赤ちゃんはいつから温泉に入れる? 医師3500人にアンケート調査

温泉につかるお母さんと赤ちゃん
赤ちゃんが温泉に入ることを調査した論文等が無いので明確にはわかりませんが、1歳をむかえるまでは避けたほうが無難と考える医師が比較的多いようです。ただし、それに合わせて排尿・排便など、周囲の方に迷惑をかけないようにするための工夫も必要となります。
医療の現場
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まだまだ寒い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
こういう寒い日は、お風呂にゆっくりつかって、温まりたくなりますよね!

そんなわけで、先日温泉に行ってきたんですよ。
結婚したばかりの友人と。

そこで「次にみんなで温泉来れるの、何年後かな?」みたいな話になりまして。
すぐに赤ちゃんが欲しいらしくて、赤ちゃんがいるとなかなか旅行にも行けないよね、って感じで話したんですが・・・。

そもそも、赤ちゃんって温泉入れるの?

おしっこ漏らしちゃったりするとか、泣き出したら困るとか、そういうマナー的な部分はいったん置いておくとして。
温泉といえば、通常のお風呂よりも温度が高めなことが多く、成分によっては酸性になっていたりしますよね。
そういうお湯に、かよわい赤ちゃんと一緒に入浴することってできるのでしょうか?

気になる!

と思って医師に聞いてみようと思ったのですが、過去、すでに3500名の医師に調査済みでしたので、今日はそのアンケート調査の結果をご紹介したいと思います。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2014年10月29日から同年11月4日にかけて行われ、3536名から回答をいただきました。

医師も「わからない」

この調査は

1. 生後すぐ~1か月以内
2. 生後1か月後
3. 生後3か月後
4. 生後6か月後
5. 生後1年後
6. その他

の中から、自身の考えに合うものを選んでいただく形式で行われました。
その結果が下記の図1です。

図1 赤ちゃんはいつから温泉に入れる?

「その他」が一番多くなってしまいました。
申し訳ございませんでした・・・。

  • 30代男性 消化器内科医
    全く分かりません。しかしながら社会常識として生後すぐの赤ちゃんを温泉には連れて行かないのでは? 学問的には大変興味があるテーマではありますね。
  • 60代女性 麻酔科医
    医学的にどうなのかはわかりません。温泉の質や温度によっては、肌への負担が大きい場合がありますし、(公衆浴場であれば)雑菌について考慮しなければなりません。
  • 50代男性 小児科医
    正解がないでしょう。温泉の成分やお風呂の形態などにもよるとは思いますが、大浴場であればおむつがとれてからの方が他の人達に迷惑をかけなくて済むのは間違いなさそうです。

コメントを見てみると、赤ちゃんの温泉入浴について検証した論文等が無いことを指摘し、「わからない」とする医師が多いようでした。

「1歳まではやめておくのが無難」とする医師が多い

その他の次に多かったのが、「生後1年後」という回答です。
ちなみに「その他」と回答した医師の中にも、1歳までは温泉に入れないほうがいいとする医師が15名ほどいました。

  • 50代女性 産婦人科医
    赤ちゃんは1ヶ月ほどで沐浴を卒業し、自宅浴室で大人と一緒に入浴が可能になります。温泉も変わらないように思いますが・・・母親からもらった免疫の低下と予防接種の進み具合からいって、少なくとも1年以内はお勧めしません。乳児を温泉に連れて行くという事は、色んな病原体に接触させることだと考えなくてはいけないと思います。
  • 60代女性 小児科医
    口元の温泉水を誤って飲んでしまっても大丈夫なほど抵抗力ができてからの方が良いと思います。循環式か源泉かけ流しかにもよりますが、レジオネラ感染にも「耐えうる抵抗力」を考えると、1歳までは控えた方が良いでしょう。
  • 50代男性 リハビリテーション科医
    泉質によります。炭酸水、塩水でしたら生後3ヶ月くらいからでも大丈夫でしょうが、硫黄を含む場合は皮膚への影響も考慮し、生後一年以内の入浴は控えるべきでしょう。温泉専門医より。
  • 60代男性 循環器内科医
    成人でも、41℃の湯に15分つかると深部体温が1.5度上昇します。これ以上の上昇は体に負担がかかります。ましてや、幼小児を成人の入る温泉で長湯させるのは賢明とは思いません。・。
  • 50代男性 小児科医
    温泉そのものには問題はないと思います。しかし共同浴場には感染のリスクがつきまとうため、1歳過ぎが安全と思います。確固たる根拠があるわけではありませんが。

感染のリスクを指摘する医師が多くいました。

また泉質によるとした医師も多く、酸性・アルカリ性が強いなど、刺激の強い温泉は避けたほうがいいようです。

1年未満と回答した医師のコメント

1年未満でも大丈夫とした医師は、最低限の清潔と湯温・泉質さえ気をつければ、おおよそ問題ないとするコメントが見られました。

  • 40代男性 小児科医
    明確なエビデンスはありませんね。いわゆる“沐浴”は新生児期から可能ですが、温泉となると通常のお風呂よりも水温が高いことが予想されます。乳児は体が小さく体表面積も広いため、成人よりも圧倒的にのぼせやすい点に注意する必要があります。ぬるま湯の温泉であれば生後1ヵ月からでも可能だと思います。
  • 40代男性 感染症科医
    産後1カ月健診以後は、通常の生活でいいと思います。むしろ、母体由来のIgGが消える生後半年頃の方が感染には弱いでしょう。また、レジオネラ菌がいるような温泉は大人でもやばいので、温泉の衛生管理の問題の方が重要ではないでしょうか。
  • 50代男性 アレルギー科医
    (対象のお子さんに)皮膚疾患がなく、温泉の成分が刺激のないものであれば、生後3ヶ月頃から大丈夫かと思います。生後3か月にしたのは、だいたい3か月頃まで見れば、皮膚が弱い子かどうかがわかるからです。

1年未満はやめとく、マナーを考えるならそれ以降も

意見が割れる部分もありましたが、おおむね、雑菌対策としては1歳未満であれば避けたほうが無難といえそうです。

それ以降であれば、泉質が極端に刺激的であったり長湯しすぎたりしなければ、健康的な影響はないと考える医師が多いようでした。

ただし、温泉に入れた後のケアが必要とする医師も数名いました。

  • 40代女性 一般内科医
    通常の乳幼児の入浴でも、保湿の観点からシャワー浴を推奨する医師もいます。湯船に浸けるならぬるめのお湯に短時間と指導されることが多いでしょう。また皮膚に刺激のある成分が含まれている、あるいは成分的にアルカリ性や酸性である可能性がある温泉への入浴は、皮膚のバリア機能がまだ脆弱な乳幼児はなるべく控えるべきだと思います。どうしても温泉に入浴させるなら中性で単純な成分の温泉を選択し、ぬるいお湯で短時間の入浴とし、あがったら温泉成分をよく流して保湿をするべきだと思います。

そして全ての医師のコメントに一貫していたのが、やはり

  • 小さすぎると排尿、排便してしまうかもしれない
  • 最低でも首が完全に座るまで、できれば一人で歩けるようになるまで待たないとは親が大変
  • 周囲に迷惑をかける可能性が高い

といった、社会的な常識やマナーの部分を指摘する内容です。

というわけで、赤ちゃんと入浴できるかについては「1歳を超えたら温泉に入れなくはないけど、お母さんの言うことをしっかり聞ける年令になるまでは我慢するべき」というのが答えになりそうです。
またみんなで温泉に行けるのは、しばらく先になってしまうかもしれませんね。

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