みなさんは献血をしたことがありますか。
最近は色んな所に献血の車が止まってて、献血してくれる人募集してますよね。
2027年にはなんと85万人分もの血液が不足する可能性があるとも言われており、健康な人は誰もが行くべきなのでしょうが、なかなか足が向かないですよね。
では、実際にどのくらいの人が献血をしてるんでしょうか。
そして、命の最前線に立つ医師たちは、どのくらい献血に参加しているのでしょうか?
今回は医師4600人からとったアンケート結果を元に出した医師の献血状況を、一般人の場合と比較しながらご紹介したいと思います。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2016年10月26日から同年11月1日にかけて行われ、4601名から回答をいただきました。
医師と一般人、献血してる割合はどのくらい違う?
一般人の献血率はおおよそ5%くらい
日本赤十字社によると、平成27年度の献血率は5.5%です。
参考:
数値で見る血液事業|血液事業|活動内容・実績を知る|日本赤十字社
血液事業年度報(平成27年度) ※ PDFです。
おおよそ、20人いれば1人は直近1年以内に献血をしたことがあるって感じですね。
ちなみに献血率には男女差があるようで、男性は7.9%、女性は3.2%と、倍以上の差があります。
やはり女性は血圧の低い方も多く、妊娠中や授乳中は献血できないので、相対的に男性よりも献血出来ないのが影響しているのでしょうか。
医師の献血率は一般人の倍以上!
さて、それでは医師の場合はどうでしょうか。
今回のアンケートは、
- 年に複数回行く
- 年に1度程度行く
- 2~3年に1度程度行く
- この2~3年は1度も行っていない
- 1度も献血をしたことはない
のいずれかから、最も当てはまるものを選択してもらう形式で行われました。
「年に複数回行く」と「年に1度程度行く」と回答した、直近1年間に献血をしている医師は全体の12%となりました。
一般人の1年間における献血率が先述の通り5%であることを踏まえると、医師は倍以上の割合で献血に行っている方が多いようです。
男女別だと以下のようになります。
一般人同様、さすがに女性の方が男性よりも献血率は低いですね。
しかし直近1年間に献血している女性医師の割合は10%と、それでも一般人の平均の倍近くです。
また、第一標榜科目に上げる診療科が内科系の医師と外科系の医師とに分けて集計してみると、外科系の診療科の医師の方がわずかながらに献血率が高いことが分かりました。
やはり、日頃の手術等で輸血にお世話になるシーンが多いからということなのでしょうか?
1年に1度以上献血する医師は「意識的に行っている」
ここで、1年に1度以上献血するという医師のコメントをいくつかご紹介します。
- 30代女性 腫瘍外科医
手術で輸血を使わせていただいているので、意識して行くようにしています。 - 60代男性 産婦人科医
よく輸血のお世話になる科ですから、本当はもっと頻繁に行きたいと思ってます。とは言え仕事も忙しく、休んでまでは行けないのでショッピングセンター等に献血車を見かけたときには行くようにしています。 - 60代男性 産婦人科医
分娩を扱っていたころはよく輸血のお世話になりました。恩返しのつもりで献血に行き、今では300回以上行っています。年齢制限にかかるまで続けるつもりです。
このように、外科系の医師は「普段お世話になっているから」とするコメントをされる方が非常に多くいらっしゃいました。
- 50代男性 消化器内科医
世の中に輸血を必要としている人がいて、自分が献血に耐えうる状態であるかぎりは献血に行きます。どうしても献血が必要になる患者さんがいるわけなので、自分でも献血をしています。 - 30代男性 一般内科医
医師の義務と考え行くようにしています。
内科系の医師の場合は、上記のように社会貢献性を理由にする方が多くおられました。
一方、献血しない理由にも医師ならではのものが
ご紹介しました通り、献血する理由としては「普段からお世話になっている」など、医師ならではのものが並びました。
しかし、献血しない理由にも医師ならではの事情があるようです。
- 30代男性 一般内科医
医療従事者は献血に行かない方がいいと思います。一般人より遙かに感染の危険性が高く、未知のウイルスがあるかもしれません。また手術に備え、常に自分の体調をベストに置くためにも献血は避けるべきです。私が患者なら、前日に献血した医師の手術は受けたくありません。 - 60代男性 小児科医
学生の時に1度献血したことがありますが、医師になってからはありません。職業上、自覚症状のない、いろいろな疾患に感染している可能性があるからです。 - 40代男性 一般外科医
留学経験に加え、仕事の都合で海外に行くことも多く、献血したくても断られてしまいます。体力には自信があるので、できれば献血したいのですが。
特に「感染症のリスクが有るため」という理由を上げる医師が非常に多かったです。
中には「昔、日赤の友人から医師の血は汚いから献血するなと言われた(60代男性 一般内科医)」というコメントもありました。
献血を増やすにはメリットと機会を増やすこと
ちなみにこの調査は元々、「献血を増やすにはどうすればよいのか」というテーマで行われました。
- 30代男性 予防医学
献血にいくと、特に初回は時間がかなりかかります。血を抜かれれば当然、体調にも影響が出ます。そういったデメリットを補えるような還元をしっかりすることでしょうか。物品もそうですし、各種の血液検査をサービスしてもいいのでは? - 40代男性 一般内科医
そもそも献血ルームや献血車など、献血できる場所が一般に認知されていないと思います。朝の時間帯にマスコミで「今日献血できる場所」を報告するなど、どこでできるのかを周知することも必要でしょう。 - 30代男性 耳鼻咽喉科医
20時以降に利用できる献血車など、夜間でも献血できる環境を整備すれば増えるのではないでしょうか?
血液不足は今後大きな問題になっていきます。
献血の量を増やすために、あなたは何をすれば良いと思いますか?
医師は一般人よりもかなり献血している
今回のアンケートの結果、医師は一般人に比べ2倍以上の割合で献血していることが分かりました。
血液の大切さが身にしみてわかっていることが大きな理由の一つとなっているようです。
献血を増やすためにいろいろな仕組みは必要かもしれませんが、まずはわたしたちの意識付けが重要なのかもしれません。