妊娠の年齢は早い方がよい?産婦人科180人にアンケート調査

妊娠の年齢は若い方がいい?
8割以上の産婦人科医が、妊娠の年齢は早い方がよいと回答しましたが、キャリアや経済面といった社会的状況を考えると、早い時期の妊娠も難しさがありそうです。しかしながら、将来の妊娠を検討されている女性は、妊娠率が落ちる、合併症が増えるなど、高齢出産のリスクに関して知っておくことは大事と思われます。
妊娠・妊娠前
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妊娠するのは、いつ頃がよいのでしょうか?

妊娠・出産と言えば、女性にとって人生の一大イベント!
授かりものとはいえ、パートナーとも話しながら、しっかり計画することができれば何よりですよね。

わたしの周囲では結婚ラッシュが一区切りして、今度は出産ラッシュになっています。先日も、いとこ夫婦に出産祝いを送りました。

思えば、出産したという話を耳にすることが多くなったのは20代後半からだったように思います。
経済的に余裕が出る30代になってからの出産もよく聞きますよね。
ただ、一方で会社の先輩なんかから不妊治療に関する話を聞くことも増えてきたように思います。

今回は、女性の人生に大きく関わる妊娠の年齢について、現場の産婦人科医の先生方180名にアンケート調査を行いました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年5月26日〜5月31日にかけて行われ、産婦人科医184名から回答を頂きました。

8割以上の医師が、妊娠の年齢は早い方がよいと回答

妊活を始めたり、実際に妊娠する年齢について早いほうがいいかどうか聞いた所、実に8割以上の医師が「早い方が良い」と回答しました。

図1 妊娠・妊活の年齢は早いほうが良いのか
  • 35歳男性 産婦人科医
    性教育を中学・高校に頼まれた際は、産婦人科医として「35歳までには1人目を産んで欲しい」と教育内容に盛り込んでいます。「何歳まで月経がくるか」「何歳まで妊娠できるか」「男は何歳まで射精するか」「何歳まで妊娠させられるのか」といった質問と同様に、「何歳までに妊娠して欲しいのか」については産科リスクを加味し、35歳までと考えています。
  • 40代男性 産婦人科医
    妊娠率だけの問題ではありません。合併症の率や分娩経過・産褥(出産後、身体が元の状態に戻るまでの間)の経過、何をとっても医学的には遅い方が良い理由は思いつきません。
  • 50代男性 産婦人科医
    いまだに一般の方の間で妊娠するにあたっての年齢のハンディへの理解は乏しいです。妊娠してから気づいたり、妊娠できずに(不妊治療に)本気になった時には遅かったりします。

このように多くの医師が、医学的な観点から、そして産婦人科医として経験から、早い方がよいと回答していました。

妊娠率や体のことを考えると早い方がよい

  • 30代男性 産婦人科医
    年齢的に早い方が自然の摂理としては妊娠しやすい気がします。またその後の妊娠分娩、子育て経過を考えると、若い方が良いと思います。
  • 50代男性 産婦人科医
    社会的状況など含め、個人の考え方による部分が大きいと言えるでしょう。従って一概に早ければいいというものではありません。しかし「30台後半になると不妊治療をしても妊娠しづらくなる」という事実を、若いうちから知ったうえで判断するべきだと思います。
  • 60代男性 産婦人科医
    35歳ごろから妊娠率が落ちてくることは、産科医なら誰でもうすうす気づいていたのではないでしょうか。あまりに皆様ご存じないので、性教育の内容にも入れています。

妊娠の年齢は早い方がいいとした医師の中では、妊娠・分娩の際にかかる母体への負担や、妊娠率など医学的観点から早い方がよいという見解が多かったように思います。

妊娠率が下がるなどの事実について「未だに年齢のハンディへの理解は乏しい」「皆様ご存じない」というコメントがあり、患者さん側の理解度も現場の医師として困難を感じることがあるようです。
そんな現場の状況からなのか、性教育や妊娠に関する啓発の必要性を訴える医師のコメントが複数見られました。

社会の状況を考えると、一概に早ければいいと言えない

一方で「(妊娠の年齢が早いほうがいいかは)どちらともいえない」と回答した医師からは、社会的な状況を鑑みたコメントが多く寄せられました。

  • 50代男性 産婦人科医
    妊娠・出産、またその後の子育てには経済力などの環境も大切です。従って必ずしも早ければよいとは考えません。ただし妊活してもすぐに妊娠しない場合や、子宮筋腫・子宮頚部異形成などの疾患が存在することもあります。定期的な婦人科検診は受けておいた方が良いでしょう。
  • 30歳男性 産婦人科医
    女性のキャリア形成期と妊娠出産適齢期が重なるため難しい問題ではあります。しかし自身で判断できるように、10代のうちに正しい知識を身につけられるよう若者のための仕組みや人材が必要です。
  • 30代女性 産婦人科医
    妊娠率を考えたら若い方が良いです。しかし女性も社会的に活躍できる現代ですので、妊娠する時期の見極めが難しいです。
  • 30代男性 産婦人科医
    ダウン症などのリスクもあるので早い方がいいとは思います。しかし早すぎる妊娠や責任のもてない妊娠は許容できません。
  • 30代男性 産婦人科医
    単純に妊娠経過だけを考えると早い方がよいのは間違いなさそうです。ただし女性のキャリア形成等を考慮すると、早ければよいというものでもないかと思います。

若すぎても「責任が持てる年齢なのか?」という問題があるとし、経済的な安定が得られる年齢や、社会的なキャリア形成が与える影響に言及しながら妊娠のタイミングの難しさを指摘するコメントが多かったです。

なかには「キャリアと妊娠・出産とを考えながら人生設計をする」ことを勧めるコメントも複数見られました。

他に「縁がありますので」とした医師もいました。
当然のことながら、パートナーと出会うタイミングも影響してくることから、一概に良し悪しをいうものではないとする意見もあります。

高齢出産は合併症のリスクが高まる

「早い方がいい」と回答した医師、「どちらともいえない」と回答した医師、どちらにも共通していたのが高齢出産のリスクについてのコメントです。
学校で教えてくれるわけではないので、具体的にどんなリスクがあるかはなかなかイメージしづらいですよね。

そこで、高齢出産に潜むリスクについて医師に質問してみました。
調査方法としては、高齢出産に潜むリスクについて選択肢を提示し、(経験的に)該当する患者さんが多いものを全て選んでもらう形式で行いました。

結果は以下の通りです。

図2 高齢出産のリスクについて
  • 50代男性 産婦人科医
    高齢の患者さんの流産率は高いです。胎児が原因と思われます。あと体力がないので、疲れやすかったり、早産する傾向が高いと思います。
  • 50代男性 産婦人科医
    高齢では妊娠しにくいです。またダウン症などの染色体異常がおこりやすく、分娩やその後の回復、育児についても若い人に比べると大変そうです。
  • 50代男性 産婦人科医
    30代半ばから流産率は上がってきますし、30代後半からは流産と染色体異常、奇形も確実に増えます。
  • 30代男性 産婦人科医
    高齢初産婦の分娩管理は合併症や難産で特に大変という印象があり、実際に苦慮することが多いです。

このように高齢出産のリスクが、現実的に難しい問題であることがコメントから伺えます。

流産をあげる声が一番多い結果となりましたが、母体にも、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群といった合併症も見られるようです。
他にも早産になったり、帝王切開となる率も高くなることがあるようでした。

高齢出産に関するリスクをなるべく早い段階で知り、いつ妊娠出産をするかを自分であらかじめ考えておくことが重要と感じます

ときに産婦人科医の予想を超える事例もある

  • 60代男性 産婦人科医
    最近42歳の不妊症の患者さんがパーコール洗浄法により2回目の人工授精で妊娠しました。夫の精子も非常に少なかったため本当にビックリしました。

このように、医師が妊娠は難しいと考える事例であっても妊娠することはあるようです。

ただし「有名人が高齢出産したニュースを持ち出す方がいるが、それが全ての人にあてはまるわけではありません」とするコメントもあります。
あくまで確率の問題ですので、高齢での妊娠・出産も不可能ではないですが、珍しい(難しい)ケースになることは意識した方がよさそうです。

妊娠の年齢は、医学的観点では早い方がよい

本調査では、8割以上の産婦人科医が、妊娠の年齢は早い方がよいと回答しました。

しかしキャリアや経済面といった社会的状況を考えると、今の時代ですと早すぎる妊娠も問題です。
女性にとって妊娠の時期は非常に悩ましい状況であると言えるでしょう。

少なくとも、将来的に妊娠・出産を望んでいる女性であれば、妊娠率の低下や合併症の問題など、高齢出産のリスクに関して事前に知っておくことが大事と思われます。

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