胃食道逆流症には胃薬から?胃カメラから?医師2600人にアンケート調査

逆雨竜性食道炎の女性
胃食道逆流症に対し、まずは内服薬で様子を見るという医師が多かった一方、精査をする派の理由には、癌の否定や重症度合いを調べるなど大事な視点がありました。若い方の場合は、胃薬だけでも良いかもれしれませんが、中高年の方や胃薬の効果が乏しい場合は、一度胃カメラを受けることも検討した方がよさそうです。
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胸やけを感じたら、どうやって対処していますか?

人によっては、太田胃散でしょうか?

あれこれやってみても改善がなければ、病院に受診する方がよさそうです。

病院に受診をして胃食道逆流症を疑われると、強い胃薬を処方されたり、胃カメラを勧められたりするみたいで・・・そう、検査を受けることもあるようなのです。

今回は、胃食道逆流症に対して医師がどういった診療を行っているのか、2600人にアンケートを実施しました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2016年5月2日から同年5月8日にかけて行われ、2643名から回答をいただきました。

この調査では、「胃食道逆流症(GERD)」と思われる症状で外来へ来院される患者さんに「内服薬の投与」から対応されますか? それともまずは「精査」を行いますか?」と質問し、以下の選択肢から選んでもらう形で行いました。

1. まずは内服薬を投与
2. まずは内視鏡で精査
3. その他

まずアンケートの冒頭で「胃食道逆流症(GERD)」という病気の名前が出てきましたが、みなさんご存知でしょうか?

胃食道逆流症(GERD)とは?

胃食道逆流により引き起こされる食道粘膜障害と煩わしい症状のいずれかまたは両者を引き起こす疾患であり、食道粘膜障害を有する「びらん性GERD」と症状のみを認める「非びらん性GERD」に分類される。

引用:日本消化器病学会 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン 2015(改定第2版) ※ PDFが開きます。

つまり、胃液が食道に逆流した結果、ただれてしまったり、不快な症状が出てしまう病気のことです。主な症状には、胸やけや口のなかに酸っぱいないし苦いものが込み上げてくるといったものがあり、治療は内服薬、生活習慣の改善が中心になります。

特にお医者さんのなかでは、この「胃食道逆流症」を胃カメラで確認する前に治療をしてよいのか?という議論がときどき起こります。今回は、こうした議論に対して、それぞれ医師がどう対応しているのか聞いたというわけです。

それでは、結果を見ていきましょう。

7割の医師が、胃食道逆流症(GERD)に対して「まずは内服薬を投与」

  • 60代男性 神経内科
    まずは内服薬を投与して経過を追います。
  • 70代男性 小児科
    症状の重症度にもよりますが、まず内服薬で経過をみます。
  • 30代男性 一般内科
    飲酒歴や喫煙歴、健診受診の状況から総合的に判断しますが、まずは内服でみます。
  • 50代男性 一般内科
    患者さんの意向に沿うと、まず内服薬です。

最も多かったのが、内服薬を出して経過を見るというものでした。

「若い患者さんだとなかなか最初から内視鏡など希望されない」「検査を希望されない患者が多い」というコメントもあり、受診してすぐに胃カメラというのも抵抗感があるのも影響してそうです。

逆に、「患者の希望がある場合に精査を検討します」というコメントもあり、悪性のものでないかなど病気を心配して受診される方もおられるようでした。

また、自施設に胃カメラの設備がなく、まずは内服薬からというコメントもあり、受診先の病院に検査の設備があるかないかも影響してくるようです。

他に内服薬を出しつつ、胃カメラの検査を検討するという意見もありました。

内服薬を出すが、胃カメラも勧める

  • 30代男性 アレルギー科
    内服薬を処方しつつ、内視鏡(胃カメラ)の検査も同時に予約します。悪性疾患の可能性が否定できないと、長期投与に踏み切れません。
  • 60代男性 神経内科
    すぐれたPPI製剤が多く存在するため、まずは投与の効果をみてから更なる侵襲的検査の必要性を考慮するべきだと思う。
  • 50代男性 神経内科
    まずは内服薬を処方します。改善しなければ胃カメラを勧めます。

「内服薬を出して胃カメラの検査を後日行う」というコメントと、「内服薬を出して改善なければ胃カメラを勧める」というコメントが見られました。

さらに、精査派の意見も見てみましょう

しっかり診断をつけて、癌を否定するべきという声

  • 50代男性 血液内科
    まず、内視鏡検査します。問診でGERD(逆流性食道炎)の診断は可能ですが、グレードが分かりませんので。
  • 30代男性 一般内科
    評価をしてから投与を第一に考えます。癌(がん)もあり得るので。
  • 50代男性 消化器内科
    内視鏡専門医ですので、まずは診断を行います。
  • 50代男性 循環器内科
    悪性疾患を否定することが必須と考えております。
  • 40代女性 一般内科
    本当にGERD(逆流性食道炎)か、できれば一度はやった方が良いと思います。

癌ではないことを確認してから治療するというコメントは、おっしゃる通りだと思います。逆流性食道炎にも程度があるようで、それを見てから治療方針を決めるという話も納得ですね。

また、胃カメラを専門とする消化器内科の医師と他科の医師で回答に差があるか調べてみたところ、消化器内科の方が内視鏡(胃カメラ)を勧める傾向にあることがわかりました。

以下、消化器内科の医師のコメントです。

  • 50代男性 消化器内科
    いまだに内視鏡検査に拒否反応を済めされる方もいますので、まずは10〜14日間内服薬を処方し効果を見ながら内視鏡検査を勧めて行きます
  • 40代男性 消化器内科
    まずは内服薬を投与しますが、一応、検査はお勧めします。自分は消化器内科医なので、症状の強さ他問診により、検査の必要性の優先度を、ある程度決めていますね。

胃カメラを専門とする消化器内科の医師にかかる場合は、他の科に比べて検査を勧められる確率が高くなると思った方がよさそうです。

中高年からは胃カメラを勧めるという声

年齢によって、方針が変わってくるというコメントもありましたので、紹介します。

  • 20代男性 消化器内科
    若年者であれば問診後に内服処方し経過観察とし、中高年の場合はまず内視鏡検査をすすめます。
  • 40代女性 健診・予防医学
    早期の食道がんも同様の症状ですので、特に壮年期以降の男性は検査をお勧めします

たしかに早期の食道がんと同じ症状と言われると、癌年齢は検査をした方がよいというコメントはごもっともですよね。

お医者さんが検査を提案してくる場合は、わたし達の健康を考えての提案ですので、「苦しい検査はしたくない…」と脳裏をよぎっても、立ち止まって考えてみた方がよさそうです。

胃食道逆流症は、薬も大事だけど胃カメラも念頭に

胃食道逆流症に対し、まずは内服薬で様子を見るという医師が多かった一方、精査をする派の理由には、癌の否定や重症度合いを調べるなど大事な視点がありました。

若い方の場合は、胃薬だけでも良いかもれしれませんが、中高年の方や胃薬の効果が乏しい場合は、一度胃カメラを受けることも検討した方がよさそうです。

以前の記事でも紹介しましたが、鼻からの内視鏡だと負担が少なかったり、眠り薬を使って内視鏡を受けられる施設もあったりしますので、なるべく楽に検査を受けたい場合は、事前に調べてから受診されることをお勧めします。

参考:内視鏡検査(胃カメラ)は口から?鼻から? 医師4000名にアンケート調査

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