患者から「セカンドオピニオンを受けたい」と言われたら不快? 医師4000人アンケート調査

セカンドオピニオンを授けるドクター
9割の医師が患者から「他の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたい」と言われても不快には感じないことが分かりました。不快に感じるのは明らかに失礼な態度をした場合や、意味もなくドクターショッピングを繰り返している場合などです。
医療の現場
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突然ですが、あなたはセカンドオピニオンを知っていますか?

セカンドオピニオンとは、ある医師に診断を受けた後、別の医師にも診察してもらうことで得られた診断や意見のことを指します。
もしくは、他の医師に意見を求める行為そのものを指すことも有りますね。
複数の医師に相談することで、より自分の病状について正確な診断を得ることができます。

ですが、実際にセカンドオピニオンを求めるとなると、なんだか最初に診断してくれた医師に失礼な感じがしますよね。
その医師の診断を信頼していないわけではないのですが。

今でこそ、生命にかかわるような重い病、特にがんなんかではセカンドオピニオンを求めるのは普通になってきていますが、がん以外の病気でもセカンドオピニオンを受けても良いものなのでしょうか?

今回は4000名の医師が回答した「がん以外の病気で患者から『セカンドオピニオンを求めたい』と言われた経験の有無と、それをどう思うか」についてのアンケート調査の結果をご紹介します。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2015年2月19日から同年2月25日にかけて行われ、3952名から回答をいただきました。

9割の医師が「不快に思わない」

この調査は、「がん以外の病気で、患者さんから『他の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたい』と言われたことがあるか」「また、そう言われたらどう思うか」と質問し、

1. 言われたことがあり、不快に感じる
2. 言われたことがあるが、不快に感じない
3. 言われたことはないが、言われたら不快に感じるだろう
4. 言われたことはなく、言われても不快に感じないだろう

の中からもっとも自身の経験と考えに近いものを選んでもらう形式で行われました。
その結果をまとめたのが下記の図1です。

図1 セカンドオピニオンを患者から求められたらどう思うか?

「言われたことがあるが不快に感じない」「言われたことはなく言われても不快に感じない」を合わせると86%となり、約9割の医師が「不快には感じない」と回答しました。

  • 30代男性 アレルギー科医
    私よりも優秀な医師は数多くいると常日頃から思っているので、セカンドオピニオンを切り出されても、特に不快には感じません。私自身、もし自分や身内に病気が見つかったら、セカンドオピニオンを希望することもあるだろうと考えています。
  • 40代女性 産婦人科医
    まっとうな治療方針を説明していますので、他に行かれても困ることもなければ、不快に感じることもありません。むしろ、セカンドオピニオンを受けた戻ってこられると、すごく納得してくださっていますので、治療がやりやすいこともあります。
  • 50代男性 心療内科医
    不快どころか、嬉しく思います。私も第三者の意見がわかるかもしれませんので。以前に統合失調症と思っていた患者さんが、発達障害の可能性があることがセカンドオピニオンの意見でわかり、その後の治療に役立ったことがあります。
  • 40代男性 一般外科医
    患者には治療方法や病院を選択する権利があります。従って不快に感じることはありません。むしろ、自分の専門外の重篤な疾患の場合に、専門医を紹介すると言っているにもかかわらず、他院に行きたがらない方がいらっしゃって困ります。頼りにしてくれるのはありがたいのですが。
  • 40代男性 小児科医
    いい医療は患者の納得の上にしか成立しません。私の治療に疑念があるなら率直に言ってもらい、本人が納得いくよう他の医師の診断を仰ぐのは有益と考えています。場合によっては、そのまま他の病院で治療することもあるでしょうが、本人が納得できるならそれがベストです。ですが、すべての患者さんが高次医療機関へかかるようになれば医療が立ち行かなくなるので、難しい部分もあります。

「不快には感じない」とした医師のコメントを見てみると、ほとんどの医師が「まっとうな診断をしているので問題ない」としていました。

「患者さんが納得してくれるので治療がしやすくなる」「セカンドオピニオンを受けるのは患者の権利だ」とする意見も複数見られました。

不快な理由は「言い方」「意味がない」

それでは、残り1割の「不快に感じる(だろう)」とした医師はどのように考えているのでしょうか。

  • 50代男性 小児科医
    基本的にはなんとも思わないのですが、中には非常に失礼な言い方で、セカンドオピニオンを主張する患者さんもいらっしゃいます。医者も人間ですので、一生懸命仕事している中で失礼な物言いをされると、ムッとしてしまうことだってあります。
  • 40代男性 一般内科医
    通常の症例であれば不快になることはありません。しかしどうやっても改善しない状態(脳卒中後の麻痺等)のケースで紹介をするよういわれても、紹介先も困るでしょうし、戸惑いを感じながらも患者や家族に考え直すよう説得します。
  • 30代男性 脳神経外科医
    もちろん患者さんの気持ちを考えれば当然の権利と主張だとは思います。ですが、自分が治療できる疾患であり、自信を持って妥当だと言える治療を提供しているにも関わらず、患者さんからセカンドオピニオンの求めがあると、多少なりと不甲斐なく感じます。

実際に患者さんから求められたことがある医師のコメントを見てみると、必ずしも毎回不快に思うわけではないことがわかります。
不快に思うのは「無礼な物言いや、失礼な態度をされたケース(50代男性 一般内科医)」とする医師が多かったです。

またどこの病院であろうと同じ治療をするであろう場合には、セカンドオピニオンを求められると困ってしまう医師もいるようです。

ただこの場合、わたしたち素人からすると、その治療が妥当なものかどうかわかりませんし、それを理解するためにセカンドオピニオンを得ようとしているわけですからね・・・。
その医師の説明にどうしても納得出来ない場合は、他の医師の意見を聞きたくなるのはしょうがないことのように思います。

しかし、

  • 40代男性 一般内科医
    やたらとセカンドオピニオンを主張する方は、ネットの情報などをもとにした自己流の解釈を支持してくれる医者に出会うまで、延々とドクターショッピング続けることが多いです。セカンドでもサードでもフォースでも、納得できるまで意見を求め続けています。

このような意見もあります。
単に自分が欲しい意見を求めるのは、セカンドオピニオンとは言えないのではないでしょうか。

医師は専門の知識と経験を積んだエキスパートです。
わたしたちは素人ですので、目の前の医師を専門家として信頼し、ある程度意見を信じる気持ちは最低限必要でしょう。

専門家である医師を信頼し、敬意を持って接すれば大丈夫

ほとんどの医師は、患者からセカンドオピニオンについて求められても不快に思わないことが分かりました。

ただし、むやみにセカンドオピニオンを求めてもいいわけではありません。

医師のことを信頼し、敬意を持って接するようにしてください。
「より治療について理解し、納得感を得たい」という気持ちは当然のものですので、それを丁寧に伝えれば、何も問題はないでしょう。

医師のコメント

  • 伊藤 涼
    不快に感じるどころか、逆に他の医師の意見も聞いてみたくなります。 また、自身の説明にどこか不安を抱かせるような部分があったのか否か、反省できることもあります。 上記の先生方同様、さすがに意味ないけどな…というときはやんわりと止めることも。(例)「鼻水が止まらないから抗生剤くれ。〇〇クリニックではいつも出してくれるのになんでお前は出さないんだ。ヤブ医者だな」と言われた時など(笑) 患者さんが納得できて、そして医学的にも正当な治療法であればよいと思います。
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