内視鏡検査(胃カメラ)は口から?鼻から? 医師4000名にアンケート調査

内視鏡検査をする女性医師
僅差ではありますが、「内視鏡検査(胃カメラ)をするなら経口(口から)」という意見が上回りました。理由はカメラの性能が経口のほうが高い点や、担当する医師の技量に左右されづらい点があげられるようです。
医療の現場
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4月も始まり、会社で働いている方の中には今日から新年度が始まったという方も多いことでしょう。

となると、もうしばらくすると健康診断が始まるという方も多いのですよね。

健康診断で一部の方を迷わせるのが「内視鏡(胃カメラ)を口と鼻のどっちから入れるか問題」です。
加入している保険組合によりますが、35歳や40歳になると、健康診断で内視鏡検査をするケースが増えてくるためです。

わたしはまだその年令に達していませんが、先輩社員から
「口からはヤバイ」
「鼻からのほうが相当ちょろい」
「苦しいの嫌すぎて自腹で全身麻酔かけた」
などと脅され、今からすでにビビりまくっているわけです。

わたしの中ではもう「鼻一択」の状態にほぼなっているわけですが、実際は口からのほうが良かったりするんでしょうか。
病気についてはもちろん、内視鏡やそれを用いた診断にも詳しいであろう医師は、内視鏡をどちらから入れるんでしょうか。

今回は、「内視鏡を口から入れるか鼻から入れるか」について医師4000名が回答したアンケート調査の結果をご紹介したいと思います。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2014年6月2日から同年6月8日にかけて行われ、3963名から回答をいただきました。

僅差で「口から」が勝利!

この調査は、もし自分が胃内視鏡検査を受けるならどうするのかを

1. 経口内視鏡検査(口から)
2. 経鼻内視鏡検査(鼻から)
3. その他

これらの選択肢から選んでいただく形式で行われました。
その結果をまとめたのが下記の図1です。

図1 内視鏡検査(胃カメラ)をするなら口から?鼻から?

僅差で経口(口から)が勝利!

たった6%ですが、「内視鏡検査をするなら口から入れる」とする意見が上回りました。
ちなみに、胃内視鏡検査を用いた診断・治療に当たることの多い消化器内科医の回答に絞ると、経口での検査を希望する医師の割合が更に高まります。

図2 消化器内科医の回答

今回の調査に協力してくれた医師のうち、消化器内科を標榜する医師は478名いました。
その中の6割近い医師が、経口での内視鏡検査を選ぶと回答しています。

医師以外がどちらを選択しているかのデータは無いので比較できませんが、わたしの周りの話を聞いている感じですと、鼻から入れてる人が明らかに多いんですけどね。

口から入れる理由は「カメラの性能」「医師の技術」

経口での内視鏡検査を希望するとした医師のコメントを見てみると、理由としては

  • 経口用の方がカメラの性能が良く、病変の見逃しが少ない
  • 経鼻での検査は難しく、担当する医師の腕に左右されやすい

といった理由がほとんどでした。

  • 40代男性 消化器内科医
    カメラの画素数の問題、胃の内容物を吸引するのに要する時間などを考慮するとあまり経鼻にメリットを感じません。自身で受ける時も経口です。経口でのデメリットは検査中に会話ができない事くらいです。
  • 30代男性 消化器内科医
    経鼻のレンズの画質では早期の病変の見逃しが多くなります(経鼻でも見つけられると言っても、経口ならより確実に見つけられます)。病変が見えなければ受ける意味がありません。可能なら経口を選択すべきと思います。
  • 40代男性 一般内科医
    経鼻のカメラは経口に比べ、挿入が難しく、解像度も低く、何より経が細いので何か見つけた場合に行える処置が限られます。たしかに経鼻は苦しくなりづらいですが、検診のレベルでも経口の代用になる性能は無いと思います。医師の立場として言えば、経鼻内視鏡検査をやった後「気になる所見がありましたので今度はお口から…」とはなかなか言いにくいのではないでしょうか。最初から経口でやったほうがいいでしょう。
  • 50代男性 消化器内科医
    経鼻内視鏡の性能は以前よりだいぶ良くなっています。が、経口内視鏡も良くなっていますので、未だに差は埋まっていないと思います。どうせ受けるなら、多少つらくても経口を希望します。
  • 30代男性 消化器内科医
    経鼻は細い分嘔吐反射が少ないように思いますが、やはり画質が落ちるのと、吸引が弱く、鼻出血のリスクも高いので担当した先生の技量に左右される部分が大きいと思っています。従って、経口でしっかり見てもらう方を優先します。

鼻から入れる理由は「やっぱり楽」

逆に、鼻から内視鏡を入れたいという医師は「楽だから」とする意見が多くみられました。

  • 40代男性 整形外科医
    学生時代に患者体験をしてみたく経口内視鏡を受けました。嘔吐反射が強く、苦しくて苦しくて仕方なかったのを覚えています。必要になった際に、反射が少なくて済むのならば、出来れば経鼻でお願いしたい物です。
  • 60代男性 一般内科医
    検査を受ける立場からは経鼻の方が断然楽です。実施する立場からは経口の方が操作性から断然楽です。画像のレベル差は以前に比べ格段に小さくなり、診断の面ではとくに問題なしと考えます。術者の技量が絡むのは、経鼻だろうと経口だろうと一緒です。
  • 40代女性 消化器内科医
    どちらでもいいと思います。経鼻内視鏡検査を担当していますが、早期胃癌も早期食道癌も見つけられます。経鼻のほうが苦しくないので、最新型であれば経鼻内視鏡で問題ないと思います。

より確実な検査をしたいなら経口がオススメ?

医師の中でも意見が別れていますが、わずかに経口での内視鏡検査(胃カメラ)を選択する医師が多いという結果になりました。
コメントを見る限り、「差はない」とする医師もいますが、カメラの性能や挿入の難易度的に経口(口から)のほうがより確実な検査ができそうです。

毎年受ける必要はそれほど高くないかもしれませんが、一度は経口での検査をしておいたほうがいいのかもしれませんね。

わたしは・・・ どうしようかな・・・。

その時が来たら、自腹であっても全身麻酔をかけて、経口での検査をしてもらうかもしれません。

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