妊娠の初期症状について産婦人科医220人に聞きました

妊娠の初期症状
産婦人科の医師が最も遭遇した妊娠の初期症状は、吐き気、むかつきでした。その他にも、無月経、腹痛、出血、風邪のような症状など色々ありましたが、医師の間では「女性をみたら妊娠と思え」というフレーズがあるようで、妊娠した女性は多彩な症状を呈するようです。
妊娠初期(〜15週目)
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あれ?これって妊娠しているかも…?

妊娠の適齢期の女性にとって、吐き気だったり、生理がこなかったり、いつもと違う体調だと心配になりますよね。
いざネットで調べてみると妊娠の色々と書いてあって、あるサイトでは妊娠の初期症状がなんと17個もあると書いていました。

今回は、そんな妊娠の初期症状について、産婦人科医にアンケート調査を行い、実際の臨床現場ではどうなのかお聞きしました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年6月13日〜6月15日にかけて行われ、産婦人科医223名から回答を頂きました。

まずは、これまで妊娠初期を担当した患者さんのなかで、最も多かった主訴、つまりどんな症状や訴えで受診したかお聞きしました。

図1

妊娠の初期症状は、吐き気、むかつきが最多。他にも色々な症状がある。

  • 60代男性 産婦人科「吐き気、むかつき」
    妊娠するたびに重症の悪阻(おそ)で入院する方がおられました。一般的に4ヶ月過ぎると悪阻は無くなると言われてますが、結構、それ以降も悩む方もいらっしゃいます。吐くのでは無く、「よだれ悪阻」の方もおられました。
  • 50代女性 産婦人科「吐き気、むかつき」
    市販の妊娠検査薬をやってから来院する患者も多いです。絶対に妊娠はない、と言い張る患者の中に流産や異所性妊娠の人もいるので、昔から言う「女性をみたら妊娠と思え」の意識は外せません。
  • 50代男性 産婦人科「吐き気、むかつき」
    本人が妊娠はしていないと思い込んでいる場合があります。人間ドックでの超音波検査で妊娠が判明した方。腹部膨満でMRI検査を受けたら妊娠だった方(紹介された患者ですが・・・)。「若い女性を見たら妊娠を疑え」は肝に銘じています。
  • 50代男性 産婦人科「その他(無月経)」
    分娩後一年近く無月経の方でした。本人にしつこく妊娠の可能性はないかと尋ねるも、本人は絶対ないと否定されていましたが、エコーで胎児がおもむろに手を振ってご挨拶されたことがあります。
  • 40代男性 産婦人科「その他(月経の遅れ)」
    いわゆるつわりが出るまで時間があるので、一番多いのは月経のおくれ、続いて眠気やだるさなどの風邪のような症状と思います。
  • 30代女性 産婦人科「腹痛、腰痛」
    妊娠反応が出た人が受診した場合は、切迫流産の診断に関係する腹痛と出血の症状を聞くようにしていますが、患者さん自身も心配であるため、症状があるときはよく訴えられます。
  • 60代男性 産婦人科「感冒様症状(頭痛、鼻水、微熱、倦怠感)」
    きつい、だるい、眠いが先に来てから、むかつきに気づくものが多いように思います。妊娠反応陽性を見てから、急に症状が出始めるものも多い印象です。
  • 30代男性 産婦人科「胸の張り、痛み」
    胸の張り、痛みのため、次の月経予定日より前に妊娠検査薬を用い、陽性になった、と外来受診される方がいらっしゃいます。

妊娠の初期症状で最も多かったは吐き気、むかつきでした。

なかには「つわりを胃腸炎と間違わないように」というコメントがありましたが、妊娠悪阻と気づかずに内科に受診し続けるケースがあるようです。

他にも、無月経、腹痛、出血、風邪のような症状など色々な症状・訴えがあり、「その他」のほとんどは、月経の遅れまたは無月経の回答でした。

「女性をみたら妊娠と思え」というフレーズが見られましたが、はっきりしない症状、多彩な症状で受診した結果、実は妊娠していたということが背景にありそうです。
わたしたちも、体調に異変がある際は思い当たることがないか考え、必要に応じて内科ではなく婦人科・産婦人科を受診したほうがいいかもしれませんね。

次に、妊娠に特徴的と言われる着床出血とおりものについて、診療の場で出会ったことがあるかを聞きました。

図2

着床出血を診察した医師は、半数程度

  • 60代男性 産婦人科
    日にちを逆算すれば、着床出血である事が判明することはありますが、それほど多い印象はありません。
  • 50代女性 産婦人科
    着床出血というか、月経の時期に少量の出血があって、いつもと違う出血量であるが月経だとカウントしていた人は結構います。月経と患者さんが言っても良く聞くと少量だったり、いつもと違ったり微妙に時期がずれていたりします。
  • 60代男性 産婦人科
    予定月経の頃に出血があったため、妊娠に気づくのに遅れるケースがあります。そのような場合、月経と思われた出血が着床期出血であったことが判ります。
  • 70代男性 産婦人科
    月経時に相当して月経様の出血を認めることがあります。妊娠とは思わずに後で妊娠とわかることがあります。
  • 60代男性 産婦人科
    (出血があったために)流産か子宮外妊娠かと疑って経過を見ていたら正常妊娠だったということもあり、ただの着床出血でした。

着床出血を診察した医師は全体の半数にとどまりました。
コメントにもあるように、必ず着床出血があるわけではないようです。

月経の時期と同じタイミングに着床出血が見られると、それが着床出血かどうかの判断は医師にも難しいようでした。

図3

おりものの変化に出会った医師も、半数程度

  • 60代男性 産婦人科
    妊娠成立時、着床する場所に絨毛組織が侵入する為、子宮内膜から必ず出血します。その少量の出血が子宮頸管・腟腔を通過する間に酸化され黄褐色に変化する為、全ての妊婦の帯下は最初から黄褐色です。
  • 60代男性 産婦人科
    妊娠初期から膣分泌物は増加しますので、その旨説明をします。痒みがあればカンジダ膣炎の可能性があるので検査、必要があれば治療します。
  • 40代男性 産婦人科
    おりものも変化があることが多いので、かゆみなどなければ、あまり心配しなくてよいと言っています。
  • 70代男性 産婦人科
    性状は水溶性や粘稠性などさまざまでした。また変化のない場合も多くありました。
  • 50代男性 産婦人科
    膣分泌物の増加とかゆみで受診し、月経を確認したら遅れており、妊娠を確認しました。

おりものの変化を診察した機会のある医師も、全体の半数でした。

そもそも妊娠すると帯下(=おりもの)の増量・臭気の変化・粘調化など様々な変化があるようで、人によって異なる場合があるようです。
白色・粘調・増量の大部分は生理的な症状というコメントも見られましたのでご参考までに。

一方で、白く、酒かす状の時は、カンジダ膣炎という病気の可能性もあるそうですので、そのような場合は医師に相談するのがよさそうです。

妊娠の初期症状は、吐き気、むかつきが多いが人によって異なる

本調査によると、産婦人科の医師が最も遭遇した妊娠の初期症状は、吐き気、むかつきでした。

その他にも、無月経、腹痛、出血、風邪のような症状など色々ありましたが、医師の間では「女性をみたら妊娠と思え」というフレーズがあるようで、妊娠した女性は多彩な症状を呈するようです。

着床出血、おりものに関しては、人によって異なるようですが、特におりものが白く、酒かす状の時は、カンジダ膣炎という病気の可能性もあり、その場合は医師に相談するのがよさそうです。

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