がん保険は入るべき? 医師3400人アンケート調査

今後に備えてがん保険には入った方がいいの?
医師の4割ががん保険には加入済み、今後入ろうと思っている医師を含めると、全体の半数以上ががん保険に入る意欲を持っています。但し先進医療特約の有無やその他の保険との兼ね合いなど、様々な点を踏まえて判断する必要がありそうです。
医療の現場
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突然ですが、日本人の死因には何が多いかご存知ですか?

図1 日本人の死因

厚生労働省によると、上記の図1にあります通り、日本人の死因の第一位は悪性新生物(がん)です。
全体に対して28.7%ということで、なんと3人に1人ほどががんでお亡くなりになっているわけです。

ちなみにわたしの父も肺がんで亡くなりました。
3人に1人ががんで死ぬということは、わたしやあなたも、がんになってしまう可能性があるわけです。

ところでみなさま、がん保険には入っていますか?
わたしは入ってないのですが、実際、入ったほうがいいのでしょうか?
これだけがんになる方が多いのであれば、備えるに越したことはないのではないかと思います。

テレビでもアヒルががん保険をすごいPRしてたりしますし。

そこで気になったのが、医師ってがん保険に入ってるの?ってことです。
がんの怖さを理解している医師の方々は、保険に入って備えをしているのでしょうか?

今回は2013年に取った、「医師のがん保険加入状況」についてのアンケート調査の結果をご紹介します。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2013年12月13日から同年12月19日にかけて行われ、3360名から回答をいただきました。

半数以上が保険に入る意思を持っている

この調査は

1. 現在、がん保険に加入している
2. 加入していないが、今後加入したい(する予定)
3. 以前、加入していた(今は加入していない)
4. 加入していないし、今後も加入しない
5. その他

の中から、自分の状況に最も近いものを選んでいただく形式で行われました。
その結果が下記の図2です。

図2 医師のがん保険の加入状況

「現在、がん保険に加入している」が40%で最多となりました。
今後加入したいと思っている医師も含めると全体の56%となり、半数以上の医師ががん保険への加入意欲を持っていることがわかります。

ただし、すでにがん保険に入っている方と同程度、「今後も加入しない」と回答した医師がいる点にも注目です。

がん保険に入っている医師は「念のため」

  • 60代男性 産婦人科医
    30代の時に20代のがん患者を担当した際、スタッフみんなでまとめてがん保険に入りました。本当は「現在の日本の健康保険制度なら入る必要はないかも」と思いつつ、30年近く入っています。まさに保険です。
  • 40代男性 小児科医
    二人に一人がガンを経験する時代です。抗がん剤などは高額であることや、医療費補助の所得制限なども考えると、この手の保険は入っていないと不安です。
  • 30代女性 一般内科医
    通常の生命保険に入っていましたが、「高度先進医療」の特約がついていなかったので、別にガン保険に入りました。可能性は低いと思いますが、念のためです。
  • 40代男性 精神科医
    高額医療制度などがあるので実際はほぼ必要ないと思いますが、ついつい加入してしまいました。独身なら加入しませんが、家族に迷惑はかけたくないので。

すでにがん保険に加入済みの医師からも、「日本は国民皆保険制度があり、高額医療制度もあるので不要」というコメントが多数届きました。
しかし、それでも家族に迷惑を欠けたくないなどの理由から、「万が一のために」「念のため」などと加入しているケースが多いようです。

入らない理由は「損だから」「癌になりづらいから」

  • 50代男性 老年内科医
    がん保険に限らず、民間保険会社の医療保険は加入する価値がないと断言できます。保険料分を貯蓄に回すほうがよほど合理的です。支払保険料の累積金額と、もらえる給付金(入院1日あたり○○円、がん診断確定で△△円など)を比較してみれば自明かと思います。
  • 50代男性 一般内科医
    金銭的な損得勘定で考えると、胴元である保険会社が得をする仕組みになっているわけですので、賭ける側である加入者は平均的には損をするはずです。
  • 40代男性 一般内科医
    保険というのは保険会社が儲かるように出来ているので、加入するということは社員の給料を払ってやっているようなものです。ドブに捨てるようなものでしょう。

こういった、がん保険に加入すると金銭的に損をする可能性が高いとして、入らない医師が多くみられました。

その他に多かったのが、

  • 60代男性 一般内科医
    当方の家系では父方母方とも、上三代・下二代にわたってがんは存在しません。ほとんどが脳血管系ないし大血管系の病気で死亡していますので、がん保険には加入していません。

といったように、遺伝的にがんになりづらいことを理由とするコメントも多数見られました。

やめた理由は「意味がないから」

  • 50代男性 一般内科医
    以前は加入していましたが、今は高度先進医療費の保険だけにしています。保険診療の範囲ならば、高額医療費の適応もあるので、保険で備える必要を感じません。
  • 60代女性 一般内科医
    現在の生命保険にはがんも網羅されているものが多いと思います。ですので、わざわざがん保険に入る必要はなくなり、やめました。
  • 80代男性 精神科医
    実際にがんに罹患して、確かにある程度保険金が支払われました。しかし、保険が支払われる条件等をふまえ、あまり意味がないと感じ、やめてしまいました。

がん保険に加入していたものの、やめてしまった医師のコメントの中には「その他の保険で十分」とするものが多くみられました。
また、3つ目のコメントのように、加入している保険の内容によっては実際の治療と保険金の支払い条件が見合わず、意味を見いだせないこともあるようです。

がん患者をよくみる医師たちの加入率はわずかに高め

がん保険への加入意欲を持つ医師が多いものの、入るつもりのない医師も一定数います。
そこで、普段からがん患者を診察・治療している医師たちはどうなのか調べてみました。

図3 がん患者を治療することの多い診療科の回答

図3は、普段から特にがん患者の診察・治療にあたることの多い診療科を標榜する医師の回答をまとめた図です。
今回は腫瘍内科、腫瘍外科、放射線腫瘍科を対象とし、アンケートにご協力いただいた中には、該当する医師が161名いらっしゃいました。

図2と見比べていただくと、「すでに加入済み」とする医師は10%、「今後加入したい」とする医師は5%、それぞれ上回っていることがわかります。
大差はありませんでしたが、わずかながらに、これらの診療科の医師はがん保険に加入している割合が高いことがわかりました。

がん保険は条件をよく比較してから

医師の半数以上ががん保険に入る意欲を持っていることが分かりました。

特に「先進医療への備えは必要」とするコメントが多数見られました。
医療保険や生命保険など、今では先進医療特約があるものが増えていますが、何かしらでカバーしたほうが良さそうです。

がん保険に入るかどうかは、

  • 年齢
  • 家系的にがんになりやすいかどうか
  • 現在入っている保険の内容
  • 家族構成

などを踏まえ、個別に判断したほうが良さそうです。

わたしは父が肺がんでなくなってますし、家系的にもがんになりやすそうなので、今のところは入っておこうかなと思っています。

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