男性不妊の受診状況について産婦人科医130人に聞きました

男性不妊で悩む夫婦
男性の不妊治療のきっかけは、8割以上が女性の受診からでした。また、不妊治療に対する姿勢は、積極的かそうでないかは、ほぼ半々に分かれ、人によって分かれるようです。
不妊
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不妊症の原因の半分近くが、男性にもあるという事実を皆さん知っていましたか?

とある医療機関のホームページによると、

WHO(世界保健機構)の不妊症原因調査では、男性のみ24% 女性のみ41% 男女とも24% 原因不明11%と報告されています。つまり男性不妊48% 女性不妊65%となっています。

引用:男性不妊の検査 診断 治療の手順(方針)|東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター(泌尿器科)

※ 編集部注:WHOは正しくは「世界保健機関(World Health Organization)」の略称です。

というように、決して女性だけの問題ではありません

不妊治療というと女性が受診しているイメージがありますよね。
ですが実際は、男性も精液検査、超音波検査、血液検査などの検査を受けることで、不妊の原因を調べるそうです。

今回は、そんな男性不妊の受診状況について産婦人科医約140名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年5月26日〜5月31日にかけて行われ、産婦人科医139名から回答を頂きました。

それでは結果を見ていきましょう。

図1

男性の不妊治療のきっかけは、8割以上が女性の受診から

  • 60代女性 産婦人科
    女性に異常が無くて男性に検査を依頼すると、なかには避ける人もいて進まないことがあります。
  • 50代男性 産婦人科
    やはり不妊は女性の責任という意識は多く、男性が一緒に受診するのはしばらく経ってから。妊娠自体に対する温度差もしばしばです。
  • 50代男性 産婦人科
    女性不妊の患者には早めに精子検査を進めますが、1年くらいしてようやく検査を受ける人は多いです。運動率の不良例も散見されます。
  • 70代男性 産婦人科
    男性から最初に検査に来る人はまずいません。女性が異常ないとわかってから検査する人は多いです。
  • 60代男性 産婦人科
    産婦人科なので、まず女性が受診しますが、男性が無精子、乏精子症のこともかなりあります。
  • 50代女性 産婦人科
    妻が不妊治療した後、ずっと検査を拒んでいた夫が無精子症だったことがありました。
  • 30代男性 産婦人科
    不妊を主訴に来院し、女性のスクリーニング施検査を行いましたが、特に異常なく、男性不妊を疑い、受診を勧めたことがあります。

男性の不妊治療のきっかけを聞いたところ、8割以上が女性の受診からでした。
調査結果からも、男性だけで不妊治療の受診は、ほとんどないようです。

「射精障害など、程度はいろいろですがご本人の自覚より、精液検査でわかったりすることの方が多いです」
「女性の不妊とばかり診ていたが、男性の無精子症とわかったケースもあります」
といったコメントも届いています。

不妊治療をする上では、男性も検査を勧められたら受けた方がよさそうです。

さらに「精液検査は初診時におすすめしないと、どんどん進めにくくなります」という医師もいました。
検査のタイミングを逸するとしばらく切り出しにくくなることもあるようです。

次に、男性の不妊治療に対する積極性についても聞いてみました。

図2

人によって不妊治療に積極的かそうでないか分かれる

  • 50代男性 産婦人科「ある程度積極的である」
    男性一人だと恥ずかしいようで、カップルで来ていただくと夫のほうもリラックスして積極的になれる感じです。
  • 60代男性 産婦人科「ある程度積極的である」
    パートナーの男性に受診するよう伝えると、仕事のやりくりがつけばちゃんと受診してくれます。
  • 40代女性 産婦人科「ある程度積極的である」
    精液検査を嫌がる方はごく稀ですが、積極的に知識を得ていくのは難しい方もおられます。
  • 30代女性 産婦人科「あまり積極的ではない」
    射精障害であることを赤裸々に話され、妊娠するためにどういう手段があるか切り出す旦那さんがいる夫婦を現在治療中です。
  • 40代男性 産婦人科「あまり積極的ではない」
    最近は積極的な男性も増えましたが、すごく積極的な人と、まったく積極的ではない人と二極分化している感じがします。
  • 50代男性 産婦人科「あまり積極的ではない」
    個人による差が激しいと思います。積極的な人も実際にはいます。

このように、男性の不妊治療に対する積極性は、人によって積極的かそうでないか分かれる結果となりました。

「男性自身も挙児(子どもを授かること)を希望される場合は熱心です」というコメントもあれば、「婦人科に足を運ぶのが気が重い方は一定数います」というコメントもあり、個人差を感じます。

不妊治療に対する旦那さんの考え方にもよりそうです。

不妊症は女性だけでなく、男性にも身近な病気

本調査によると、男性の不妊治療のきっかけは、8割以上が女性の受診からでした。
また、不妊治療に対する姿勢は、積極的かそうでないかは、ほぼ半々に分かれ、人によって分かれるようです。

アンケートのコメントを見る限り、なかなか子どもを授からない原因が男性不妊だったというケースが、世間のイメージよりも多いようです。
この記事を読んだ男性がいらっしゃいましたら、「自分は男としてそんなことはないだろう…」とは思わずに、奥さんとよく話をして検査に協力してあげてほしいと思います。

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