれたら勧めることが有ります。一部の方々に効果が有る印象ですが、効果が得られない方も多く、「気休め」という感が強いです。
  • 50代男性 一般内科医
    効果のある方もいますし、副作用もほぼ無いので推奨はしませんが、患者さんから質問があったら「やってもよい」と答えます。
  • 60代男性 麻酔科医
    腹部マッサージにはそれなりのコツがあるのかもしれません。1割程度の患者さんが「効いた」と言っていましたが、もしかしたらただのプラセボ程度のものなのかも?

放置はしちゃダメ! 怖い病気の可能性も

これらの調査を通して届いた医師のコメントには、いくつか「便秘で受診したら他の病気が見つかった」というものがありました。

  • 50代女性 一般内科医
    便秘のお悩みで受診された高齢者で、当初検査を拒否していたところを説得して検査を実施しました。結果、大腸がんが見つかった方もいます。中には、閉塞寸前の方もいるので、大腸検査はしておくほうが安心です。
  • 50代男性 消化器外科医
    便秘の対応が遅れて腸閉塞、なかには腸管穿孔に至った症例を経験しています。
  • 40代男性 消化器外科医
    中年以上、特に高齢者の場合は必ず検査を実施し、大腸がんだけは否定しておきたいと考えます。

特に大腸がんの可能性を考慮し、念のため検査をするという医師が多く見られました。
ただし高齢者が中心となるようですので、過剰な心配はしないように死体ですね。

程度が軽ければ生活習慣の改善、どうしても出なければ病院へ

「毎日お通じがないと不安」という方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、3日程度までであれば、特に心配する必要は無いようです。
まずは毎朝、起きたらコップ1杯のお水を飲むようにしましょう。
食物繊維を積極的に接種し、乳酸菌やオリゴ糖の入った製品を意識してとるようにしてください。
また、適度な運動や筋トレも有効です。

週に1度しか排便がないなど、症状が重い場合は自分だけでの解決は不可能な可能性があるので、迷わず医療機関を受診してください。
そこで、普段の食生活や運動習慣、排便の状況などを医師に伝えるといいでしょう。

医師のコメント

  • 八幡 勝也
    ・薬を飲んでいない普通の人は、食事、水分、運動  意外と、フルグラがいい。 ・時折薬を飲むのなら、刺激性下剤の頓用。3日なければ。 ・習慣性なら、マグネシウム剤、ベンコール、大建中湯。 ・精神科薬によるものなら、両者の併用。 ・それでもでなければ、浣腸。オリーブオイルがいいという話も。
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