うつ病の人への望ましい接し方は?精神科・心療内科医210人アンケート調査

鬱病の人との接し方
うつ病の方には、まず第一に自然に接することが大事そうです。さらに共感や傾聴をすることで苦悩を受け止めたり、規則正しい生活をサポートしたりしていくことが、うつ病の治療になるとのことでした。一方で、頭の片隅には、自殺のリスクがあるということも念頭に置きましょう。
うつ病・躁鬱
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身近にうつ病の人がいたら、どういう接し方が望ましいのでしょうか?
変に意識してしまうと、なんだかぎこちなくなるような気もします。

今回は、周囲の人がうつ病の方と接する時にどんなことを意識するとよいのか取り上げることにしました。

実際に現場で診療する精神科・心療内科の医師210人にアンケート調査を行い、うつ病患者さんへの望ましい接し方について聞いてみました。

※ 本調査は2017年4月14日〜4月16日にかけて、医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて精神科・心療内科系の医師に向け行われました。

うつ病診療において家族・職場の人に「患者への望ましい接し方」を指導する際、精神科・心療内科の医師の方々が、特に重視するものを1つ選んでもらいました。コメント欄には、選んだ理由や具体的な診療エピソードを書いていただきました。

A 自然に接すること
B 患者の苦悩を受け止めること
C規則正しい生活のサポートをすること
D自殺のリスクを念頭に置くこと
E その他

結果は、下の図の通りです。

図1

自然に接することが一番大事

  • 40代男性 精神科
    寄り添い見守ることが大切と伝えました。
  • 40代男性 心療内科
    患者さんが負担を感じないようにすることが大切です。

このように自然と接することが一番大事そうです。

逆に現場では、特別なことをしようとしてしまう家族や友人の方がいるため、自然体を指導しているという医師のコメントがありました。

  • 50代男性 心療内科
    腫れ物に触るような接し方だと患者本人を余計に孤独に追い込んでしまうから。
  • 70代男性 心療内科
    背伸びした対応をしている家族が多いのが現状ですので。
  • 40代男性 精神科
    周囲が無理をして患者に接すると、それが患者にも伝わり、より自責感を強めることが多いため。
  • 40代男性 精神科
    励ましてはいけないのではないかとかえってよそよそしくなり、患者に疎外感を与えてしまうことがありますので、共感を第一に自然体で接するよう指導します。

たしかに病気だと思って意識をしてしまいそうですが、かえってうつ病治療の妨げになるようです。
背伸びした対応をしてしまったり、よそよそしくならないよう、普段通りが大事そうですね。

医師は、自殺のリスクは常に頭に置いている

  • 60代男性 精神科
    一番防ぐ必要のあることです。
  • 60代男性 心療内科
    やはり最悪の状況を常に意識することが重要です。
  • 60代男性 心療内科
    自死を防ぐことが最重要で、そのために家族には「だまって側に居てあげて、見守って下さい」と伝えます。(その前に、「ご家族も大変でしょう」と声をかけます。)
  • 40代男性 精神科
    死にたい気持ちを持っているうつ病患者の家族には、自殺のリスクについて話します。

自殺を防ぐことが最重要というコメントが見られました。

1番望ましい接し方は自然な振る舞いであっても、一番頭に置いておくべきは自殺のリスクなようです。

治りかけが危険というコメントもありましたが、元気になった時こそ勢いがついてしまう可能性があると聞いたことがあります。

次に、規則正しい生活を選ばれた医師のコメントを見ていきましょう。

規則正しい生活のサポートが治療になる

  • 60代男性 心療内科
    「規則正しい生活が送れること」が治療の基本であるから
  • 40代男性 精神科
    患者本人は早く家事労働や就労の復帰を望んでいることが多いです。それには生活リズムを安定させることが重要であり、できることが少しずつ進めるように助言しています。
  • 70代男性 心療内科
    生活の乱れが、結果または原因として存在する場合が多く、それを正すサポートが薬物より効果のある症例が少なくないので。

生活リズムを安定させることがうつ病の治療の基本とコメントにもありますが、それは周りの人たちもサポートできるところかもしれません。

家族であれば、自然なかたちで食事や就寝の時間を規則正しく促すということでしょうか。
薬よりも効果があるといったコメントもあり、意識できるとよさそうです。

その他、過度な負荷を掛けない、本人の負担を減らすといった負荷を軽減するようなサポートを勧めていた医師もおられました。

最後に、患者の苦悩を受け止めることについてです。

患者の苦悩を受け止める

  • 40代男性 精神科
    復帰したいと焦る気持ちを理解してもらったうえで、しっかり休んでよい、と周囲から保証してもらうことが大切です。
  • 40代男性 精神科
    患者なりの苦悩を受け止めないと、周囲とのかかわりを受け入れられないことが多いように思います。周囲が自分の価値観や常識論を振りかざしすぎない必要があると思います。
  • 30代男性 精神科
    共感と傾聴をおこなうよう助言します。
  • 30代男性 精神科
    苦痛を言葉にできる場所として家族が機能することが大切ですと伝えます

周囲が苦悩を受け止める役割を担うことで、それ自体も治療のサポートになりそうです。

一方で、うつ病に望ましくない言葉をかけてしまうケースもあるようです。

  • 50代男性 精神科
    本人にとっての問題の大きさが家族や職場に理解されないことが多い。
  • 50代男性 心療内科
    「しんどいのはみんな一緒」などと患者さんの苦悩を受け止めない人が多い。

うつ病の方に心ない言葉をかけると追い込んでしまう恐れがありますので、周囲の人間としては不用意にでも発言しないよう気をつけた方がよさそうです。

望ましい接し方は、サポートをしながら自然に接すること

今回は、うつ病患者さんへの望ましい接し方についてアンケート調査を行いました。

その結果から、うつ病の方には、まず第一に自然に接することが大事そうです。

さらに共感や傾聴をすることで苦悩を受け止めたり、規則正しい生活をサポートしたりしていくことが、うつ病の治療にもなるようです。

そして、頭の片隅にうつ病の方は自殺のリスクがあるということも念頭に置きましょう。

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