季節性うつ病について精神科・心療内科医200人に聞きました

冬はうつ病になりやすい季節
季節性うつ病は、寒くなったり、日照時間が短くなったりする冬に発症が多く、人によっては春、秋のことがあるようです。治療は、薬物療法が行われるようですが、光を浴びる、運動をする、生活習慣を見直すなど薬以外の取り組みも大事なようです。
うつ病・躁鬱
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季節によってテンションが変わる経験ってありませんか?

わたしの場合、夏は元気で、冬になると塞ぎがちになります。
ですので、寒い冬の時期は「早く春になってほしいな」とよく思うことがあります。

知人から「冬になると(わたしが)暗くなるよね」と言われた経験もあります。。。

こんな風に、季節によって調子が悪くなるうつ病があるってご存知でしたか?

今回はそんな「季節性うつ病」について医師に聞いてみました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年5月17日〜5月18日にかけて行われ、医師211名から回答を頂きました。

季節性うつ病とは?

まず、季節性うつ病についてですが、とある医学雑誌では、以下のような説明でした。

季節性うつ病は,特定の季節に集中して気分エピソードが出現する,周期性発症を特徴とする気分障害の一型である.

引用:最新醫學 71巻7月増刊号(最新医学社、2016年)

つまり、ある季節になると発症するうつ病で、毎年繰り返すのが特徴のようなのです。

今回の調査では、季節性うつ病の時期や男女比、症状から治療まで幅広く医師にアンケートをとり、その全体像に迫りました!
それでは、さっそく調査結果について見ていきたいと思います。 

季節性うつ病は、冬に多い

図1
  • 50代女性 精神科
    毎年お盆を過ぎたあたりから調子を崩し、不眠や抑うつ状態が再燃する患者さんがいます。なので、毎年年末にかけて抗うつ剤を少し増量し、年が明けて3月頃からまた少し減らすということを繰り返しています。患者さん本人も自覚しているので、秋〜冬は「この時期はしょうがないね」とおとなしくしています。
  • 60代男性 精神科
    寒くなり始めると、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒といった睡眠障害が始まり、次第に食欲の低下など意欲の低下が進み、倦怠感等も生じてくる方がいらっしゃいました。
  • 40代男性 心療内科
    秋分の日を過ぎたあたりから調子が落ち始め、12月の冬至の頃症状がピークとなり、その後徐々に軽快し春分の日を過ぎるあたりからは薬も不要になる、といったケースを複数経験しました。
  • 60代男性 精神科
    日照時間が短くなるにつれて抑うつ気分が出現し、2月頃が一番ひどく、春になって日照時間が長くなるにつれて、気分が改善してきます。夏は快調で別人のように仕事をこなします。

寒くなったり、日照時間が短くなったりする冬の発症が多いようです。

他にも「桜の散る頃には症状は消失して、梅雨の中頃から一時的に悪くなります」といったコメントや「春先から抑うつ的となって、自然回復した例を一例経験しました」といったコメントもあり、人によっては春や秋に季節性うつ病を発症することもあるようです。

夏は調子がよいというコメントが多く見られました。
「夏は快調で別人のように仕事をこなします」というコメントも届いており、アンケートでの回答も1%でしたので、夏は季節性うつ病を発症しにくいと言えそうです。

季節性うつ病は、女性に多い傾向

次に季節性うつ病の発症は、男女に差があるのかもお聞きしてみました。

図2
  • 40代女性 精神科
    一般にうつ病は女性が多いですが、それにも増して、季節性のうつ病は女性が多いような印象があります。
  • 40代男性 精神科 
    それほど多い人数ではないのであまり確かではありませんが、女性の方に多い気がします。
  • 40代男性 精神科
    女性の方が多い印象です。元々うつ病の罹患率が女性は男性の2倍などで何とも言えませんが。

もともとうつ病が女性に多いということも影響していそうですが、調査結果は季節性うつ病は女性が多い傾向でした。
ただし、「男女比は感じません」「自分が診た患者さんは男性が多かったです」といった医師のコメントもありましたので、白黒はっきりとは言えなさそうです。
あくまで参考程度と言ったところでしょうか。

季節性うつ病の症状は、抑うつが最も多く、睡眠障害、倦怠感が次

さて、では季節性うつ病はどんな症状がおこるのでしょうか?
こちらもお聞きしました。

図3
  • 50代男性 精神科
    毎年冬はこたつから出れないために、外出や遊びに行かなくなるといって、自身の社会性が低下している自覚が無い方もおられました。
  • 60代男性 精神科
    天候の悪さと、外出できない気分の閉塞感から、抑うつ気分が多いです。
  • 70代男性 精神科
    中年女性で、意欲低下があり、抑うつ気分が冬にみられましたが、春には軽快していました。
  • 40代男性 精神科
    過眠傾向と身体の重さや倦怠感、易疲労感がみられやすい印象があります。
  • 40代男性 精神科
    毎年、冬になると食欲低下から始まり、徐々に抑うつ気分が増悪していました。
  • 40代男性 精神科
    毎年冬場になると意欲低下、抑うつ気分が目立つようになります。

症状は、抑うつ気分が一番多く、他には、睡眠障害、倦怠感、意欲低下、食欲低下などが見受けられました。

「季節性うつといっても症状は一般のうつと類似」といった医師のコメントもあり、主にはうつ病の期間限定バージョンというイメージで良さそうです。

季節性うつ病の治療は、薬物療法、次に光療法

最後に、季節性うつ病の治療はどうすればよいのでしょうか?

図4
  • 40代男性 精神科
    基本は薬物療法ですが、症例によっては光療法や運動療法や認知行動療法なども考慮します。
  • 50代男性 精神科
    薬物療法をメインに、冬季にはなるべく外に出て日光を浴びるように指導しています。
  • 40代男性 精神科
    外来では難しいのですが、自宅で朝日をあびる、蛍光灯の明るい光を浴びるなどの工夫について説明し、試してもらいます。また、補助的に抗うつ薬も使用します。
  • 60代男性 精神科
    光療法はなかなか実施している施設がないので、どうしても薬物療法になります。季節の始まる少し前から増量しています。
  • 40代男性 心療内科
    日照時間が影響していることが考えられるため、積極的に日の光を浴びるよう指導します。その上で投薬と、毎年繰り返すためある程度気持ちの準備をしておくように指導します。
  • 50代男性 精神科
    毎朝同じ時間に起きて、外に出て日光を浴びることです。眠れないということで生活リズムが狂って、夜型になってしまう患者さんは多いと思いますね。
  • 30代男性 心療内科
    薬物療法を行いましたが、適度な運動や生活リズムの改善も指導していました。

薬物療法の回答が最も多く、光療法について言及しているコメントがそれに続く形となりました。

光療法は高照度の光を浴びたり、逆に光を遮ったりする治療法です。
特にうつ病の場合では、光を浴びる治療を指すことが多いです。

光療法をするための特別な装置があるそうで、それがないとできないといったコメントもありました。
しかし「外に出て日光を浴びる」「朝日を浴びる」とコメントする医師も多く、1日の中で日光に当たる時間を長くするのも少なからず効果がありそうです。

薬物以外では、他にも「運動を勧めたら改善した」「経過観察で改善する」といったコメントや、認知行動療法・カウンセリングを推すコメントも見られました。

季節性うつ病は、冬に多い、期間限定の病気

本調査をまとめると、季節性うつ病は、寒くなったり、日照時間が短くなったりする冬の発症が多く、人によっては春、秋のことがあるようです。また、男女比については、女性に多いというコメントが見られました。

治療は、薬物療法が行われるようですが、光を浴びる、運動をする、生活習慣を見直すなど薬以外の取り組みも大事なようです。

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