医師の半数が検査済み? ピロリ菌の検査と除去について医師4500人にアンケート調査

ピロリ菌の検査をしている女医と患者
検査をすでに受けた、もしくは受けようと考えている医師は全体の9割にのぼります。ピロリ菌の除菌は、胃がんなど胃の病気の予防効果が期待できます。ただし年代によって感染率が異なり、若い人ほど感染していない方が多いです。無理せず受けられる範囲で、まずは検査から受けてみてはいかがでしょうか。
医療の現場
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あなたはピロリ菌を知っていますか?

ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」といい、胃の粘膜にすみつく細菌の一種です。
現在、このピロリ菌によって胃の粘膜が傷つけられ、慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんまで、さまざまな病気が引き起こされることがわかっています。

特に胃がんとピロリ菌は密接な関係があるとして、1994年にWHO(世界保健機関)がピロリ菌を「確実な発がん因子」として認定しています。
タバコを吸わないほうが肺がんになりにくのと同じで、ピロリ菌がいるなら除去したほうが胃がんになりにくいということです。

そんなピロリ菌ですが、実は日本では

  • 自分の胃にピロリ菌がいるか調べる検査
  • ピロリ菌がいた場合に除去する処置

この2つをともに保険で受けることが可能です。

ピロリ菌の検査と除去について、医師がどの程度受けているか、どう考えているかについて医師4500人にアンケート調査を昨年メドピアで行いましたので、今回はその結果をご紹介いたします。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2016年10月3日から同年10月9日にかけて行われ、4498名から回答をいただきました。

医師の半分がピロリ菌の検査を受けている

この調査は

1. 検査を受け、感染はなかった
2. 検査して感染が見つかり、除菌した
3. 検査して感染が見つかり、除菌には失敗した
4. 検査して感染が見つかったが、除菌はしていない
5. 検査を受けていないが、今後受けたいと思う
6. 検査を受けていないし、受けようと思わない
7. その他

のいずれかから、自分に最も合う選択肢を選んでいただく形式で行われました。
その結果が下記の図1です。

図1 ピロリ菌の検査と除去をしていますか?

1. 検査を受け、感染はなかった
2. 検査して感染が見つかり、除菌した
3. 検査して感染が見つかり、除菌には失敗した
4. 検査して感染が見つかったが、除菌はしていない

上記の回答を合計すると49%となり、おおよそ半数の医師がピロリ菌の検査を受けていることが分かりました。
「受けようとは思わない」とする医師はたったの1割強です。

ちなみに、ピロリ菌の検査を受けた2240名の医師のうち、約4割の医師がピロリ菌に感染していたようです。

図2 検査の結果、感染していましたか?

ピロリ菌の感染率は年代によって異なり、高齢になるほど高まります。
調査にご協力頂いた医師は40〜50代が多いので、この感染率はおおよそ納得がいくものですし、医師だからといって特別感染率が高いわけでも低いわけでもありません。

消化器内科医は7割が検査を受けている

診療科別に分析してみると、消化器内科を標榜する医師は特に検査の受診率が高く、約7割が検査を受けていることがわかりました
(今回アンケートに協力してくれた医師の中に、消化器内科医を標榜する医師は531名いました)

図3 消化器内科医の回答

消化器内科といえば、胃カメラによる検査をしたり、慢性胃炎や胃潰瘍の治療をおこなう診療科です。
まさにピロリ菌との関連が深い診療科ですね。
普段からピロリ菌が引き起こす病気の治療をしていることが影響しているのでしょうか。

ピロリ菌検査を受けた医師のコメント

  • 50代女性 消化器内科医
    健康診断の受診者にも、(ピロリ菌の)検査を勧めています。オプションで検査できるようになっていることが多いのではないでしょうか?
  • 50代男性 消化器内科医
    日本の上水道環境が整った1960年代あたりから(ピロリ菌の)感染率は下がっています。20〜30代ぐらいでは感染者の方が少ないでしょう。万一、感染があるようなら除菌すべきだし、検査自体も採血などで済むので早く調べた方がよいと思います。
  • 50代男性 アレルギー科医
    以前まで日本は胃がん大国でした。生水や井戸水を飲料水としていたことでピロリ菌感染が多かったせいといわれています。簡単な除菌で(胃がんを)減らせるのであれば、検査に莫大な医療費がかかる訳でもないので大いにやるべきだと感じます。

ピロリ菌検査を「受けようと思わない」医師のコメント

  • 60代女性 一般内科医
    (年代によるものの)2人に1人が持っている菌を、わざわざ除菌する気は今のところありません。除菌よりも生活習慣を正す方が重要でしょう。「適切な食事、運動、禁酒、禁煙」を守らずして、胃がん撲滅はありえないと思います。
  • 50代男性 消化器内科医
    この検査の結果で過剰に不安をあおってしまうこともあります。何らかの自覚症状があった際にまず内視鏡検査を行い、その上で必要に応じて適切な治療を行えばよいと思っています。
  • 60代男性 循環器内科医
    現在63歳で、これまで胃潰瘍や十二指腸潰瘍をわずらったことがありません。家族についても同様です。ですので、自分には不要と考えています。

余裕があるならまずは検査を

9割弱の医師が、すでに検査を受けている、もしくは受けようと思っています。

タバコと同じで、ピロリ菌はいない方がいいものですので、積極的に検査を受けてみてはいかがでしょうか。

ただし、特に若い人を中心に、ピロリ菌に感染していない人が増えています。
ですのであまり不安にならず、健康診断のついでなど、余裕のあるときに検査をしてみるのがいいかもしれませんね。

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