妊活をしているのに、なかなか子供ができない…。
妊娠を望んで取り組んでも妊娠に至らない状況が一定期間続くと、不妊症と呼ばれます。
不妊症は原因不明のこともあるようですが、日本生殖医学会によれば、3大原因と呼ばれる原因があり、排卵因子、卵管因子、男性不因子と紹介されていました。
それでは、実際に現場の医師は、不妊症の原因をどのように考えているのでしょうか?産婦人科医にアンケート調査を行いました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年6月19日〜6月23日にかけて行われ、産婦人科医175名から回答を頂きました。
まずは、産婦人科の現場で経験した不妊症の原因をお聞きしました。

不妊症の原因は、月経周期の異常と子宮筋腫・子宮内膜症が多い
- 50代女性 産婦人科「月経周期の異常」
月経不順のある不妊症の人は比較的早く受診されますが、異常がない方は不妊期間が長くなってから受診される傾向があります。 - 40代男性 産婦人科「月経周期の異常」
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)に代表される、無排卵性周期での不妊が多い印象です。 - 60代男性 産婦人科「月経周期の異常、月経量・期間の異常」
無排卵や定期的な排卵が無い場合が比較的多かったですね。また黄体不全症などもあります。 - 50代男性 産婦人科「子宮筋腫・子宮内膜症」
子宮内膜症患者の不妊治療は、内膜症のない患者と比較して、難治性となることが多いです。 - 50代女性 産婦人科「子宮筋腫・子宮内膜症」
排卵障害は比較的よくみますし、最近は患者さんの高年齢化に伴い子宮筋腫や子宮内膜症の頻度も増えてきています。 - 40代男性 産婦人科「子宮筋腫・子宮内膜症」
子宮内膜症の治療後には早期の妊娠をすすめています。 - 40代女性 産婦人科「性感染症・骨盤腹膜炎」
炎症疾患があると、せっかく妊娠しても子宮外妊娠や流産といった残念な経過をたどることもしばしばです。 - 30代男性 産婦人科「性感染症・骨盤腹膜炎」
若くしてもクラミジアの影響で不妊となる方も意外と多い印象です。 - 60代男性 産婦人科「性感染症・骨盤腹膜炎」
クラミジアで骨盤を超えて肝臓まで炎症があった例を散見しました。 - 30代男性 産婦人科 その他
タイミング合わせがうまくいってない場合やPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)に伴う排卵障害が多いと思います。
不妊症の原因として、多く挙げられたものは、月経周期の異常と子宮筋腫・子宮内膜症でした。
年齢が高くなるほど、子宮筋腫・子宮内膜症を発症しやすく、そのため不妊症になるようです。
また性感染症では、クラミジアを挙げていた方が多く、なかには肝臓まで達していたというコメントがありました。
他にも、男性不妊、卵管性不妊などが挙げられていましたが、原因不明の不妊症も多い、というコメントもありました。
いずれにしても妊活してもなかなか妊娠に至らない時は、病気がないか受診する必要がありそうです。
さて、1つ目の調査では主に不妊症の体の病気に関して聞きましたが、セックスレスが原因で妊娠できないことがあるのかも聞きました。

セックスレスや回数が少ないことで不妊のことも
- 50代女性 産婦人科「少ない」
初診時は多くはないですが、よく聞いてみると、というのはあります。さらに治療経過で男性側の鬱発症も関連してED(勃起不全)になることもあります - 30代女性 産婦人科「少ない」
多くはないですが、あります。あとは、セックスレスではないですが、忙しくてちゃんとタイミングをとれてないケースは多いです。 - 50代男性 産婦人科「多い」
なかなか他人に相談しにくい状態ですので、実態を把握しづらいところはありますが、問診で尋ねるとかなりの割合でいらっしゃいます。 - 40代男性 産婦人科「多い」
セックスレスとは言わないまでも、回数が少なすぎるのはよく経験します。 - 50代男性 産婦人科「とても少ない」
患者さんが前提ですから、不妊治療で診ることはさすがに少ないです。不妊症の原因としてはある程度あるでしょう。 - 50代男性 産婦人科「とても少ない」
セックスレスというよりも、夫がしてくれないというのか、結婚してから全然していない夫婦を何例か診ました。 - 60代女性 産婦人科「とても多い」
セックスレスなのに妊娠希望といわれても、困ります。中には排卵日一回だけですませたいというような方もいて、対応が難しいです。
セックスレスが原因にある時は「少ない」が4割以上と一番多い回答でしたが、次に「多い」という回答も3割ありました。
不妊治療の外来に来ている時点で、そんなことはないと思うかもしれませんが、聞いてみると実はセックスレスだったり、回数が少なかったりしたというケースがあるようです。
妊娠しない場合は、不妊症の確認のため受診を
本調査によると、不妊症の原因として、多く挙げられたものは、月経周期の異常と子宮筋腫・子宮内膜症でした。
不妊治療の外来に来ている時点で、そんなことはないと思うかもしれませんが、セックスレスだったり、回数が少なかったりして不妊というケースもあるようです。
妊活してもなかなか妊娠に至らない時は、こうした病気がないか確認のため産婦人科を受診しましょう。