男性不妊の原因について産婦人科医130人に聞きました

不妊に悩む男性
本調査によると、男性不妊の最も多い原因は、「乏精子症」で、他にも無精子症、精索静脈瘤、逆行性射精などの原因もあるようです。男性の加齢が不妊症や流産に関係あるかは、影響があるとなしで意見が分かれましたが、日本産婦人科学会によると、女性に比べればゆっくりにしても、加齢による影響があるようです。
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男性の不妊症の原因ってご存知ですか?
女性だとホルモンの関係とか年齢の関係とか、まだイメージできるところですが、男性の不妊と言われると私もあまりイメージがありませんでした。

どうも精子が少ないことや、EDなど色々とあるようなのです。
今回は、まだまだ知られていない男性不妊の原因について、産婦人科の医師にアンケート調査を行いました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年5月26日〜5月31日にかけて行われ、産婦人科医139名から回答を頂きました。

それでは、早速結果を見ていきましょう。

図1

男性不妊の最も多い原因は、「乏精子症」

  • 60代男性 産婦人科
    WHOの精液検査の基準値が引き下げられているように、世界的に精子数は減少しているようです。
  • 40代女性 産婦人科
    精液検査には基準はあるものの、基準を満たせば妊娠可能なわけではなく、基準以下でも妊娠するときはします。
  • 60代男性 産婦人科
    (乏精子症が)多くなってきているように感じます。社会生活の中でのストレスが多いのかとも思うところがあります。
  • 60代女性 産婦人科
    産婦人科なので、まず女性が受診しますが、男性が無精子、乏精子症のこともかなりあります。
  • 40代女性 産婦人科
    頻度が高いのは、乏精子症です。ただし、WHOの定義も変わってきているので要注意です。
  • 50代男性 産婦人科
    最近は6000万/mlを下回る例が多いと実感します。20年以上前は1億いることが多かったように思います。

以上のように、乏精子症に関するコメントが多くみられました。

「乏精子症」についての説明は、以下の通りです。

精液検査において、精子濃度が1mlあたり2000万以下である場合、乏精子症と診断します。乏精子症の原因は精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう:血管のふくろ)、薬剤、全身疾患・最近の高熱、 逆行性射精、内分泌疾患、原因不明など多岐にわたります。精子が全くいない場合これを無精子症と診断します。

引用:神戸大学大学院医学研究科人泌尿器科学分野

つまり、乏精子症とは精子の濃度が少ない状態と解釈すればよさそうです。

男性の精子数については「ストレス社会で減ってしまっている」「世界的に減少傾向なのでは?」といったコメントが見られました。

さらに実際の治療の様子やもう少し具体的に踏み込んだコメントもありましたので、紹介します。

  • 50代男性 産婦人科
    無精子症だと穿刺が必要となるため、関連の泌尿器科を紹介したりしています。その場合でも本来の無精子症は多くなく、逆行性射精だったりするので、穿刺で精子得たりしています。
  • 40代女性 産婦人科
    原因不明が多く、次に精索静脈瘤など治療できる疾患を持っている人も多いです。自然妊娠するケースもあり、手術を踏みきれない男性も多いです。
  • 50代男性 産婦人科
    女性側は問題なかったので、女性に精子採取用の容器を渡して3日間の禁欲ののちに、用手的に採取していただきカウントすると乏精子症だったので、実際に受診していただき、内服治療したところ、基準精子範囲内に回復されました。

このように原因によっては、飲み薬の治療だけでなく、手術や穿刺など外科治療が必要なこともあるようです。

「乏精子症の場合、人工授精、体外受精を検討します」というコメントもありました。

また、「ダイヤモンド☆ユカイさんを引き合いに出す方がいた」というコメントがあったのですが、調べて見ると、2011年に無精子症を乗り越えて子供ができた有名人として、ニュースに取り上げられていました。

お子さんも大きくなって、双子のパパとしてお子さんとイベントにも登場していました。

参照:ダイアモンド ユカイ:双子の息子たちとイベント初登場 “自由”な子供にあたふた

次に、男性の加齢についても不妊症・流産に影響を与えるか聞いてみました。

図2

男性の加齢は、影響があるとなしで意見が分かれる

  • 40代男性 産婦人科 「影響がある」
    女性の加齢による影響は有名ですが、男性加齢も明らかに影響があると思われますので、啓蒙が必要だと思います。
  • 30代男性 産婦人科 「やや影響がある」
    以前は関係ないと考えられていたようですが、新しい知見からは影響が否定できないと思われます。
  • 60代女性 産婦人科 「やや影響がある」
    やはり若い人の方が良いと思いますが、女性より年齢が余り重要ではなさそうです。
  • 60代男性 産婦人科 「あまり影響がない」
    年配の男性の子を妊娠した患者を何人か経験しましたが、不妊、流産に関係ないような印象です。
  • 60代男性 産婦人科 「影響がない」
    加齢というより、社会環境要因のほうが影響しているように思います。

コメントでは、加齢に関係あるという意見と、関係ないという意見が真っ二つに分かれた印象があります。

一方で、日本産婦人科学会のホームページによれば、男性の加齢による影響は、女性に比べるとゆっくりですが、35歳ごろから徐々に精子の質の低下が起こるとされていました。

参照:日本産婦人科学会 病気を知ろう:不妊関連

不妊症は女性だけでなく、男性にも身近な病気

本調査によると、男性不妊の最も多い原因は、「乏精子症」で、他にも無精子症、精索静脈瘤、逆行性射精などの原因もあるようです。

男性の加齢が不妊症や流産に関係あるかは、影響があるとなしで意見が分かれましたが、日本産婦人科学会によると、女性に比べればゆっくりにしても、加齢による影響があるようです。

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